あのスープの味を再現してみたら……意外な結果に驚愕!?
ちょっと前に夫婦で京都旅行に出かけていたときのことです。京都のおばんざい等を出すお店で料理とお酒を堪能して、その後にふと思ったのです。「あの料理ってすっごい美味しかったけど、日清カップヌードルのスープに味が似てない? いや、似てるよね?」と。
妻には「はあ? ……似てないとおもうけどなぁ……」と言われましたが……。
「あの料理」とは若狭かれいの一夜干しを最初は刺身で、次に焼き物で、そして最後に残った骨を炙ってお吸い物に仕上げた料理。そのお吸い物のコトです。
京都の町家造りの、風情のある渋〜いお店の、その料理を取っ捕まえて「カップヌードル」とは……。我ながらアレな味覚と形容かと思ったんですが、暫く経ってもやはりあの味は「日清カップヌードルのスープ味」だったと。インスタントラーメンといえども、国民的な、いや世界的にポピュラーな食べ物です。実はすっごく凝った隠し味を使っているんじゃないかと。そしてそれを家で再現出来れば、さぞかし美味しいんじゃないかと。
つまり京都のお吸い物を再現するんじゃなくって、若狭かれいの一夜干しの骨を炙ったのをだし汁に使って、日清カップヌードルのスープを再現してみようというわけ。ついでにあの通称「謎肉」っていうかコロチャーっていうんですか? あの四角い肉。それも一緒に再現したらばさぞ感動するんじゃないかと!
「バカじゃないの? で、ソレ誰が作んのよ?」
アナタ様です。
「はあ〜っ、でスープは良いとしてコロチャーはどうすんのよ? 何が入ってると思うのよ?」
いやあ……だだの乾燥肉だけじゃなくてアンチョビみたいな味もしたような気が……。
「そんなもん作って、どんだけコストかかると思ってんのよ……。カップヌードル買って来て食べれば良い話じゃん」
ソレを言ったらミモフタもないしサ、きっと面白いと思うしサ。どうにかタノム! お願い! と渋る妻をなんとかなだめすかして作ってもらったのでした。
2種類のスープで近い味を再現してみる
「まあとりあえず、アナタの言うようにスープを作ってみるけど、それじゃあダメだと思うから私の考えたバージョンも作るからね」とのこと。そりゃあそうですよね。私のは単なる、キッカケ、思いつきに過ぎませんもの。
まずは前の晩にかれいの一夜干し(若狭かれいは手に入りませんでした)を食べます。美味しかったです。
それの骨を2尾とっておきます。
そしてコレが全体の材料。
事前に干し椎茸と干しエビの戻し汁を用意。干し椎茸小サイズ4枚と干しエビ大1〜大1.5を水500ccで戻しておきます。
戻す時間は4〜5時間といったところ。
それから乾燥ネギは両方のスープに使います。材料はこんなもんです。
[スープその① かれいの干物編(私のアイデア)]
- かれいの干物2尾分の骨
- 昆布だし汁400cc
- 干し椎茸(水で戻したのを使う)小サイズ4枚
- 干し椎茸と干しエビの戻し汁大2
- 塩少々
- 薄口醤油小1
- 白コショウ少々
で、かれいの干物の骨をトースターで焦がします。
焦げすぎないように注意。写真だとちょっと焦がしすぎた部分も。
水400ccに昆布だしの素と塩少々を入れて火にかけます。
干し椎茸を刻んで入れます。
次に干し椎茸と干しエビの戻し汁大2を入れ、かれいの骨を投入し暫く煮ます。
最後に薄口醤油小1を入れ、白コショウをふってスープその1の出来上がり。
[スープその② 肉スープ編(妻のアイデア)]
- 干し椎茸と干しエビの戻し汁300cc
- 水100cc
- 牛肉ダシダ大1/2
- 鶏がらスープの素小2
- メンマの残り汁大1(袋に入っているメンマの汁だけ使う)
- 醤油小1
- 薄口醤油小1
- 白コショウ少々
- 黒コショウ少々
メンマの残り汁はこんなの。
水100ccと干し椎茸と干しエビの戻し汁300ccを鍋に入れ
水で戻した干しエビもそのまま使います。
メンマの残り汁大1を入れ
牛肉ダシダ大1/2を入れ
鶏がらスープの素小2も入れ
醤油と薄口醤油小1、白コショウと黒コショウ少々を入れて温めたら出来上がり。
最後にコロチャーを作ります。
材料はこんなもんです。
- 合い挽き肉山盛り大1
- おから大1
- コンビーフ大1/2
- 牛肉ダシダ小1/2
- アンチョビペースト小1/4
- コーンスターチ大1
- 水大1
材料を混ぜ合わせ
よく練ります。
トースター皿にアルミホイルかオーブンペーパーを敷き、種を薄く広げて形を整えます。
オーブントースターで5分焼きます。
焼き上がりを四角くカットし
フライパンに油をひいて揚げ焼きにします。
出来上がり!
まずは味見でございます
お椀2つに乾燥ネギを入れ、コロチャーを入れます。
それぞれにスープその①とその②を注いで、いざ味見でございます。
まずスープその①かれいの干物焦がし骨入りです。
う〜ん、まあまあ、似てなくもない、かな〜っといった感じ。美味しいんですがね。
お次はスープその②の肉スープ、妻の考えたバージョンです。
コレはなかなか似てます。うん、かなりイイ線いってます。
でも、なんだろう? まだまだか……。そうだ!
スープその①とその②を混ぜぢゃいます。
コレは…おお〜っ!
完璧! ク・リ・ソ・ツ・です!
いやあ、日清のカップヌードルは侮れません!
レシピはこの通りではないにせよ、意外に複雑なことをしているんじゃないでしょうか。
当然のことながら、コレはスープだけじゃなくて中華そばを入れて食べないといけませんね!
出来上がりです。
こ〜んな感じ。
うん! 間違いない! 旨い! 日清カップヌードルです(自家製の)!
でもちょっと麺が違うかな。
麺はさすがにしょうがないよね。
さらにアレンジ!
麺が違うせいなのか、味はソックリなのにたくさん食べたくなる感じじゃありません。ほんのチョッピリで良い。居酒屋さんとかにあると評判になりそうです。
とかの短冊があったら嬉しいかな。
でも、せっかくだからちゃんとガッツリ食べられる料理にしたいですね。
そこで妻のアイデアでスープ炒飯(私はリゾットというアイデアを出したんですが却下)にしてみました。
材料はこんなの。
生のネギと卵も用意。
フライパンにご飯とコロチャーと卵を投入してザッザッと炒めて炒飯を作り、最後に刻んだネギを投入して出来上がり。
さっきの自家製カップヌードルのスープを温めて、炒飯と一緒に出します。スープの方には乾燥ネギを入れます。
炒飯には味がついてないので、食べる時にスープをかけて頂きます。
コレは旨いです。うん、散々呑んだ後の〆に最高!
居酒屋さんのメニューにあったらスゲー嬉しい。
とか短冊あったら嬉しいかな。
家で作るとなるとメンドイ料理なんですよね、コレが……。
で、誰かが小さな声でささやくんですよ。
「だったら日清のカップヌードルで作れば良いじゃん」