いま大注目の食都、四国・高知の珍味「パイレン」「コブリ」って知ってる?

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みなさん、四国の高知県に行ったことはありますか? 私は大学進学て東京に出てくるまでの19年間を高知県で過ごしました。今は東京に住んでる年数のほうが長くなりましたが、ここ数年は高知でライブをする機会が増えたりSNSを通して高校時代の同級生との再会が増えたりと帰省する回数が増えています。東京在住の友人知人に「高知って何が有名なの?」って聞かれることが多々あるんですが、そのたびに驚いてしまいます。

 

「え!そんなに高知って有名じゃないの?」って。

 

じゃあ、まず場所から。ここですよ、ここ。

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ま、冷静に考えると即答できる高知で有名なものって坂本龍馬と、カツオのたたきくらいかもしれないですね。あとは、柚子、芋けんぴとか。うむむ…ちょっと地味かな。

今回は、そんな故郷・高知でプチ同窓会&ライブがあるので帰省がてら高知グルメの紹介をしてみようかと思い立った次第です。ただし、有名なグルメではなくて高知県民でもなかなか知らない&食べることが難しいほどレアな「謎のメニュー」をご紹介しようかと思います。

 

江戸時代から続く日曜市は、高知の旬がいっぱい

まずは高知の食の台所から。ここ高知市の中心地では、毎週日曜日になると高知城の城下ストリートの追手筋にて「日曜市」なる市が開催されます。

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高知城の追手門。ここのすぐ脇から日曜市は始まります。

 

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300年以上の歴史を持つ日曜市。約1.3km続く通りは地元客&観光客でにぎわい、新鮮な野菜や果物はもちろん、金物や打ち刃物、植木などが売られています。

 

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なにはなくとも、屋台に並んだ野菜たちの色鮮やかなこと!南国の太陽を浴びた真っ赤なトマトや、

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新鮮なナス、ゴーヤーがどっさり。美味しそうでしょ?

 

謎のメニュー「パイレン」の正体は漁師料理

さて、日曜市散歩が終わり、市内にある居酒屋「びっくりどり愛宕店」にやってきました。どうやら冒頭にも書いた「謎のメニュー」がここで食べられるのです。というか、他の店では扱ってすらいないシロモノらしいんです。

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場所はJR高知駅からも歩いて行ける距離。目的のメニューは2Fフロアにあります。

 

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このお店、メインのメニューは店名にもあるように骨付鳥高知の地鶏土佐ジローや、はちきん地鶏、坂本龍馬が愛したしゃも等の鳥肉です。

 

がしかーし!私の目当ては鳥肉ではなく謎のメニュー。その名も「パイレン」と「コブリ」という料理なんです。

 

その名前からしてどんなものなのか想像すらつかないのですが、お店に電話をして事前に確認をしておきました。聞けば通常のメニューには載せていないとのこと。それでも

 

パイレンは通常はメニューに載せてないきねぇ、付き合いのある漁師に頼んでおきますぅ

 

とお店の社長。ありがたいことです。

開店時間と同時に入店して、オーダーして待つこと5分。さっそくパイレン」がテーブルに運ばれてきました。

 

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みなさん、これ何かわかりますか?

実はカツオのハラミ(つまりトロの部分で、高知では"ハランボ"と呼ぶ)を塩と酢に漬け込んで柔らかくした逸品。本来は、漁師が船上でカツオの中落ちの付いた骨を塩漬けにして酢で塩を洗い流しながら骨にしゃぶりつくんだそうです。そう考えると、お店で出させるパイレンは洗練された上品な仕上がりになってますね。

 

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気になる味は非常にさっぱりとした酢締めのお刺身といった感じ。高知の柑橘「仏手柑」を絞って、爽やかな酸味を足したらいっそう切れ味も出てきます。

 

お店の社長さんの話でぶっ飛んだのが「パイレン」という名前の由来。なんと工具のパイルレンチから取った名称との事。「船の上で力ずくで何でも食べる」からなんだとか。なんと大胆過ぎるネーミング!

 

もうひとつの謎のメニューもご紹介したいと思います。それが「コブリ」

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こちらはカツオ、玉ねぎ、ニンニク、味噌を使った、いわゆる"なめろう"のような料理でした。刻んだ生にんにくのパンチが効いている上、味がかなり濃厚なので日本酒のアテにはぴったり。 パイレン同様、名前の由来を社長に質問したところ

 

ん?聞いたけど酔うちょったき覚えてない。今度聞いちょきます

 

とのこと。はい、ありがとうございます。

 

お店情報

びっくりどり愛宕店

住所:高知高知市愛宕町1-3-19-2F
電話番号:050-5265-5856
営業時間:17:00~23:00
定休日:不定休

 

地元ではおなじみの名物!チャンバラ貝&ウツボのたたき

そろそろ同窓会の時間がやってきたので、びっくりどりから徒歩約10分の「大吉」に移動。 ここは今までも何度か訪問している有名居酒屋です。

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実はここ、平日でも予約必至なくらいの話題のお店なんですが、これまた高知市内てはこのお店でしか食べたことがないレアな料理がありまして。そちらを紹介したいと思います。

 

ただしそのメニュー、料理名が変更になってました。 今までは「○○ゴロシ」だったのですが、クレームが付いてしまい「マグロの尾の身」に変更を余儀なくされたとのこと。そんな事情で結構フツーの料理名になっちゃってるんですが、大吉以外では見たことないメニューなので、是非取材させてほしいと懇願して承諾をいただきました。同級生も一緒に「高知らしいメニューをぜひ!」と大盛り上がり。

 

これが大吉名物「マグロの尾の身」高知県東部の室戸市の郷土料理です。ところが室戸市内の 友人に尋ねるも「室戸でも出してる店を知らない」とのことなので、かなり珍しいメニューでしょう。

 

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さらに高知県民にはチャンバラ貝も注文。 チャンバラ貝は長い楊枝を使って身をひっかき出すサマがチャンバラをしてるように見えるから付いた名前かと想像できますね。

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この貝の正式名称はマガキガイといいまして、鹿児島県の奄美地方ではトビンニャ 、沖縄ではティラジャーという名称で呼ばれていました。高知ではオツマミの定番となっています。

 

最後にもう一皿、郷土料理を。それがジャーン!「ウツボのたたき」

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白身で意外にさっぱりした味わいなんですが、皮のゼラチン質がクセになる食感。

 

いかがでしたでしょうか、高知の裏&表の郷土料理。今回紹介できなかったお店にも高知独自の食材、料理を出す名店が多数存在するので、ぜひ現地を訪れて楽しんでほしいものです。

 

繰り返しますが、パイレンは「びっくりどり」のメニューには載ってない料理なので、くれぐれもお店に事前確認のお電話を。

 

さて次回の帰省時はクエ鍋と熱燗でもやりますか。あとトサカの刺身もね。

 

お店情報

大吉

住所:高知高知市帯屋町1-15-13
電話番号:050-5572-1057
営業時間:17:00~23:30
定休日:日曜、祝日

 

書いた人:DJ SASA

DJ SASA

ミュージシャン、DJ歴25年。スカ、ロックステディ、レゲエ、カリプソ、ハワイアン、沖縄音楽など、アイランドミュージックのプレイを得意とする。2003年からCD企画制作を開始し、80枚以上のCDを企画・制作・監修。2012年には沖縄県渡嘉敷村観光大使に任命されている。

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