「ウイスキーをぶっかけたらうまくなるもの」で打線を組んでみた

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調味料としてウイスキーを考えてみる

こんにちは、ちみをです。蒸留酒はウイスキーが好きです。

 

おやじが夜ごと淡々と「ビール→ウイスキー」のルーティンをこなすのを眺めて育った人間なので、自分もソックリそのまま同ルーティンを相伝しました(糖質を気にしてハイボールも組み込みますが)。

 

そんなウイスキーを飲み進めていく日々のなかで、最近ふとしたことに気がつきました。よくリキュールをアイスクリームにかけて食べたりするじゃないですか。

それと同じ発想で、

「ウイスキーも、実は調味料としてのポテンシャルがあるのでは?」

と思ったのです。

 

思い立ったら試してみたくて仕方がない。

「とりあえず、いろいろぶっかけてみるか……」と、軽い気持ちでいろいろな食材にブッかけまくりまして。

まあせっかくなので(なにが)わかりやすく打線に仕上げてみました。私の試行錯誤の様子をどうぞご覧下さい。

 

※ちなみに煮込んでソースにしたり、食材を漬けたりなどの手間のかかることは一切せず、かたくなに「ぶっかけるだけ」を貫いてます。

 

食材その①「バニラアイス」にぶっかけてみる

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とりあえず他のリキュールと同様にバニラアイスへ。

「ブラックニッカ ブレンダーズスピリット」をバシャっと。

うますぎます。

 

アイスのモファっとした甘みとバニラ香 vs ウイスキーのアルコール刺激&チョコレート香が口内で溶け合い、ふくよかなドつき合いを繰り広げます。

当然アイスクリームなので、口内で溶け進むと性急に食感や香りも変化していくのが魅力。派手さやスキのなさを兼ね備えたこの感じは、3番サードあたりを思わせます。

 

バニラアイス→3番サード

 

アイスは少しだけ常温においてからのほうが良いようですね。

 

食材その②「プリン」にぶっかけてみる

甘いもの系は良さそうなので、お次はプリンに「ブラックニッカ ディープブレンド」をバシャっと。

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これもバチコン来ました。

間違いなく合います。

 

甘いプリンと、深めの香りに甘みがありつつアルコール感の少ないこのウイスキーとの柔らかな巡り合いは強い愛すらを感じます。

バニラアイスに合わせたときに近いスキのなさがありますが、底面に沈んだカラメルを掘り起こしウイスキーを絡めて合わせるとまた表情を一変させるのもうれしい。

 

プリン→2番ショート

 

状況に応じて表情を変えられるテクニシャンなプリンは2番ショートに配置。

バニラアイスとの三遊間が確定。

 

食材その③「メロン」にぶっかけてみる

ではフルーツにいってみましょう。

甘みも香りも強いものが合いそうなのでメロンをチョイス。

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これも「ブラックニッカ ディープブレンド」をバシャっと。

 

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いいぞ、メロンも全然負けてない。

 

ファーストコンタクトではメロンもウイスキーもその強い主張をゆるめないにもかかわらず、口内に含んでいるうち、時間をかけてじっくりとなじんでいくタイプの調和があり、まるでドン・フライ vs 高山戦を見ているかのような、「戦いを通してしかわかり合えない不器用な友情」を感じます。

 

メロン→5番ファースト

 

どっしりと重量感あるこの組み合わせはココ。

よく熟したメロンが良さそうです。

 

食材その④「生ハム」にぶっかけてみる

「生ハムメロン」が鉄板ならば、メロンと相性が良い生ハムにバシャっとやっても良いのでは?

との推論から「ブラックニッカ ブレンダーズスピリッツ」をぶっかけて実食。

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駄目ですね。

ぜんぜん駄目です。

 

かける銘柄にもよるかもしれませんが、生ハムの塩気と食感がウイスキーといさかいを起こします。徐々に細かいあつれきの修復が難しくなってきた結婚10年目程度の夫婦を思わせます。

 

生ハム→二軍でスコアラー

 

普通にアテとして、別々に食べれば良く合っておいしいんですが……。

 

食材その⑤「6Pチーズ」にぶっかけてみる

さらにおつまみ系を開拓していきましょう。

アイスクリームが良かったのであれば同じ牛乳由来のチーズに。

「グレンフィディック15年」でいってみます。

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チーズが負けてますね。

 

6Pチーズでは香りが弱くウイスキーに敗北、あと表面がツルンとしてウイスキーを弾くのでなじみも良くない。これはたぶん、もっと香りの強い固めのチーズだと良さそうです。

 

6Pチーズ→ファームで調整

 

これは研究の余地あり、です。

 

食材その⑥「スモークサーモン」にぶっかけてみる

次は魚介類を開拓しましょう。

スモーク香のあるウイスキーとは、とうぜん相性が良いのでは?

あいにくアイラモルトなど煙たいのはストックがなかったので、多少のスモーク香を感じる「ブラックニッカ ディープブレンド」で試してみます。

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これは微妙。

 

スモーク香がぶつかってよくわからなくなりました。

別々で食べたほうが良いタイプですが、銘柄とサーモンの種類によってはいけそうな気もします。

 

スモークサーモン→8番ライト

 

まだ開発余地がアリそうなのでとりあえずライパチ君。

別々に食べると最高なのに、なかなか難しいですね。

 

ですが、魚介はまだ諦められない……。

 

食材その⑦「鯖(サバ)缶」にぶっかけてみる

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食材その⑧「うなぎの肝焼き」にぶっかけてみる

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食材その⑨「アサリの佃煮」にぶっかけてみる

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ス、スリーアウトチェンジィィィ!!!!!!!!!

 

ぜんっぜん駄目、どの銘柄かけてもぜんぜん駄目。

生臭さとウイスキーの徹底的ななじまなさが嫌悪感すら感じます。

しかし、どれも別々にウイスキーのアテで食べると非常に良いんですよね……なんなんだろう……。

 

じゃあもうこれしかないですね。

ウイスキーの本場アイラ島では超メジャーと言われる、これいきましょう。

 

食材その⑩「生牡蠣(カキ)」にぶっかけてみる

もうドッサリ用意しました、厚岸産。

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かの村上春樹氏も、著書『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』で「牡蠣の潮くささと、アイラ・ウィスキーのあの個性的な、海霧のような煙っぽさが、口の中でとろりと和合する」と言及しており、勝利の予感しかありません。

 

それでは、開封!

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身が詰まってうまそうです。

ではウイスキーをかけてジュルッと……。

100対0!!! 0.2秒でコールド勝ち!!!!!!
死ぬほどうまい!!!!!!!!!!!

 

いやあ幸せとはココにあったんですね……困惑します……。

というかこの時期は、なかなか都内で生牡蠣が手に入らず大変でした。

結局、実家が牡蠣の産地なので帰省中にブッかけて来ました。

 

ブッかけるウイスキーも牡蠣と同じ「厚岸産」を用意。

牡蠣もウイスキーも、同じ土地からほとばしる生命と歴史を存分に浴びて生まれた、いわば兄弟、もしくは、あらかじめ決められた恋人たちのようなものであり、潮風、煙を感じるこのウイスキーは生牡蠣の磯の風味やワンテンポ遅れてくるミルク感と複雑に混ざり合いながら霧深くほの暗い空へ向かってカッ飛びます。

 

生牡蠣→4番でエース兼監督

 

アルティメット地産地消。

他の魚介はさんざんだったのに、何でしょうこの別格感、年俸3億円↑クラスの超大物です。

 

ちなみに「ボウモア12年」もブッかけましたが、こちらも無人島を食っているのではと思うような爆スケールのうまさでした。

 

食材その⑪「刺身醤油」にぶっかけてみる

実家で刺身が出たので「寿司醤油にウイスキーはけっこうイケる」というのをなんかのブログで読んだこともあったので、じゃあもうやってみましょうと。

多めが良いらしいので「ウイスキー2:醤油1」でチャレンジ。

 

実家に合った謎の高そうな昆布しょうゆと「ボウモア12年」を使用。

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ソイでやってみます。

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おおおおカナリ良いぞ……!

思いのほか醤油とウイスキーは相性が良く、「あれ、こういうのあるよね?」ってくらいのガッツリ結合し、ひとなめで「あーうまいわ」って理解のできるスピード感があります。

 

当然、調味料としての「塩気」がウイスキー投入により落ちるので刺身はタップリめにつけるのですが、それによりまたボウモアの攻撃力と昆布しょうゆのグルタミン感がタップリ目に口内へ飛び込んでくるため、一緒になってタンパクなソイを盛り上げます。

 

刺身醤油→1番レフト

 

意外にもかなり安定感のある取り合わせ。刺身以外にも使えるかも。

というかこの醤油だけをなめながらでも十分ウイスキーが飲めます。

ふー。なかなか良い食べ方があれこれと開発できたな……と思ったところで自宅に戻り、ふと台所に目線を飛ばすとコレまたヤバい食材がありまして……。 

 

食材その⑫「シベリア」にぶっかけてみる

これは試さざるを得ません。

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この「ようかんをカステラでサンドしたもの」という和食とも洋食ともどちらともつかない謎の食べもの「シベリア」へ、何故か「山崎」を染み込ませていただくことに……。

 

って、おおお、ようかんとウイスキーって合うのか!

 

ウイスキーがカステラ部分に染み込み洋風スポンジケーキ風に変貌したのち、カステラ部分と癒着しているようかん部分との重量感満点な接近戦がバチバチと始まります。

 

かみ締めるごとにカステラからウイスキーがじゅうじゅうと染み出すあの感じもまたたまらない。

 

おそらくはようかんに直接かけても相性は良くないでしょう、外側のカステラを1回経由するからこそ、このマリアージュが生まれるようです。

 

シベリア→6番センター

 

下位打線の要ですね。肩も強そう。

……という感じで以上、打線はこのようにまとまりました。

 

「ウイスキーをぶっかけたらうまいもの」打線

1番 レフト 刺身醤油
2番 ショート プリン
3番 サード バニラアイス
4番 ピッチャー(兼監督)生牡蠣
5番 ファースト メロン
6番 センター シベリア
7番 該当者なし
8番 ライト スモークサーモン
9番 該当者なし

 

とりあえず生牡蠣はほとんど大谷級。

 

しかしスタメン入りできる食材と箸にも棒にも掛からない食材の差が激しく、下位打線で人手不足という結果に。

 

結論

  • 調味料としての難易度は少々高いが、特定食材には異常なほどに合う
  • 甘いものとの相性は鉄板
  • 牡蠣以外の魚介系は全体的に厳しい

打線が組めるほど良相性の食材は発見できず、フットサルくらいならできそう、という感じとなりました。うーむ残念。

 

ただ一部食材との相性は超絶良いので、かなりの開発余地はあると感じております。

ぜひ有識者の皆様、オススメあれば教えてください……。

 

なんにせよ、生牡蠣×ウイスキーを未体験の方は絶対やってください。頭の中で165キロのストレートが駆け抜けます。

 

それではまた。

 

書いた人:ちみを

ちみを

1980年生。銀河で一番美味しく飯を喰らい酒を呑む才能を持ち、食と何かを無理やり結合させることを得意とする食コンテンツサプライヤー。昼はしめやかにリーマンを営む。好きな言葉は「牛飲馬食」。好きな女優は「80年代のかたせ梨乃」。

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