コーヒーの達人に「生豆のセレクト、焙煎、抽出から飲むまで」の最高の方法を訊いてきた

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芳醇なコーヒーの香りに包まれて、ゆっくり読書でもしたい気分のときってありますよね。

コーヒーが大好きな筆者は、一年中毎日コーヒーを飲んでいるわけで、

正直いつもは適当に豆を挽いて適当に淹れているわけで、

それでも挽きたて淹れたてなんでわりと美味しいのですが、

やっぱり特別な日には、一段上の、

超超美味しいコーヒーが飲んでみたいとか思ったんですよ。

 

近頃はサードウェーブコーヒーとかいって、ハンドドリップのコーヒーが流行ったりしてますが、

それじゃ飽き足らない。

そんなおしゃれなもんじゃなくて、もっと奥深く、渋いのが良いのです。

そして、できたらそれを自分で淹れて、家で飲みたい。

そう、自分コーヒーを極めたいのです!

 

そんなわけで、究極の自分コーヒーを求めて、

ガチの自家焙煎コーヒー屋さんに修行に行ってきましたよ。

(えっと、1日だけなんですけどね)

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ほら、住宅地の一角に、素敵な雰囲気のコーヒー屋さんがありましたよ。

 

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中に入ると、シャイな店主さんが迎えてくれました。

そうそう、この控えめな感じ。

 

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落ち着いたトーンの店内には、何やら大きな機械が。

おお、あれが焙煎機ですね!

さっそく、私のコーヒーの好みを伝えて、コーヒー豆を選んでもらいます。

 

え~と、結構しっかり苦味があって、コクもあって、でも飲んだ後に変な苦味が舌に残らない、すっきりした感じのコーヒーが飲みたいんです。

 

「……でしたら、うちのオリジナルブレンドの『しっかりブレンド』が合うと思います。タンザニアとグァテマラのブレンドで、ガツンとくる苦味、コク、力強さがありつつ、後味はもたつかないシャープな感じですよ」

 

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では、それで! 

もちろん、生豆からお願いします!

 

ここは「江古田珈琲焙煎所」

ただの喫茶店ではないのです。

だからといってただの焙煎所でもない、

自家焙煎のコーヒーをいただけるカフェなのです。

 

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「これが、生豆です」

 

あ、誤解なきよう。

今回は修行に来ているので生豆からなのですが、通常の営業ではすでに焙煎した豆から挽いて、ハンドドリップで一杯一杯丁寧に淹れたコーヒーをいただけますよ。

生豆からだと、1時間は掛かりますのでね。

 

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生豆はこんな色。

香りも青臭いというか、あのコーヒーの香ばしい香りとはまったく違います。

 

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生豆を計量します。

 

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ここで焙煎機に火を入れて、暖機します。

ゴーゴーと結構な大きな音が出ますね。

 

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中では12本のバーナーから炎が上がっています。

 

「このサイズの焙煎機のバーナーは普通6本で、この12本は珍しいんですよ」

 

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釜の中の温度がどんどん上がっていきます!

 

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さて、焙煎機の暖機をしている間に、生豆をハンドピックします。

ハンドピックとは、欠けたり、変形したりしている欠点豆や石などの不純物を取り除く作業です。

 

「これが欠点豆です」

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「欠点豆の割合は大体1割から2割くらいですね。ものによって違います。いわゆるスペシャリティコーヒーなんかの値段が高い豆は生産者も厳しいチェックをするので少ない傾向にあります」

 

この作業に手間が掛るので、自家焙煎コーヒー屋のコーヒー豆はハンドピックなしの大量生産のものと比べると、どうしても価格が高めになってしまうのは仕方がないですね。でも、これで雑味のない美味しいコーヒーができるのです!

 

一つひとつ、手で丁寧に取り除いていきます。

 

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ハンドピックが終わったら、焙煎機のホッパーに豆を入れます。

 

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いよいよ焙煎が始まりました!

ゴーゴーと音を立てて、豆は釜の中で着々と焙煎されていきます。

その間、絶えず排気を調節して、複雑に温度を上げ下げしています。

 

「しっかり排気をすることによって、後味がすっきりした豆になるんです」

排気の加減や温度の設定は、皆それぞれ工夫してるものなので、企業秘密だそうです。

 

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中に入っている豆の様子はのぞき穴から見られますよ!

まだ白っぽいですね。

 

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ここのつまみのところから……

 

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取り出して、チェックすることもできます。

 

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焙煎が佳境に入ってくると、頻繁に取り出して、チェックします。

焙煎時間は大体20分くらいでしょうか?

浅煎りか、深煎りか、温度などによって変わってくるので、一定ではありません。

おおっ! 良い色になってきました!

 

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ザザ~!

焙煎が終った豆は、釜の蓋を開けると、下の冷却装置に流れ落ちてきます。

ここでグルグル回しながら冷まします。

 

香ばしい! たまらなく良い香りです!

 

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さらに早く冷ますために、サーキュレーターも導入。

 

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出来上がり!

 

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つやつや~!

「浅煎りよりも深煎りの方がつやつやしてふっくらした豆になるんですよ」

 

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ここで再度、ハンドピック。

「中が空洞になってしまっていたり欠けている豆を取り除きます。あと、石もこの時点の方が見つけやすいですね」

 

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焙煎機の下には、おがくずのようなものが溜まっていました。

「チャフといって、コーヒー豆の薄皮です。焙煎の最中に剥がれて落ちるんですよ」

 

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さて、袋詰めして、

 

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「しっかりブレンド(深煎り)」の出来上がり!

 

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さてさて、せっかく素敵なコーヒー豆ができたので、美味しいコーヒーの淹れ方も教えてもらいましょう。

 

コーヒーの淹れ方のお作法は何種類もあるそうですが、こちらのお店は

コーノ式で淹れています。

まず準備するものは、グラスポット、ドリッパー(コーノ式では正式には円錐フィルターという)、計量カップ、円錐ペーパー。

 

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細口のポット、肉用温度計。

温度計は、なぜに肉用!?

「コーヒー専用のもあるんですけど、こっちの方が見やすいんですよね」

 

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さあ、淹れましょう!

まずはドリッパーに円錐ペーパーをセットしてスケールの上に。

 

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そして、24g測った豆を挽いて、

 

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円錐ペーパーの中に。おや? 23gですね。

 

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「機械の中にくっついたりして、少し減っちゃうことがあるんです。今回は24gがベストなので、あと1g足しますね」

 

ちなみにこれは、小さめのカップで2杯分の量です。

わざわざ1g新しく挽いて、ほら、24gぴったり!

 

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お湯はやかんで沸かした後、この専用ポットに入れて温度を整えます。

「温度も好みなんですが、90度以上だと味がきつくなってしまうので、84度から90度の間が良いですね」

 

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グラスポットとコーヒーカップはあらかじめお湯を入れて温めておきます。

 

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いよいよ、淹れていきますよ!

まず、一滴、一滴ほんの少しずつ、粉の真ん中にお湯を垂らしていきます。

 

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すると、おや、どうしたことでしょう?

真ん中がふっくら膨らんでくるのです!

 

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三分の一ほど注いだところで、湯量を少し増やします。

すると、こんどは粉全体がふっくらと膨らんできます!

 

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おわかりになりますでしょうか?

粉全体が山のように、フィルターにくっつかずに盛り上がっています。

 

焙煎したてで、挽きたてだと、特にふっくら大きく膨らむんですよ」

 

ほおほお、香りもすごい立ってきました!

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さらにお湯を注いでいくと、今度は真ん中に泡が出てきました!

 

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さらに注ぐと、泡が大きくなっていき、

 

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この辺で、お湯を注ぐのは終わりです。

 

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そして、コーヒーが目標の量まで抽出できたら、

最後まで落ちきる前にドリッパーを外します。

 

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2杯分ちょうどですね。

 

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これ、まだ出るのにもったいないんじゃないですか?

 

「いやいや、これ入れちゃうと美味しくなくなっちゃうんですよ! 残った泡はアクみたいなものなんで」

 

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さあ、優しくコーヒーカップに注ぎます。

 

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自家製のチーズケーキを添えていただいて、

いただきま~す!

 

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ああ!!

口いっぱいに広がる香ばしい香り!

コクもあります! そして本当に後味がすっきりなのです。

舌に苦味が残りません。

 

これ、家でも同じお味でいただけるんでしょうか?

 

「基本的に、同じ手順で丁寧に淹れていただければ、同じように美味しくできると思いますよ。また、色々試してみて、自分好みの淹れ加減を見つけるのも良いのではないでしょうか?」

 

こちら『江古田珈琲焙煎所』では、常時3種類のブレンド、8種類のストレートが用意されています。

メニューにそれぞれの特徴が書いてあるので、それを読んで自分で決めるも良し、店主さんにオススメしてもらうも良し。

また、お店でコーヒーを飲むのも良し、豆を買って帰って自分で淹れるのも良し。

 

「メニューにはない焙煎具合の、通常は中煎りの豆を深煎りにしたりとかのコーヒー豆が欲しい方は、前日までに500g以上でオーダーいただければ、お好みの豆をお好みの加減で焙煎しますよ!

お、それは耳寄りな。

 

究極の「自分コーヒー」、

意外とお手軽にできちゃうかもしれない。

 

お店情報

江古田珈琲焙煎所

電話:080-3310-2719
営業時間:10:30~19:00
定休日:火曜日
ウェブサイト:http://egotacoffee.blog.fc2.com/

 

書いた人:工藤真衣子

工藤真衣子

カメラマン。美しい女性が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでテレビドラマのスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ雑誌など、素敵なものを愛を込めて撮るお仕事をしています。趣味は美味しい料理を作って食べること。

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