渋谷でチーズを作ってる?
出来たてのフレッシュチーズ、食べたことある人~?
は~い!
あ、一名いらっしゃいましたね?
どこででしょう? あ、北海道の牧場ですか。
ほお、出来たてのモッツァレラが……、とてもミルキーで……。
それはさぞかし美味しかったことでしょうね!
しかし、いま! 出来たてチーズは東京、それも渋谷で食べられるのです!
それが、こちら「SHIBUYA CHEESE STAND」。
店前では大きな牛さんがお出迎え。
場所は、渋谷駅から徒歩約10分。NHK放送センター向かいの路地、入り口のところです。
店内はカフェ風。
入り口のレジで注文して、お会計をしてから席に着くシステムです。
料理は出来てから席に持ってきてくれます。
さらに奥に進むと……。
カウンター席の前がチーズ工場!
毎日のチーズ製造は13時頃まで。つまり開店時間の11時から13時までは、このカウンター席から、チーズが作られていく様子を目の前で見ることができるのです。
ただいま開店30分前。
目の前では着々とチーズが作られています。
この牛乳は毎朝4時に、こちら「渋谷チーズスタンド」に届きます。
そこから製造を始めて、毎日出来たてのフレッシュチーズをお店に出すのです。
この店で使われている牛乳は、なんとすべて東京産!
東京郊外の清瀬と東久留米の酪農家から、毎朝搾りたての牛乳が届きます。
牛乳は遠くから運んでくると、輸送の振動などで成分の状態が変わってしまうそうなんです。(スタッフ鈴木さん、以下同)
ここで作っているチーズは4種。モッツァレラ、ブッラータ、リコッタ、カチョカヴァッロです。その中でカチョカヴァッロだけは約2週間熟成させて、他の3種はすべて、その日に出来たてのものをお店でお出ししています。(鈴木さん)
フレッシュチーズはとても鮮度が落ちやすく、出来たてが一番美味しいそう。
オーナーでチーズ職人でもある藤川真至さんが、「街に出来立てのチーズを」というコンセプトでこの店をオープンさせたのは2012年6月。
今までは遠くの酪農家に足を運ぶか、イタリアや北海道から何日もかけて輸送されてきたもの、長持ちさせるために保存料を使ったものしかなかったフレッシュチーズを、日常のものにできないかと考えたのでした。
さて、目の前でリコッタが作られています。
リコッタとは、イタリア語で“二度煮る”という意味です。
一般的なチーズの作り方は、まず牛乳に乳酸菌を入れて熟成をスタートし、凝乳酵素を使ってタンパク質を変化させ牛乳を固めます。その固まった牛乳をカッティングしてカード(凝固物)とホエイ(乳清)に分けます。
そのホエイをもう一度煮ると、ほやほやとした凝固物が出来るので、それをざるに入れて水気を切ったものがリコッタなのです。
この光景どこかで見たことがあるような……。
あ、これってお豆腐屋さんみたい!
見た目はまさにざる豆腐!
食感は豆腐より柔らかく、乳糖のふんわりした甘さが楽しめるチーズなのです。
さて、こちらは、モッツァレラを作っているところ。
この塊は、カードを熟成させたものです。
これを細かくします。
こんな感じに細かくなったものが出てきます。
それを80℃近い熱湯の中に入れ、
熱湯の中で練ります。
練っていると、このように固まってくるので、
何度も何度も繰り返し、このように引き伸ばしていきます。
さあ、いよいよ、これを丸めまして、
ぴょこっ!
おおっ!
一瞬の早業で、手の中からモッツァレラが出現しました!
これを冷水につけて、モッツァレラの出来上がりです。
目の前で次々とぴょこぴょこっと、まん丸いモッツァレッラが出来てきて楽しいです。
11時から13時に来店したら、ぜひカウンター席でこの匠の技をお楽しみください!
こちらは熟成中のカチョカヴァッロ(160g~/1,300円)。
▲カチョカヴァッロのグリル(Tapas(小)1,200円、Group(大)1,800円)
こちらも店内でいただけます。
横ではモッツァレラの生地を使って、何やら紐のようなものが作られています。
ブッラータの口を縛る紐もチーズで作っているんです。本場イタリアでは結構ビニール紐で縛ってるところもあるのですが、これだと全部食べられるので(鈴木さん)
ブッラータって、食べたことある人は少ないんじゃないでしょうか?
新鮮さが重要なので、今まで日本ではあまり流通していなかったのです。
こちらでは、もちろん出来たてがいただけますよ。
とろけるブッラータ! フレッシュチーズの夢の競演!
さて、さっそくフレッシュチーズをいただいてみましょう!
まず、最初はこちらから。あれ、チーズじゃない?
こちらは、チーズを作る過程でできるホエイに果汁を加えた、ホエイドリンク。
果汁は季節によって変わって、取材時はマンダリンオレンジ(340円)です。
すっぱ甘い! 爽やかな酸味で美味しいです!
ヨーグルトっぽい風味とマンダリンオレンジの酸味が合ってます。
お酒をいただきたい方向けには、フルーツリキュールを使ったホエイカクテルもありますよ。
さて、お次にきたのが、
『たっぷりトマトとブッラータ』!(1,680円)
お店自慢のふっくらしたブッラータにたっぷりのトマト、ブッラータには塩とオレガノが振ってあります。
先ほど作っていたチーズの紐で、巾着型に縛ってありますね。
さて、いただいてみましょう。
ナイフを入れると、とろ~り!
ぱんぱんに張った表面が勢い良くプチンと弾け、中から生クリームがとろ~りと溢れ出てきます。
ブッラータは、モッツァレラタイプのチーズを巾着状にしたものに、繊維状にしたチーズと生クリームが入っているイタリア・プーリア州の伝統的なチーズです。
コアなファンがいるとても美味しいチーズなのですが、日本のお店で見かけることはめったにありません。
なぜかというと、今まではイタリアからの輸入品しかなく、日持ちがしないため、空輸しなくてはなりませんでした。そのため値段が高くなってしまい、さらに日持ちがしないためロスも多く、とても取り扱いしづらいものだったのです。
今、日本で作っているのは、おそらくここだけ? な激レアなチーズなのですよ!
うま~っ!!!
チーズのもきゅもきゅした食感、噛みしめるとあふれるミルク感、生クリームのコクがトマトの酸味と合わさって、たまらない美味しさです。
これはワインにも合いそうです!
こちらにはソムリエさんもいるので、ディナータイムにそれぞれのチーズに合うワインを選んでいただくのも良いですね。
お次は、可愛いのきました~!
▲『出来立てモッツァレラ&リコッタ』(Tapas(小)640円)
左側がモッツァレラとオリーブオイル、右側がリコッタとはちみつです。
モッツァレラは小さく切らないで、その切ってある、そのままの大きさでお口に入れてみてください。歯ごたえのある食感が楽しめますよ!(鈴木さん)
了解です!
まずは、モッツァレラにオリーブオイルをかけて、
パクッ! もきゅもきゅもきゅ。
おおっ! これは、今まで味わったことのない、強い歯ごたえ。
そして噛みしめるほどににじみ出るミルク感!
今まで食べていたモッツァレラが水っぽく感じられますね。
二口目は、リコッタ用についていたはちみつをつけてみました。
これもいけます!
オリーブオイルだとおつまみだったモッツァレラがはちみつをかけた途端にスイーツになりますよ!
さて、お次がリコッタです。
はちみつをたら~り!
おお、これはなんて優しい味!
ほんのり温かく、ほんのり甘い、優しいミルクの香り、柔らかくふわっとした食感。
どこをとっても優しさの塊のような味です。
風邪をひいた時でも、これだったら食べたくなりそうです。
さて、お次は、
▲グラハム生地のクリスピーピッツァ『ビアンカ』(880円)
薄くパリッとした歯ごたえと味わいのある生地に、モッツァレラ、フレッシュトマト、バジルが乗っています。
モッツァレラ、とろ~っ!
熱を加えたモッツァレラは、生のものとまた違うクリーミーさがあって、これまたたまりません!
そして、こちらは、
▲リッテ・リコッタ・スフォリアテッラ(420円)
サクサクの生地の中にリコッタがたっぷり入った、イタリア・ナポリの伝統菓子です。
こちらもお店の手作りです。
数々のフレッシュチーズ、たっぷり堪能させていただきました!
こちら、「渋谷チーズスタンド」は、イートインの他、4種のチーズ、サンドイッチ類はテイクアウトもできます。
4種のチーズは(出来たてモッツァレラ 100g/570円、出来たてリコッタ 100g/480円、東京ブッラータ 150g/1,080円、カチョカヴァッロ 160g~/1,300円~)ですよ。
手土産にも喜ばれること間違いなしです!
渋谷でレアなフレッシュチーズ体験をぜひどうぞ!
お店情報
渋谷チーズスタンド
住所: 東京都渋谷区神山町5-8 1F
電話番号:03-6407-9806
営業時間:火曜日~土曜日11:00~23:00 (LO 22:00)日曜日11:00~20:00
定休日:月曜日・年末年始(ただし月曜日が祝日の場合翌平日休み)
ウェブサイト:http://cheese-stand.com/