こってり系ラーメンといえば、京都発祥の「天下一品」だろう。こってり味が苦手な五十路の私でさえ、無性に食べたくなることがある。
とくに「天下一品」の本場である関西へ出張などで訪れたときに店の前を通ると、吸い寄せられるように入ってしまう。あの、ポタージュ状のどろっとしたスープはそんな魔力があるのだ。
他店舗とは一線を画す「サービスコーナー」
そんな「天下一品」だが、私の住む名古屋エリアでは、名古屋市内に4店舗。関西と比べてまだ数が少なく、食べたい! と思うときになかなか行くことができないのが痛いところ。
しかし、先日、国道19号線を名古屋から春日井方面へ車を走らせていたときに、たまたま店舗を発見。「天下一品 守山国道19号線店」(写真下)である。
またまた吸い寄せられるようにして店へ入ってしまった。
実はここ、同じ「天下一品」でも完全に一線を画した店だったのだ。
それは店に入ると、すぐわかる。入口付近に「サービスコーナー」なるカウンターがあるのだ。そこにはこう書かれてあった。
ラーメン一杯ご注文のお客様におそうざい・デザートが無料
ええっ、マジか。かつて他の天下一品の店舗ではこんなサービス見かけたことがない。
じっくりとチェックしたかったが、とりあえずは席に座ってラーメンを注文することに。ここはもちろん、看板メニュー「こってり」(745円)をセレクト。
すると、こちらの注文を受けた店員さんが間髪入れず「サービスコーナーをどうぞ」と言う。
言われるままに「サービスコーナー」へ足を踏み入れると……
おおおおっっっ!
イチ、ニイ、サン、シ……。
おそうざいとデザートの計7種類も。しかもすべて無料だなんて。
メチャ太っ腹じゃないか!!
名バイプレイヤーぞろいの無料アイテム
「サービスコーナー」の内容は日替わり。この日の主なラインナップを見てみよう。
まずは、トッピングの定番「ネギ」。
こってりのスープとたっぷりのネギは相性抜群。てんこ盛りにして食いたい!
次に「塩だれキャベツ」。箸休めにぴったりな上に、お酒のつまみにもなる優等生だ。これもたっぷりいっておきたい。
これは「ニラにんにく」。ラーメンにのせると、タダでさえコクのあるスープに、より深いコクが生まれる。トッピング界のエースと言ってもいいだろう。
「もやしナムル」もそのまま食べてもよし、ラーメンにのせてもよし、酒の肴としてもよしの三冠王。私ならコレだけで生ビール一杯は飲み干せる。
ほかにも「食べるラー油」と「からしにんにく」があった。これらも味のアクセントになる名バイプレイヤーだ。
この日のデザートは、なんと「ドーナツ」。ラーメン店にはちょっと似つかわしくないが、逆にそれが嬉しい。私のような五十路のおっさんもデザートは別腹なのである。思わず、たくさん皿にのせてしまった。
おそうざいとデザート以外にも、薬味として「にんにくチップ」と「おろしにんにく」、さらに「味噌ダレ」も用意している。ラーメンのみならず、ご飯や餃子にも使えそうで嬉しい。
やっぱり全トッピングいっときたい
おっと、「サービスコーナー」をチェックしているうちに注文したラーメン「こってり」が運ばれてきた。
あえてトッピングメニューを追加しなかったので、具材はチャーシューとメンマ、ネギとシンプル。これはこれで旨いんだよなぁ。
思わず箸をつけそうになったが、ここはグッとガマン。
「サービスコーナー」でゲットしたおそうざいとデザート、薬味を一緒に並べるとこんな感じ。一気にご馳走感が増してかなりゴージャスな見た目になった。これなら一人メシも寂しくはない。
おそうざいをご飯の友にしてもよいし、酒の肴にしてもよい。楽しみ方は自由だ。が、今回はラーメンのトッピングに向いていそうなものをすべて使ってみることにした。それがこの一杯。
これぞ、まさに男メシ!
にんにくを使っているのでスタミナがつきそうだ。これが「こってり」一杯分の値段で食べられるというのはかなりお得。
さて、肝心な味だが、やはり想像通りパンチがハンパない。
しかし、「こってり」のどろっとしたスープも負けてはいない。にんにくがスープのコクを増して、さらに旨く感じた。これもこれで旨い。
ただし、いくら無料だからといって取りすぎ、盛りすぎにはご注意を。
食べ回しや食べ残しは1皿あたり100円のペナルティが科せられる。マナーを守って楽しく、を心がけよう。
全国で9店舗が無料サービス実施中
ところで、余計なお世話かもしれないが、チェーン店である「天下一品」で他店と違うこと、それもこんな太っ腹なサービスを実施しても問題はないのだろうか。
店長の鶴田和正さんに聞いてみた。
「もちろん、チェーン本部の許可は取ってますよ。このサービスをはじめたのは、もう10年以上前ですね。もともと、ネギやニラにんにくは有料のトッピングでしたが、お客さんに喜んでいただきたいと社長が決断して、弊社の手がける天下一品チェーンの1号店である大阪の南摂津店からはじまりました」と鶴田店長。
今回おじゃました「天下一品 守山国道19号線店」を運営しているのは、大阪府堺市に本社がある(株)大塚フーズ。愛知県では、ここ守山国道19号線店と名古屋栄店、名古屋錦店、岡崎店の計4店舗を手がけている。
また関西では、南摂津店(大阪府摂津市)、四條畷店(大阪府四條畷市)、堺深井店(大阪府堺市)、和泉国道26号線店(大阪府和泉市)、竹田店(京都市伏見区)の計5店舗。すべての店舗に「サービスコーナー」を設置している。
「サービスコーナー」では、今回紹介したもの以外に、日によっては高菜や春雨、ワカメなども並ぶという。
また、おそうざいやデザートは、100グラム162円でテイクアウトも可能なのだとか。自宅でインスタントの袋麺やカップ麺にトッピングするのも楽しそうだ。
店舗情報
天下一品 守山国道19号線店
住所:愛知県名古屋市守山区瀬古東3-1822
電話:052-791-6700
営業時間:11:00~翌2:00(金、土、祝全日は翌3:00まで)
定休日:火曜日
書いた人:永谷正樹
名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。