低カロリーな渋い脇役「大根もち」
小籠包や焼売など、中華の点心には主役級がいっぱいありますが、渋い脇役なのが「大根もち」。主張はしてこないけど、実際おいしいので好きです。
もとは広東エリアの年越し料理だそうですね。
米のもちよりは低カロリーだし、最近お腹が出てきて気になるって人も、安心して100個くらい食べたらいいと思います。
そんな大根もちですが、ネット上にはレシピが乱立。
みなさん「こうしたほうが簡単でおいしい」という真摯(しんし)な気持ちでめいめい勝手に書いているため、結果としてレシピ検索の結果が大混乱。
検索汚染、面倒くさいです。
ギリギリで大根もち
大根もちを、可能な限りチョロく作りたい。
「一般的なキッチンで楽に作る」という目的で、レシピのコア部分を抜き出しました。
大根を千切りにする流派と、大根おろしにする流派があります。チョロく作りたいので、今回は大根おろしの方法でやります。
そんで、味つけやオプションなどのアレンジは各々好きにやればいいンすよ。
材料:2人分
- 大根 280g 大根おろしにする(±10gくらいの誤差は平気です)
- 小麦粉 70g
- 片栗粉 70g
- 干しエビ 大さじ1
- ごま油 適量(焼くときに使う)
なんともコアです。
大根、片栗粉、小麦粉、干しエビの4種類にまで減らせました。ミニマルなファイナル大根もちです。
水を使わず、大根の水分だけでつくるところがポイント。
というか、すりおろした大根から水分を絞ることさえめんどくさいというファイナル仕様です。
小麦粉も、薄力粉でいいです。上新粉、白玉粉とも代替可能です。
片栗粉も、わらび粉や葛粉に代替可能です。
とにかく好きにしていいです。
単位の問題
粉やエビの単位はg(グラム)や大さじ・小さじなのでわかりやすいです。
問題は大根。
ちょうどいい重さに切るのは難しいじゃないですか。
かと言って「1/4本」みたいに、おおよその長さで言われても個体差があるし。
まあ、大ざっぱでも完成するのできっちり測る必要なんかないんですけど、レシピはわかりやすくありたいもの。
自分だったらセンチメートル単位が助かる。そう思いました。
7センチメートルがおよそ280g弱ならば、7等分できるな。
というわけで大根もちの材料の比率の目安を出してみました。
大根1センチメートルあたり、小麦粉と片栗粉を10gずつ。
この比率で作れば、大きな失敗をしないで大根もちをこさえることができましょう。
あとは自分好みの配合比にアレンジしてくれよな。
作りましょう
大根の皮をむいてジャカジャカおろす。
ウチのかっこいいおろし金を見てくれ。
それはそれとして、荒くおろすのがいいらしいので、鬼おろしがあればそちらを使ってください。
大根おろしの水分をギュッと絞って捨てる流派もありますが、今回はこの水分を使って練ります。
すると、水を量らなくてよくなります。「素材のままの味になる」と言い換えてもいいです。
小麦粉と片栗粉をドン。
よく練ります。
干しエビを入れます。大さじ1。出汁パーツです。刻んで入れてもよいです。
混ぜ合わせたら準備オッケー。こう見ると紅白でめでたい。
ウチにある大きい方のスプーン2本を使って適量を取り出して。
熱したフライパンに並べて、ごま油で焼くのです。
表面カリカリのクリスピーにするために、油は気持ち多めです。
フタして3分。中火です。
蒸し焼き状態でモチモチの食感を狙います。
ひっくり返したらフタせずに、まあ2分くらい。
それで完成。ヤバい。チョロい。
味つけ問題
素の大根もちを作りましたので、味つけの自由度が高いです。
生姜醤油、砂糖醤油、辛子醤油で味比べしました。
ピークは砂糖醤油でしたね。コクが増して、ごま油の風味も面白くなりました。
生姜醤油は予想どおりの味。「いつものやつ」の安心感はあります。
辛子醤油は、なんというか、肉がないとつまんないですね。
さらに味つけチャレンジです。
ザーサイ(左)と食べるラー油(右)です。
パーティーっぽくカナッペ的に盛り付けてみました。こりゃね、両方イケますよ。
ごま油ベースなので相性もいいし、しょっぱみや歯応えのリズム感に変化が生まれて、ナイストッピングでした。
洋風テイストも考えたんです。
しかし、とろけるチーズとピザソースとかそういうのはもういいですよね。すでにレシピサイトにたくさんありますし。
ここはぐっとチープに、粉チーズとケチャップを混ぜたものでチャレンジ。
あー最高。最高のB級。
見た目はちょっとゴアですが、粉チーズの太いコクと風味、ケチャップのうま味と甘じょっぱさでニセイタリアンの満足感があるのです。
トマトケチャップにはうま味成分のグルタミン酸が含まれているので、隠し味の素材としてわりかし有名です。ちなみにチーズにもグルタミン酸アリアリです。
残ったらジップバッグで冷凍保存が可能です。
レンチン指示には、ワット数と時間の両方を書きましょう。
蒸すためにキツめにラップして、500Wで1分半から2分チンしたら復元できました。1個の場合です。
さて大根もちの自作のたやすさを実感できたでしょうか。
大根もちの基礎ができれば、アレンジしたとしても失敗は少なくなるはず。
材料や作り方などが正統派の大根もちとは違うので、こんな大根もちは認められないよって場合は、なんかすみません。
本格的じゃないけど、自宅で作るのにちょうどいい程度の大根もちでございました。