脂がのった戻りがつお刺身で作る「南蛮漬け」が酒にもご飯にも合う。小骨もないし、野菜もたっぷり【魚屋三代目】

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こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

秋になって「戻りがつお」が出回ってきましたね。かつおの旬は年に2回あって、初夏はさっぱりとした味わいの「初がつお」。今の時期に食べられるのは、脂がのった戻りがつおです。

かつおは比較的、お財布にやさしいお魚で、サクで買えばさらにお得。そこで今回は、この脂がのったかつおの刺身で、南蛮漬けをたっぷり作ってみましょう。南蛮漬けといえば小あじが定番ですが、かつおで作ってもウマい! 刺身を使うと小骨も気になりませんよ。

 

魚屋三代目の「かつおの南蛮漬け」

【材料】作りやすい分量

  • かつお(刺身用のサク。刺身に切ってあるものでもOK) 300gくらい
  • 玉ねぎ(中) 1個
  • にんじん 1/2本
  • ピーマン 3個
  • にんにく 1片
  • 片栗粉 適量
  • サラダ油 適量

(A)

  • 酢 200ml
  • 水 100ml
  • しょうゆ、みりん 各大さじ2
  • さとう 大さじ5
  • 塩 少々
  • 輪切り赤唐辛子 ひとつまみ~お好みの量

 

作り方

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1. にんじんはせん切りに、ピーマンも種をとってせん切りにします。玉ねぎは繊維に沿って3~5mmの厚さで薄切りにします。にんにくは薄切りにして、芯を爪楊枝などで押して取り除いておきます。

野菜を切るのが面倒だったら、玉ねぎだけでも美味しいですよ。

 

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2.小鍋に(A)を入れ、ひと煮立ちさせて南蛮酢を作ります。

 

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酢が入っていますが、ひと煮立ちさせることで角がとれて丸くなり、マイルドで食べやすい味になります。

 

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3. ボウルなどににんじん、ピーマン、玉ねぎを入れ、2を熱々のまま注ぎましょう。

 

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このまま冷ましておきます。これで野菜のうま味が南蛮酢に移ります。

 

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4. 今回、かつおは刺身用のサクを用意しました。刺身に切ってある場合は厚めのものがおすすめです。なお、白い部分は脂です。戻りがつおはさすがに脂のり最高!

 

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かつおのサクは1~1.5cmくらいの厚さに切り、軽く塩(分量外)をふって5分以上置いておきます。

塩をふることにより、浸透圧の作用で余分な水分と一緒に青魚特有の臭みなどを外に出します。また、軽い塩味もつきます。

 

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5. かつおを寝かせている間に、にんにくを揚げ焼きにします。フライパンに底から5mmほどサラダ油を入れ、にんにくを加えたら点火し、弱火でじっくり温めます。

にんにくの風味が油に移るので、これでかつおを揚げ焼きにするとウマいんです。

 

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にんにくの香りが立ってきたら火を止め、キッチンぺーパーなどの上に取り出します。

 

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6. かつおから出た水分をキッチンペーパーなどでしっかり抑えたら、

 

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片栗粉をまぶし、油が入ったままの5のフライパンに入れ、

 

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中火で両面を写真のようにこんがりと揚げ焼きにします

脂がのったカツオは火を入れてもかたくなりにくいです。

 

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7. フタができる清潔な保存容器に揚げ焼きにしたかつおを並べ、5のにんにくをのせたら、

 

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南蛮酢を野菜ごと流し入れる。粗熱が取れたらフタをして、冷蔵庫に入れ30分以上置いて味をなじませます。

冷蔵庫でひと晩寝かせれば、南蛮酢がさらになじんで、野菜もしんなりしてよりおいしくなります!

 

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8. 皿に盛りつけていただきます。

 

箸休めに、酒の肴に、ご飯のおかずに

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甘酸っぱい南蛮酢と脂ののったかつおがいいバランスで、サクを買ってきてたくさん作ってもいくらでも食べられます。野菜がたっぷり入るのもいいですね。私はとくに南蛮漬けにした玉ねぎが大好きなので、いつも多めに入れちゃいます。

箸休めに、酒の肴に、そしてご飯のおかずにも超優秀なので、旬のかつおで作ってみてくださいね。

 

作った人:魚屋三代目

魚屋三代目

本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。62種の魚介の詳しい捌き方と、それらの魚をおいしく食べる100を超えるレシピ、捌き方やおろし方の動画が見られるQRコードも掲載の最新刊『魚屋三代目の魚のおろし方と料理』(エイ出版社)が発売中。2023年4月、新鮮な魚介類を使ったお惣菜店「noboru 魚武商店」もオープン。

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