なぜ僕が渋谷で「夜カフェ」を始めたのか。 業界のカリスマ「LD&K」大谷秀政氏に突撃取材!

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「夜カフェ」

カフェ好きならば、一度は耳にしたことがあるキーワードではないでしょうか?

今や深夜営業のカフェは日本中に拡大し、カフェ業態のひとつとして確立されました。終電を逃したとき、クラブで踊り疲れたとき、はたまたデートでひと息入れたいとき。夜カフェは若者を中心にさまざまなシーンで利用されています。

 

そんな夜カフェ発祥の地は、もちろん日本最大の若者の街"渋谷"です。ここで、その第一人者であるカリスマ社長・大谷秀政氏に突撃取材を試みました。

 

まるで東欧の酒場「Cafe BOHEMIA」

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待合せ場所は、渋谷・宇田川町にある「Cafe BOHEMIA」。こちらも大谷秀政社長が手がける夜カフェのひとつです。

狭い路地裏に忽然と現れる、まるで南国リゾートのようなテラスが特徴的なお店です。

 

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店内に入ると、エキゾチックな照明とBGM。こちらのお店ではシーシャを楽しめる他、定期的にベリーダンスのイベントも行っているそうで、コンセプトやこだわりの強さを感じます。

 

夜になると、まるでジプシー系のミュージシャンたちが集まる東欧の酒場のような異空間を楽しむことができます。

 

お店の奥に通されると、コーヒーをすする株式会社LD&K 代表取締役社長、大谷秀政氏の姿がありました。

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かくいう私、大谷氏は若かりし頃からの憧れの存在。対面したときのオーラは、言葉では語り尽くせないほどでした。

なぜ渋谷で夜カフェを始めたのか?

ずっと気になっていた質問を大谷氏にぶつけてみました。

 

濃いコーヒーと打ち上げ場所が欲しかった

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それは、僕の好きな濃いコーヒーを飲めるお店が渋谷になかったからだよ。

 

開口一番、大谷氏はそう笑いながら話してくれました。元々ライブハウス事業や音楽レーベル事業を手がけていた大谷氏。

 

今でこそ渋谷には、居酒屋さんやカフェチェーン店が星の数ほど軒を連ねていますが、2000年当時はほとんどなかったのだそう。そこでライブ後に打上げができるバンドマンの溜まり場を作りたい、そして大谷氏が眠気覚ましに飲める濃いコーヒーのお店がほしい、そんな思いから後に夜カフェの代名詞となる「宇田川カフェ」のオープンに至ったのだそうです。

 

行き場を失った夜遊びピープルの受け皿に

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大谷氏はこう続けます。

 

 昔の渋谷は、いろんなお店が朝まで営業していたんだよね。

 

今でこそ「夜カフェ」という業態が確立されたように思われていますが、'80年代後半のバブル期から'90年代初頭は深夜営業のお店や喫茶店がたくさんあったそうです。それが、時代の流れとともに深夜営業のお店が少なくなったことで、夜カフェが珍しがられるようになったんだとか。

 

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とはいえ、最初の2〜3カ月は誰も来なかった。

 

そう語る大谷氏。始めたばかりの頃は、主にレコード会社や芸能事務所の業界人が、仕事の打合せ等に利用することがほとんどだったそう。

その後、2006年に移転しなければならなくなったとき、店舗面積が広くなったこともあって一新。それが口コミで徐々に評判を上げる一方で、深夜営業のお店が少なくなり、渋谷区円山町にあるクラブの一斉摘発で夜の行き場を失った若者たちの流入も起因し、お酒を提供するスタイルの夜カフェは、繁盛店へと変貌していったそうです。

 

人間はどこかで性を求めている

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しかし、夜カフェの成功は、世の中の流れだけが理由ではないはず。そう考えた私は、大谷氏へその核となるコンセプトを聞いてみました。はたして答えは……。

 

すべてに共通するのは、それとなくセックスを感じさせる店舗作りでしょうか。

 

人間はどこかで「性」を求めている。その深層に働きかけるために、イスは低く柔らかく、照明はとにかく暗く。視覚だけでなく、BGMからその音量までこだわっているのだそうです。

つまり、お酒が飲みたくなるようなムード作りを心がけているんだとか。これが大谷氏の全ての店舗作りに共通する、絶対に欠かせないコンセプトだといいます。

 

飲むほど元気に。渋谷発クラフトビールの取組み

そんな大谷社長のコンセプトから生まれた新たな取り組みが、渋谷発のクラフト"エナジー"ビール「シブヤビール」です。

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▲シブヤビール 3本セット(1,620円)

 

大谷氏は「最近の若者はお酒を飲まないし、異性関係にも億劫になりがち」といいます。日本最大の若者の街・渋谷から生まれたこのクラフトビールには、なんと滋養強壮に効果があると言われている「マカ」の成分が入っているというから驚きです。まさに大谷社長の思いが感じられる商品ですね。

 

飲めば飲むほど「元気になる」というこのビールは、宇田川カフェ系列店をはじめ、提携する渋谷のクラブやバーで味わうことができます。ちなみに、ここ「Cafe BOHEMIA」では、瓶タイプ3本セットを販売中。ぜひ渋谷土産にいかがでしょうか?

 

自分が美味しいと思ったものしか出さない!

また、店舗作りにばかり注目してしまいがちな夜カフェですが、料理も見逃せないポイントです。

「自分が美味しいと思ったものしか出さない」という大谷氏。「Cafe BOHEMIA」でイチオシの料理を2品出して頂きました。

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山梨県産信玄鶏のタンドリーチキン(1,500円)、パクチーのアジア風パスタ(1,500円)

 

まず産地にこだわった山梨県産信玄鶏のタンドリーチキン(上写真、左側)は、お酒によく合うスパイシーな味付けの一方で、しっかりと漬け込まれているため、噛み締めるごとに素材の味を楽しむことができます。

 

一方、パクチーのアジア風パスタは、ひと口食べればパクチー好きのためだけに作られたかのような強いインパクトが口の中に。無類のパクチー好きの私には、たまらない美味しさでした。

 

大谷氏の今後の展望と新たな取組みとは?

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気になるのは今後の展開。大谷氏の頭の中ではどんなビジョンが描かれているのでしょう。

 

今後もやりたい人と物件さえあれば。

 

と、まだまだ意欲を見せるご様子。最近では、中目黒と大分に炭火焼ジビエのお店を出店しレストラン業界にも進出しています。

 

今後、渋谷にはオフィスビルが建ち並び、これまでにはいなかった新しいタイプのイケイケなビジネスマンが増えてくる。若者の街から大人の街への変化に向けて準備をしています。

 

大谷氏の今後の動向には、これからも目が離せません。

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また、現在は新たな取り組みとして、毎週火曜日に起業希望者や、経営に興味のあるビジネスマン向けの相談会を開催しているそうです。事前に相談内容を申込んでもらった上で審査しているそうですが「相談会は自分の知らない分野をあらかじめ勉強しなきゃいけないから面白い」と楽しんでいる様子。これも氏が多くの人に慕われる所以なのでしょう。

 

どんなことでも、誰にもマネできないぐらい深くこだわることが大事。

 

最後に語ったこの言葉には、大谷氏の仕事に対する真髄を感じました。憧れのカリスマは、夜カフェだけでは語り尽くせないほど偉大な存在でした。

 

お店情報

Cafe’ BOHEMIA(カフェ ボヘミア)

住所:東京渋谷区宇田川町36-22 ノア渋谷PartⅡ 1F
電話番号:03-6861-9170
営業時間:月曜日〜土曜日 12:00~翌5:00、日曜日・連休の最終日12:00〜24:00

定休日:無休
ウェブサイト:https://www.udagawacafe.com/cafe-bohemia/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:矢口優太

矢口優太

ARROW ENTERTAINMENT 代表|大手旅行会社勤務後、音楽業界を経て独立。海外フェス・コンサート・ツアーの制作、舞台監督、ツアマネとして活動中。昭和60年・山形県最上町産。歴史と温泉とロックンロールを愛する体育会系スイーツ男子。趣味はボクシング|(有)赤倉観光タクシー 代表取締役|海外旅行・グルメライター。

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