【創業46年】異彩を放つ鎌倉の老舗中華料理店「ちんや食堂」を深掘りしてみた

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鎌倉と言えば、古き良き風情を感じさせる料理店やしゃれたつくりのレストラン・カフェが点在しているイメージをお持ちではないだろうか。

 

その解釈は間違いではないが、中には例外もある。

 

まずはこれをご覧いただこう。

 

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アンテナ……? 続いてはこちら。

 

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電卓入りロボット……??

 

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象形文字……???

 

この不可思議な光景は全て、知る人ぞ知る鎌倉の老舗中華料理店「ちんや食堂」の外観である。一体どんな店主が営んでいるのか、気になったので行ってみることにした。

 

いざ「ちんや食堂」へ

最寄りは湘南モノレール江の島線の湘南深沢駅。東京方面から行く場合はJRの大船駅で下車し、そこからモノレールに乗り換える。

 

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出発進行!

 

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湘南深沢駅を降りて、県道32号線に出る。そこから12分ほど歩いていくと、

 

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あった。

ここがこの地で創業46年の「ちんや食堂」だ。

 

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事前に調べた情報通り、謎多き外観。(木に隠れてしまったが、冒頭に触れたアンテナ風のオブジェも健在)

 

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お店の外にあるトイレの扉を開けてみると、

 

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観音様とご対面。外階段に目をやれば、

 

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足元注意ではなく「がんばれ、足下」

 

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駐車場周辺には、謎の看板がちらり。ここは鎌倉のはずなのに、一番右にはなぜか御徒町駅前東京・台東区)の文字が。

 

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お店の入り口付近にも、個性的なオブジェが多数置かれている。

 

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「ああ、取材の方ですね〜。どうぞお入りください〜」

 

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突然姿を現したこの人物こそ、店主の増田一仁さん。のんびりした口調の優しそうな方だ。

 

「夢」を追い求めるため、国鉄を辞めて脱サラ

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店内を見回すと、やはりここも多種多様なオブジェであふれている。一体、どこから集めてきたのだろうか?

 

f:id:exw_mesi:20180927151837p:plain増田さん:うちにあるオブジェは、ほとんどお客さんがサービスでくれたんですよ。昔からもらっていたら、こんなに増えてしまいまして。

 

なんと!? この謎のオブジェたち、ほぼお客さんからのもらい物だったのか。どうりで統一感がなかったわけだ。

 

f:id:exw_mesi:20180927152238p:plain増田さん:トイレの観音様は鎌倉市内の方からいただいたんです。それから御徒町駅前」と書かれた看板、あれは床屋さんが置いていったものでして。人形に埋め込まれた電卓は気づいたら誰かが埋め込んでいましたね(笑)。唯一、店先の黄色いアンテナだけは近くのヨット作りの会社に特注で作っていただきました。

 

わざわざ特注で作ってもらった理由が気になるが、それはさて置き、「ちんや」という名前の由来は何なのだろう?

 

f:id:exw_mesi:20180927152428p:plain増田さん:浅草に「ちんや」というすき焼き屋さんがありまして、そのお店のお嬢さんが浅草の歌舞伎役者さんに嫁いだんですね。関東大震災の際、長谷の別荘に避難してきたその歌舞伎役者さんが私の両親と出会い、お嫁さんの実家の「ちんや」という屋号をくれたという話を聞いたことがありますね。なにぶん大昔の話なので伝え聞いたものになりますが。

 

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鎌倉の長谷でお店を営んでいた頃の貴重な写真(写真提供:ちんや食堂)

 

「ちんや食堂」の歴史を紐解くと、前身は昭和初期に増田さんの親が開業した「鎌倉ちんや食堂」で、その頃は中華料理店ではなく、一般的な食堂として営んでいたという。当時のお店は長谷寺などで有名な長谷にあり、高級別荘地として名高い鎌倉山がすぐそばにあるという立地のため、多くの観光客などが訪れたそうだ。

 

f:id:exw_mesi:20180927152525p:plain増田さん:鎌倉山には政治家の近衛文麿さんオペラ歌手の藤原義江さんといった有名な方たちも住んでいたそうです。ちょうど地域の開発が始まった頃で、そこに携わっていた工事業者の方がたくさん食べに来てくれたり、別荘地を訪ねられた方々もいらっしゃってくださいまして繁盛していたと聞いております。

 

その後、家族が増え手狭になったため、1934年頃に長谷から現在地に移転。そこで営業していこうと考えていたが、第二次世界大戦前後という時代背景に加え、子育てとの両立が難しくなったため一旦閉店する。そこから約40年の時を経て、1972年に増田さんが「ちんや食堂」を始めることになった。

 

ここで気になったのは、「ちんや食堂」を開店する以前の話。つまり、増田さん本人が何をされていたのかだ。

 

f:id:exw_mesi:20180928165340p:plain増田さん:国鉄に勤務していたんですよ。サラリーマンとして。

 

収入を得るためにひたすら働く日々を送っていたという増田さん。しかし、心の奥底に抱き続けてきた夢をかなえるべく、ある時、一大決心をする。

 

f:id:exw_mesi:20181001120112p:plain増田さん:しばらく国鉄に勤めていたんですが、親が営んでいた食堂を私もどうしてもやりたくて。空手を習っていた時にお世話になった先生のツテで神田にある北京亭という中華料理屋さんをご紹介いただき、そこで1年修行を積みまして。36歳の時に会社を辞めて、今のお店を始めることになったんです。

 

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夢をかなえた増田さんが丹念を込めて作り上げてきた「ちんや食堂」の料理とは、一体どんなものなのか。さっそくいただいてみた。

 

f:id:exw_mesi:20180927152639p:plain増田さん:さあ、お食べください。このレバー炒め(750円)、生姜汁を搾ってできた繊維層を入れるんですよ。普通のレバーは固いイメージでしょ? それがこの繊維層で柔らかくて食べやすくなっているんです。

 

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おお、確かにお肉が柔らかい。簡単にかみ切れて口に広がる。濃厚な味が食欲を刺激する感じで、これはご飯のおかずとして最適だ。

 

f:id:exw_mesi:20180927152741p:plain増田さん:チャーハン(700円)もご一緒に。このチャーシュー、まず2時間半スープで柔らかくして、生姜汁を搾ってできた繊維層を入れたタレに漬け込んでいるんですよ。

 

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これもうまい。チャーシューは歯切れが良く、まるで口に溶けていくよう。香ばしいチャーハンの味もすごく良い。

 

f:id:exw_mesi:20180927152834p:plain増田さん:36歳から46年間、このお店を続けられた理由を挙げるなら、こういった食べやすさへのこだわりですかね。せっかくですし、サンマーメン(650円)もどうぞ。

 

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一見、味が濃そうに見えて、あっさりしている。あんかけスープにキクラゲや人参など具材が絶妙に絡んだ麺がズズッと口に進む。大げさではなく、本当においしい。

 

長年営んで培ったポリシーは「普段どおり」

お店の外観からは全く想像がつかなかったが、「ちんや食堂」の料理はどれもクオリティーが高い。ちなみに現在、お店で働いているのは4人。増田さんご夫妻と息子さん、そして、従業員さんが1名。

 

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▲奥様の美佐子さん(右)。左側は従業員の方

 

f:id:exw_mesi:20180927153129p:plain増田さん:家内とは稲村ヶ崎に住む知人の紹介でご縁を結んでいただきました。そこから一緒にやってこれてずーっと繁盛することができましたね〜。

 

増田さんいわく、近い将来「ちんや食堂」の店主は息子さんに譲り渡されるという。「どんなお店にしていってほしいか?」と聞くと、「普段どおりにやっていければそれでいいですよ」と、やはりのんびり口調は変わらない。

 

f:id:exw_mesi:20180927153546p:plain増田さん:あのアンテナのオブジェ、普段どおりのお料理が出せるよう、そんな気持ちになる門構えがほしくて発注したんです。すごく売れる必要なんてありません。今と同じように、お客さんにチャーハンやサンマーメン、定食をおいしく食べやすく提供する。そんな「普段どおり」がずっと続けばそれでいいんです。

 

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変に着飾らず、「普段どおり」のものを提供すること。これこそが「ちんや食堂」のポリシーであり、そんな店主・増田さんの純粋な思いが実はあのアンテナのオブジェにも込められていたのだ。

 

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一見、奇天烈な外見の中華料理店は、店主の真心とそれに対するお客さんからの感謝の贈り物でできたお店だった。もし鎌倉を訪れるならぜひ一度この「ちんや食堂」を訪れて欲しい。見て不思議、食べて満足の世界があなたを待っている。

 

お店情報

ちんや食堂

住所:神奈川鎌倉市常盤404
電話:0467-31-8256
営業時間:10:30~15:00
定休日:日、月曜日

 

料理にはその土地の文化や歴史が隠されている ──。「世界のごちそう博物館」本山尚義さんの話が深すぎた

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以前、友人に案内されて兵庫県神戸市にある魚崎という町の角打ち(酒屋さんの店内でお酒をやおつまみを味わえるスタイルのお店)に飲みにいったところ、そのお店に「世界のごちそう博物館」と名付けられたレトルト食品が並んでいた。

 

パッケージを見るに、どうやら世界のさまざまな地域の料理を手軽に食べられるようにレトルトにしたものらしく、ミャンマーの家庭料理で、鶏肉とじゃがいもを煮込んだ「チェッタ アール ヒン」、ブラジルの国民食だという黒豆を使った「フェイジョアーダ」など、普段なかなか食べ慣れない(というか、私にとっては名前自体聞いたことがないような)ものばかり、いろいろな種類がある。

 

興味を引かれ、シリーズの中からアフリカ南部の料理である「ガンボ」を一つ買って帰って食べてみたところ、これがとてもおいしかった。

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▲カレーともまた違う、スパイシーなスープの「ガンボ」(650円)

 

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湯せんしてご飯にかけるだけで簡単に食べられるのもうれしい。オクラを使って出しているというとろみがカレーやシチューのようで、ライスとの相性抜群。

 

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また、パッケージの裏側ではかわいいイラスト入りでその料理の特徴やその料理が生まれた歴史・文化的な背景について説明していて、販売者の熱い思いが伝わってくるのであった。

 

「世界のごちそう博物館」の公式サイトをチェックし、その主催者である本山尚義さんが世界の国々を旅してきたという経歴の持ち主であることを知った。

また、本山さんが食を通じて世界中で起きている問題について知ろうとし、伝えようとしていることがわかってますます興味を持った。

www.palermo.jp

今回、取材を受けてもらうことになり、その奥底にある思いについてたっぷり知ることができた。食と世の中との関わりをめぐって、すごく大切なことがたくさん含まれているように感じるので、ぜひ読んでいただければと思う。

 

インドでスパイスの洗礼を受ける

まずは、本山さんの経歴を簡単に紹介したい。

1966年、神戸市生まれ。19歳からフランス料理の道を志し、愛知県にあるホテルのシェフに。そんな中、27歳の時に出合ったインド料理に衝撃を受ける。

以来、世界中の料理に深い興味を持ってさまざまな国を旅し、帰国後はその経験をいかして世界中の料理を提供するレストランを経営。現在はレトルト食品シリーズ「世界のごちそう博物館」の製造・販売をメインに、レシピ本を著したり、日本各地で講演を行ったりと多忙な日々を送っている。

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と、簡単に済ませるのがもったいなさ過ぎるエピソードばかりなのだ。

例えば19歳の時にフランス料理の道へと入るきっかけについて、本山さんはこう語る。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:僕は両親が共働きだったこともあって、小さい頃からよく自分で料理をしていたんですね。料理することが好きだったんです。大学生の頃、長野県のペンションに住み込みで働く、いわゆるリゾートバイトをしたんです。ひと通りいろんな仕事をして、ある時に厨房で料理を手伝ったところ、オーナーが僕を見て「なかなか筋が良いやん!」と言うんです。「住み込み期間中に仕込みと仕入れ、メニューの組み方なんかも全部教えるから」と言われまして。そこで2カ月ぐらいしっかりと料理を勉強させてもらったんですが、休みが終わって下宿の友達に振る舞ったら、みんないつもちゃんとした料理を食べてないからめちゃくちゃ喜ぶんですよ(笑)。そのうれしそうな顔を見て、自分はこんなに人を喜ばせることができるんやなと思って、次の日にはアルバイト情報誌でコックを募集しているお店に連絡しました。きっかけになったペンションのオーナーがフレンチ出身の方だったので、それでフランス料理の道を選んだんです。

 

その後、フランス料理の奥深さにのめり込んだ本山さんは、27歳にはホテルの料理長を務めるまでになる。その頃は「作るのも食べるのも好きなのはフランス料理で、フランス料理が一番だと思っていました」という。

そんなある日、その本山さんにホテルの常連さんが「インド旅行に行かないか」と持ちかける。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:その方は、ヨガをしていて、毎年ヨガの修行でインドに行くんです。仲が良かったので、「今年も行くから一緒にインド行こうよ!」って誘われて、その時はインドに対して全然興味がなかったので、「はい、そのうち……」みたいにお茶を濁してたんですけど、誘い方がすごいというかかなり強引で、僕の分のチケットまで買って「この日に行こう!」と言ってくれて。でも、僕は料理長でしたし、クリスマスが近い時期でもあったんで到底無理だと。ホテルのオーナーの許可がおりるはずがないと思いつつ、「まあ、オーナーに聞いてみます」と言ったら「いや、すでにオーナーには言ってある」と(笑)。

 

常連さんのとんでもない情熱に負け、休みをもらってインドに行くはめになった本山さん。そこで、その後の人生を左右するほどの衝撃を味わうことになる。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:インドに行ってガラッと価値観が変わるとか、そういうことはないやろうなと思ってたんですけど、行ってみるとまず朝昼晩カレーで驚きました。カレーというか、カレー料理ですね。僕がそれまでやっていたフランス料理って、おいしいものにおいしいものを足してグッと煮詰めるというやり方、つまり足し算なんですね。積み上げていく料理というか。それに対して、インドの料理は、煮込んだところにスパイスを入れますよね。そこで一気に全然想像してなかった味になる。足し算じゃない、何か魔法みたいな(笑)。積み上げの料理とは全然違う、変化球なんですよ。それにすっかり衝撃を受けまして。

 

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▲若かりし頃の本山さん(写真提供:世界のごちそう博物館)

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:フランス料理っておいしいものを作るためには何も惜しまないんですね。フォアグラとかキャビアなんか、分かりやすいですよね。おいしさの追求のためにはどんなことでもするという。例えばダシをとったタマネギはそこで捨てちゃったりするんですけど、インドの料理はそういうこともないですし、理にかなっているという気がしました。さらには生活と密着していて、「調子が悪い時にはこのスパイスを使う」とか、健康に結びついている部分もある。自分が知り尽くしたと思っていた料理の世界が氷山の一角だったという、自分の価値観の乏しさにもショックを受けました。

 

本山流「本場の料理を学ぶ方法」とは

インドから戻ってきた本山さんの行動力がすごい。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:日本に帰ってすぐオーナーに「辞めたい」と伝えました。もちろんオーナーも、「ちょっと待てよ!」と(笑)。そんなつもりでインド行きの休みをくれたわけじゃない。でも、僕の料理に対する情熱は分かってくださっていたので、急には難しいから代わりのシェフを探すまではと、4カ月ほどしてから辞めさせてもらって、すぐインド料理屋さんに入りました。

 

国内にあるインド料理店で料理を学びつつ、一方でインド以外の世界中の料理についても興味が湧いてきたという本山さん。

そのお店のオーナーの寛大な計らいで、時折長い休みをもらっては世界各国を放浪しながら、各地の食文化を知るのが何よりの楽しみになったそうだ。旅先ではその土地の料理を体当たり式で教わった。しかし一筋縄にはいかなかったという。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:料理を教わるっていうことを、最初はすごく簡単に考えていました。当初のイメージでは、現地で一軒のレストランに行って、食べておいしかったら、それをまず絶賛して(笑)、「厨房を見せて欲しい! 作り方を教えて欲しい!」と伝える。よく、海外に長めに滞在するようなテレビ番組であるじゃないですか? ああいう感じでいけるかなと思って。それが、たまたま最初に成功したんですよ。この調子で行けるかなと思ったんですけど、そんなことを許してくれるケースは10軒まわって1軒ぐらいなんです。その頃、日に5軒ぐらいは食べ歩いていたんですけど、それでも2日に1軒で教えてもらえるかどうかぐらいじゃないですか? たくさん断られるうちに、だんだんとメンタルをやられてきてしまって(笑)。

 

さすがにプロの料理人が簡単に手の内を明かすわけがない。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:そう、よく考えてみれば、自分が日本でシェフをしていて、どこの馬の骨かもわからんやつが急に来て、パッと食べて「作り方、教えてくれ!」と言われてもなかなかね(笑)。きっちりしているお店では、それこそレシピって宝物みたいなものですし。それで考えを改めることにして、たどり着いたのが、その土地の市場に行って、売られているいろいろな食材の名前を全部片っ端からノートに書き留めていくことでした。野菜を扱っているお店だけでも50種類ぐらいはある。それを一つ一つ、「これ何?」とお店のおばちゃんに聞いて書いていく。それをやっていると、「何してんねん!」みたいに人がだんだん集まってくるんですよ。おばちゃんも最初は面倒くさいなと思ってたっぽいんですけど、人が集まるとちょっと自慢気に「こいつ日本から来てんねん、うちの常連やねん!」みたいに言ってきたり。一回しか行ったことないのに(笑)。そういう風にちょっとずつ仲良くなって「明日も来いや」と言ってくれて、隣の肉屋さんにも紹介してくれたりして、そうなってくると、今度は店番を頼まれるんですよ(笑)。

 

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▲滞在先ではさまざまな人々に出会い、料理以外の慣習や文化を学んでいった(写真提供:世界のごちそう博物館)

 

すべては本山さんの「学びたい」「吸収したい」というひたむきさと、持ち前のフレンドリーさがなせるワザかもしれない。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:「娘を迎えにいかなあかんから頼む」みたいに言われてお金のやり取りも任されて、そうすると「今夜うち泊まるか?」と言ってもらえることがあったりして、家の料理を見せてもらえる。また翌日そこで店番してると今度は近くのレストランのシェフがきて「え、お前ここで何してんの!」と聞いてくる。「食材とか料理について勉強したくて店番してんねん」と話すと、「ならうちも来いや」と言ってくれたり。やっぱり、教えて欲しい! と自分の欲求ばかりを主張するんじゃなくて、その土地を本当に理解したいという気持ちをきちんと示して歩み寄るということをして、その態度を見てわかってもらうのが大事なんだと学んだんですよね。

 

世界195カ国の料理をすべて作ってやる!

心も体も投げ出すような形でさまざまな土地の食文化を学んでいった本山さん。33歳の時についに独立。念願であった、世界中の料理を提供するレストランを神戸市にオープンさせる。

その後、同じ神戸市内で場所を移転する形で2004年にオープンさせたのが「パレルモ」だ。イタリアの港町で、世界中の食材が集まってくる土地である「パレルモ」の名を冠したお店で、約30カ国の料理を常時提供した。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:料理には歴史や文化が盛り込まれているんですよね。例えばアメリカのルイジアナ州の郷土料理である「ガンボ」にはオクラが入っています。オクラの原産地はアフリカなんです。それがなんでアメリカ南部の料理に使われているかというと、アフリカから奴隷がアメリカに連れてこられる際に、オクラが一緒に入ってきたからだという説があるんです。それがスペインやポルトガルのスパイスと出合ってこの味になっている。それを知った時に、料理でそれが分かるっていうのがすごいなと。人間の悲しい歴史がこの料理の背景にあって、差別っていうのは本当によくないことなんだよ、って食べてもらいながら伝えることができる。一つの料理が、文化や歴史、世界で起きている問題を知ってもらえるきっかけになるなと思ったんです。ただ、お店に来るお客さんにいつもそういう話を聞かせてたんですけど、あんまり話し過ぎるとちょっと重すぎて引かれてしまうんです、「料理食べに来ただけなんやけど」って(笑)。

 

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その「パレルモ」で本山さんが2010年から展開し始めたプロジェクトが「世界のごちそうアースマラソン」だった。

これは、当時、日本政府が国として承認していた世界195カ国、すべての国の料理を最低1品ずつ作るというお客さん参加型のイベントで、2週間ごとに4カ国のご当地料理を出し、休みの期間なく2年間に渡って続けられた。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:何か面白いイベントをしてそのメッセージを伝えられないかと思いまして、ウチのお店で始めたのが「世界のごちそうアースマラソン」だったんです。これが本当に大変で……やるって決めたのは自分なんですけど。まず、僕が行ったことのある国は30カ国で、それが全部で195カ国あるわけじゃないですか。160以上の国の料理のレシピを知らないわけですよ(笑)。

 

普通なら「もう無理」とあきらめるところだ。が、そこは出来ない理由より出来る方法を考えるのが本山さんという男だ。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:最初は100カ国でいいかなとも思ったんですけど、中途半端だなと思い直しました。それでは全世界じゃないわけです。この国の料理はおいしいから、とか、有名だから、とかではなく、どんな国のどんな料理も認め合える世の中にしたくてやっているんだから、そこに無い国があったらおかしいなと。一応、195カ国が日本が国として認めてる数なので、それなら世界の料理と言えるかなと。自分が名前を聞いたことすら無い国もあって、その名前を知るだけでも面白いし、その国の人が食べている料理を通じて一気にその国を知ることができる。

 

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▲「世界のごちそうアースマラソン」開催当時のメニュー。広い世界地図を眺めているような気分にさせられる

 

やっとの思いで見つけたコソボ料理

無謀ともいえるプロジェクト「世界のごちそうアースマラソン」。必死にレシピをかき集めたが、苦労は絶えなかった。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:大抵の国の料理はレシピを用意できたんですけど、それでもやっと100カ国ぐらいでした。でも、現地を知っている人からレシピを教わりたいというこだわりがあったので、大使館にたずねたり「異文化交流センター」に行って海外の方に教えてもらったりとか、信号待ちの時に外国の方がいたら、いきなり話しかけて教えてもらったり(笑) 。それをお店をやりながら同時進行で進めなくてはならない。この2年間は本当に、毎日3時間ぐらいしか寝てないんです。

 

中でも苦労したのが、いわゆる紛争地のレシピだった。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:それでもどうしてもレシピが手に入らない、情報のない国がいくつかあって、その一つがコソボだったんですけど、コソボって紛争があって、その当時は旅行者もほぼ行けなかったんですよ。ブログにも情報がない。コソボの人も自分の国の料理を紹介している場合じゃないし、文献もまったくない。手がかりがなくて、家でずっと「コソボ……コソボ……」とぶつぶつ繰り返して、嫁に「なんなん?」とあきれられたり(笑)。あれこれ手を尽くしたけどなかなかうまくいかなかった末に、ミクシィでコソボに関するコミュニティを探したらそれがあったんですよ、コソボコミュニティが! そのコミュニティの方に連絡をとったら奥さんが日本人で旦那さんがコソボの方だったんですね。イベントの主旨や、コソボのことを料理を通じて知ってもらいたい、コソボで今起きている問題があるなら支援したいということなどを伝えたんですね。そしたら返事が返ってきまして、コソボ料理っていうのは「ベゲータ」っていう野菜から作ったコンソメのような顆粒パウダーがあって、それを入れると全部コソボ料理になるんですよ、と。ハンバーグに「ベゲータ」を入れて味付けをして、ヨーグルトに「ベゲータ」を入れてソースにしたら、もうそれは立派なコソボ料理だという(笑)。すごい悩んだわりにはそれが答えか! って(笑)。

 

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▲あった、コソボ料理!

 

料理の背景には、その土地が抱えてきた苦難の歴史や経済事情が隠されている。コソボ料理も例外ではなかった。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:そしてコソボ人のご主人が、その「ベゲータ」というスパイスとワインを一緒に送ってくださったんですけど、コソボは危ないからっていうことで隣国のマケドニア行ったら、たまたま町で売られていたのを買ってきたものらしくて。ただその時、旦那さんはお金を持っていなかったみたいなんですよ。でも懐かしい味だからどうしても欲しいと思って、その時履いてたジーパンを物々交換で「ベゲータ」にかえたという(笑)。 そうまでして手に入れたものなのよ」っていうのを奥さんから聞いて、本当にありがたかったです。おかげでコソボ料理の味だけじゃなく、そういう社会的な背景も知ることができました。

 

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▲未知の食材に触れると、うれしくてたまらない(写真提供:世界のごちそう博物館)

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:ちなみにその「ベゲータ」なんですが、この前Amazonで売ってたんですよ(笑)。ご家庭でコソボ料理を作ることができる時代になりました。

 

2年間続けられたお客さん参加型の企画「世界のごちそうアースマラソン」にはのべ3000人のお客さんが参加。その中の33人が195カ国すべての料理を制覇したという。

「僕も大変だけどお客さんも大変だったと思います」と本山さんは当時を振り返る。苦労はあったが、本山さんにとって大きな学びの機会となったようだ。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:世界にはいろいろな国があっていろいろな人がいていろいろな料理があります。おいしいとかまずいとかじゃなくて、この土地だからこの料理になっているとか、さまざまな背景があります。例えば、支配されていた歴史がある国で、もともとあった料理じゃない国のものが食べられるようになっていったとか、そういうことを知って、お互いを思いやれたら少しずつ平和な世の中になるんじゃないかということを、これをやることで伝えたかったんですね。実際、195カ国の料理をその国の方々とコミュニケーションをとりながら作っていって、僕の中でも世界中の人がお互いを理解しあって平和に世の中になっていったらなという思いが自分の中でどんどん強くなっていきました。

さまざまな国の料理を知るうちに、貧困や飢餓、戦争など、大きな問題にも触れることになっていった本山さんは、料理を通じて世界に働きかけていきたいという思いを強めていくことになる。

2016年には、世界中のプレゼンターが世の中を良くするアイデアを発表し合う「TEDx」にプレゼンターとして参加するなど、活動の幅を広げていく。

tedxkobe.com

 

世界中の珍しい味をレトルトに

そんな中、ずっと続けてきたお店「パレルモ」を閉めるという決断を下した本山さん。神戸市にあったお店に来られない遠方の方にも世界中の料理を届けようと2014年頃から製造し始めていたレトルト食品シリーズの製造・販売に専念することになる。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:レトルト食品に絞ったのにはいくつかの理由がありまして、まず、それまではとにかく毎日が大変だったんです(笑)。当初はお店と並行してやっていたんですが、毎朝3時に作業所に行って材料を僕が調理して、それを冷やしているとだいたい朝8時ぐらいになって、作業所で詰めの作業をしてもらいます。僕はそこからお店に戻って仕込みを始めてっていう日々を送っていたんですけど、これはずっとはできないなと。自分には3人の子どもがいるんですが、一緒にいてあげられる時間をもっと作りたいと思いました。飲食店だと、お昼と夜の決まった時間に毎日開ける必要がある。でもレトルトだと融通がきくんですよ。夜ご飯を一緒に食べることもできるし、運動会がある日は外すとか段取りが組めますから。また、レトルトならいろんな人に食べてもらうことができるし、自分が料理を通じて知ってもらいたいこともパッケージなどから伝えやすい。さらに、食品のロスを少なくすることができる。そういうさまざまな理由から現在の形になりました。最初は4種類だけだったんですが、徐々に種類を増やしていっています。

 

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▲ご覧のとおり、日本人には未知の味がズラリ。本山さんのレトルトはまさに世界を知る窓といってもいい

 

本山さんのレトルト食品シリーズを食べてその活動を知った人も数多く、それがきっかけで各地に講演に招かれたりするなど、反響も大きいのだという。

オンラインショップでの購入が可能なほか、最近では東急ハンズやロフトなどの一部店舗でも期間限定で販売されているとのこと。ラインアップの中で特に好評なものについて聞いてみた。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:トップ3があるんですけど、まずは鶏肉とじゃがいもを使ったタイ南部の「マッサマンカレー」、ニンニクの効いたスペインの「アホスープ」、珍らしい食材を使った「パキスタン風羊の脳みそカレー」。通年、これらが好評ですね。実はこういう食材のものって女性の方が関心を持ってくださることが多いんですよ。「羊の脳みそ……気持ち悪っ!」って通り過ぎて行くんですけど、なぜかしばらくして戻ってくる方が多い(笑)。「やっぱり気になるので買います」って。チャレンジ精神が旺盛なのかもしれないですね。

 

珍しい食材を使ったシリーズでは、「アメリカ南部風 赤耳亀のケイジャンカレー」、「ブラジル風ピラルクのココナッツ煮込み」なども好評だとか。

「アメリカ南部風 赤耳亀のケイジャンカレー」は、現在、国内での増加問題を耳にすることが多い外来種の「アカミミガメ」について、「どうにかできないか」と行政から依頼を受けて制作したものだという。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:これまでスッポンぐらいしかカメをさばいたことがなくて、アカミミガメの甲羅はすごく丈夫なので、調理がものすごく大変なんですよ。最初は30人前を作るのに丸3日かかりました。すごい効率が悪い(笑)。アカミミガメがアメリカ原産のものなので、生まれ故郷のアメリカ南部風の味付けに仕上げたんですが、これをきっかけに外来種の問題にも関心を持ってもらえたらと思って頑張りました。インパクトが大きかったのか、メディアにも取り上げてもらって好評でしたね。それを知った別の業者の方が「アカミミガメがいけるならピラルクも興味ありますよね?」と声をかけてきて、それで作ったのがピラルクの煮込みです。

 

そう、熱帯魚好きにつとに有名な世界最大級の淡水魚のことだ。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:アカミミガメが食材になったのは世界初だと思うんですけど、ピラルクはブラジルでは普通に食材に使われていて、おいしいんですよ。

 

評判のレトルト商品を実食してみた

本山さんのおすすめの中からいくつかを購入し、後日、自宅で食べてみた。

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お話にも上がった「アメリカ南部風 赤耳亀のケイジャンカレー(手前、750円)」と「アホスープ(奥、650円)」。

 

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おそるおそる食べたアカミミガメの肉にはクセがまったくなく、鶏肉と言われても分からない感じ。

 

スパイス感が強めで香ばしく、アカミミガメ入りだということを一切忘れてズンズン食べ進んだ。

 

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一方、アホスープは、がっつりとニンニクの風味が効いたオニオングラタンスープといった印象。スペインでは昔から古くて硬くなったパンを入れて食べていたため、「貧者のスープ」とも呼ばれるそうだ。ふにゃふにゃになったパンがお麩のようでおいしい。

 

それにしても、まさか家の見慣れたテーブルの上でアカミミガメの肉を食べ、アホスープをすする日が来るとは思わなかった。

 

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「マッサマンカレー(650円)」のまろやかな甘みも素晴らしかった。ジャガイモも鶏肉もゴロゴロ入っていてうれしい。

 

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こんな味が家庭で楽しめてしまうというのは改めてすごいことなんじゃないだろうか。

 

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「ブラジル風ピラルクのココナッツ煮込み」もおいしかった。世界最大級の淡水魚ともいわれるピラルク、味にはクセがなく、タラの味わいをもう少しギュッと濃縮したような感じだ。何の違和感もなく味わえる。

 

珍しい食材や遠い国の料理をこんなにも手軽に、かつおいしく食べさせてくれる「世界のごちそう博物館」。食べた人はきっと他の種類もいろいろと食べてみたくなるはずだ。

 

食を通じて世界の多様性を知ってほしい

今後、「世界のごちそう博物館」シリーズはどのように展開していくのか聞いてみたところ、「これからも様々な国の料理を増やしていきながら、東京オリンピックもあるので、海外の方に日本の食文化を知ってもらえるようなセットなども用意していこうと思っています」という。

 

また、本山さんは昨年末に『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』(ライツ社)という書籍を出している。

文字通り、世界中の料理のレシピが載っている本なのだが、画期的なのは国内のスーパーなどで普通に手に入る食材や調味料を使ったレシピ集だという点だ。つまり、家にいながらにして自分で行ったことのない国の料理を作って食べることができるというわけだ。

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f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:この本を作るのも相当大変でした。とにかく数が多いので、写真を撮るだけでも3カ月ぐらいかかったし(笑)。また、家庭で簡単に調理してもらえるように、レシピをできるだけ簡略化するのもなかなか大変でしたね。それを作るだけで時間がかかりますし……。でも苦労した分、良い本になっていると思います。

全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ

全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ

  • 作者: 本山尚義
  • 出版社/メーカー: ライツ社
  • 発売日: 2017/12/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

取材から数日後、なんとこの本が「料理レシピ本大賞 in Japan」が主催する「料理レシピ本大賞」の特別選考委員賞を受賞したという知らせが。本山さんの活動が、ますます脚光を浴びそうでうれしい。

 

最後に、本山さんに、食を通じて伝えたいことについて聞いてみた。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003172902p:plain本山さん:世界の多様性に興味を持ってもらって、お互いがお互いを認め合うために自分ができることって何だろうと考えてもらえること。食を入口にして、そういったことに興味を持ってもらえたらと思っています。

 

今日も世界中の人々がさまざまな場所で何らかの料理を食べて生きている。そしてそれは、自分たちが当たり前だと感じているものとはまったく違った魅力にあふれた何かかもしれない。たまにはそんなことをじっくりと想像しながら食事してみるのはどうだろうか。

 

サイト情報

www.palermo.jp

shop.palermo.jp

 

「京大カレー部」のカレーはスパイス度も偏差値も高めだった

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みなさまこんにちは。京都のライター・ナガオヨウコです。

 

今日は、京都が誇る、いや日本が誇る最強大学・京都大学のユニークなサークルをご紹介します。

 

その名も京大カレー部(任意団体)。偏差値高すぎ・頭脳派のエリート集団が、カレー活動をしているといううわさをキャッチし、さっそく行ってまいりました。

 

京大カレー部が作るカレーは、じつは一般の方でも食べられるんです。2日にわたり、カレーをいただいてきたのでレポいたしますね。

 

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主にお話をお聞きしたのは、こちらの3名。

 

左から

田村 夢海さん(文学部2回生)

鈴木 七央也さん(工学部3回生)…前部長。この取材前後あたりで引退

藤原 萌さん(農学部2回生)

 

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私が訪問したのは、「京大カレー部」が学内出店をする日でした。場所は、吉田南キャンパス・総人(そうじん)広場。

 

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ベンチにカレーと炊飯器を置きまして。カレーは、担当部員の自宅で仕込んできたそうです。

 

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販売は、お昼12時ごろスタート。講義が終わった学生たちに声をかけます。気合が入った出店! というより、なんかゆるい雰囲気。

 

同じカレーは二度と作らない

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▲夏野菜のスープカレー(500円)

 

f:id:Meshi2_IB:20181011144025p:plain田村さん:「インドの野菜のスープカレー・サンバルをイメージ。そこに、豚肉を入れてちょっとキャッチーに仕上げました。私は哲学を学びたくて京都大学に入学しました。ただ漫然と生きていくのではなく、人生には彩りがほしいと考えたとき、興味をもったのが食でした。おいしい食べ物は人を幸せにしてくれるだけでなく、人と人とをつなげてくれる役割もありますから。カレー部に入部したのは、エスニック料理が大好きな両親の影響もあります。来春には、父と一緒にインドとタイを旅行する予定です。京大カレー部では、自宅でなかなか食べない味、街のお店でも出合えない味を作って紹介したいですね」

 

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木陰でいただいたのですが、暑い日にぴったりの爽やかさ! 

日本のスープカレーとは違い、すーっとさらさら。むっちゃおいしい!! 

 

野菜は、トマト、ナス、オクラ、ジャガイモ、玉ネギが入っています。スパイスはマスタードシード・ターメリック・コリアンダー・クミン・カイエンペッパーの5種類。

 

爽やかさを演出しているのは、タマリンドジュース。タマリンドとは、タイやインドではおなじみの甘酸っぱいフルーツ。甘めの梅干しやアンズのような味わい、というと分かりやすいでしょうか。

 

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異国っぽいけどなじみのあるようなカレーでした。

 

お聞きすると、個性的なカレーを食べ慣れない学生も多いため、学内出店ではクセのあるスパイスは控えめにしているそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20181011132730p:plain鈴木さん:「基本的に、同じカレーは二度と作りません。京大カレー部が目指しているのは、さまざまなスパイスを使うレシピを研究したり、カレーを通して人同士がつながることだからです。これまで僕たちは、農家さんにユニークな食材を教えてもらったり、カレー店オーナーさんにスパイスを多角的に見る方法を教えてもらってきました。カレー作りも、人との出会いも“一期一会”。人と会うことが、レシピの可能性を広げる最良の方法なんです」

 

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この日用意されたのは30食分。13時前には完売!

 

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▲ 写真中央、カレーを持っているのは新部長の塩 実久さん(農学部2回生)

 

京大カレー部が発足したのは、2010年。総合人間学部の学生有志が立ち上げたそうです。現在の部員数は約30人。全員が京都大学の学生です。普段は、各部員が個人的に食べ歩きをしたり、レシピを研究したりしているとのこと。

 

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▲『京大カレー部スパイス活動』/石崎 楓 著(世界文化社)

 

京大カレー部は、書籍も出版しています。4代目カレー部部長の石崎 楓さん(現在は卒業)が、スパイス考や京都のカレー店レポート、インド探訪記などを一冊にまとめたもの。新聞や雑誌、ネットなどでも話題になりました。

 

彼女が卒業した現在、在校生が目指していることは……?

 

f:id:Meshi2_IB:20181011144025p:plain田村さん:「これまではカレーを食べて研究する目的の部員が多かったのですが、最近はカレーを”作りたい”部員が増えました。今後はスパイスを極め、カレーを多角的にアプローチしていきたいですね」

 

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京都大学のキャンパスはとても広いため、学生の“足”は主に自転車。ということで、自転車で駆けつける学生も多々。

 

鈴木さん:「学内での出店は不定期です。部員の誰かが、披露したいカレーを完成させたら、みんなで部員の家に集まって作ります。カレーは、その人の性格がそのまま出るから面白い。同じレシピで作っても、きっちり細かい人は繊細な味になりますし、大ざっぱな人はおおらかな味になります」

 

f:id:Meshi2_IB:20181011144025p:plain田村さん:「雑な人の味は、とがってるなと感じます。私自身が目指しているのは、インド人のカレー。スパイスを計量せず、インド人になった気分で作っています」

 

f:id:Meshi2_IB:20181011144740p:plain藤原さん:「鈴木先輩は、梨カレーや中華風など不思議なカレーをよく作りますよね」

 

f:id:Meshi2_IB:20181011132730p:plain鈴木さん:「僕は一人でこもってひたすらカレーを作るのが好き。工学部卒業後は材料工学の研究者の道か、製鉄メーカーへの就職を考えています。カレーも材料工学も、研究の姿勢という意味では似ていると感じます。自宅には、約40種類のスパイスをそろえています。東京カリ〜番長の水野仁輔さんのレシピ本『スパイスカレー事典』はすべてのカレーを作りました。最後の1品を作ったときは、部員を招いてカレーを振る舞いました」

 

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▲左)弟・三宅 浩士朗さん(農学部1回生)、右)兄・三宅 祥太朗さん(農学部1回生)

 

京大カレー部のTシャツを着ていた2人を発見! じつはこちらの2人は、福岡県出身の双子くん。毎日、双子コーデで通学しているそうなので、京大では有名人かも?

 

彼らは食料環境経済を勉強していて、将来は食品メーカーでの開発・企画の仕事に興味があるそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20181011144740p:plain藤原さん:「部員で一番多いのは、私が所属する農学部。農学部は、食に関する勉強をしている学生が多いんですよ。私は食品生物科学を専攻しています。ゼミの教授は、食品を分子レベルで解析したり、新しい化学式を作ったりして、抗ガン作用やメタボ治療にいかすための研究をしています」

 

さすが京大カレー部! 話してくれることすべてがアカデミック。でも、ちゃんと一般人の私にも理解できるように話してくれるのが頭いいポイント。

 

将来、彼らが食を通して世界を変えてくれる……! そんな予感がしました。

 

学外でのカレーイベントにも出店

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とある日、京都・淀競馬場で行われた「カレーダービー2018」。競馬を楽しみつつ、いろんなカレーを食べられるというイベントです。

 

東京大阪の有名カレー店に混じって、京大カレー部のキッチンカーの姿もありました。

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部員のみなさんは、調理・会計・お客さんの呼び込み・広報などを役割分担しています。

 

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この日のカレーは「ジンジャーポーク」。

 

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イベントは2日間行われたのですが、仕込みは1日分でなんと500食分! 部員の自宅でほぼ完成させておき、会場のキッチンカーで仕上げを行なっていました。

 

f:id:Meshi2_IB:20181011132730p:plain鈴木さん:「学外でのイベント出店の目的は、見聞を広めること。お客さんの反応をダイレクトに感じることができますし、他のカレー店の方と交流を深めることもできます」

 

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▲ジンジャーポークカレー・トッピング付き(700円)

 

豚肩ロースをショウガと一緒に煮込み、コリアンダー・クミン・ターメリック・パプリカパウダー・カイエンペッパー・カルダモン・赤唐辛子を加えたカレーです。

 

トッピングのうずら卵は、赤・黄色の2種類。赤い卵は缶詰のビーツで、黄色い卵はターメリックで色付けしてあります。

 

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大きめに切った豚肩ロースが存在感ありあり。

 

溶け崩れることなく、しっかりかみ応えのある仕上がりなのは、いったん煮込んだチャーシューをルウに加えているから。

 

ルウ部分は辛さ控えめですが、千切りショウガも入っていてショウガ感がたまらない! 豚のうま味がいい具合に溶け出していて、フレッシュながら奥行きのあるおいしさ。

 

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紫玉ネギのマリネ。

お酢と砂糖で味付けしてあり、すっと爽やか。

 

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レモンの砂糖煮。

カレーのトッピングとしては珍しいですよね。チャツネ的な存在といっていいでしょうか。シナモンがほんのり香る、京大カレー部オリジナルのレシピだそう。

 

f:id:Meshi2_IB:20181011144740p:plain藤原さん:「最近では、一般の人にとってもスパイスが身近になってきたと感じています。私たち京大カレー部が伝えたいことは、身近な材料と数種類のスパイスだけでも、本格的なカレーを作ることができるということ。組み合わせによって、レシピの数は無限大なんですよ」

 

イベントなどでも京大カレー部のカレーを食べられますが、メシ通読者のみなさんに挑戦して欲しいのはカレー作り。京大カレー部ではホームページ等でレシピを公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。 

 

kyodaicurryclub.jimdo.com

cookpad.com

 

人口約8000人の東川町に佇む、ミシュランガイドも認めた予約殺到の「居酒屋りしり」に行ってみた【北海道】

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突然ですが、北海道の東川町ってご存知ですか?
人口約8000人の小さな町なのですが、人口増加率が高く、移住者が多いことで知られています。

 

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北海道で一番高い山「大雪山エリア」のお膝元で、田んぼが多く、北海道らしい雄大な景色が眺められることに加えて、上下水道が地下水というところが理由です。

 

この東川町、鉄道がないためアクセスが悪い……。しかし、「ここに行くためにわざわざ東川町に泊まる」という人がいるほど、予約が殺到する話題の居酒屋さんがあると聞いて行ってきました。

 

「りしり」の料理を求めて全国各地からファンがやってくる

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それが、この「居酒屋りしり」です。北海道ミシュランに紹介されたお店のひとつで、日本各地から毎年のように多くの人が訪れ、東川町民や近隣地域からも愛され続けているんです。

 

町の中心部にあり、三角屋根が特徴的なこの建物は、東川町で家具や施工を手がける「北の住まい設計社」のものだそう。

 

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木彫りの看板は「居酒屋りしり」に限らず、東川町のあらゆるお店で見かけます。実はこれ、東川町の商工会が1986年からはじめた「木彫看板設置事業」の一環なんだとか。

 

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それでは店内へ。

 

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 カウンターに座りながら、ビールをいただきます。ここはやっぱり「サッポロクラシック」(550円)。この他にも、全部で3種類の樽生ビールがあるそう。

 

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メニューがかなり多く、通年用のグランドメニューに加え旬のお品書きがあり、魚料理が豊富。東川町は内陸なので、海がない場所で魚っていうのもなんだか不思議な感じですが……。

 

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お通しの「北海シマエビ」(480円)です。真っ赤なシマエビ、塩味が効いていておいしいです。漁の期間が年に2回と限られており、なかなか珍しいものなんだとか。

 

それでは、若旦那こと中竹英仁さんにお話を聞いてみましょう!

 

父から母、母から息子へと引き継がれて……

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――そもそも、なんでこの町で居酒屋さんを営むことになったんでしょうか?

 

中竹さん:もともと父が東川町で魚屋さんを営んでいたんです。東川町の先には天人峡という温泉があるんですが、そこのホテルへ魚を卸したりしていてね。バブル前だったんだけど、売り掛けを支払わないままそのホテルがつぶれたりして……。それで、魚屋さんじゃあ成り立たせるのが難しいってことで、父親が居酒屋さんを始めることにしたんです。ここの場所になるまでに、2軒ほど小さな居酒屋さんを経て、いまの居酒屋りしり」の形になりました。

 

――お父様がこのお店の礎を築いたわけですね。

 

中竹さん:そう。父が亡くなった後は、母親が居酒屋りしり」をやっていて、地元の人のすすめや協力もあって、この建物をつくることにしたんです。その頃おれは札幌で大学生をやっていてその後も札幌で働いていたんだけど、29歳の時に東川に戻りそれから母と札幌時代からの料理仲間と一緒におをやっているんです。父の代からだと、かれこれ30年くらいになるのかな

 

――東川町って海から遠いじゃないですか。どうやっておいしいお魚を仕入れているんでしょうか?

 

中竹さん:隣町の旭川にある魚屋さんから仕入れています。父が営んでいた魚屋時代の仲間昔からよくしてもらっているので、鮮度の良い魚が仕入れられるんです。旭川は内陸だけれど、北海道の真ん中にあるので、北海道中からおいしい魚介が集まってくる場所。ここらへんは海のすぐ近くというわけではないけれど、その分、シケの影響を受けにくいこともあっておいしい魚が食べられるんです。

 

新鮮な魚が食べられる理由はそこにあったのですね。それでは、「居酒屋りしり」自慢のお刺身を食べてみましょう。

 

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「季節のお刺身盛合わせ」(2人前、3,200円)は、常時8〜9種類盛り。この日は、マグロやホタテ、ヒラメやエビに加え、生ウニやサンマがのっていました。どのお刺身もおいしすぎます。

 

――お刺身のチョイスに、何かこだわりはあるんですか?

 

中竹さん:北海道外からもいろいろな人が来るので、北海道らしさを感じてもらえるような刺身をセレクトしています。でも、難しいのは地元の人に食べてもらう時。高い値段を出せばいい魚を仕入れることができるけど、そうすると価格も高くなってしまう。観光客なら少しくらい高くてもいいかもしれないけれど、それだと地元の人たちをがっかりさせてしまうかもしれない。どちらにとっても満足してもらうようにするのが難しいんですよ。もうね、地元用と観光客用とメニューを用意したいくらい(笑)。

 

――地元の人たちに支えられているところもありますし、確かに難しいですね……。

 

中竹さん:東川町はお米や野菜が名産なんだけど、地元の人はいつも鮮度のいいおいしいものを食べている。だから、食材の良さにももちろんこだわるけど、温かいものを温かい状態で出すとか、焼き加減とか、ベーシックとなることをもっと高いレベルで大切にしていきたいなと。料理だけでなく、接客ももちろん大事。そして、ホールの子たちがきちっとしてくれているっていう状況がいいなと。うちで働く人は、自分がお客様の立場になるということをお願いしています。

 

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▲若旦那の傍らにはお母様の姿があります。いいマスターとママがいるお店ってこういうことなんだなとしみじみ

 

他では食べられないものを厳選したメニュー

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魚以外にも、東川産のメニューも豊富です。これは、「とうきびのかき揚げ」(650円)。シンプルにとうもろこしを揚げたものですが、とうもろこしがどこまでも甘い……。こんなに甘いとうもろこし、なかなか他では食べられません。こういった素材や調理方法のひとつひとつに丁寧なこだわりがあるんですね。

 

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また、この日が初物だという「いくらの正油漬け」(650円)も。プチプチとした食感の生のいくらは、正油味の効いた濃厚な味わいです。口の中で弾けるイクラをかみ締めるたびに、北海道にいるんだな〜という感じがします。

 

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こちらは「生にしん」(950円)と、「塩むすび」(180円)。このにしん、焼き加減がとにかく絶妙。身がふっくら柔らかいんです。塩むすびは手できちんと握られており、お米の甘さがしっかり味わえます。このおむすびに使われているお米は地元の幼なじみがつくる東川産だそう。中竹さんの言う通り、スタンダードなことを大切にしているということが、どのメニューからも伝わってきます。

 

――これだけ多くのメニューがそろっている理由は、何かあるんですか?

 

中竹さん:いや、メニューはね、これでも少なくしたんですよ。昔は餃子や野菜炒めとかあったんだけど、わざわざうちで食べなくていいものはなくしていったの

 

とは言っても、40種類以上のフードメニューがあります。魚だけでなく、串焼きなどの肉類もあるので、どんな人が訪れても満足できること間違いありません。

 

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「東川産のワイン」(グラス 700円)なんてものもありました。「居酒屋りしり」に来れば、東川の味がなんでもそろっているのです。

 

――ちなみに、どうして「居酒屋りしり」っていう名前なんでしょうか?

 

中竹さん:魚屋時代に働いていた従業員の方が利尻島出身だったのがきっかけなんだよね名前を変えようという話もあったみたいだけど、「りしり」ってひらがなだけにしたの。「居酒屋りしり」って名前だと、赤ちょうちんとか純和風居酒屋さんのイメージがあるから、実際に来てみて良い意味で裏切れるかなと。

 

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 ▲お店には店名の由来になった「利尻」の文字が飾ってあります

 

「居酒屋りしり」不動のメニューがお母様の代から作り続けているという「母さんのポテトサラダ」(380円)。北海道産のじゃがいもを使っていて、クリーミーかつ優しい味わいです。

 

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「居酒屋りしり」を訪れてみて一つ分かったのは、どの料理にもお店のこだわりや愛情が感じられること。一度訪れた人をとりこにしてしまう理由は、まさにここにあるのでしょう。

 

おいしい料理を食べながら気さくな店主とゆっくり飲み語る。ここは最高のひとときを体験できる居酒屋さんでした。

 

お店情報

居酒屋りしり

住所:北海道上川郡東川町東町1-6-14
電話番号:0166-82-4088
営業時間:17:00〜23:00
定休日:日曜日

www.hotpepper.jp

 

(PHOTO:YUTA KADOWAKI)

 

釣りにハマりすぎて「怪魚ハンター」になってしまったDMM社長・片桐さんの話【釣りバカメシ】

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34歳の若さにしてDMMの社長に電撃就任

各業界の釣りバカに、釣りをしながらメシについて語ってもらうというこの企画。

今回のゲストは株式会社DMM.comの片桐孝憲(かたぎりたかのり)社長だ。

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株式会社DMM.com(以下、DMM)といえば、さまざまなサービスを仕掛け、なにかと話題の超有名企業。

そのDMMの社長として、2017年1月に電撃就任したのが片桐孝憲さんだ。

dmm-corp.com

大学生時代から音楽バンドのホームページやミュージックビデオを手掛けていた片桐さんは、2005年に大学をやめてWeb制作会社を設立。

その後、2007年に友人が立ち上げたイラスト投稿型SNS「ピクシブ」の運営を引き受け、ユーザー数3000万人超のスーパーサイトへと成長させた。

と思ったら、34歳の若さにしてDMMの社長に就任ですよ。いやー……スーパーサイヤ人からスーパーサイヤ人ゴッドになってしまった感がありますな。

実はそんな片桐さんは、海外まで遠征で釣りに行くほどの「釣りバカ」。行く先々で非常に珍しいメシも食べているという。

 

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ちなみにこれは片桐さんが食べた「ピラニアの味噌汁」。

 

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そしてこちらは「電気ウナギのかば焼き」。

そんな片桐さんだが、最近はフライフィッシングにハマっているとのこと。忙しいなか「釣りしながら話を聞きたい」という無茶ぶりを快く引き受けてくださった片桐さん。さっそく、今日の釣り場となる埼玉県朝霞市にある「朝霞ガーデン」に向かった。

 

途中に釣具店の上州屋が見えた時、「あ!」って思った

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── なんでフライフィッシングにハマっているんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:もともと淡水から海まで、エサ、ルアーなんでもやっていたんですけど、去年の夏、ウガンダにナイルパーチを釣りに行ったんですよ。それもルアーとエサで狙ったんですけどね。ツェツェバエの猛攻や暑さ、嵐のような夕立、カバの恐怖など、滞在中はつらいこともあったけど、すごく楽しかった。でも、ナイルパーチ釣りの夢がかなったことがきっかけで(やり尽くしてしまった気がして)釣りが終わってしまった。自分の中で。

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── 今年のゴールデンウィークは、マレーシアまでライギョを釣りに行ったらしいですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:そう、チャドー(ジャイアントスネークヘッド)ね。で、「海外の釣りはいいんだけど、日本で釣りって何したらいいんだろうなー」って悩んでいたら、6月に知り合いが北海道のフライフィッシングに誘ってくれたんですよ。それまでフライフィッシングはやったことなかったし、やりたかったんだけどハードルが高すぎて、誰かに教えてもらわないと無理。でも、教えてくれるんだったらやってみようかと。そしたら見事にハマってしまった。基本的にはドライ(水に浮くタイプ)でイワナやニジマス、ヤマメを釣ってます。

 

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── 片桐さんの「釣り歴」を教えてください。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:僕の実家は静岡の超田舎で、家の横が川だったんですよ。そのとき釣りは普通だった。というか、釣りぐらいしかやることがない。コイとかフナとか。でも、高校を卒業して東京の大学に行くようになると、自然相手の趣味が手軽じゃなくなるわけですよ。時間もコストもかかる。釣りもまったくやらなくなった。

そして23歳で起業して、25歳のときpixiv(ピクシブ)ができた。そのころは土日も会社に行ってたんですけど、2年ぐらい経ってようやく会社がまわるようになってきたある日、社員が三郷のコストコに行くって言うからついていったんですよ。途中に上州屋(釣具店)が見えた時、あ! って思った。

 

「コイ釣りでもやるか」

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:そのままお店に入って「巨ゴイ釣りたいんで、道具全部ください」って言ってしまった(笑)。子どもの頃、高くて買えなかった道具が、今なら手に入るわけですよ。ただし、道具は買ったんだけど、釣り方がさっぱりわからない。雑誌とか読んでも専門用語が多すぎるし……。だから多摩川に行って、コイ釣りをやっている人に片っ端から声かけて教えてもらうっていう作戦に出たんだけど、これが超大変で。

 

── すでに釣り方を知っている人から学ぼうとしたんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:僕ってずっとインターネット業界で仕事していて、まったく違う世界の人と会うことってあまりなかったのね。向こうも「あ、あのpixivの……」みたいな人ばかりで。だから、まったく知らないオジサンに声かけて、道具とかをチラチラ見ながら釣り方を聞き出すっていうのがまず大変だった(笑)。面白かったけどね。

 

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── ネット業界の風雲児が多摩川でオジサン相手にコイ釣りの技を聞き出そうとしているのは、なかなかシュールですね(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:コイ釣りにハマりすぎてパン焼き機も買ったなぁ。エサにするパンを焼くためだけに買ったんですよ。コイはパンが好きだから。焼いたパンは自分では食わない。コイ専用。でも、コイって岸からだと、どこにいるか見えない。だからもっとコイをよく見るためにボートに乗ることにしたら、ついでにバス釣りでもやるか! ってなった。コイを探すためのボートだけど。

 

── コイへの情熱がハンパない!

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:バス釣りを始めてみたら、コイ釣りとはまったく違う。コイ釣りは、とにかく待っている時間が長いし、やめどきが見えない。ボーッと座っているだけだとヒマだし、釣れないとすっげぇストレスがたまる。あと、コイ釣りは一緒に行ってくれる人がいなかったけど、バス釣りなら来てくれる(笑)。こっちのほうが楽でいいなと思いつつ、それでもコイ釣りを続けていたら、ネット業界でも「片桐は釣りが好きらしい」っていう話が広がって。今度は海釣りに誘われたの。

 

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f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:それまでコイ釣りやっているときの僕にとって、遠征っていうと、行っても箱根とか河口湖レベル。そこまで行ったらマジで遠征だった。「コイ釣り界」の人に聞いても、琵琶湖とかに数年に1回行けるかどうか、みたいな世界で。鹿児島とか青森とかまで行くなんて、一生に1度の大遠征みたいなイメージだった。

 

── 基本、ホームグラウンドでやるのがコイ釣りなんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:ところが、海釣りを始めると、普通に釣りのために沖縄とかまで行くようになって、自分のなかの「遠征の範囲」が飛躍的に広がった。和歌山バラムツを釣ったり。「釣りは移動してやるもんだ」という認識ができつつあった。

 

「怪魚」に出合って、世界が広がった

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── 海外で釣りを始めたきっかけはなんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:コイがまったく釣れない日があって。俺はコイのことまったくわかってねえなぁ……と思って帰り際に池袋のジュンク堂に行ったんですよ。本を買って知識レベルから鍛え直すつもりで。そのとき『世界の怪魚釣りマガジン』と、小塚拓矢の『怪物狩り』っていう本を見つけて「なんじゃこりゃ!」ってビックリした。こんな世界があるのかと。

怪物狩り―世界“旅的”個人釣行ビジュアルガイドBOOK

怪物狩り―世界“旅的”個人釣行ビジュアルガイドBOOK

  • 作者: 小塚拓矢
  • 出版社/メーカー: 地球丸
  • 発売日: 2010/08/01
  • メディア: 単行本

 

── 日本では怪魚ってそんなあっちこっちにいないですからね(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:その2冊をいつも手に持って歩いていたら、1週間後くらいに小塚くんの弟さんが働いている会社の人と偶然ご飯に行く機会があったの。で、『怪物狩り』を読んだって話をしたら、小塚兄弟を紹介してもらったんですよ。それから一緒に釣りに行くようになった。でも釣りでわざわざ海外まで行くとか、あり得ないって思ってた。小塚くんの場合、普通にアマゾンまで1ヵ月間とか行ったりしているから、経験と時間がないと無理。自分のなかでは遠い国の話だと思ってた。

 

── そりゃ、1カ月も社長がいないと社員も不安になります。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:そしたら、沖山(朝俊)くんっていう、これまた怪魚ハンターがいて、彼は「ツアーを使ってガイドを雇ってやれば10日から2週間もあれば、アマゾンなんて行けますよ」みたいなことを言う。

 

── それは合理的ですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:じゃあ、ってことで沖山くんと2014年2月だったかな? 一緒に南米のガイアナ共和国に釣りに行った。そっから海外の釣りってめちゃくちゃ面白いなって感動して、海外に行きまくるようになった。そうなると、箱根あたりとか、もう隣じゃん、多摩川より近いし(笑)、みたいになって……実際は遠いんだけど。そうやって「遠征力」が上がっていったって感じですね。

 

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── 海外まで行ってしまうと、もう「釣りバカ」ですね(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:SNSに釣りの写真とかアップしていると、超釣り好きって思われているかもしれないけど、釣りが好きっていうよりも「旅とセットになっている釣り」が好きなんですよ。テーマがない旅ってつまんないと思っているから。本当の釣りバカって僕なんか足元にもおよばない。まったく寝ないで釣り続けるとか、そういう世界だから……そこまでしたくない(笑)。

 

── それらを経て、フライにたどり着いたわけですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:今はフライにハマってます。これまでは、とにかくデカい魚を釣ることがいいと思っていた。でも、フライを始めるようになって、小さくてもいいから釣るプロセスを大切にする釣りも楽しいんだって気づいた。大漁とかどうでもいい。大きさもデカけりゃうれしいけど、そこまでこだわってない。

 

起業したら、自信なんて一瞬で粉々になった

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── いまでこそ、アマゾンから北海道まであっちこっちに釣りに行ってますが、起業した当時は釣りどころじゃなかったんじゃないですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:僕、学生時代、アルバイトの面接しても受からないし、アルバイトしてもすぐ辞めちゃったんですよね。アルバイトやってみて大変すぎて、絶対に行きたくなかった。だから2005年に起業したときは大変なことになった。バイトすらしたことないから、仕事っていう概念が抜け落ちてて、「自分が会社やったら、超うまくいっちゃうんじゃないかな」っていう謎の自信があって(笑)。

 

── 謎の自信(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:で、起業したんですよ。そしたら一瞬で自信なんか粉々。「これじゃ、生きることすら難しいな」って。「なんでオレ、あんなばかなことを思ったんだろうな」って。「ただ会社が作りたかっただけで、なにか仕事をやりたかったわけじゃなかったんだ」って。

 

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── よく、pixiv立ち上げ初期のころ、お金がなくて金策に走り回ったりとか、家賃を滞納してアパートのドアが封鎖されたって話を聞きますが……。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:pixivができた後というのは全然大変じゃないんですよ。だって、やることが決まっているわけだし。それよりも「どんな仕事をやっていいのかすらわかってない」っていう起業したばかりのときの方が、地獄でしたね。

 

これまで食べたなかで一番豪華なメシ

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── 食に対するこだわりってあるほうですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:食に対するこだわりがまったく無い人に会って、自分はこだわりあるほうだなって思いました。(DMMの)亀山会長がまったくそういうの無いんですよ。ゼロです。いいお店に行くと料理の説明とかあるじゃないですか。そしたら、「説明いらん」って感じ。そういう(高級な)お店とかにもぜんぜん興味ない。普段はコンビニのサンドイッチとか食ってますね。

 

── 亀山会長にメシのインタビューを申し込むのはやめておきます(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:僕は実家が飲食店だったんですよ。自分で『ミスター味っ子』に出てた超分厚いカツどんとか作ってみたくて実験してました(笑)。あと2度揚げするやつとか。そういうのを思うと、それなりにこだわりあるのかも。

 

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── 下世話な話ですいませんが、今まで食べたなかで一番豪華なメシって何ですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:これまで食べたなかで一番豪華なメシ……内容というより場所でいうなら、有名なアーティストのレセプションパーティーで連れて行っていただいたバチカンのディナーかな。普通はまず体験できないんで。ミケランジェロの絵とかに囲まれているなかで食べるんですよ(笑)。

 

── すごくうまい、もしくは忘れられない味は?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:思い出とセットになるんだけど……僕、毎年、阿波踊りに行っているんですよ。徳島の「虎屋 壺中庵(とらや こちゅうあん)」。そこはお盆に行くとめちゃいい。川が流れていて雰囲気がいい。

www.hotpepper.jp

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:もう1つ挙げるとしたら新宿二丁目の「オンマキッチン」っていう韓国料理屋。もう、とにかく面白いお母さん(オンマ)がやっているお店なんですけど、ここはマジでいいっすね。人が温かいし、料理もうまい。

www.hotpepper.jp

 

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ここで片桐さんにヒット! なんとアルビノのトラウトだ。超レアキャラ。

さすが、もっている男は違う。

まったく釣れなかったらどうしようと、内心ドキドキしていたスタッフも一安心。

 

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── お疲れ様でした! 残り時間が少ないなかでのヒットでしたね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:かなりギリギリでした(笑)。

 

仕事も釣りも一緒。まずは1匹、釣らないと

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── 1匹だけど、釣れてよかったです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:結果として釣れるのが1匹でもいいんですよ。仕事も釣りも一緒で、まずは1匹釣らないと釣り方すらわからないまま。小さくてもいいから、成功したほうがいい。1匹釣れると、なにかが合ったってこと

 

── 釣れている常連っぽい人を観察して、フライを交換したり、立ち位置を変えてましたね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:フライの種類かもしれないし、狙っているポイントかもしれない、それで1匹でも釣れれば次はどうしたら大きいのが釣れるかとか、考えられますよね? トラウト釣り場でGT(ジャイアント・トレバリー)用のルアーを1日中投げていたって、絶対に釣れない。時間の無駄。わざわざ失敗から学ぶことなんてない。

 

お店選びでその人のセンスがわかる

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── 仕事柄、接待や打ち合わせでいろんなお店に呼ばれることも多いんじゃないですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:呼ばれますね。呼ばれるんだけど、そこでけっこうセンスを感じます。高級店ならなんでもいいって人と、とにかく駅前だったらOKっていう人、それからネットの評価が高いところを選ぶ人。僕はネットで評価が高いからってだけで何ヵ月も前から予約するのとか、ホント「さむい」と思っている。それよりも、サクッと入って食べられるようなお店のほうが圧倒的に好きです。

 

── センスがよかった人はいますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:センスいいなって人、いますよ。さっきの「オンマキッチン」を教えてくれた人は、格好いいお店選びだなーって。自分よりずっと年上の人に「飯食い行こう。俺おごるからさ」って呼ばれて行って、マジで庶民的なカウンターで、うわ~! って。一発目の会食でこれ? カッケー! って思った。

 

── かなりレベルが高い接待ですね(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:とにかく高いお店を選ぶ人もいますよ。●●●●●の偉い人はとりあえず値段もネットの評価も高いお店に呼んでくれるんですよ。でも、そういう雰囲気の会社だから、わかるわ~みたいな(笑)。お店選びのセンスで、その会社や、その人の生きざまが現れます。

 

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── 今後は何を釣りたいですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180908003008p:plain片桐:フライで、ニジマスやオショロコマとか。年末はアマゾンに行くので、アマゾンでフライやろうと思ってます。

 

── 期待してます!

 

撮影:渡邊浩行

 

撮影協力

朝霞ガーデン

住所:埼玉県朝霞市田島2丁目8-1
電話番号:048-456-0258
ウェブサイト:Asaka Garden Official Web Site

 

アイドルが「ヲタ女子」として生きるということ【虹のコンキスタドール・鶴見萌】

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二次元とかき氷が大好き

最近、かき氷好きな人のことをちまたでは「かきごおらー」というそうです。ももいろクローバーZの高城れにさんも「プロかきごおらー」と名乗っているのだとか。

 

ここにも一人、かき氷をこよなく愛するかきごおらーがいます。

その名は、虹のコンキスタドール・鶴見萌さん。

twitter.com

 

【MV】虹のコンキスタドール「ずっとサマーで恋してる」(虹コン)

 

本日は、かき氷と二次元をこよなく愛する鶴見萌さんに、おいしいかき氷を食べてもらいながら高校時代からどっぷりとハマっているという、二次元の世界のお話も聞いていくことにしましょう。

 

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今回、訪れたのは千代田線・湯島駅から坂を上った先にある「サカノウエカフェ」。

連日、かわいいかき氷を求めてお客さんが列をなす評判店です。日頃から鶴見さん自身もよく通われているお店だそうです。

 

自慢のかき氷は、その季節によって旬のフルーツや食材をふんだんに使用。メニューは頻繁に更新されるので要チェック!

 

周囲も驚愕(きょうがく)するほどの「かき氷愛」

──本日は、鶴見さんの大好きな「かき氷」と「二次元」のインタビューです!

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見うわぁ! 最高!!

 

──鶴見さんのTwitterを見ていると、こちらの「サカノウエカフェ」には何度もいらっしゃっているみたいですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見けっこう何度も来てますね。7回くらい来ています。

 

店主:ありがとうございます! お顔を見てわかりました(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見本当ですか!? うれしい! この前、六本木でやってた「かき氷コレクション」にも行ったんですよ。定期的にお店が入れ替わるんですけど、サカノウエカフェさんがそこで出店されていた時に妄想キャリブレーションの星野にぁさんと一緒に行って食べました。そこでしか食べられないメニューもあったり。普段からサカノウエカフェさんのインスタグラムをよくチェックしています。

 

──本当にお好きなんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見サカノウエカフェさんが出すメニューと私の味覚がすごく合うので、新作が出て、それが好きなフルーツとかだったら絶対に来ます!

 

二次元の世界にハマった学生時代

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──二次元を好きになったきっかけは?

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見高校1年生の時に同じクラスになった子たちの中にコアなガチヲタクが2人くらいいて、それまでもアニメは見ていたんですが、高校の時にその子たちと特に仲良くなったので、その子たちがきっかけで、アニメイトとかアニメグッズのお店がたくさんある池袋に行くようになったり、今期のアニメは「○○と○○とコレ見よう」みたいな。そうなってくると、全部チェックしたくなっちゃうんですけどね。そうなったのが高1の時でしたね。

 

──まわりに同じ趣味の人がいたんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見中学時代の友達のなかにもアニメやアイドルなど、さまざまなジャンルのものが好きな子がいたので、その子の影響でボカロが好きになって、そこからアニメにハマって見ていました。

 

二次元と同じくらいハマった「かき氷」

──そもそも、なぜかき氷にハマるようになったんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見去年の秋くらいからかき氷にハマりだしたんですよ。そこからSNSとかでかわいいかき氷とかを調べるようになったんです。それで、その中でもパンダとかかわいらしくておいしそうなこの「サカノウエカフェ」さんに来るようになりました。

 

──虹のコンキスタドールのメンバーとも食べに来たことはありますか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見メンバーとは2回くらい一緒に来たことがあります。最初があかりん(中村朱里)・だぁやめ(岡田彩夢)・アーオ(大和明桜)の3人と一緒に来て、2回目は愛梨ちゃん(蛭田愛梨)と一緒に2人で来ました。愛梨ちゃんと来た時は、私はピスタチオチェリーを、愛梨ちゃんがいちごのかき氷を食べていました。

 

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▲メロンパンダ(1,300円) ※期間限定メニューにより現在は販売していません

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見わぁ~い! ちょっと写真撮っていいですか?

 

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f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見いただきます! うおぉぉぉぉ! うふふふ。めっちゃおいしいっ! おいしさで語彙(ごい)が死んだ……。

 

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──このマシュマロに名前はあるんですか?

 

店主:そのマシュマロの名前は「梨子ちゃん」ていうんです。実はこのキャラクター、今年9歳になる娘の梨子がモデルなんですよ。

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見えぇぇぇぇ!! とても素敵なエピソードですね……。

 

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▲Mr.ナッシ―(1,200円) ※期間限定メニューにより現在は販売していません

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見このかき氷は梨の上にきなこがかかってるんですけど、それでちょっとわらび餅みたいな味がします。あと、上にチーズがかかってる……。

 

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店主:それはリコッタチーズです。中にはほうじ茶のジュレも入っているんですよ。だからちょっと和風なお味になってますね。そして、実はこれもリコッタチーズと娘の「梨子」をかけているんです(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180910193036p:plain鶴見え~、そうなんですか!? めっちゃ愛の詰まったかき氷なんですね!

 

まわりの友達を「二次元の沼」にどんどん引きずり込んでいました

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──かき氷のお話からインタビューに戻ります。学校の友達とは、二次元の話はできていたんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見中学時代は、同じグループの子たちと『銀魂』の話とか、他にもさまざまななジャンルが好きな子たちがいたので、多少アニメやゲームの話はできてました。高校時代は、アニメが好きな子たちとつるんでましたね。普段、一緒にいる友達のグループは普段はリア充的な会話をしていたんですが、その子たちを二次元の沼に引きずり込んで腐らせてました(笑)。

 

コミケにも毎年参加してます

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──アニメ観賞の他、実際にイベントにも足を運ぶこともあるんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見高1の冬に初めてコミケに行って、そこから毎年行ってますね。

 

──毎回どれくらい購入するんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104125p:plain鶴見私がまわるのは大体が企業ブースメインなんですよね。そこでしか販売していないものや先行販売しているものを中心に購入してます。

 

──コミケって奥が深いんですね。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見腐っている方面(※腐女子の隠語)だと、好きなカップリングは本編にはあまり出てこないんですよ。それはあくまでも自分たちの妄想だから。それをどんどん膨らませて発表して共有して盛り上がる場なんです。

 

コスプレから始まったアイドルへの道

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──コミケといえば、コスプレをやっている人も多いですよね。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見高校生の頃、ずっとコスプレをやりたかったんですけど、ヲタク友達はいても、コスプレまで一緒にやってくれるような子は周りにいなくて。それでずっとやりたくてもできない状況が続いていた時に、虹のコンキスタドールのオーディションを見つけたんです。今では、お仕事とかでコスプレをできるようになりました。

 

──この前、『SINoALICE ーシノアリスー』のコスプレをしていたツイートがバズってましたよね。

 

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見着ているTシャツは公式から出ているものをいただいたので、コスプレをしてみようと思いました。

 

──普段、どういったヲタ活をされているんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見キャラクターをモチーフにしたカフェやコラボイベントに行ったり、最近はしてないですけど、高校の頃は好きなキャラクターの誕生日を祭壇などを作って盛大に祝う「生誕祭」をやっていました。そのキャラクターが好きなものを飾ったり、特製のケーキを食べたりするんです。あとは普通に自宅でアニメ観賞や、ゲームをプレイしたりしています。

 

アイドル活動を辞めてしまおうかと悩んだ時期も

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──以前、別の媒体での全体インタビューにおいて、他のメンバーが皆「これまでグループを辞めたいと思ったことがある」と答える中、ただ一人、辞めたいと思ったことがないとハッキリ言っていた鶴見さんの姿がとても印象的でした。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見う~ん……。自分自身が何も考えず、フラフラしているからじゃないですかね(笑)。いい意味でも悪い意味でも(自分自身は)柳なんだろうなと思います。

 

──虹のコンキスタドールの中では最年長ですが、リーダーは年下の的場華鈴さんが務めていますよね。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見そうですね。私はリーダータイプではないなって思うので。

 

──虹のコンキスタドールの活動を続けていくうえで、好きな「二次元」のパワーがいかされている部分はありますか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見普段からなるべく楽しく生きていこうと心がけています。昔から何でもそこそこできちゃう部分があって。勉強も部活も1番は狙わないで、そこそこでいいやみたいな、とにかくその時が楽しければいいやみたいなところが昔からあったと思います。虹コンに入ってからは、私自身はあまり変わっていないつもりなんですけど、まわりのメンバーよりも、いろんな面でエンジョイしている感が出ていますよね(笑)。

 

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──そんな鶴見さんでも、これまでのアイドル活動のなかで、つらかったと思った経験はありますか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見う~ん……ちょっとグループ内の空気が悪くて、それでちょっとしんどいかなって思ってしまった時期はありました。みんなイライラしてました。この空気をどうにかしなくちゃいけないって思ってたんですけど、その時は結局なにもできないままになってしまいました。そこで一度、自分の進路を考えてしまったこともあります。

 

──きっとそういう時期ってどこのグループもありますよね。そのつらさをどのように乗り越えようと思ったんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見つらいことがあったりとか、モヤモヤしている時は音楽を聴いたりしてますね。そういう時はアニソンとかで、ちょっと寂しげな音楽を聴いて1回涙を流すとスッキリします。

 

──鶴見さんがこれからも虹のコンキスタドールのメンバーとして活動を続けていこうと思うモチベーションはどこにあるのでしょうか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見虹コンはまだまだ何もつかめてないし、この先どんなキラキラした素敵なことが待っているのか分からないのに、ここで辞めてしまうのはもったいないなって思ったんです。それなら、「なれそうななにか」になるよりも、虹コンに捧げた方がいいんじゃないかなって思って。これから先も虹のコンキスタドールとして一員として活動を続けていきます。

 

二次元好きを公言できない人たちへ

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──鶴見さんは「二次元好き」を公言されていますが、世の中には好きなのにそれを公言できない人もたくさんいますよね。特に20~30代の男性にその傾向が多くみられるようです。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見え~、そうなんですか!? 

 

──その年齢になってくるとまわりが結婚したりし始めますからね。周囲と自分を比べて焦りを感じてしまう部分もあるのではないでしょうか。そういう男性たちを見て鶴見さんはどう感じますか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見アニメを好きなのと、結婚とかそういうのは別でいいんじゃないかな……。

 

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──「脱・ヲタク」を目指すためのヲタク向けファッション指南書も話題みたいですよ。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見へぇ~! そういうのがあるの知らなかった……。でも、最近はアニメやゲームが好きな人も増えて、いい意味で「ヲタク」のハードルが下がってきてますよね。だから、いい出会いさえあれば絶対合う人が見つかると思うんです。でも、そこまでが難しいんですよね、きっと……。

 

──鶴見さんは二次元と三次元の区別はきちんとつけられるタイプですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見そうですね、一応は。

 

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──アイドルヲタクのタイプでいうと「ガチ恋」(アイドルに対して本当に恋愛感情を持ってしまうこと)タイプではないってことですね。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見そのはずですね(笑)。でも、中1以来、恋をしていないので分かんないですけど……。だから気づかないうちに私自身もけっこうヤバいのかもしれません。そのうち、危機感出てくるんでしょうね(笑)。今はアイドル活動をやっているからいいのかもしれないけど。

 

──では、現在の鶴見さんは二次元ヲタクをエンジョイしている感じですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見そうですね。イベントやSNSとかで他の人とコミュニケーションを取りまくってヲタク活動をエンジョイしていれば、出会いがありそうですけどね。ヲタクをエンジョイしていても出会いはありそう! 男の子キャラクター単体というよりは、カップリングで好きになっちゃうんですよね。その二人の絡みを見ていたいというか……(笑)。私はそっちのタイプだから二次元のキャラクターにはガチ恋はしないのかもしれませんね。

 

卒論は『サイコパス』

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──鶴見さんが一番好きな作品は?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見アニメのPSYCHO-PASS サイコパス』ですね。私、大学の卒論も『サイコパス』をテーマにしたものにしようと思ってるんです!

 

──えぇっ!? 鶴見さんは何学部なんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見文学部です。「サイコパスにおける先行文学需要」が卒論のテーマなんです。

 

──なぜ、その作品をテーマに卒論を書こうと思ったんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見もともと、大学受験がセンター利用だったんですけど、いくつか合格した中で選んだのが文学部だったんです。その決め手となったのは、『サイコパス』という作品の中に、文学作品や哲学的思想がたくさん織り交ぜられているので、劇中に出てくる文学作品をもっとちゃんと読み込んで『サイコパス』のキャラクターたちが語っている文学の世界とかそういうものを知りたいなと思ったからなんです。

 

──では、学部を選ぶきっかけになったのが『サイコパス』だったということですか!?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見そうですね……(笑)。でも、それで学部を選んで大学に入ったものの、ちゃんと文学を極めるわけでもなく、単位を取れればいいやって感じで特に何の学びもなく、大学生活を過ごしてきてしまったんですけど、卒論のテーマをどうしようと考えた時に、初心に帰ってこの大学の学部で学びたかった『サイコパス』内に登場する文学作品をちゃんと読んで、研究しようと思ったんです。

 

二次元の世界は私に感情を与えてくれる

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──鶴見さんにとって二次元とは、どんな存在なんでしょう?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見私に感情を与えてくれるものですね。例えば、虹コンで何か大きいことを達成した時、さすがに大きいことだったら「わぁぁぁ!」って感情を出して喜んだりうれし涙を流したりすることができるんですよね。川崎クラブチッタで開催されたワンマンライブの時に、その会場を埋めるためにメンバーみんなで協力してたくさん宣伝していたんですが、どれくらいお客さんが来てくれるのか当日まで不安だったんです。でも、幕が開いてみたらパンパンにお客さんが入ってくれていて、その時はすごくうれしかったですね。

 

──私もあのライブを見に行かせていただきましたが、確かに後ろまでお客さんがパンパンに入っていて、扉を閉まらないんじゃないかなと思ったほどです。普段はあまり感情を表に出すことはないんですか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見普段、自分に関することでそんなに感情が動くことがないんですが、二次元の世界に触れると、一瞬で涙が出てくるんですよ。昔のよかったなっていうような記憶も、その当時聴いていたアニメやアニソンとともに思い出すんです。だから、二次元の世界を通じていろいろ感じることができているから、自分から「二次元」を取り上げられてしまったら怖いですよね。

 

──二次元の世界を通すからこそ、自分の普段は胸に秘めてしまっている感情などを素直にさらけ出すことができているってことですね。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見そうですね。それがないと自分に自信がないんです。人としゃべる時もヲタク的な会話以外だと何を話せばいいのか分からなくなっちゃう……。普通の人としゃべれないし、虹コンのアニメが好きなメンバーとも、アニメの話がひと通り終わっちゃうと、その後は何を話せばいいのか分からなくなっちゃいますもん。……なんかすごく悲しい人みたいになっちゃった(笑)。

 

──いろいろ考えていらっしゃるんですね。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見普段は何も考えずにフラフラしているから、たまにはこういう自分のことをさらけ出す場が必要なんです。

 

今はみんなの士気が上がってきている

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──客観的に見ていると、今の虹コンはいい流れに乗っている感じがするのですが、鶴見さん自身はどう感じていますか?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見メンバーの士気はそれぞれいい感じで上がっていると思います。

 

──最近は女性ファンも増えましたよね。この前、インストアイベントに遊びに行かせてもらったら、女の子たちが鶴見さんのことをなにかとてつもなく神々しいようなものを見るような目で見てましたよ。

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見はぁぁぁ~! 尊みが深い!! みんな目にも耳にもめちゃくちゃフィルターかけてくれますね!!!

 

──本日はありがとうございました! ちなみに、この後のご予定は?

 

f:id:aruminagayama:20180918104140p:plain鶴見もちろん、コミケに行ってきます!

 

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▲オーナーの町山さんと一緒に

 

最後の最後まで二次元愛を語り尽してくれた鶴見萌さん。 そこから得たパワーを今後、どのように自身のアイドル活動へと反映させていくのか楽しみですね。

 

告知

虹のコンキスタドール「全国征服!5th Anniversary レインボウツアー」

全国征服!5th Anniversary レインボウツアー 祭りだ!戦だ!東京だー!!
2018年10月21日(日)東京渋谷ストリームホール
OPEN 11:30 / START 12:30

全国征服!5th Anniversary レインボウツアー 祭りだっちゃ!戦だっちゃ!仙台だべよー!!
2018年10月26日(金)宮城県 space Zero
OPEN 18:30 / START 19:00

全国征服!5th Anniversary レインボウツアー 祭りしょ!戦しょ!札幌しょー!!
2018年10月27日(土)北海道 cube garden
OPEN 15:30 / START 16:00

全国征服!5th Anniversary レインボウツアー 祭りさぁ!戦さぁ!沖縄さぁー!!
2018年12月8日(土)沖縄県 桜坂セントラル
OPEN 17:00 / START 17:30

全国征服!5th Anniversary レインボウツアー 祭りだがや!戦だがや!名古屋だがやー!!
2018年12月22日(土)愛知県 ElectricLadyLand
OPEN 16:30 / START 17:00

全国征服!5th Anniversary レインボウツアー 祭りや!戦や!大阪やでー!!
2018年12月23日(日・祝)大阪府 BananaHall
OPEN 16:30 / START 17:00

全国征服!5th Anniversary レインボウツアー 祭りばい!戦ばい!福岡っちゃんー!!
2018年12月24日(月・振休)福岡県 DRUM Be-1
OPEN 15:30 / START 16:00

2zicon.tokyo

 

虹のコンキスタドール『THE BEST OF RAINBOW』

発売日:2018年12月12日
レーベル:キングレコード
形態:超豪華盤 MAXI2枚+Blu-ray / 初回限定盤 MAXI+DVD / 通常盤 MAXI

超豪華盤 MAXI2枚+Blu-ray 10,000円+税(KICS-93760〜1)
■収録内容(予定)
[MAXI]
MAXI①:ファン投票による楽曲+新曲1曲予定(曲数未定)
MAXI②:惜しくもランキングを逃した楽曲からメンバーによりセレクトされた楽曲(曲数未定)
[Blu-ray]
・投票1位のMusic Video
・MVメイキング映像
・Short Movie(5/18六本EXシアターでのLIVEで披露されたShort Movie)
・5/18六本木EXシアターで行われたワンマンLIVE「虹の大三角形 The Story of Rainbow」完全収録
・虹の大三角形ツアー メイキング映像

初回限定盤 MAXI+DVD 4,167円+税(KICS-93762)
■収録内容(予定)
[MAXI]
ファン投票による楽曲+新曲1曲予定(曲数未定)
[DVD]
・投票1位のMusic Video
・MVメイキング映像
・Short Movie(5/18 六本EXシアターでのLIVEで披露されたShort Movie)

通常盤 MAXI 3,241円+税(KICS-3760)
■収録内容
・ファン投票による楽曲+新曲1曲予定(曲数未定)

虹のコンキスタドール(虹コン) | 12/12(水)発売『THE BEST OF RAINBOW』の商品情報発表!

 

お店情報

サカノウエカフェ

住所:東京都文京区湯島2-22-14
電話番号:03-5817-4767
営業時間:火曜日〜金曜日 11:00~19:30(LO 19:00)、土曜日・日曜日・祝日 11:00~18:30(LO 18:00) ランチタイム 11:00~14:00
定休日:月曜日

www.hotpepper.jp

 

撮影:曽我美芽

曽我美芽 (@mimeeeeeeee) | Twitter

 

鶴見萌さんの
サイン入りチェキプレゼント!

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鶴見萌さんのサイン入りチェキを、抽選で5名様へプレゼントいたします!

プレゼント内容

  • サイン入りチェキ:5名様

応募方法

  1. 『メシ通』公式Twitterアカウント(@mesitsu)をフォローする(すでにフォローしている場合も対象)
  2. 指定ツイート(下記参照)をRTする

応募期間

10月2日(火)~10月5日(金)23:59まで

指定ツイート

※キャンペーンについてその他詳細はこちらをご確認ください。

激辛好きを狂喜乱舞させる新作スナック降臨っ!気になる「うま辛度」と中ニ病丸出しのキャッチコピーとは……

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全国5000万人(@個人的推定)の激辛好きの皆さま、お待たせしました。辛い、そしてうまいという究極の激辛スナックが誕生しましたよ。

その名も「真・燃えよ唐辛子」「超魔王唐辛子」。輪切り唐辛子を衣付けして揚げた、辛味を楽しむスナックです。

 

見てください、パッケージのまがまがしさ。ぞくぞくしますね。

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辛けりゃいいってもんじゃない

この商品の説明をする前にちょっと語らせてください、マイ激辛愛を。

辛いものをこよなく愛する筆者は、『メシ通』でもちょいちょい激辛ネタをご紹介してきました。

たとえば最近はこれ「かんずり」。

www.hotpepper.jp

ここの激辛カレー缶詰も最高でした。

www.hotpepper.jp

そしてアメリカの激辛スナック。

www.hotpepper.jp

実はこの激辛スナック関連の記事、大人の事情があり現在は幻の記事となっていますが、国内の激辛スナック個人的1位を決めるという記事もありました。

激辛好きが常に歯がゆく思うことは、「辛けりゃいいってもんじゃない」ってことではないでしょうか。激辛好きの方ならわかってくださいますよね。

ただ辛けりゃいいってもんじゃない。それなら赤い香辛料をがんがん振りかければいいだけの話です。そうじゃない。辛いだけでなく、そこに味の深みやコクがあってこそ「辛いはうまい」になるのです。だから本当においしい辛いものは、汗をかきつつもそのおいしさに手が止まらない。

一方、ただ辛いだけのものは、食べ続けることが「限界への挑戦」みたいな苦行になります。

 

さて、前置きが長くなりましたが、「真・燃えよ唐辛子」と「超魔王唐辛子」というほんのり中二病の香りが漂うネーミングの激辛スナックを世に生み出したのは、あの会社です。ミスター・フリーズドライのキャラにがつんとやられたアマノフーズをブランドに持つアサヒグループ食品株式会社です。

 

覚えてますか、フリーズドライのチキンカツの玉子とじという名作を。

www.hotpepper.jp

こんなとんでもない技術を持つ会社が激辛スナックを作ったとあっては、いやがおうにも期待は高まるというもの。そんなわけで、今回も会社を訪問して開発担当者に激辛スナック誕生秘話を聞いてきました。

 

開発のヒントは「イカの塩辛」

フリーズドライ製品がずらりと並ぶこの部屋。前回もお邪魔しました。

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迎えてくださったのはアサヒグループ食品株式会社 食品マーケティング部の担当副部長、寺門誠氏。中小企業診断士やソムリエの資格も持っていらっしゃり、ただものでない空気感がほのかに漂っています。わくわくします。

 

よろしくお願いします、寺門さん!

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なぜ激辛スナックを作ろうと思われたのですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:3年前に現在の部署に異動してきたのですが、うちの商品のラインアップを見たときに最初に思ったのが「辛いものがない」でした。甘い商品は豊富にそろっているのに、なぜ辛いものが皆無なのだろう、ならば自分で作ろうというのがそもそもの始まりです。まず世の中の辛いお菓子をリサーチしてみると、唐辛子のお菓子と称するもののだいたいは、ポテト菓子に唐辛子のパウダーがかかっているものでした。残りが煎餅などの米菓に唐辛子を振りかけたスタイルです。もっと唐辛子が主役になるようなお菓子ができないのかなと悩んでいたとき、運命の出合いがありました。

 

運命の出合い……、なんですかそれは!

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:イカの塩辛です。居酒屋さんでイカの塩辛を食べているとき、ふと「イカをイカの肝であえてるって、イカだけで完結しててすごいな」と思いました。そして「じゃあ唐辛子に唐辛子を振りかけたらどうだろう」と。この発想が「真・燃えよ唐辛子」と「超魔王唐辛子」誕生のきっかけになったんです。

 

そうなんです。これら2つの商品は、揚げてある素材がそもそも唐辛子。そこにさらに唐辛子の辛味をふりかけているのです。いわば、追い唐辛子。この発想、すごくないですか?

 

見てください。こっちが「真・燃えよ唐辛子」のビジュアル。

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もう少し黒っぽいのが「超魔王唐辛子」。

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花椒&黒胡椒で奥深い味わいに

みんなに喜んでもらえる辛い商品を作り出したい。そんな寺門さんの切なる思いとは裏腹に、現実は苦労と失敗の連続だったようです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:単なる激辛では一度食べて「面白いね」で終わるパーティー菓子になってしまうので、“うまくて辛い”ものを追求しようと、お菓子に限らずそれこそ都内の辛いものを片っ端から食べまくりました。そして生まれたのが現在の商品の前身となる「燃えよ唐辛子」(2017年3月発売)です。開発段階では、輪切りにした唐辛子を揚げるとくっついてかき揚げのようになってしまったり、均一に揚がらなかったり、衣が満遍なくつかなかったり、さまざまな苦労がありました。それに実は僕、辛いのが苦手だったので、毎日の試食が本当につらくて……。

 

なんですと。辛さが苦手で激辛スナックを開発するとは、まさに企業人のかがみ。

ただ、辛いものって次第に体が慣れていくんですよね。寺門さんも汗をだらだら流しながら日々試食を重ねていくうちに、すっかり辛いものOKの体質に。今や自宅にタバスコのストックは常にあるという(わかります、うちもです)激辛好き人間。

あまりに慣れてしまったので、今や商品の辛さを自分基準で決めないように気をつけているほどだそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:発売前は、「燃えよ唐辛子」は辛いものが好きな人だけが食べるだろうと思っていました。それを踏まえておおよその売れ行きを想定していたのですが、いざ販売してみたら想定以上の売れ行きで、会社としてもうれしい誤算になりました。SNSでの反響もすごくて、「燃えよ唐辛子」を食べてくださった方がすごく発信してくださいました。なによりもうれしかったのは“おいしい”という声が多かったことです。

 

実は筆者も「燃えよ唐辛子」、買って食べました。これまでの人生で一度も出合ったことのない、「唐辛子に唐辛子をふりかける」という新しい発想のお菓子の辛さとうまさを、しみじみと味わいました。

しかし寺門さんの挑戦はここで終わりませんでした。

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:「燃えよ唐辛子」を全国展開して1年。その間に「燃えよ唐辛子」の2倍辛い、限定商品の「大炎上唐辛子」も出しました。「大炎上唐辛子」は辛くて面白かったんですが、この味にもっと奥深さを出したいと思い、試行錯誤を重ねてできたのが、今回の「超魔王唐辛子」です。さらに安定した人気を誇っていた「燃えよ唐辛子」にも「大炎上唐辛子」で使用したハバネロパウダーを加えるなど進化させ、「真・燃えよ唐辛子」に生まれ変わりました。そしてお客様が選べるようにしようと、今回はこれら2品を同時展開することになりました。

 

こちらが「真・燃えよ唐辛子」

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こっちが「超魔王唐辛子」

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パッケージに書かれている商品説明を見てみると、「輪切り唐辛子を衣付けして揚げた、辛さを楽しむ素材菓子です」。

そして「真・燃えよ唐辛子」は輪切り唐辛子×ハバネロパウダー11.7%使用(使用唐辛子パウダー中)なのに対し、「超魔王唐辛子」は「唐辛子×黒コショウ×花椒」となっています。なるほど、同じ辛さでもその味はそれぞれ異なるわけですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:「魔王唐辛子」では、限定発売した「大炎上唐辛子」以上の辛さながら、花椒と黒胡椒を組み合わせることで奥深い味わいを引き出すことに成功しました。もう一方の「真・燃えよ唐辛子」は正統派進化系ですね。同じ“うまい辛さ”でもそれぞれの方向性を変え、辛さの違いを楽しんでいただけるようにしました。

 

わかるわかる。本当に辛い麻婆豆腐って唐辛子だけじゃなくて山椒とか花椒、黒胡椒が絶妙に混じったしびれる辛さですよね。

 

あえて「中二感」を出した!?

それでは、期待に震えながら食べてみます。

う、う、うまいーー! 

どっちも辛くてうまいーーーーーー! 

これまでの日本の激辛スナックになかった辛さ、ついに降臨!!

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん: でしょ? 辛い麻婆豆腐を食べているような感じに思えませんか。会社の机の引き出しに入れておけば、仕事中に麻婆豆腐がいつでも食べられるみたいな感じですよね。

 

激辛好きとして断言します。ここまで辛い激辛スナックは、少なくともMADE IN JAPANの製品では食べたことがありません。激辛好きを納得させる辛さです。しかもコクがあって味に奥行きがあって、うまい! 

惚れた。惚れましたよ。

ただ気になっているのが、「真・燃えよ」「超魔王」ともに共通して流れる中二的な空気……。だってパッケージ、ちゃんと見てみてください。特に「超魔王」のほう。キャッチからして「闇に飲まれし唐辛子」ですよ。

 

そしてそれに続くコピーが……

 

闇の魔王が放つ漆黒の業火

深淵なる旨味と辛味を味わいて

魂燃ゆる、禁断の唐辛子

 

これはどこの中二のノートに記されているポエム? パッケージには「闇炎」とも書かれてますが……これはあえての中二?

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:よくぞ聞いてくれました。今回の商品はパッケージも楽しんでいただきたくて、「中二感」をすごく大事にしたんです。会社で最初に説明したときは誰もわかってくれなくて、「このキャッチなに? え、チュウニ? 中二って……はぁ?」とまったく理解を得られませんでした(笑)。けれど先行発売した地域で、購入してくださった方がSNSで「中二唐辛子www」などと呟いてくれたんですよ。これ、もう自分としては最高のほめ言葉です!

 

さすがです。さすがですよ寺門さん……。また、衣をつけて揚げる技術やシーズニングの技術は一朝一夕にできるものではありません。この激辛スナック2種には、これまでアサヒグループ食品が培ってきた技術もいかされました。

今回、筆者はフリーズドライの取材時、製品のおいしさにとにかく驚いたので、「真・燃えよ」と「超魔王」がこれだけ“辛くてうまい”を実現できたことにも納得です。

 

ラーメンやポテサラに加えれば異次元突入

そのまま食べてもおいしいのですが、こんなアレンジもおすすめです。

たとえばチャーハンなどご飯系にくだいた「真・燃えよ」か「超魔王」を振りかけてみる。炒めたご飯とさくっとしたスナックという歯応えが混じり合って超美味。寺門さんのイチオシは「ピラフに混ぜる」だそう。うん、これも十分アリかも。

また、消費者がSNSで発信したものもあるそうで、その代表的なものが「カップラーメンに入れる」です。

 

たとえば、インスタントラーメンにかきまぜて。

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▲食べられる香辛料、といった感じでおいしい! ラー油的な仕事をしてくれる

 

そして、マヨネーズに砕いて混ぜれば即席ディップのできあがり。いやはや、なんだこのうまさは。これからもうディップはマヨと「真・燃えよ」または「超魔王」のミックスでいい。このレシピだけでいい。

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▲マヨとの相性の良さときたらもう……!

 

そして意外なほど相性がいいのが、ポテトサラダとのマリアージュ。「えっ」って感じでしょう? だまされたと思ってやってみてください。

下の写真のようにのせるだけでもよし、砕いて混ぜてもよし。ポテサラののっぺりした食感と「真・燃えよ」「超魔王」のぱりっとした食感が混じり合って、しかもジャガイモのほのかな甘みとこの強烈な辛さがうまい具合に溶け合って、くせになるおいしさです。

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▲先入観を捨てると新しい世界の扉が開く

 

香辛料としての実力もすごすぎる

アレンジ技はまだまだあります。

スープに入れると、最初に食べればクルトンみたいな役割に。しばらく置けばうま味が溶け出して、天かすみたいな役割を果たします。

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▲これはコーンスープにそのままのせた

 

こっちはきのこスープに砕いてのせました。

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▲ビジュアルはアレだけど、うまい~

 

いろいろアレンジしてわかったのは「真・燃えよ」「超魔王」は辛い香辛料としても使えるということです。唐辛子はもちろん、タバスコ、一味&七味、ラー油、豆板醤、かんずりなど、辛い香辛料を加えている料理にはなんでも合うことは間違いありません。

さらにチーズやマヨネーズ、ホワイトソースとの相性もばっちり。なんて優等生なんだ、パッケージは中二なのに。

 

f:id:Meshi2_IB:20180913093909p:plain寺門さん:「真・燃えよ唐辛子」と「超魔王唐辛子」は、そのまま食べてもトッピングとしても、そして調味料としてもお楽しみいただけます。お客様の自由なスタイルで食べていただき、それをSNSにアップしていただけたらと思います。Twitterで#真・燃えよ唐辛子や#超魔王唐辛子のハッシュタグがついているツイートはすべて拝見していますから!

 

「真・燃えよ唐辛子」と「超魔王唐辛子」は10月1日から全国展開、いずれも126円(参考価格、税抜)。

激辛好きはマストですね、食べるのがもう義務。2種類どっちも買って食べ比べてみてください。「赤派」「黒派」「どっちも派」もいることでしょう。そして激辛が苦手な人も、ぜひ両方食べてみてください。

「辛い=痛い、つらい」ではなく「辛い=うまい」の世界があることを知ってください。「一」を足すだけで「幸」になるんですから。

これ、この先何十年も販売してー!

 

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