もずく好きですか? そう、居酒屋の定番メニュー「もずく酢」で知られる、もずく。
「自分、大好物っす! もずくは詳しいですよ」って人はかなり珍しいと思うので、まずはざっくりともずくの要点を。
とまあ、ざっくりし過ぎているとは思いますが、「ナガマツモ目モズク科」とかそういう話は置いといて、今回注目するのは沖縄産の太もずくです。これをなんと、そうめんのようにチュルル…といただく食べ方があるんです!
なぜそんな食べ方を知ったかというと、数年前、宮古島に縁のある先輩から「もずくを大量にもらったんだけど、いらない?」と言われたのがきっかけでした。
「いやー、酢の物はそんなに好きじゃないんですよ」と断ると、「いやいや、沖縄の太もずくはそうめんみたいに食えるんだぞ? 一回やってみなよ」と勧められ、やってみたら面白くて美味しかったのです。
沖縄産の太もずくを取り寄せてみた
沖縄の知人(前述の先輩を介して知り合った)に連絡し、今年の太もずくを取り寄せてみました。知人は宮古島で太もずくを養殖している海人(うみんちゅ)で、在庫があれば通販の小売りにも応じてくれます。
興味を持った読者が買えるように注文FAX番号を載せたいと申し出ましたが、「通年販売できるほどの収穫量がなく、品切れでガッカリさせるのも悪いので……」と宣伝は辞退。さすが海人、誠意があります。
しかし「沖縄 もずく 通販」で検索すれば購入できる通販サイトが見つかると思います。
養殖している様子の写真を送ってもらいました。
遠浅の海にもずく畑(?)が見えます。船で収穫するのですが、その方法は「ホースで吸い上げる」というダイナミックなもの。
10kgで4,000円(送料込み)で分けてもらいました。
塩漬けされた状態で届きます。塩抜きするともっともっと量が増えますから、圧縮された状態で10kgあるというわけです。
むむ、食べきれるのか……? あ、横に置いてあるのは500mlのペットボトルです。量的な参考に。
ちなみに塩漬けすることで、冷暗所で半年ほどは保つのだとか。
袋から取り出してみました。
塩漬けされてキュッと締まった状態なので、握りこぶしぐらいの分量でたっぷり一人前以上の「もずくそうめん」となります。もちろんこのままではしょっぱくて食べられません。
「もずくそうめん」の準備はいたって簡単
さあ「もずくそうめん」の準備をしましょう。
といっても、そうめんを茹でるよりもずっと簡単で手間いらず。「流水で洗い、水に漬けておく」。これだけです。
取り出したもずくを、まずは流水でよく洗います。
水に漬けておいて塩を抜きます。30分ぐらいでしょうか。ときどき「そろそろかな」とつまみ食いして調整しましょう。
塩抜きしたらあとは食べるだけ
「流水で洗って、水に漬ける」……という12文字のレシピで完成です。
麺類と違って“のび”ませんから、氷水に浮かせておくような盛り付けも可能です。もちろん水気をきってザルに盛っても構いません。お好みで。
ワカメなど他の海藻を加えたり、わさび菜を浮かせたりすると彩りがよくなります。薬味はしょうがとネギを用意しました。
チュルルッと勢いよくいただきましょう。
新鮮な食感、さわやかな風味、そして海藻をそのまま食っているという事実ーー! 何やらふしぎな感動があります。
本物のそうめんよりもスッキリさっぱりしているので、食欲の減退する夏場に最適かと。
糖質や脂質をほとんど含まないので、メタボ腹でも思いっきり食べてOK。おなかの中で水分を吸って膨れるのでけっこうな満腹感を得られ、かつ腹持ちがいいという、まるでダイエット食のような「もずくそうめん」です(※)。
※ヌメリ成分に含まれるフコイダンという食物繊維がピロリ菌を減らしたり免疫力を高めたり……といろいろカラダにいいらしく、健康食品も多数存在しますが、今回は美味しく食べることに主眼を置いたのでそのへんは割愛しました。
他にもいろいろもずく料理
ド定番のスープはもちろんのこと、もずくはいろいろな料理に利用できます。沖縄では天ぷらにすることが多いとか。
(左上から時計回りに)もずくスープ、かき揚げ、玉子焼き、茶碗蒸し。ざっと以上のようなメニューで試してみました。
個人的なヒットは茶碗蒸しですかね。沖縄スタイルの天ぷらもいいですけど、筆者はかき揚げに混ぜた方がしっくりきました。あくまでも個人的な感想です。ワカメ的なポジションで味噌汁の具にするのも、もちろんアリ。
というわけで以上、塩抜きすればそのままツユにつけて食べられ、さまざまなレシピにも活用できる沖縄産の太もずく。いちど試してみてはいかがでしょう?