怪談絵本にトイレの絵本!Mucchi's Café(ムッチーズカフェ)で絵本が400冊以上読める【別視点ガイド】

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『ぐりとぐら』。

『おおきなかぶ』。

『かわいそうなぞう』。

 

子どものころに何度もくり返し読んだ絵本は、いつまでも思い出として残っている。

誰にだってそんな絵本が1冊や2冊はあるはずだ。

でも、大人になって読み返すチャンスはそうそうない。

 

高円寺の「Mucchi's Cafe(ムッチーズカフェ)」は絵本カフェ。

400冊以上の絵本が読めて、毎月ちょっとずつ新しい絵本を入荷している。

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オープンは2016年1月。大人がじっくり絵本を読める空間として誕生した。

昔なつかしの絵本でノスタルジーに浸るのもいいが、新しい出会いも期待が出来る。

 

ここ最近の絵本は、尖った笑いのギャグ物から不穏な余韻が残るホラー物まで幅広い。

大人が読んでも真っすぐ楽しい作品が多いのだ。

 

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▲むっちさん(左)とまどかさん(右)

 

カフェを運営するのは、むっちさんとまどかさんの2人。
保育士を9年間していたまどかさんは、卒論テーマを絵本にするほどの絵本コレクター。

限られた文字数でイメージを膨らませる絵本。「削って削って厳選した言葉が素晴らしい」とまどかさんは言う。

 

大学からの友人むっちさんを誘って、お店を立ち上げた。

学生寮が一緒で、その後もずっとルームシェアをしているという2人。

寝食に加えて仕事まで一緒というのだから、さぞかし仲良しかとおもいきや「職場以外ではほとんどしゃべらない」というドライな一面もあわせ持っている。

 

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▲税理士事務所で働いていたむっちさん

 

「わたし絵本に興味ないんですよ。やることなかったので一緒にお店やることになりましたけど。字が好きじゃないので絵本のがまだ読めるってぐらいです」とむっちさん。

このお店を始めるまでは、税理士事務所でアルバイトをしながら、ずっと自分探しをしていたそうだ。

 

好きな絵本を尋ねた。

「絵が強烈なのが好きなので『自殺うさぎ』とかいいです! ウサギがひたすら死にたがるんですよ」
満面の笑みでウサギが死にたがる絵本をすすめてくれた。

 

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むっちさんが好きなタイプの変わった絵本は、まどかさんのGOサインがないと買ってもらえないとか。うんこ系や怖い絵本は、パーテーションで区切った裏側に陳列されていた。

「全面ホラーコーナーにして、変なの垂り下げて、変な食いものばっかりのカオスなお店にしたかったけど、ゴリゴリのかわいい絵本カフェになっちゃいました!」とむっちさんは笑う。

 

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子ども連れのファミリー層よりも、圧倒的に女性グループやおひとりさまが多いそうだ。
夢中で読むと時間を忘れる。長時間滞在のお客さんも多いが、最長で昼12時から閉店まで8時間いた人もいるんだとか。

 

何十年とブランクがあって、ひさびさに触れる絵本。

何を読んだらいいのか。おふたりのオススメを聞いてみた。

 

絵本コレクターまどかさんのオススメ絵本

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『いるのいないの』(作:京極夏彦 絵: 町田尚子 編:東 雅夫/岩崎書店)

 

「子どもに見せちゃいけない系の怖い絵本ですね。なにせ京極夏彦さん作ですから。

最近、怪談絵本が流行ってるんです。絵本って子ども向けなんだけど実際買うのは大人。大人にもウケがいいものは流行ります」

 

とある少年が田舎のおばあちゃんちに遊びに行く。

なにか視線を感じるんだけど、いるの? いないの? というお話し。
日常のなかに潜むちょっとした不安、暗やみへの原初的恐怖をかりたててくれる1冊だ。

 

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『パンダ銭湯』(著:tupera tupera/絵本館)

 

 「パンダが銭湯行くってだけのお話しですけど、面白いんですよ。白黒の模様をとったら、案外いかつい目をしていたり、耳はワックスで黒くしてたり。大人でも笑っちゃいますね」

 

『100万回生きたねこ』(著:佐野洋子/講談社)

 

「小さいころ読んだ感覚と、大人になってから読む感覚が違うんですよね。今ならこんなに深い話だったんだって分かります。
小さいころは何回も死んじゃったけど、好きな猫と出会えて良かったねってぐらい。でも、大人になると、自分が納得する人生を送れたから生き返るのをやめたんだなって読み深めることができますね」

 

うんこやホラーが好きなむっちさんのオススメ絵本

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『自殺うさぎの本』(著:アンディ・ライリー/青山出版社)

 

「さっきも言いましたけど、自殺うさぎ!

とにかくウサギが自殺方法を考えて尽くしてて、ピサの斜塔を自分の方に倒したり、『私、サラコナー』とか言ってターミネーターにやられたり。

自殺ってヘビーなワードを面白くしてしまうギャグ漫画ですね」

 

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『おトイレさん』(著:きたがわめぐみ/教育画劇)

 

「おトイレさんも良いですね。作者さんがおトイレをリスペクトしている所が好き。トイレがおじさんになっているんですよ。愛嬌がありますよね。そんなところが好きです!」

 

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トイレも「おトイレさん」になっていた。

 

光るドリンク、ウサギが刺さったパフェ!

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▲にじいろのさかな (540円)

 

ドリンクメニュー、フードメニューも絵本をモチーフに作られている。

たとえば、キレイなうろこをもった魚の絵本『にじいろのさかな』(著:マーカス・フィスター 訳:谷川俊太郎/講談社)。

キレイなうろこにちなんで、氷が光るドリンクだ。ココナッツ味の南国感あふれる甘いジュース。

 

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▲ 銭湯のサササイダー (540円)

 

絵本『パンダ銭湯』の銭湯内で販売されてるサササイダー。パンダ以外飲めないサイダーという設定だ。

抹茶っぽい味わいだった。

 

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▲じさつうさぎのパフェ (648円)

 

じさつうさぎをモチーフにしたパフェは、首や耳が折れてるうさぎがアイスに突き刺さっている。

 

ミスリードまでしてくる! 最近の絵本は工夫がすごい!

おふたりにお話しをうかがった後、1時間ほど絵本を読んだ。

1冊1冊工夫がこらされていて、さくっと読めるのに読後の充実感がすごい。

 

たとえば『しろくまさんのパンツ』(著:tupera tupera/ブロンズ新社)。

しろくまがなくしたパンツを探すお話し。

絵本にかぶされたパンツを脱がせてから読み始めるだけど、このギミックがうまいミスリードになってるんだな。

意外なオチに驚かされた。

 

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『きょうはマラカスの日』(著:樋勝朋巳/福音館書店)は不思議な余韻が残った。

マラカスの発表会を友だち3人でやるんだけど、順風満帆には進まない。

大成功でもないが、かといって大失敗でもない。

その穏やかなラストには「人生ってだいたいこんな感じだよね。それがいいよね」と思わされる。

 

うん、絵本、大人が読んでもすごく楽しいぞ!

 

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お店情報

Mucchi's Café(ムッチーズカフェ)

住所:東京都杉並区高円寺北3-2-17 2F
電話番号:03-5364-9190
営業時間:(平日)11:30~20:00 (土曜日・日曜日・祝日)11:30~21:00
定休日:水曜日
ウェブサイト:http://mucchiscafe.web.fc2.com/

 

書いた人:松澤茂信

松澤茂信

観光会社「別視点」の代表。「東京別視点ガイド」を書いてます。

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