“まじ娘”から“majiko”へ。より大きな世界へ進む彼女が離さない宝物。ときどき、メシ

f:id:Meshi2_IB:20180705155631j:plain

現在、東海テレビ・フジテレビ系列「オトナの土ドラ」枠で放映中の『限界団地』。意外にも連ドラ初主演となる佐野史郎さん演じる寺内誠司が、孫娘への異常な愛情から団地住民を狂気の物語に巻き込んでいく、今話題沸騰中のテレビドラマです。

 

今回、そのドラマ主題歌『ひび割れた世界』を担当することになったのがmajikoさん。ニコニコ動画への「歌ってみた」動画投稿をきっかけに2015年にデビュー。現在はシンガーとしてのみならず、作詞作曲編曲も手掛けるなど、アーティストとして活動の幅を広げている気鋭のシンガーソングライターです。

 

今ではその評判はネットシーンにとどまらず、これまでにホリエアツシさん(ストレイテナー)、荒井岳史さん(the band apart)、H ZETT Mさん(H ZETTRIO)等、多くのミュージシャンから楽曲提供を受け、ライヴでも数々の共演を果たしてきました。この新曲『ひび割れた世界』で、さらなる飛躍を見せてくれるのは間違いないでしょう。

 

majiko - ひび割れた世界 [MV]

 

このインタビューでは、メシの話と『限界団地』の話から、哺乳瓶を愛用しているというちょっと変わった私生活の話、それに門外漢には少々分かりにくい「歌ってみた」カルチャーの話まで、いろんなトピックについて尋ねてみました。

 

majikoのしゃぶしゃぶ愛とお酒の失敗

f:id:Meshi2_IB:20180705160626j:plain

 

―― majikoさんは肉がお好きだそうですね

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:肉、好きですね。一番好きなのはラム肉。ラムチョップにそのままかぶりつくのが好きです。自分でも料理するんですが、よく作るのはサラダと肉の組み合わせです。野菜はオーガニック系で、やっぱり肉。生姜焼きとか、ハンバーグとかを作ります。でも、一番好きなのはしゃぶしゃぶですね。

 

―― しゃぶしゃぶには、何かこだわりはありますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:ねぎと白菜とシイタケと肉、スタンダードなしゃぶしゃぶが好きです。タレはポン酢の方が好きです。ゴマもたまに食べたくはなりますけど、やっぱりポン酢。

 

―― お酒もお好きだとうかがいました。

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:大好きです。一人ではあまり飲まないんですけど、友達と会うときは大体飲みますね。飲みがメインって感じです。赤ワインが好きで、あとシャンパンとか日本酒とかも飲みます。おつまみは、チーズが一番ですね。チーズなら何でも好きで、青カビのブルーチーズとかも食べます。

 

―― どれくらいの量を飲まれるんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:飲むときはすごい飲みます。前まではすぐに眠くなるっていうかわいい感じだったんですけど、今は結構ヤバいみたいなんですよ。この前仙台に行った時に、差し入れで赤ワインをいただいて、バンドメンバーと一緒に飲んでたんです。その時の記憶はあまりないんですけど、後で聞いたら下ネタをすごい叫んでたらしいです(笑)。

 

―― それはしらふでは言えないレベルの下ネタですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:言えるんですけど、叫びはしない(笑)。お酒では何回か失敗していて、その時は自宅まで何とか帰ってこられたんですけど、家の階段を転げ落ちてしまって肋骨(ろっこつ)を折っちゃったりとか。最初は痛いけどそのうち治るだろうと思ってたら、3日くらい経って徐々に痛くなってきて、病院でレントゲン撮ってもらったらヒビ入ってました。最近、尾骨(尾てい骨)をレントゲン撮ってもらう機会があったんですけど、尾骨も脱臼してるって言われて、肋骨やった時に一緒にやっちゃってたみたいです。

 

―― 最近は哺乳瓶を愛用しているという話を聞いたんですが、あれは本当に使っているのですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:すごい使ってます(笑)。スタンダードな牛乳はもちろん、レッドブルとかお酒を入れて、チュパチュパみたいな。

 

―― 何でまだ哺乳瓶を使おうと思ったんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:何かに吸い付きたいと思ったんですかね。ずっと欲しくて、Amazon見てたらちょうどかわいい哺乳瓶があったんです。それで衝動的に買ったんですけど(笑)。

 

―― 赤ちゃんになりたい願望がすごいんですね(笑)。その他に愛用してる赤ちゃんグッズはあるんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:おしゃぶりも愛用してます(笑)。一回試しに使ってみたら、「これはすごい!」と思って、今は作業中とかにずっとチュパチュパやったりします。あとは前掛けも送られてきたりして、もう全種類そろってきてますね。今は寝るときにつるしてカランカラン鳴るようなベッドメリーとか、揺りかごも欲しい。完璧に守られた所で癒されたい(笑)。

 

「佐野さんが喜んでくださっている!」幸せだなぁって

f:id:Meshi2_IB:20180705161218j:plain

 

―― 新曲の『ひび割れた世界』は現在「オトナの土ドラ」枠で放映中にテレビドラマ『限界団地』の主題歌になっています。主演の佐野史郎さんにもお会いしていましたね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:お会いした時は、本当に緊張しましたね。テレビでいつも見ている方が目の前にいるってことで、たまらなくなってしまって。ドラマでは不気味な役とかをたくさん演じていらっしゃいますけど、実際に会ってみると優しい方でした。佐野さんは、主題歌が私に決まる前から私の歌を聴いてくださっていたようで、ビックリしました。「僕は好き嫌いがはっきりしてるんだけど、majikoさんの歌は本当に好きで、主題歌がmajikoさんになってうれしい」って言ってくださって、天にも昇る気持ちでしたね。「佐野さんが喜んでくださっている!」幸せだなぁって。

 

―― 佐野さんとは他にどんな話をされたんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:ドラマのテーマになっている最近の団地の置かれている状況とか、ドラマに対する思いとかも話してくださいました。「昔の団地はみんな手を取り合ってたけど、今は個人主義になっている。今一度みんなで手を取り合うという気持ちを思い出してほしい」というようなことを、佐野さんがおっしゃっていたんです。佐野さんが演じている寺内さんという人は、孫のほのかちゃんへの愛情ゆえに狂気的な行動に出てしまう。そういった愛と狂気をくみ取って、今回の『ひび割れた世界』は作ってもらいましたし、私も歌わせていただきました。

 

―― 佐野さんは音楽好きとしても有名ですが、音楽についての話もされましたか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:そうですね。佐野さんも音楽をやられているので、音楽の話もいろいろと聞かせていただきました。私が知らないような話もたくさんしてくださって、勉強になりました。本当に音楽が好きなんだなって感じましたね。佐野さんは、私の音楽に戸川純さんを感じるって言ってくれたんです。私も『玉姫様』が好きですごく聴いていたので、ああいう狂気的な何かを感じてもらえてるんだと思うと、うれしいです。

 

―― 実際にドラマで自分の歌が流れるのを見て、どう思いましたか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:テレビから自分の歌が流れるなんて、感動しました。リアルタイムでエゴサしながら見てたんですけど、本当に全国で同時にいろんな人が見てくれていて、うれしかったです。昔ニコニコ動画で見てくれていて、大人になって卒業していった人たちとか、まじ娘からmajikoに変わって離れていったような人たちが、たまたまドラマを見ていて「majiko? これって、あのまじ娘?」みたいな反応もあって、「ニヤニヤ(笑)」みたいな。

 

まじ娘時代のこともしっかり宝物のようなものにしたいと思い続けています

f:id:Meshi2_IB:20180705161454j:plain

 

―― majikoさんは、まじ娘名義での「歌ってみた」動画を足掛かりにシンガーとしてデビューのきっかけをつかみました。ニコニコ動画の「歌ってみた」やボカロ曲は元々好きだったんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:ニコニコ動画では、当時MAD動画はよく見てたんですけど、「歌ってみた」は自分で始める直前に知りました。小学生の時の友達が「歌ってみた」動画を投稿していて、すすめられたんです。中学2年からバンドはやっていて、ドラム・ヴォーカルを担当してました。本当はドラムをたたきながら歌うのがイヤだったんですけど、そのやり方で賞をもらったりしてしまって。ドラム・ヴォーカルというスタイルが自分のアイデンティティーになってしまっていることに対する悩みが大きくなっていた時に、「歌ってみた」動画のことを紹介されて、歌いたいという鬱憤(うっぷん)を晴らすために始めました。名前も顔もバレないところで、自分の実力を試してみたいという気持ちがありましたね。

 

―― 素人目からすると、動画を投稿するのにも録音・編集など大変な作業が多いように見えますが、大変ではなかったですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:自分も最初は全然分からなかったんですけど、投稿自体はすごく簡単なんです。MIX師、エンコード師、マスタリング師とか、それぞれに担当してくれる人がいて、私は全部誰かに頼んでやってもらってました。

 

―― どういう経緯でそういったつながりが出来ていくものなんでしょう?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:最初は自分でミックスしてて、キンキンの割れ割れの歌で上げてたんですけど、それを見かねた人がツイッターで連絡をくれて。エンコードも画質がクソみたいな状態だったのを見かねて連絡をくれる人がいたりとか、いろんな人が「僕で良ければやりましょうか?」って言ってくれて、今のようになっていきました。今までMIXとかエンコードとかしてくれた人には、今でも感謝しかないです。

 

―― 歌の録音に関しては家でやってたんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:最初は家で、マイクをパソコンに直挿ししてやってました。タイツをマイクにぐるぐる巻きにして、あぐらで歌う、みたいな。しばらくしてからはスタジオでちゃんととるようになりましたけどね。

 

―― 自分の上げた投稿に、最初にコメントが付いた時の気持ちはどうでしたか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:すごいドキドキしましたね。最初に上げた曲は、ニコニコで再生数やコメント数が伸びるルールも全く知らずに好きな曲をただ上げていたので、コメントも2、3個くらいだったんですけど、それがうれしくて。ただ「うまい」って三文字で、「うれしいうれしい!」みたいな感じでしたね(笑)。

 

―― それから再生数が伸びていくと、どうしたって辛辣(しんらつ)なコメントも増えてくると思うんですが、そういったコメントに対してはどう感じてましたか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:「バカ」とか、ただのディスみたいなものは気にしないですけど、たまに指摘コメントみたいなのもあって、最初は「えぇっ?」って思ってました。ただ、今考えると「確かにそうだよな、全然分かる」って感じですね。「ここをこうすればもっといいのに」とか、そういったコメントに関しては、自分で納得できるものなら取り入れて試してみようと思っています。実際、MIXが良くなるにつれて自分の声の表現力も成長したし、マイクを新しくしたら精密さも上がって、そういうのも大事なんだなって。どういうコメントであっても、無関心よりはマシですね。

 

―― それから再生数やコメント数が増えて、ブレイクを実感した瞬間というのはあったんでしょうか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:いや、私は本当にコツコツ投稿して、地道にやっていった感じです。今みたいに、一個の投稿で一気に注目されたというわけではなく、少しずつですね。一気に音楽関係の人脈が増えたのは、ETA (EXIT TUNES ACADEMY)っていうライヴに出演してから。当時はボカロPもたくさん出ていて、出演者さんと仲良くなって歌わせてもらったりとか、ボカロPさんが主催するイベントに出してもらったりとか。特に仲良いのはみきとPで、今でもライヴに一緒に出てくれたり、最近では“ロキ”を一緒にやって動画上げたりしています。

 

―― 過去の投稿を見返すと、クオリティーの向上が目を見張るほどに実感できますよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:いやぁ、お恥ずかしい(笑)。自分では、一年に一回聴き返すかどうかくらいですね。でも、いくら拙い内容であっても、自分はあそこから始まったのでさらし続けますし、絶対に消すことはないです。

 

―― ドラマの主題歌を担当するほどのアーティストになった今でも、「歌ってみた」を投稿していた頃のことは大事な誇りに思っているんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180705175856p:plainmajiko:「歌ってみた」は、始めた頃から今までずっと、趣味のようなものだと考えているんです。最初からバンドも併行してやってましたし、音楽でプロにはなりたいとは考えてましたけど、ニコニコ動画でどうにかなりたいとは全く思ってませんでした。結果的に、ニコニコ動画がきっかけでプロになったのは計算とは違いましたけど、逆にそれが時代に合ってて良かったんだと思いますね。だから、ローマ字のmajikoで活動している今でもニコニコに上げる時はまじ娘の表記を使ったりして、まじ娘時代のこともしっかり宝物のようなものにしたいと思い続けています。

 

f:id:Meshi2_IB:20180705160646j:plain

 

majiko 新作リリース情報

『ひび割れた世界』

2018.07.04 RELEASE

1,200円+税

 

www.majiko.net

 

撮影:山口真由子

 

書いた人:青山晃大

青山晃大

1983年三重県生まれ、音楽ライター。2006年からフリーランスで活動。現在は〈ザ・サイン・マガジン・ドットコム〉〈Qetic〉〈CROSSBEAT〉〈Real Sound〉他で執筆しています。

過去記事も読む

トップに戻る