イカニンジンってなに?それっておいしいの?福島名物「イカニンジン」をフカボリしてみた

「ホットペッパー」&「ホットペッパービューティー」本誌との連動企画「フカボリ! 美味なるご当地グルメ」。第3回目は、福島の名物料理「イカニンジン」をフカボリしました。

f:id:Meshi2_Writer:20171024143258j:plain

イカニンジンという料理、ご存じですか? 福島県の郷土食で、県中央部にあたる「中通り」と呼ばれる地域のもの。この中通りでも北部のほうの料理です。

今では年中食べられていますが、特に欠かせないのがお正月。「三が日の食卓には必ずあるもの」という声は、中通りの人々からよーく聞かれました。シンプルな名前のとおり、材料はイカとニンジンのみ。しかしこのイカというのは……

 

f:id:Meshi2_Writer:20171024143726j:plain

スルメなんです。あぶっただけで立派な肴になるスルメですが、料理に使ったことある人は少ないでしょうかね。

福島の中通りから山あいの地方には、魚介の乾物を使った料理が多く残っています。スルメや身欠きニシン、干し貝柱などの乾物は保存がきいたので、遠くから運ばれて貴重なタンパク源として活躍してきました。物流が豊かになった今も、郷土の味として愛され続けています。

さてこのイカニンジン、スルメさえあれば簡単に作れるんですよ。何よりお酒のアテにいいんです! 日本酒好きならぜひ一度お試しあれ。

 

早速作ってみましょう! 今回は2人前として

  • ニンジン(中ぐらいの大きさ)1本
  • スルメ(胴の部分のみ)1枚 

を用意してください。

f:id:Meshi2_Writer:20171024144042j:plain

ニンジンは皮をむいて細切りに。スライサーでもOKですよ。スルメも同じぐらいの細さに切ります。だいたい2㎜程度の幅にしてください。

 

f:id:Meshi2_Writer:20171024144131j:plain

スルメはキッチン用はさみを使って細切りにしていきます。ここはちょっと根気よく、ゆっくりと細さをそろえて切っていきましょう。

※スルメの足の部分は使いませんので、あぶるか炒って、おつまみにどうぞ。そのままでもいいし、七味とマヨネーズで食べるとうまいもんですよ。

 

f:id:Meshi2_Writer:20171024144300j:plain

切ったスルメはボウルなどに入れ、お酒を大さじ半~1ぐらい入れて、全体をあえて水分を含ませておいてください。なので、先にスルメを切って酒をふり、そのあとにニンジンの細切り……という順番がおすすめです

 

調味料づくり

使用する調味料は3つだけ! 分量はそれぞれ

  • 醤油 大さじ3
  • みりん 大さじ2
  • 酒 大さじ1

になります。

先のニンジン、スルメ、調味料すべてを密閉できる袋に入れてください。

f:id:Meshi2_Writer:20171024144619j:plain

中の空気を抜いて口をしっかり閉めたら、よーくもんでいきましょう。全体が混ざり合うようにしっかりと、30秒ほどは時間をかけて。

 

f:id:Meshi2_Writer:20171024145258j:plain

これで工程は終了です。冷蔵庫に入れて、最低でも3時間は寝かせてください。もし時間が許すならばひと晩~1日置くと、味がこなれてうまいんですよー。現地では「2~3日は置く」という人も多いです。

 

f:id:Meshi2_Writer:20171024145408j:plain

辛いのが好きな人は、寝かせるときに唐辛子を1本しのばせるのもおススメ

また優しい味わいにしたい人は、調味料の「醤油、酒、みりん」を一度合わせて鍋に入れ、ひと煮立ちさせてからイカニンジンを浸けてください。アルコールが飛んで、より食べやすくなります。

 

f:id:Meshi2_Writer:20171025102542j:plain

ひと晩置いたものが、こちらです。おお、ほどよくスルメのうま味と香りがニンジンに移ってますねえ……また明日の“進化”も楽しみだ。どんどんコクが増していきますよ。 

※4~5日目安で食べきってください。保存はずっと冷蔵庫で!

ちなみに醤油、酒、みりんの配分は各家庭で違うんです。塩気を弱くしたければ醤油を少なめに、甘いのが好きならみりんをたっぷり、そういう調節を自分なりに考えるのも楽しいものですよ。取材した県人の中では「ざらめを入れてこってり甘く仕上げる」という人もいました。郷土料理は、人の数だけ味があり

 

f:id:Meshi2_Writer:20171024153045j:plain

さて以前に私、『にっぽんのおにぎり』という本を書いたんですよ(いきなり宣伝っぽくなってスミマセン)。「1つの県を1つのおにぎりで表してみよう」というコンセプトで作ったんですが、福島県はこのイカニンジンを細かく刻んでごはんと混ぜ、にぎってみました。実際これ、やってみるとうまいんですよー。ぜひお試しください!

 

f:id:Meshi2_Writer:20171026121221j:plain

最近ではポテトチップスで「いかにんじん味」なんてのも出て話題になりましたね。食べてみましたが、うまいことスルメ感が活きてておいしかったですよ。

福島の人々が愛するイカニンジン、ぜひ作ってみてください!

 

※この記事は2017年10月の情報です。

 

執筆・撮影:白央篤司

白央篤司

フードライター。雑誌『栄養と料理』などで連載中。「食と健康」、郷土料理をメインテーマに執筆をつづける。著書に「にっぽんのおにぎり」「にっぽんのおやつ」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)がある。

過去記事も読む

トップに戻る