やってきました、池袋駅東口。
都内の県アンテナショップをめぐる連載企画第2弾は、宮城県です!
ご案内はアンテナショップめぐりが大好きなライター、白央篤司です。私は昔、仙台に住んでいたので思い入れもひとしお。おすすめフードをいろいろ紹介しますよ。
さて池袋駅の東口を出て2分も歩けば、「宮城ふるさとプラザ」が見えてきます。
こちらが、正面入り口。
シンボルマークの大きな三日月は、宮城県ゆかりの武将・伊達政宗(だてまさむね)にちなんだもの。仙台藩の初代藩主で、県では今なお英雄的存在。その政宗公のかぶとについていたシンボルが、三日月なんです。
牛タン、ふかひれ商品どっさり
さあ、中に入ってみましょう!
平日13時ごろの店内、けっこう混んでいるなあ!
さてみなさん、宮城県といえば何をイメージしますか?
やっぱり牛タンを思い浮かべる人は多いでしょうかね。関連商品、確かにいっぱい。
海産物も有名で、気仙沼のふかひれは宮城が誇る特産物のひとつなんですよ。そのほか、枝豆をすりつぶした「ずんだ」や、お菓子の「萩の月」なんかが有名でしょうか。
しかしそれ以外にも、おいしいものいろいろ。今回は、あまり知られていないけど「これもぜひ食べてみて!」というものを紹介しますね。
県内すべての酒蔵を取りそろえ
まずは、お店のかたにごあいさつ。今回案内をしていただいたのは……
店長代理の大蔵国孝さん。よろしくお願いします!
── さて大蔵さん、『メシ通』読者は酒好きも多いんです。お酒コーナーをまず見せていただけませんか?
大蔵:はい、それでは店内の一番右奥を目指してください。
こちらです!
大蔵:宮城県には現在24の酒蔵があるんですが、それらすべての蔵から最低でも1種類は常備するようにしています。本来は県内限定の商品も置いてありますよ。
── おお、県内の全蔵から! それはすごいなあ。
都内のアンテナショップ、お店によってお酒の品ぞろえはかなりまちまち。日本酒に力を入れてるのは福島県、広島県、高知県などですが、宮城県もなかなかのもの。
宮城の日本酒といえば、全国的には塩竈(しおがま)市の「浦霞」 と大崎市の「一ノ蔵」が有名でしょうね。もちろんその2つも買えますが、
大崎市が誇る「あたごのまつ」(愛宕の松)や、
栗原市の銘酒「萩の鶴」に塩竈市の「阿部勘」など、まだまだ良酒・美酒がたっくさんあるんです。日本酒好きのあなた、ぜひチェックしてみてください!
大蔵:あと、2~3カ月に一度「伊達なきき酒バル」というイベントを開催しています。
ワンコイン(500円)で、日本酒2種とおつまみ2種の組み合わせを選んでお楽しみいただけますよ。次回は2月か3月に開催予定です。
── 決まり次第ホームページでアップされるそうなので、気になるかたはぜひチェックしてみてくださいね。
大蔵:あと、女性に人気のこんなお酒もあります。「一ノ蔵」さんが手がけた、低アルコールで飲みやすいお酒です。
── さっそくいただいてみます。左のピンク色の「ひめぜん」(300ml、515円)は甘口ですねえ、アルコール度数はなんと8度ですか!
※一般的な日本酒で15~16度ぐらい
大蔵:右の「ひめぜん きりり」(300ml、515円)は甘くはないけれど、アルコール度数は10度。食中酒としても人気です。
── 日本酒は試してみたいけど、あまり強いものはちょっと……という声、多いんですよね。女性に限らず、体に優しく飲みたいというかたにおすすめ!
練りもの好き大注目!
── さて大蔵さん、お酒ときたらおつまみですね。どんなものが売れ筋でしょうか?
大蔵:ホヤをはじめ、水産物のおすすめはたくさんあります。人気でいえば、練りもの類は豊富にそろっていますよ。「宮城ふるさとプラザ」では現在、15を超える練りもの業者さんと取引があります。中でも一番売れるのは、やっぱり笹かまぼこなんです。
── おお、笹かまがいっぱい! 大手から小規模生産のところまで、いろいろ買えるのがうれしいなあ。仙台でもなかなか一度に買えるところはないですよね。
はい、それでは白央の超・個人的セレクトですが、おすすめをご紹介させてください!
左からご紹介します。
①阿部蒲鉾店 阿部の笹かまぼこ(190円)
②馬上かまぼこ店 笹かまぼこ(145円)
③白謙蒲鉾店 極上笹かまぼこ(194円)
④佐々直 笹かまぼこ 鮮(162円)
⑤横山蒲鉾店 手造り笹かまぼこ(144円)
⑥高政 笹蒲鉾 吉次(172円)
⑦高政 笹蒲鉾 石持(151円)
順にむいてみたものがこちら。
それぞれ個性が違うんですよ!
①の阿部かまは、笹かま界の大メジャー企業。さっぱりと上品、かむほどに味が出てくる系。阿部かまの近年の品質向上っぷりは素晴らしいと思います。
②の馬上さんは亘理郡(わたりぐん)のお店。コクがありますねえ……つまみにいい系。タラ、イトヨリのみを使用。チーズ的なうま味も感じさせます。飲兵衛におすすめ。
③の白謙さんは県内でもトップクラスの評判、高級なイメージ。「贈答なら白謙」という人は多いんですよ。あっさりと仕上げられて誰からも好かれる感じ。わさびと醤油でやりたい。ちなみに白謙さんは「野菜揚げ」という練りものもおすすめ。
④の佐々直さんは仙台市の下、名取市閖上(ゆりあげ)のメーカーさん。タラ、キチジ、グチのみを使用。昔ながらの手作り感。皮がもっちもちで、食感もキュッキュッ。笹かまの皮の歯ざわりの強さ、柔らかさは宮城人なら好みのわかれるところ。
⑤の横山蒲鉾店はタラとイトヨリのみを使用。②と具材は一緒ですが、仕上がりが全然違う。こちらは弾力があって素朴な味わい。そのぶん香ばしさが際立ちます。笹かまって「ソフトで上品、なよやか女性系」と「弾力も香りもしっかり、男っぽい系」と分かれるんです。こちらは後者かな。
⑥と⑦は女川町の高政さんのもの。その名のとおり、それぞれタラとキチジ、タラとイシモチのみを使用。⑥は淡白でおだやかなうま味に富み、⑦はかむうちに鼻に抜ける香りの良さが特徴。それぞれスッキリ優しいタイプの日本酒に合いそうな感じ。
▲味見後の笹かまぼこ。このあとすべておいしくいただいました
「どれもだいたい一緒だろう」と思うなかれ。県人はそれぞれに「ごひいき」があるんです。なにせ小さい頃からしょっちゅう食べますからね。みんな好みがある。西の人がお好み焼きやタコ焼きにそれぞれ「ひいきのお店」があるようなイメージ……かな?
笹かまぼこはメジャーな特産物ですが、「味わいはそれぞれかなり違う!」ということをお伝えしたく、あえてご紹介しました。
仙台出身の白央セレクト
個人的大好物がこちら
さっきも登場しましたが、宮城県女川町「蒲鉾本舗 高政」さん。こちらの揚げかまぼこシリーズ、おすすめなんですよー。貝柱、海老、たこ、それぞれ129円。
これが……うまい!
私はそのまま、おやつ代わりに、つまみにバクバク食べます。いや、かむほどにじっくり味わいが出てくるので、本当はゆっくりかみ締めるのがおすすめ。
そのままでよし、ワサビと醤油ちょいでよし、あぶってよし、うどんやそばにのせてよし! 練りもの好きさんなら一度は試してみてほしい。
ちなみに高政さんのある女川町は中村雅俊さんの生まれ故郷ですよ。まめちしき。
宮城名物、ホヤの加工品もご紹介。
石巻・末永海産「ほやの炙り干し」(398円)はホヤの香りがきちんと漂ういいつまみ。それでいてあっさり、ホヤビギナーにも食べやすいと思います。フライパンで軽く熱してもおいしい。
つまみなら忘れちゃいけない松倉の「パパ好み」(108円)!
小さい頃バクバク食べてましたねえ……我が郷愁の味。あられ類に干し小アジ、小エビ、そしてピーナッツのミックス。この配分が絶妙なんですよー。「ママも喜ぶ パパ好み」ってキャッチフレーズ、好きだなあ。
『メシ通』読者は「新幹線ビール」好きそうですよね。車内つまみとしてこのサイズと味わいは最高なので、仙台駅で見かけたらぜひぜひ、お試しください。
甘いものもおススメ!
大蔵:つまみの宣伝が長いですね(笑)。甘いものもおすすめさせてください!
── ああっ、失礼いたしました(汗)、ぜひぜひお願いします。
大蔵:塩竈の「菓匠 榮太楼」さんの「なまどら焼」(172円)が人気で、実際とてもおいしいんです。
── これは未体験でした、さっそく買ってみます!
袋から出してみれば、このつややかな皮の焼き具合。そしてなんとも、甘い香り。
中にはリッチなあんこクリームがみっちり! おいしいなあ。1つでずいぶんとまあ、豊かな気持ちになれる。
ごま風味クリームやラムレーズン味も好評だそう。今度試してみなければ。
さて、いかがでしたでしょうか、「宮城ふるさとプラザ」。
このほかにも魅力的な商品はたくさんありますよ。2階はレストラン「伊達の牛たん本舗」もあって、そちらも好評です。 ぜひぜひ、池袋に来た際はのぞいてみてくださいね。
ちなみに第1弾はこちら ↓ 福島県
福島もいい練りもの、いろいろあります。のぞいてミデッテ。
お店情報
宮城ふるさとプラザ
住所:東京都豊島区東池袋1-2-2 東池ビル1・2F
電話番号:03-5956-3511
営業時間:11:00~20:00(2Fレストランは ~22:00まで)
定休日:年末年始をのぞいて無休