香川の「なすそうめん」はこの夏ゼヒ試してみてほしいうまさだった【フカボリ】

「ホットペッパー」&「ホットペッパービューティー」本誌との連動企画、「フカボリ! 美味なるご当地グルメ」。第11回は、香川の名物料理「なすそうめん」です!

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ハマってるんです、「なすそうめん」! 

こちら、香川県の郷土料理。なすを軽く炒めて、油揚げと一緒に煮て、そのおつゆでそうめんをいただくというもの。

 

「ピリ辛のあったかいおつゆ+そうめん」、これが新鮮でした。つめたーいそうめんも当然いいけれど、逆に食欲を刺激されたんですよねえ。

 

まずはレシピをご紹介します。

 

なすそうめん(2~3人前)

【材料】 

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  • なす 3本
  • 油揚げ 2枚
  • めんつゆ 300ml(ストレートタイプ。濃縮タイプなら希釈して使用してください)
  • 唐辛子 1/2本(輪切りにしておく)
  • ゴマ油 大さじ1
  • そうめん 200g前後

 

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1:なすはヘタを落とし、タテ半分に切って、ナナメに軽く切り込みを入れます。切り込みの間隔はだいたい1㎝ぐらい。

こうすることで味がよく染みて、火の通りも早くなるんだそうですよ。

 

※下まで切れちゃっても気にせずに、一緒に調理しちゃってください。あと、トップ画像のなすはタテ4つに切ってますが、これだと崩れやすいので半分にしました。

 

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2:フライパンにゴマ油をひき、なすの皮を下にして入れます。中火で3分熱してください。

 

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3:3分経ったら、ひっくり返して、フタしてさらに3分

 

※フタがなかったら、しなくてもOK。その場合、あとで煮るとき1~2分プラスして、加熱してください。

 

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あと、ひっくり返すのはトングがあると楽。私もそうなんですが、菜箸などでエッチラやってるとドンドン火が通っちゃって、失敗のもとですな。

ちなみにトング、私は100均で買ったのを活用してます。これで十分。

 

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4:油揚げは三角に切っておきます。

油揚げ、油でべとべとの場合は熱湯をかけてざるにあげて、冷めてから切ってください。サラッとしている場合は、そのまま使っちゃいましょう。

 

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1枚をまず半分にして、それぞれを三角に。

 

ただこれ、県人にたずねると「厳密じゃないから、好きな大きさに切ればいいよ」という声もありました。なのでアバウトでもOK!

 

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フタして3分熱して、こんな感じ。

 

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5:フライパンに油揚げも入れて、めんつゆ、唐辛子を入れて煮ます。 

 

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中火で5分ほど煮てください。

 

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6:さあ、そうめんの準備です。

 

といいますか、全体の手順なんですけどね、

 

なすなど、すべての具材を切る

そうめん用に、水を鍋に入れて火をつける

なすを炒め、油揚げを入れて煮る

そうめんをゆでる

 

この順番だとスムーズに運ぶと思います。もちろん料理に慣れているかたはご自由に!

 

※大事なポイント

ゆであがったそうめんは、水道水でよくすすいで、ぬめりを落として、写真のようによーく水気を切ってください。手でグッと握るようにしぼってOKです。

これをやらないと、つゆが薄まってうまくないっす(涙)!

 

さあ、盛りつけましょう。

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お皿にそれぞれを盛って、煮汁をかけていただきます。

 

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そうめんをすすって、油揚げやなすを一緒に口に含むと、おつゆがジュワッ。

これがいいんだなあ。

好みで、おろしショウガ、刻みネギ、ミョウガなどをご一緒にどうぞ。

 

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ちょっとアレンジ。

豚ひき肉をショウガたっぷりで炒めて、輪切りのなすとめんつゆで煮たバージョン。これもスイスイ入っちゃいましたねえ……。

 

  1. ゴマ油で野菜・肉などを炒める
  2. めんつゆで煮る
  3. そうめんにぶっかけで食べる

この方法論、いろいろと応用できそう。

しかしやっぱり……「なすと油揚げ」という「口の中でジュワッ」という食材がポイントですな。これがないと寂しくなりがち。

 

なすもそうめんも香川の特産物

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香川県=うどん」のイメージが強いでしょうが、そうめんも特産物なんですね。小豆島(しょうどしま)というところで、約400年前から作られてきたそう。

 

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ちなみにこの小豆島、オリーブの産地としても有名。また、かつての大ヒット作『二十四の瞳』という映画の舞台にもなりました。

そしてなすも香川県三豊市の特産物。三豊なすという、大きななすが有名なんです。

 

昔は、なすと油揚げを煮た鍋に直接そうめんも入れて、一緒にゆでてたね。夏の農作業のいそがしい昼間に、パッと作れる手軽な料理だったよ。

 

と、ある年輩の県人さんが教えてくれました。

一緒の鍋でそうめんを煮ると簡単だけど、そうめんの塩分も一緒に食べてしまうので、現在では健康を意識してやられなくなったとか。郷土レシピも時代に即して変わりますな。

 

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香川県、栗林公園(りつりんこうえん・上の写真)や「こんぴらさん」で名高い金刀比羅宮(ことひらぐう)など、観光も実に楽しいところですよ。魚もうまいし。

気になったかたはぜひ、足を運んでみてください。

 

またどこかで「これは全国でマネすべし」な美味を見つけたら、ご紹介します!

 

企画・文・撮影:白央篤司

白央篤司

郷土料理がメインテーマのフードライター。雑誌『栄養と料理』『ホットペッパー』農水省広報誌などで執筆。著書に「にっぽんのおにぎり」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)など。

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