月イチ連載の「フカボリ」、あっという間の1年でした!
各地で教えてもらった郷土メシを、全国で作りやすいレシピにして毎回記事化しています。私が酒好きなのでアテ系が多いのですが(笑)。記事の最後で、超個人的に好きな料理ベスト5も選んでます。よかったらぜひ作ってみてください。(白央)
第1位 香川県 なすそうめん
公開から約2カ月がたった今でも「作ってみたよ!」と反響を続々といただいてます。ありがたや……。香川といえばやっぱりうどんですけどね、小豆島のそうめんもウマイんだ!『島の光』って手延べそうめんが有名で、「『島の光』で作りましたよー」って声もいくつかいただけました。
そのほか、いろんなアレンジ報告が楽しかったのでまとめてみます。
- シシトウやオクラ、甘長唐辛子を加える
- ひき肉を加える
- 豚しゃぶを加える
- 冷凍の揚げなすを使ってさらに手軽に
- ナス&油揚げ煮を先に作っておき、冷たくして食べる
- ナス&油揚げだけをこのレシピで作っておつまみにしてる
- そばやうどんでもおいしい
- ラー油たっぷりで食べる
- ヒガシマルの「うどんスープ」で作ってもうまかった
- おつゆに干しエビを加えて煮たのもうまかった
あと補足で注意点を。ナスや油揚げを細かく切ると、汁を吸いすぎて足りなくなる場合があります。どうしても足りなくなった場合は、めんつゆを足してください。
第2位 長野県 サバ水煮缶の味噌汁
サバの水煮缶で味噌汁を作るとうまくてダシ要らず、あっという間にできるのも魅力。長野の北部地方の春の名物、ネマガリタケと一緒に作るのが地元では定番です。この時期の地元スーパー、サバ水煮缶がホント山のように積まれていて壮観なんですよー。
そのほかの魚の水煮缶でもいろいろアレンジ試してみましたので、そちらもぜひ試してみてください。
第3位 大分県 りゅうきゅう
旅先の居酒屋さんで「え……この料理なんだ?」ってよく分からぬ料理名に出合うの、ものすごく好きなんですよ。ワクワクする。大分ではこの「りゅうきゅう」にハマりました。簡単ダレにお刺身を5~10分漬けるだけ、もっと全国でマネされてしかるべき!
第4位 宮城県 仙台セリ鍋
セリって根っこもうまいんです!
杜の都・仙台ではここ数年セリ鍋が大評判。歓楽街を歩けば、あちこちで「セリ鍋あります」の看板が出ています。ご自宅で簡単にマネできる方法をご紹介しました。シメのそばがまた最高なんす……。そして都心からも新幹線で2時間前後、仙台にぜひ遊びに行ってみてください。(仙台育ちより)
第5位 北海道 三平汁
ダイコン、玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジン……まるでカレーの材料ですな。ここにシャケ足すと簡単にできちゃう料理です。カレーの翌日にいかがですか? 味つけもシンプルでなんともホッとする味わい。
ちなみにタイトルにある「あの俳優」というのはアラフォー以上ならおなじみのあの方。ドレミファドン!
第6位 岐阜県 漬物ステーキ
漬物を炒めて卵でとじる、って思いつかないですよねえ。これが意外なおいしさ。家つまみに簡単でいいんだなあ。ちょっと酸っぱくなった漬物があるとベストです。試す価値大! 私はプチトマなんかも入れちゃってアレンジを楽しんでますよ。
第7位 広島県 がんす
広島名物のがんす、もっと東京で買えるといいのに…。魚のすり身のカツなんですが、そのままでよし、うどんに入れるとなおよし。そして上の写真のように、玉子サンドに入れるうまさは格別なんでがんす。
第8位 徳島県 そば米汁
タイトルの「そばを米汁で食べる!?」には笑いました。たしかにそうとも取れますね。いえいえ、そば米(そばの実の皮をむいたもの)と野菜、鶏などのサッと煮たもののこと。そば米、全国的にも徐々に評判になってますね。カルディや成城石井で見かけることも。徳島の人が「夜食や軽食にピッタリ」とおすすめされてのに納得です。女性は好きな人、かなり多いと思います。
第9位 愛知県 どて煮
愛知県の「どて煮」は八丁味噌とモツ、根菜をたっぷり使った煮込み料理。名古屋の年季の入った飲み屋さんに行くと、いい感じで煮えてるんですよ……。その味に豚モツで挑戦してみました。はい、手間と時間はかかりますが、達成感はハンパないです!
第10位 千葉県 なめろう
千葉の海沿いでは定番の料理、なめろう。日本酒がどんどんなくなる罪なアテです。これも一般的なやり方より、作りやすいレシピを考えてみました。記念すべきフカボリシリーズの第1回目。
第11位 福島県 イカニンジン
これ、福島県でも中部地方の料理。今まで現地の人に軽く50人以上に「イカニンジン好きですか?」と聞いてきましたが、全員が「大好きです!」と即答しますねえ。酒好きにばっかり尋ねてるからかな(笑)。するめとニンジンと調味料だけで出来ますよ。
第12位 愛媛県 鯛めし
愛媛県の2タイプある鯛めしから火を使わないほうをご紹介。簡単バージョンとして、めんつゆ×卵黄でレシピ化してます。愛媛でも宇和島のほうの食べ方。宇和島といえば先の豪雨で大変な被害にみまわれました、心よりお見舞い申し上げます。そして食べる応援、およばずながら頑張ります。
おわりに私選ベスト5
ごくごく個人的な好みだけで、上記12品の中からマイ・ベスト5を選んでみます。
【理由】
1位 そば米汁
とにかく「なぜこれが全国区にならないのか?」という疑問度ナンバーワン。今まで作って食べさせた人、みな一様にファンになる。私もそば米見かけると買って毎度作ります。
2位 サバ水煮缶の味噌汁
簡単で栄養バランスもよくて、野菜たっぷり入れれば味噌汁だけでおかず要らず。助かるんですわー。サバ水煮って塩分もあるので、普段の味噌量を気持ち少なめにしてちょうどいいですよ。
3位 なすそうめん
今までの連載の中で最も多くの人が作ってくれました。リピーターになったという声も複数いただき、ホントうれしいです。
4位 仙台セリ鍋
セリ根の意外なおいしさ、もっと広めたい。いいダシが出るんですよ。記事内にある仙台駅前近く「いな穂」さんに今年も行くぞ!
5位 どて煮
これ、レシピ立てるまでに何度試作したかなあ……。2日かかるレシピを5回はやりました。ツイッターで愛知のみなさんにいろいろ教えてもらったのもありがたかったです。
さて、今後もどうかご期待ください。次回は新潟の「けんさん焼き」を公開しますよ!
企画・文・撮影:白央篤司(はくおう あつし)
「暮らしと食」、郷土料理やローカルフードがメインテーマのフードライター。CREA WEB、Hot Pepper、サイゾーウーマン、hitotemaなどで連載中。主な著書に『にっぽんのおにぎり』『ジャパめし』『自炊力』『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』など。家では炊事全般と土日の洗濯、猫2匹の世話を担当。