おっきいの……大好き♡ 店名に偽りなしの巨大お好み焼き&焼きそば「ジャンボ」【京都】

エリア北野白梅町 (京都)

デカ盛りはなぜ存在するのか。それは、おいしいものでお腹いっぱいになりたい、という動物の本能を満たすためである(個人の想像です)。そして、その本能を満たしたいというお店の優しさの結晶に他ならない(これは本当にそう)。京都・北野白梅町「ジャンボ」も優しさででっかくなったお好み焼きのお店である。

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学生の胃袋と心を満たして40年!

こんにちは、メシ通レポーターの泡です。日々のささやかにしてわがままな願いは「おいしいもので腹いっぱいになること」。そのために生きていると断言するに、やぶさかでありません。

そんなデイリードリームを叶えてくれるお店が京都の西にあると聞き、さっそく行って参りました!

 

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阪急の大宮駅がある四条大宮から、街中を走る路面電車の嵐電(らんでん)こと京福電車に乗って30分弱。ちょっとした旅情も感じられるプチトリップを経て「等持院(とうじいん)」駅で下車します。

 

住宅街を抜けて駅から徒歩3分ほど。

たどりついたのはお好み焼き&焼きそば「ジャンボ」。

 

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一見、普通のお好み焼き屋さんですが、中身は決して尋常じゃないんですわ、これが。のれんの文字が「おジャンボ」にも読めるプチ上品さ。

 

店に入ると、まず印象的なのが、厨房前に並んだお好み焼きの材料。

 

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な、鍋に入ってますけど?

 

一般的なお店なら、生地や具材が小さめのボウルに入っているところ、こちらではなんと片手鍋。一人暮らしの学生さんがラーメン作ってそのまま食卓にのせて食べる感じのアレですね。卵の量もなんかおかしくないですか!?

 

……そう、ここは店名の通りすべてがジャンボな夢の国!

創業は今から約40年前。初代女将の江島奈子さんが「学生さんにお腹いっぱい食べてもらいたい」という思いをもって、ボリュームたっぷりのお好み焼きと焼きそばをメインに始めたのだそう。お店の近くには立命館大学があり、今も昔も腹ペコな学生さんたちがひっきりなしに暖簾をくぐります。

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店内は小上がり席とテーブル席を合わせて46席。取材は開店前の時間にお邪魔しましたが、開店するやいなや、席がギッシリ埋まります。

 

で、

 

現在は江島さんの息子さんが店を継ぎ、古参のスタッフが店を守っています。勤務歴30余年という佐々木さんいわく、「お客さんは、学生さんが中心なのは変わってないですね。最近は口コミで修学旅行生や海外からの観光客も増えました」。英字メニューまで備えて受け入れ体制も万全!

 

メニューは、各種お好み焼きと焼きそば、そして野菜焼きとイカ塩焼きのみという潔さ。

 

「オムそばや塩焼きそばもしてよ、なんて声をいただくこともありますけど、うちは進化するお店やないんです。昔のまんまというのが売りですから。『味変わったな』って言われるのが一番つらい。久しぶりに来られた方の『そうそう、この味や!』というひと言が何よりうれしいんですよ」。

 

変わらないことの難しさ、尊さよ。大学を卒業して結婚したカップルがお子さんを連れて「ここがパパとママの思い出のお店やで」と訪ねることもあるそうです。ええ話や~。

 

攻めきれるかデカ盛りメニュー、いざ、実食!

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ジャンボミックス玉750円。「これを混ぜてお待ちくださいね」と例の鍋を渡される。やっぱり多い。すでに多い。

 

お好み焼きと焼きそばは普通サイズもありますが、ほとんどのお客さんは「ジャンボ」を頼んでいます。そりゃ、ここまで来たらねぇ。

 

というわけで、さっそく名物の「ジャンボ」2品を注文。まずはお好み焼きから!

 

ミックス玉は、つくね芋(高級品!)入りの生地にキャベツ、天かす、紅ショウガ、豚バラ、味付けした牛ミンチ、イカという豪華ラインナップ。すべてをよーく混ぜて焼くので、どこを食べてもちゃんと均一に具が入っているのがうれしいポイント。

 

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焼くのはすべてお店の方におまかせ。タイミングを見てひっくり返してくれます。しかし、めっちゃ広がるなこの生地。

 

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伝わりますでしょうか、この大きさ。フツーのサイズの倍は軽くあります。これで750円ですよ……。

 

と、お好み焼きの大きさにコーフンしていると視界の端に目を疑う感じのモノが……。

 

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なんかお供えものみたいなん持った人キターーー!(この方がベテラン佐々木さんです)

 

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ドヤァァァ!! 

 

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「焼きそばでーす☆」

 

あ~ん、すっご~い!

いっぱいはいってるぅ!

 

ジャンボ焼そば750円。

特注の中華麺が3玉に、キャベツがほぼ1玉、豚バラ、紅ショウガという定番にして鉄壁なメンバーで構成されています。大事なことなのでもう1度言いますが、750円です、コレ。スーパーで材料買う方が高くつきそうなんですけど……。

 

f:id:mesitsu_la:20160823082220j:plain焼きそば、イキまーす! 3玉の迫力に、お好み焼きが負けそう。繰り広げられる鉄板での攻防戦。 

 

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一気に炒めていきます。隣の席のご婦人が「家やとこんなキレイに焼けへんわ~。やっぱり鉄板サイコーやねぇ」と話す声が臨場感をあおる。いいぞいいぞ、いい感じ!

 

そうしている間にお好み焼きが焼き上がりましたよ~。

 

「ソースは甘・辛・普通がありますが、どうしましょ?」と聞かれ、「よしなに、おまかせします」と応えると、あんばいよくミックスしてくれます。

 

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マヨネーズも途中で発射して、ソースにぶわーっと混ぜ込むのがジャンボ流。

 

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完成! 鉄板に流れて焦げたソースの香りがたまらーん! 

 

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追いかけるように焼きそばもできあがりましたー! むっちむちの麺がソソる!

 

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「2品で 鉄板埋める 大きさよ」

 

思わず一句詠んでしまうほど。

コテと見比べていただけたらこのご立派さが伝わるでしょうか。

 

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黄金色のアイツを呼び出して、ゴキゲンに幕を開けるぜパーリーナイッ(朝11時ですが)。瓶ビール500円。

 

このジャンボという名の山に共に登ってくれたのは、ライター仲間のおかんこと平山さん。「朝からソース肴にビール飲むの!?」とホイホイ釣れやがりました。チョロいもんだ。

  

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いっただっきまーす! 先刻からソースの香ばしさに刺激されっぱなしだった胃袋に、アツアツのお好み焼きが、今!

 

細かくカットしたキャベツがたっぷりと入っている生地はふんわりエアリー。歯に抵抗なく消えていく生地のなかで、それぞれの具がエエ感じに主張しています。うま味がギュッと凝縮された牛ミンチ、プリッとしたイカ、脂っけがうまい豚バラがバランスよく配合されていて、どこを食べてもうまいっ。

 

甘辛いソースもベストな分量。仕上げまですべてお店の方に任せる意味がわかりましたわ。自分たちでやると、この生地のよさを引き立てる加減がよめないですもんね。

 

そして焼きそば。 

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「取り分けても 取り分けても そばの山」(自由律俳句)

 

むっちりとした太麺の弾力が小気味よくて、はずむように食べてしまうー。あんなにたくさんあったキャベツも熱でしんなりして麺とうまいことなじんでいます。あっさりめの味付けなので、麺、キャベツ、豚肉の味がそれぞれ輪郭をもって楽しめるのもイイ!

 

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宴スタートから30分。酒好きな2人なのに瓶ビールは1本しか空かず、会話に「……」が増えてきました。

 

怒濤のようなボリュームに、正直お腹いっぱいになってきた。この山は思ったよりも険しかったようね……。向こうのテーブルの高校生たちは私たちより後に来て、早々と食べ終わってるし。

 

制服、日焼け肌、部活帰り、粉もん……。ノスタルジックでまぶしい!

 

「夏休みの高校生ってなんであんなにグッとくるんですかね。笑っちゃうくらいキラキラしてますよね……」っておかんが遠い目で見つめてましたが、あかん、完全に食後の賢者モードになってるー! 戻ってきてー!

 

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それでも最後までおいしくいただきました! 

 

ちなみにこれだけ食べて(ちょっと飲んで)お会計は2,000円ポッキリ! 

割り勘すると、

 

ひ・と・り・せ・ん・え・ん! 

 

いいの? ホンマにいいの?

 

いいんですね、ありがとうございます(と手を合わせたくなるお値打ちさ)。

恐縮しつつおいとましましょうか。

 

……という時に目に入ったこの光景。

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鉄板いっぱいに焼きそばを広げて黙々と召し上がるお二人の紳士。「これ……食べきれますか?」と聞けば、「いやぁ、無理やろな(笑)」。

そらそやでーとツッこみかけた時に紳士から追加でひと言。「さっき、そこの喫茶店でモーニング食べてきたとこやねん」「1時間経ってへんもんなぁ(笑)」って、なぜその状態で挑むのか焼きそば2人前(6玉)に。

 

学生さんの食べるペースにまぶしさを感じ、紳士たちの貪欲さにしてやられるというオチがつきましたが、「おいしいもので腹いっぱい」を叶えた喜びを抱えて帰りますよ。よりいっそうジャンボになった腹と共にね……。

 

食べきれない分はパックに入れてお持ち帰り用にできるので、登山に失敗したひとは家で少しずつ味わいましょう! 油を敷いたフライパンで麺をカリっとさせる食べ方が個人的にはおすすめですよ〜!

 

お店紹介

ジャンボ ※2022年10月現在、持ち帰りのみ営業

住所:京都京都市北区等持院南町35
電話番号:075-462-2934
営業時間:11:00~14:00(LO)、16:30~23:00(LO)
定休日:月曜日、火曜日、第4日曜日

※金額はすべて消費税込みです。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:泡☆盛子

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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