今夜のおかずにアツアツのコロッケとミンチカツ、そして焼豚はいかが?【京都】

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選び抜かれた和牛だけが店頭に並ぶ精肉店

こんにちは。メシ通レポーターの泡です。

秋になると、湯気ほわほわな食べ物が恋しくなりますよね。

揚げたてコロッケなんて最高じゃないですか?

 

そんなわけで、今回は「京都水族館」にもほど近い、七条壬生川(ななじょうみぶがわ)にある精肉店「イマムラ総業」のコロッケをご紹介します。

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市バスのバス停「七条壬生川」を降りてすぐ。七条通の北側にあります。

 

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真っ赤なテントが目印。

 

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「和牛専門店」の文字にテンションが上がります。

 

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創業は1937(昭和12)年。山科や北区での営業を経て、この地に移転してきたのが1947(昭和22)年。

これはその時の記念写真。(※写真提供:イマムラ総業)

左から4番目の男性が初代社長。農家に生まれ、「肉をようけ食べたい」という思いから肉屋さんになったと語り継がれているのだそう。

 

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現在は三代目の今村保徳さんがのれんを守っています。

 

「イマムラ総業」で扱うのは、黒毛和牛のみ。

しかも、問屋から仕入れるのではなく、直接市場で一頭買いをして自社工場でさばくというからすごいではありませんか。

 

「うちでは得体の知れない肉は絶対に扱いません。すべての牛の『枝肉検査合格証明書(放射能セシウムスクリーニング検査)』、『子牛登記(血統書)』、『出荷牛履歴証明書』を保管していて、血統やどんな餌を食べて育ったか、どんな人たちが育てたかがわかるようになっています」

 

今村さんの目利きで仕入れた極上の黒毛和牛は、近くにある自社工場で約500kgの身を部位ごとに切り分け、骨を丁寧に1本ずつ外す「脱骨」という作業を経てから店頭へ運ばれます。

そうすることで、肉がどのような状態なのか、霜降りの加減はどうなのかを細かくチェックできるのだそう。

 

「現在はこの作業ができる職人が減っていて、自社でこのようにさばく精肉店は全国でも珍しいと思います。それに500kgの肉塊をクレーンで吊り上げて電気のこぎりで切るような施設もそうそうないですしね。うちではおかげさまで伝統的な“さばき”の技が継承されているんです」

 

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店頭にもこのような証明書が貼り出されています。安心!

 

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店内の加工場では熟練の職人さんが肉を切り出して行きます。

この端肉がコロッケに!!

 

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味のある看板やメニューは、大阪の看板絵専門の方におまかせしているもの。

“共食いキャラ”たちも幸せそうに食べてますな〜。

 

1日500個も売れるコロッケ!

精肉販売と並んで評判なのが、フライものコーナー。

中でも、40年ほど前に誕生したコロッケはご近所さんを中心に好評!

10個、20個とまとめ買いをするお客さんも多いといいます。

 

「一番多くご利用いただくのが主婦の方で、次は飲食店さんですね。うちで生のコロッケを仕入れてお店で揚げはるみたいです」

 

このコロッケ、自ら「日本一こだわりコロッケ」と名打つほど、さまざまな“おこだわり”を秘めているのです。

 

その1 前述の選び抜かれた黒毛和牛を使用

前バラ肉、スネ肉、ネック、セセリなど、ミンチにした時に味わいがよい部位をセレクトしているのがプロならでは!

 

その2 ジャガイモは2種類をブレンド

北海道は羊蹄山の麓で育った「羊蹄山麓男爵いも」は糖度が高く、でんぷん質を多く含むのが特徴。

静岡県産の「三方原馬鈴薯」もでんぷん質が豊富で、きめ細かな質感をもっています。

この2種類をブレンドしてコロッケのベースに。

 

その3 スパイス、コラーゲン、天然ダシが名脇役

肉の風味を際立てるスパイスは、ひき肉料理に欠かせないナツメグ、オレガノ、パセリと適量使用。

肉の食感をより豊かにするために、牛骨、豚骨、豚皮からできた顆粒ゼラチン(コラーゲン)も加えています。

さらに、珍しいのが生地に昆布やカツオでとったダシを加えること。香りや味はしなくとも、密かに深みを加える立役者!

 

その4 生パン粉とラードでサクサクの食感をキープ

衣に使う生パン粉は、食感のよさを生かすべく粗めの仕立て。

ラード100%の揚げ油で揚げることでカリッ、サクッとした口当たりに。

 

え、能書きはいいから早くコロッケ見せろって?

ごもっともです。

 

ではさっそく揚げていただきましょう。

 

お願いしまっす!

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しょんわ〜〜〜、っと気持ちのいい音が響きます。

手前がコロッケ。奥に浮いているのはビーフカツです。

 

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しょんわ〜〜、しょんわ〜〜〜〜。

 

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「揚げる時はコロッケ同士がくっつかないように、右端に入れたら次はその対面に入れるなどしてバランスを取るんですよ」とベテランスタッフさん。

 

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揚がったら、フライヤーの上の網で余分な油を切ります。

落ちた油も無駄にならずにすむ合理的な造り!

 

さー、揚がったよ。食べるよー!

 

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▲日本一こだわりコロッケ 70円

 

70円て、やっすーー!

小ぶりながら持つとたしかな手応え。これはみっちり詰まってますぜ、ダンナ。

 

割ってみちゃう?

 

ほ〜れ。

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ほくっ。

 

口に入れるとまず、ザカッ……と音を立てるほど存在感があり香ばしい衣が主張し、次には驚くほどねっとりとした生地がアツアツの勢力を保ちつつ広がります。

「ザカッ」

「アッツ! 」

「うンまーーーー! 」

と、この間3秒ほど。

 

イモの甘さが相当なインパクトですが、追ってじわじわと染み出してくる肉のうま味。

控えめに言って素晴らしくうまい。

 

いい素材を使い、それぞれの持ち味を最大限にいかしきった見事なバランスです。

 

これが1個70円って、現代の奇跡では。

 

揚げたてのコロッケはちょっと飛び上がるほど熱くて口の中がちょっと焼けたりしましたが、それを差し引いてもあまりあるほどの美味であったことを記しておきます。

 

そしてこちらも好評、ミンチカツ。

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▲日本一こだわりミンチカツ 100円

 

トングで持つだけですんごい肉汁があふれてきます。あー、もったいない!

 

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ちょっと置いておくだけで流出しまくる肉汁。早く食べなきゃ!

 

こちらもコロッケと同じ肉を使った生地に甘みの強い淡路産の玉ネギを加え、スパイス数種類、天然ダシで風味づけ。

 

味のアクセントになる塩は、ニュージーランド産の天日干し塩を低温で加熱したもの。

強めに効かせてあるので、ソースなしで肉のうま味をストレートに味わうのがベスト!

 

厚みがないのが意外に思えますが、食べて納得。

肉の味が濃厚~。

甘さやコクがぎゅっと閉じ込められ、玉ネギの甘さがうまく味わいをサポート。

これがハンバーグのような厚みだったら1個でお腹いっぱいになってしまいそう。

ちょうどいい大きさがちゃんと考えられているのだなと感心した次第です。

 

ちなみにこのミンチカツ、「国際味覚審査機構」で優秀味覚賞の1つ星を受賞しているのだそう。なんかすごいね!

 

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試食をしている間にもどんどん注文が入り、大量のコロッケが揚げられていきます。

 

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私めもさらにいくつかを買い込んでおいとま。

帰り道に見つけた公園でまだ温かいコロッケとミンチカツをいただきます。

たまんね〜〜〜。

 

すべてざっくり割られているのは、ええ感じの断面を撮影しようと思って断念した結果です。ダジャレみたいになってすみません。

 

さらに家でもアレンジして楽しんでみました。

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▲ミンチカツでホットサンド

 

キャベツとの相性のよさはテッパン!

 

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▲上ビーフカツ 600円でサンドイッチ

 

耳の部分をおつまみにするのは、京都・先斗町にある素敵な酒場のまねっこです。

 

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▲究極の焼豚(バラ) 480円/100gを使った丼

 

2種類の醤油、西表島産黒糖などを使ったタレに漬け込み、10時間ほどかけて仕上げるのだそう。とろりととろける豚バラがたまりません。

 

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▲究極の焼豚(モモ) 480円/100gをインスタントラーメンにトッピング

 

こちらはあっさりとしたモモ肉の焼豚。上品な味わいがインスタント麺をぐいっとランクアップさせてくれます。ごちそう感!

 

この焼豚は、ミンチカツと同じ「国際味覚審査機構」において優秀味覚賞の3つ星を得ているのだそう。そう聞くとさらに味わいが増す気がしますなぁ。

 

というわけで、「イマムラ総業」を訪ねた際はまず店頭で揚げたてのコロッケやミンチカツを頬張り、お持ち帰り様に焼豚や精肉などを買い込むというスタイルをおすすめいたします。

 

いっぱい食べて(みんなも私のように)大きくな〜れっ!

 

お店情報

イマムラ総業

住所:京都京都市下京区夷馬場町35
電話番号:0120-81-2929
営業時間:7:00〜18:30
定休日:日曜日、祝日
ウェブサイト:和牛通販【京都の黒毛和牛専門店】イマムラ総業

※この記事は2017年9月の情報です。
※金額は全て消費税込です。

 

書いた人:泡☆盛子

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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