新潟市には鯛出汁を存分に楽しめるラーメン店があります。
お店の名前は……
「鯛あたり」。
特徴をストレートに表現した店名ですね!
看板メニューはこちらの一品です。
▲鯛しょうゆ(680円)
スープを一口飲むと……
深みある味わいがたまりません!
一口飲んだ瞬間には、「鯛」という事は分かりにくくもあるのですが、飲み進めるほどに、口に広がる魚の味わい。
これは、なかなか他では味わう事の出来ないバランスのスープですね~。
ちなみに、鮮魚系の鯛出汁のラーメンというと、出汁を分かりやすくするために塩ラーメンで提供する事が多いのですが、こちらのお店はあえて「醤油」をメインに据え提供しています。
しかも、薄めの醤油ではなく、ガツンと濃い醤油風味です。
その濃い醤油味に打ち勝つほどのしっかりとした出汁感。
強い味をぶつけ合い、高いレベルで調和する味のバランスはぜひ一度試してもらいたいですね。
麺はパッツリ系の中細麺です。
スープが染みやすいタイプの麺は、うま味たっぷりのスープがしっかりと絡んできます。
柔らかいチャーシューもおすすめです。
固い仕上がりになりがちな肩ロース肉を、箸でつまめば切れるほどに柔らかく仕上げています。
薄味だったとしても、深みある醤油スープを絡めればおいしくいただけそうですが、チャーシュー自体にもしっかりとした味が染み込ませてあります。
鯛出汁ラーメンを提供する厨房を覗いてみた
他店ではなかなか食べる事が出来ないような、醤油ラーメンを提供する舞台裏も取材させていただきました。
使用している素材はこちら。
鶏ガラをベースにこれらの食材が独特な風味を加えていきます。
鯛の頭。
事前に焼く下処理を行う事で、臭みを消しています。
鯛の中骨。
小鯛干し、玉ねぎ、リンゴ、春菊。
玉ねぎ、リンゴで甘味を加えています。
しかし、春菊というのは珍しいですね。
少量を用いる事で独特なアクセントを加えているようです。
出来上がったスープは、シンクで急冷し、劣化を防ぎ品質を安定させています。
醤油ダレ。
鯛の出汁を邪魔しないように、香りが弱めの素材でうま味を加え、スープに深みを与えています。
チャーシューは、圧力鍋で柔らかく仕上げた後、タレにつけ味を染み込ませた後、表面を焼いています。
肉のうま味を閉じ込めるために、肉を加熱する前に表面を焼くという手法がありますが、こちらのお店では、漬け込んだ後に、タレの味を閉じ込める意図で表面を焼いています。
提供作業を紹介
提供作業もご紹介いたします。
チャーシューは品質を保つため、提供時にカットしています。
スープは一杯ずつ手鍋で温めます。
丼に醤油ダレを注ぎます。
温めたスープをこしながら丼に注ぎ入れます。
麺の湯切り。
丼に入れた後にほぐし……
盛り付ければ出来上がり!!
深みたっぷりな醤油スープの一杯はこのようにして出来上がります。
続いて醤油ラーメンにおすすめなサイドメニューをご紹介します。
▲鯛めし(100円)※数量限定
鯛出汁などの味がしっかりと染み込んだご飯はとてもおいしいです。
和食店で提供されていてもおかしくないレベルの鯛飯を、100円というサービス価格で食べられるのはうれしいですね。
続いてもう一品の提供作業をご紹介します。
タレと油。
丼にタレを入れます。
醤油同様に提供ごとに温めるスープ。
出来上がりはこちら!
▲海乾しおチャーシュー(880円)
さまざまなうま味がギッシリと詰まっています……。
こんなに出汁が詰まったスープというのも珍しいですね。
強い醤油風味に覆われる醤油ラーメンと比べ、塩ダレを使ったこちらは、出汁感がわかりやすくなっています。
豊富なうま味のスープの上には、海老油が浮き、海老の香りをふわりと漂わせます。
「鯛あたり」という店名をつけ、鯛の味がしっかりと出た出汁を取りつつも、醤油ラーメンは深みある醤油ダレで出汁感を覆い、鶏油でフタをし、塩ラーメンは海老油で風味付けといったように、ストレートに鯛を前に出していません。
「素材の味をそのままに」というように、テーマをそのまま出してくるお店が多い中、こちらのお店では、さまざまなうま味のバランスの中の中核にテーマとなる鯛を据えている点が独特ですね。
他ではなかなか食べる事が出来ない醤油ラーメン、塩ラーメンを提供している「鯛あたり」。
機会があれば、是非一度お試し下さい! ラーメン通必食の一杯です。
お店情報
らぁ麺 鯛あたり
住所:新潟県新潟市東区石山5-1-25
電話番号:025-276-2002
営業時間:11:00~15:00 18:00~20:00
定休日:木曜日(不定休もあり)
※この記事は2017年12月の情報です。
※金額はすべて税込みです。