餃子の王将の……炙りチーズ餃子!
餃子の王将の……餃子入り茶碗蒸し!
……って、私(BUBBLE-B)が作ったものではありません。
こんな王将「らしくない」メニューを提供する王将が本当にあるんです。
「メニュー数日本一」を自ら高らかに宣言
全国に展開する中華チェーン店「餃子の王将」。その繁盛ぶりの秘密は、店舗ごとに様々な個性があることです。餃子の王将は店長の裁量が大きく、味の基礎的な部分さえ押さえていれば、その上で独自の展開ができるというのが最大の特徴なのです。
今日はそんな餃子の王将の中でも「最もメニュー数が多い」という特徴を持つお店が京都にあるということで、行ってきました!
訪れたのは、地下鉄烏丸線・国際会館駅から徒歩3分にある、「餃子の王将 宝ヶ池店」。
一見、どこにでもある餃子の王将です。何も特別な雰囲気を漂わせていません。
でも、入ってみると……
これは??
当店が王将でメニューが1番多いお店です!(ドヤァ!)
他の餃子の王将では見たことのない看板が掲げられています。
平均的な餃子の王将のメニュー数が50程度なのに対し、宝ヶ池店は80以上あるのだとか!?
餃子の王将ことキング・オブ・餃子の中でも、宝ヶ池店はキング・オブ・メニュー数なんです。
一体どういうことでしょう!?
圧巻のメニュー数と構成がすでに王者の風格
まず驚かされたのは、2冊もあるメニュー表!
1冊では全メニューが収まりきらないってことでしょうか。そんな餃子の王将は間違いなくここだけかもしれません。
気になる中身は……
おなじみの餃子の王将レギュラーメニュー。
ふむふむ、餃子の王将だよね、とページをめくっていくと……
いきなり雰囲気の違うページに。
ここからは王者の風格にふさわしい、オリジナルメニューのオンパレード!
まず蒸籠メニューが大充実。
肉饅、桃饅、小籠包から、ホットプリンなんてものもあります。
こちらはお酒のアテになる一品もの。
これだけ揃っていれば、完全に居酒屋店レベルのラインナップです。(メニューの並び方も大衆酒場を意識してますね)
すぐ食べたい、早よ欲しい、とにかく前菜に
宝のたぶんスピードメニューのはず
独特の言語感覚で書かれた説明文も宝ヶ池店の特徴!?
なにより、餃子のバリエーションだけでこれだけのラインナップがあります。
茹で餃子、鉄板でスタミナ味噌餃子、炙りチーズ餃子……。見たことがない創作餃子のオンパレード。
ではさっそく餃子を全種類注文してみましょう!
餃子だけの満漢全席! メニュー数最多の王将はひと味違う
次々と運ばれてきた餃子の数々。(今回は「にんにくゼロ焼き餃子」以外をオーダー)
餃子だけでこれほどのバリエーションがあるのは、メニュー数日本一の宝ヶ池店ならではでしょう。
今日のために集まったグルメ仲間の皆さんと、さっそくいただきます!
これぞ永遠の定番「焼き餃子」
では、餃子をひとつひとつ紹介してみましょう。
まずは餃子の王将、永遠の定番「焼き餃子」(220円、以下すべて税抜表示)
適度にクリスプな表面と旨味がぎっしり詰まった餡の組み合わせは、人類の普遍的な幸福の形です。
宝ヶ池店の焼き餃子はほんのりスパイシーな風味があって、一口食べるだけで口の中に幸せが広がります。
ピザやドリアの風味すら漂わす「炙りチーズ餃子」
そして冒頭でもご紹介した「炙りチーズ餃子」(330円)。
焼き餃子の上にたっぷりとチーズがトッピングされ、さらに炙られたものがこちら。食べようとするとトロトロにとろけるチーズがピザやドリアを感じさせてくれる逸品で、チーズのまろやかさと餃子との相性も完璧。
ソフトな皮とシャキシャキネギの共演「茹で餃子」
焼き餃子ではなく「茹で餃子」(280円)がこちら。
茹でられてプヨプヨになった皮と、豪快にトッピングされたネギのシャキシャキとした食感が味わえます。そしてどこか京都らしさを感じさせてくれるのもポイント。
大根おろしと鰹節でさっぱり風味「みぞれ餃子」
焼き餃子の上にどっさりトッピングされた大根おろしと鰹節がダイナミックな「みぞれ餃子」(300円)。
見た目どおりのさっぱりとした味わいで、日本酒が飲みたくなること請け合いです。
スープのダシがたまらない「水(スープ)餃子」
水餃子ならぬ、「水(スープ)餃子」(450円)。
その名のとおりスープに浸された水餃子なのですが、このスープのダシがよく効いてて、やみつきになるんです。
もう、これ以上何を求めるというのでしょう?
奇跡のマリアージュ「餃子入り茶碗蒸し」
さすがは日本一の王将、こんな変わり種メニューも。
ボリュームのある茶碗蒸しの中に、まるごと2つも埋め込まれた餃子が大胆な「餃子入り茶碗蒸し」(280円)です。
和風出汁が効いた茶碗蒸しと、プヨプヨになった柔らかい餃子を同時に楽しむことができる逸品なんです。
まろやかさ極まる、鉄板の上の天国「鉄板でスタミナ味噌餃子」
数ある餃子ラインナップの中で最も天国に近い味わいなのがこちら「鉄板でスタミナ味噌餃子」(530円)。
鉄板の上で放射状に盛り付けられた焼き餃子に味噌風味の特製タレとネギ、そして中心に鎮座する卵黄の堂々としたビジュアル。
このメニューをオーダーしたお客さんの誰をも驚愕させることでしょう。
この卵黄に箸を当てて……
中から溢れ出すものは……
人生の快楽そのもの!
数ある餃子のラインナップの中でも、この鉄板でスタミナ味噌餃子は必ず食べてほしいと思います。
まだまだある! オリジナルすぎるメニューの世界
宝ヶ池店のオリジナルメニューは餃子だけにとどまらず、多岐にわたります。
特徴的ないくつかをご紹介!
本格的な麻婆豆腐を土鍋で「四川風土鍋麻婆豆腐」
本格的な麻婆豆腐を土鍋で食べたい──。
麻婆豆腐を愛する者なら常々そう思っているのですが、宝ヶ池店ではそれが可能です。
この「四川風土鍋麻婆豆腐」(550円)で!
なんと固形燃料で熱せられ続けるので、常にアツアツ。
グツグツと煮立っています!
餃子の王将テイストを崩さずにギリギリまで四川風味に寄せた独自のスタイル。しっかりスパイシーでたまりません。
冷や奴と激辛の融合「冷たい山椒麻婆豆腐」
こちらは四川風土鍋麻婆豆腐とはうってかわって、冷や奴スタイルで楽しめる「冷たい山椒麻婆豆腐」(330円)。
山椒と銘打たれているだけあって、豆腐の上にトッピングされたミンチ肉には山椒が効いており、程よいシビ辛感を楽しめます。
ホルモン meets 天津飯「テッチャン天津飯」
メニュー内にちょっと目を引く「テッチャン」の文字。
その正体は……
もはや中華料理かどうかも分からない!
ホルモンのテッチャン(牛の大腸)と天津飯との華麗な出会いがこれ、「テッチャン天津飯」(480円)。
関西生まれの餃子の王将ならではの、ソウルフード感あふれる組み合わせ。いつもの天津飯に意外な噛み応えをプラス!
もちろんマヨいます「海老マヨネーズ」
中華の定番である海老チリソースをマヨネーズに変えたのがこちら「海老マヨネーズ」(550円)。
マヨネーズと言っても宝ヶ池店オリジナルのマヨネーズ風のソースで、酸味を抑えたマイルドな味が海老とベストマッチなんです。
これ、無限に食べてしまいます。
真の王者はスイーツにも手を抜かない
宝ヶ池店のオリジナリティあふれるメニューはスイーツにも及んでいます。
もはや、ここが餃子の王将であることを忘れてしまいそうになります。
黒蜜ソースときなこがアクセント「黒蜜皿パフェ」
その中からセレクトしたのがこちら。
コーンフレークの上に鎮座するソフトクリーム、そこにたっぷりかけられた黒蜜、その上からきなこ──。
コメダ珈琲店にシロノワールがあるように、餃子の王将 宝ヶ池店には「黒蜜皿パフェ」(300円)があります。黒蜜ときなこの味わいをじっくり楽しみましょう。
最終学歴は!?「チーズ大学」
「チーズ大学」(300円)、それはチーズと大学いものコンビネーション。甘くてホクホクな大学いもに、トロトロになったチーズがトッピングされています。食後に軽くつまみたくなる逸品です。
以上、まだまだほんの一部ですが、餃子の王将 宝ヶ池店がいかに独創的か、おわかりいただけたかと思います。
独創性の秘密は「食材の有効活用」にあった
そもそもなぜ、宝ヶ池店はこんなにもオリジナルメニューが多いのでしょうか?
その秘密に迫るべく、店長さんにインタビューを行いました。
──こちらの宝ヶ池店は最もメニュー数の多い餃子の王将というのは本当でしょうか?
はい、本当です。
──メニュー数は全部で何種類くらいあるのですか?
ジャストサイズメニュー(レギュラーのサイズよりボリュームと価格を抑えたメニュー)を除いて、80種類くらいになりますね。
──なぜ宝ヶ池店はこんなにもオリジナルメニューが多い店舗になったのか、気になります。
やはり、お客様がメニューを見たときに盛り上がって欲しいからというのがあります。
──餃子だけでもあれだけの種類があるんですから、絶対テンション上がりますよね。
もう一つは食材の有効活用です。あまり出ないような(注文されないような)食材を組み合わせて、新しいものが作れないだろうか? と考えているうちに、どんどん新しいメニューが生まれました。
──なんと、ありものを活かした創意工夫によるものだったんですか!
そうなんです。そして、どうせなら日本一のメニュー数を目指そうということになり、今の形になりました。
──新しいメニューを作る時の大変さってどのへんでしょう?
まず味が良くて、原価率も成立させなくてはならないので大変ですね。また、他店から厨房の応援に来てもらった時に、レシピを教えるのが大変です。他店にないものばかりですからね……。
──注文の多いメニューはどの辺になりますか?
やはり餃子のレパートリーですね。「炙りチーズ餃子」、「餃子入り茶碗蒸し」、そして「京風白味噌ラーメン」(600円)がよく出ます。
── 一番新しいメニューはどれになりますでしょうか?
「ピリ辛煮込み」になります。牛すじと国産メンマを煮込んだものです。
──店長さんが個人的に好きなメニューはありますでしょうか?
「揚げ鶏のマスタードソース」(580円)、美味しいですよね。
──これも美味しかったです!
あとは、「鉄板でスタミナ味噌餃子」、これも好きですね。
──これ、最高でした! では、これから作ってみたいメニューはありますか?
中華に限らず、様々な料理を作りたいですね。今までになかったような意外性のある料理を追求したいです。餃子の王将の限界に挑戦してみたいと思います。
──ありがとうございました!
日本一のメニュー数を誇る餃子の王将こと、宝ヶ池店。
限られた条件のもと、創意工夫で作られたオリジナルメニューの数々は、どれも魅力的なものばかり。
餃子の王将のお膝元でもある京都で、最もインパクトの強い店舗であることは間違いない。京都に行くことがあれば地下鉄烏丸線終点、国際会館駅から「餃子の王将 宝ヶ池店」をぜひ訪ねてほしい。
店舗情報
餃子の王将 宝ヶ池店
住所:京都府京都市左京区岩倉南桑原町51-2
電話番号:075-721-9183
営業時間:月~土曜/11:00~深夜0:30 (料理L.O. 0:00)、日・連休最終日/11:00~22:00 (料理L.O. 21:45)
定休日:なし
書いた人:BUBBLE-B
飲食チェーン店トラベラー。日本中の飲食チェーン店の本店や1号店を探訪し、創業者の熱い想いに共感しながら味わうと3割増で美味しくなるグルメ概念「本店道」を提唱する。
- X:@bubble_b
- ブログ:飲食チェーン店めぐりブログ「本店の旅」