小麦も豚もネギもすべてが糸島産。「THE・地産地消ラーメン」ここに極まれり!【福岡・今宿】

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ラーメンのために小麦を作る福岡県民

福岡の小麦が福岡のラーメンをもっと美味しくする」

なんて素敵な言葉でしょうか!

 

実は国内で使用している小麦の85%を輸入品に頼っている日本。※1

国内に数ある麺類料理の多くは外国産小麦を使用しています。国内産小麦のシェアはわずか15%足らずであり、価格も高いため、値段を安く抑えなければならないラーメン店などにはあまり流通していないのが現状ですね。

そんな貴重な国内産小麦、実は北海道に次いで福岡県が生産量第2位につけています。※2

この背景には、ラーメンやうどんなど麺類大好きな県民が多いという理由もあるのでしょうが、一方で福岡ならではの美味しさへの飽くなきチャレンジ精神が発揮されていることも見逃せません。

 

「美味しいラーメンが食べたいよね」

「そうだね。とんこつスープにもこだわりたいけど、麺にもこだわりたいよね」

「でも、なかなか美味しい麺って出会えないよね。とんこつスープにマッチする麺って少ないのかな」

「じゃあ、とんこつに合う麺を作っちゃえばいいやん」

「そうか、いっそのこと小麦から作るか!」

 

なんてやり取りがあったかどうかは定かではありませんが、福岡にはラーメン専用に品種改良された小麦「ラー麦」が存在しています。

このラー麦を使った自家製麺とじっくりうま味を凝縮したとんこつスープが自慢のお店が今宿にあると聞いてやってきました。今回お邪魔したのは今宿バイパス沿いにお店を構える「糸島ラーメン ゆうゆう」さんです。

 

※1 「小麦粉の基礎知識」(日清製粉グループホームページ)より
※2 農林水産省「平成28年産作物統計」より

 

JR筑肥線今宿駅から徒歩10分

「糸島ラーメン ゆうゆう」の本店は糸島市の筑前前原駅近くにありますが、今回訪問したのは2号店となる今宿店です。場所ですが、車の方は福岡市内から今宿バイパスを西へ向かいバイパス青木交差点を目指してください。歩きの方は最寄り駅がJR筑肥線の今宿駅となります。

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▲今宿駅出口。出て右へ向かいましょう

 

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▲こちらの道を道なりに進んでください

 

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▲線路を右手に見ながら進みます

 

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▲駅出口から250メートルほどで右に踏切が見えますので、踏切を渡って真っすぐ進みましょう

 

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▲左にホームセンター、右に三菱の工場があります。そのまま真っすぐ進むと

 

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▲コンビニの先にパチンコ屋さんが見えてきます

 

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▲そしてパチンコ屋さんの駐車場の中をのぞくと……あ、あった!

 

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▲こちらがお店になります。今宿バイパス側にはデカデカと看板が掲げられているのでかなり目立ちますね

 

では、さっそく店内へ入ってみましょう。

 

カウンターとテーブル2つのこぢんまりとした店内

店内はカウンター4席、テーブル2つの定員13名。この日はオーナーの木下雄次さんがおひとりで店番をされていました。

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▲店内は清潔感があり、ラーメン店特有のとんこつ臭がほとんどしません

 

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▲こちらはテーブル席。大人数の場合はこちらですね

 

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▲壁にもこのような「ラー麦」アピールが!

 

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▲もちろん各テーブルやカウンターにはゴマや辛子高菜・替え玉用ラーメンのタレが標準装備!

 

本店の方はもう少し広めですが、こちらはこぢんまりとした昔のラーメン屋さんのようなスタイルです。

 

糸島産へのこだわりが生んだ「糸島ラーメン」

さて、一般的に福岡のラーメンと言えば「博多ラーメン」「長浜ラーメン」を思い浮かべることでしょう。しかし、このお店の看板にはその文言は見当たりません。書かれているのは「糸島ラーメン」です。

 

この「糸島ラーメン」とは何なのか、オーナーの木下さんにいろいろ聞いてみました。

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▲オーナーの木下さん。男らしさの中にやさしさを感じさせるいい男です

 

──こちらのお店はまだオープンして間もないとか?

はい。前原(糸島市)の本店は4年程立ちますが、こちらは2号店として今年の4月にオープンしたばかりです。

 

──早速ですが「糸島ラーメン」というのはどういうものですか?

ほぼすべての材料に糸島産のものを使っているから「糸島ラーメン」ですね。豚もネギもしょうゆも小麦もすべて糸島で作られたもの。生産者の顔が見える原材料を使用しています。

 

──ということは、農家さんもすべて知り合いとか?

そうですね。中間業者さんを通さず直接仕入れています。また、自分で作ったものや身内が作ったものもありますよ(笑)。

 

──え? 身内ですか?

辛子高菜は祖母の手作りです。また、大葉はうちの庭で作っています。ただ、専業農家ではないのでお店が繁盛して生産が追いつかない時もあります。そんな時には仕方なく業者さんから仕入れることもありますが……。

 

──麺に使われている小麦は「ラー麦」ですよね。

もちろん「ラー麦」ですが、うちは創業当初から糸島産「ラー麦」にこだわっています。福岡県内には何カ所か「ラー麦」生産地がありますが、うちは特別に糸島産だけを使うようにしています。

 

──糸島産だけを使うことってできるんですか?

製粉会社さんに頼みこんで、糸島産だけを選別してもらうようにお願いしました。創業当初、まだ知名度も実績もない頃に製粉会社と直接掛け合ったんですよ。かなり難航しましたし、価格も高くなりましたけどね(笑)。

通常、製粉会社さんは県内の「ラー麦」をすべてブレンドして卸しているのですが、特別に糸島産だけを選りすぐる工程を設けてもらいました。ありがたいことです。

 

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▲風袋に「糸」マーク。これが糸島産のみを使用した証です

 

──こだわりますねえ!

安心して召し上がっていただけますからね。地元産食材だけでとんこつラーメンが作れるなんて、糸島だからこそできることですよ。お客さんの感想を直接農家さんに伝えたりしてさらに美味しいものを追求することも、糸島だから、そしてこのお店だから実現できることです。

 

──それだけ味には自信があると?

おかげさまで多くのメディアにも取り上げていただいてますし、今度2週間ほど台湾の日系百貨店で行われる物産展にも呼ばれています。福岡市から声をかけていただいたのですが、糸島ラーメンの実力を認めていただいたようでうれしいですね。あとドイツでも糸島産「ラー麦」を使った麺を使いたいという話があります。現地へ行っていろいろ見学してきましたが、今後の展開次第ではヨーロッパへ糸島ラーメンを広めることができるかもしれません。

 

なんともスケールの大きな話ですが、実際ヨーロッパ各国ではとんこつラーメンがかなりの人気だと言われています。これまでは東京などの国内の大消費地へ進出することがステータスでしたが、福岡からいきなり海外進出というのも現実味を帯びてきているな……。オーナーの話をおうかがいしながらそんな感想を抱きました。

 

麺とスープの絡み具合が絶妙!!

では、実際に自慢のラーメンをいただくとしましょう。ちょっとおなかが空いていたので、今日はスタンダードな糸島ラーメンとこのお店イチオシのまぜ麺をいただくことにします。

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▲糸島ラーメン(550円)

 

クリーミーなとんこつスープに自家製チャーシュー、そして糸島産ネギの乗った定番とんこつラーメンです。とんこつの匂いはあまり強くなく、丁寧にアクを取り長時間煮込まれた様子がうかがえます。

 

では、ますはスープをと……。

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おお。これは味が深い!!

あっさりかと思いきや、けっこうとんこつ味がきいてます。福岡の中では少し上品な部類になるでしょうか。雑味が無くスープだけでもお金が取れる味ですね。

 

次に麺をいただきましょう。

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よくある白い麺ではなく、やや色が濃くなってますね。表面がツルツルしているのもお分かりいただけますでしょうか。

口に入れてみると、

 

美味いいいいいいいい!!

 

明らかに違います。揖保乃糸かよって言いたくなるようなツルツル感と麺自体の味、そしてスープの味とがミックスしてどんどん箸が進みます。恐るべしラー麦!

そしてこのラー麦の特徴はのびにくいということ。博多ラーメンの細麺はすぐのびてしまうので急いで食べないと風味が損なわれてしまいますが、この麺はのびにくいため、時間をかけて食べても風味が変わらないですね。

 

糸島食材を使ったまぜ麺とは?

次に、このお店イチオシのまぜ麺を。いくつか種類はありますが、今回はめんたい高菜をオーダーしました。

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▲まぜ麺 めんたい高菜(600円)

 

まぜ麺とは、麺を冷やして自家製スープをかけトッピングをのせたオリジナルメニューです。もちろん、明太子もスープも糸島産。徹底的に糸島産にこだわっています。

 

こちらは最初に全体をかきまぜて~。

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▲まぜまぜまぜまぜ~~~

 

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▲適度に混ざったところでいただきま~す

 

おや……。

すっごい独特の醤油の匂いと味がする……。

醤油の蔵にいる時のような匂いといえば伝わるでしょうか。独特の食欲をそそる匂いです。

 

食べてみるとこれがまた美味いっ!!

明太子の風味と醤油だれの味の深さ、麺のツルツル感が舌先にビンビンと響いてきます。先程のラーメンと比べてみると、こちらのまぜ麺の方が麺自体の味の深さをより実感することができますね。ラーメンの麺とは思えない繊細さと食感をより一層強く味わえる気がします。

 

いやぁ~美味かった。

 

地産地消の面白さと奥深さ

今回ピックアップした糸島ラーメンに代表されるように、糸島をはじめとした福岡県内の各飲食店では「地産地消」が伝統的に根付いています。わざわざ遠いところから輸送費をかけて食材を運んでこなくても、近くに美味しい食材が山ほど存在しており、手軽に安全安心な食材を入手することができるという魅力は絶大です。

特に糸島ブランドの食材は今や全国的な知名度を得て勢いに乗っており、次々と糸島ブランドを看板に掲げたお店が誕生しています。

こんな恵まれた環境にあり、かつ庶民的な値段で美味しいメシが食える我が地元福岡。近年は移住者も増加しており、ますます注目を集めていくことでしょう。

今後も不定期ですが「地産地消」にスポットをあてた企画をお送りいたしますのでお楽しみに~。

 

お店情報

糸島ラーメンゆうゆう 今宿店

住所:福岡福岡市西区今宿東1-6-18
電話番号:092-805-8587
営業時間:11:00~22:00
定休日:水曜日 

※この情報は2017年6月のものです。
※金額はすべて消費税込です。

  

書いた人:桂浩一

桂浩一

1968年生まれ。福岡出身。東京で就職するも福岡の味が忘れられず、何のあてもなく退職してUターン。 現在フリーライターとして活動中。メシと酒とホークスをこよなく愛する自由人。 一応、人事組織コンサルタントみたいなこともやっているが本業は食べ歩きと思っている。

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