郊外の住宅街にありながら開店前から大行列!「ふくちゃんラーメン」の味の秘密とは?【福岡・早良区】

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最低でも週に3回はとんこつラーメンを食べるライターの桂です、こんにちは。

とはいうものの、仕事柄やはり福岡市の中心である天神や博多駅周辺のラーメン屋さんに行くことが多く、なかなか郊外まで足をのばすことがありません。

今回取材する「ふくちゃんラーメン」ですが、福岡に戻ってきた2年前からず~っと前から気になっていたお店です。昔からあるとんこつラーメンの王道の味を引き継ぎ、開店前からお店の前に大行列ができると言われています。

そのうわさを聞きつけて遠方からのファンも引き寄せる、かなり有名な老舗ラーメン店なんですよね。が、しかし郊外にあるためなかなか行く機会に恵まれず、今回初めて訪問することとなりました。

しかも、取材ということなので開店前の10時からスープの仕込みも含めてじっくりと見させていただけるとのこと。

これはもうテンション上がりまくりです!

 

豚の頭だけを使ったオリジナルスープ

本日の開店は11時。その1時間前の10時から取材ということで、特別にお店の中に入らせていただきました。

実はこの時点で既に外には並んでいるお客さんが何人かいます。
ちょっと申し訳ない気持ちになりながらお店の大将にインタビュー開始!

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▲大将の榊伸一郎さん。いかにもラーメン職人といった印象を受けます

「うちはね、スープが特徴なんですよ。とんこつスープなんですが、豚の頭だけを使って作っているので濃厚ですがしっかりと下処理しているので臭みがありません」

そう語りながら仕込みに汗を流す姿からは、相当なこだわりと情熱を感じることができます。その特徴あるスープを見せていただきました。

 

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▲寸胴から吹きこぼれそうなくらいいっぱいになった豚骨(頭の部分)とニンニクが目に入ります

 

「こちらのスープは1日目のスープです。まだ若いですね。この奥にあるのが2日目になるスープです。豚骨のエキスが十分に抽出されてしっかりとした味になっています。うちはお客様に提供する前に、若いスープと2日目のスープとをブレンドして味を調えています」

スープを「若い」と表現する大将。
インタビューの時は笑顔を見せてくれていますが、いざスープと対峙(たいじ)している時の表情は真剣そのもの。見た目と匂いでスープの出来具合を見極めています。

 

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▲奥にあるのが2日目のスープ。豚骨の色が違うのがわかるでしょう

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▲スープの具合をチェックしていると……あ、ほんとだ。頭の部分ですね

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▲開店30分前になると別の寸胴で2種類のスープをブレンド。この作業は大将だけにしかできません

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▲出来上がったとんこつスープ。このスープとしょうゆベースのタレをあわせたらこのお店のラーメンスープになります

 

昔ながらのザ・ラーメン屋さん

お店の魅力はスープだけではありません。
ふと店内を見回してみると、壁にしみ込んだ油の跡や少しねっとりする床、壁のサイン色紙、そしていろいろな飾り物など、”古き良きラーメン屋さん”の遺伝子を脈々と受け継いでいる様をうかがい知ることができます。

聞けば、「ふくちゃんラーメン」はもともと藤崎(福岡市早良区)にあったお店。昭和50年に創業され、そのスープのおいしさ故に瞬く間に大評判となりました。ただし、付近に駐車場がなく、違法駐車が相次いだことを理由に店舗移転を決断。代替わりをしつつ、平成6年に店舗を現在の場所に移したとのこと。

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▲店内は10席のカウンター席とテーブル席があります

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▲メニューの木札。この色あせた感じが昔からあるラーメン屋さんの証ですね

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▲40周年記念のまねき猫

 

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▲お店の常連だった画家の三浦吉十さん(故人)が描いた絵。先代と肩を組んで厨房に立つ大将です。実際には恐れ多くて肩を組んだことなどないそうですが

 

この味を求めて首都圏から!

ふと気になる写真を見つけました。

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実はこの「ふくちゃんラーメン」、新横浜にあるラーメン博物館に出店していたこともあるのです。
聞くところによると、ラーメン博物館の責任者が何度もここに通い詰めて、出店してもらえるよう口説き落としたとのこと。この時にはじめて「ふくちゃんラーメン」の味に触れた首都圏のお客さんが、今でも時折ここまで食べに来てくれるそうです。

「もう10年以上前の話ですが、ありがたいですね」

5年程ラーメン博物館に出店し、好評を博した「ふくちゃんラーメン」の味。その間、本店と横浜と2店舗体制で営業していましたが、ラーメン博物館との契約終了とともに再び本店のみの営業としました。
もう首都圏に進出することはないのでしょうか?

「考えていません。仕込みもチャーシュー作りもなんでも自分でやらないと気がすまないタイプなので。目の届かない場所でお店をやるより、先代の味をしっかり守ることの方が大切です」

こう語る大将の顔はまさに職人の中の職人でした。

 

濃い豚骨スープに太めの麺がベストマッチ

今の大将で3代目となる「ふくちゃんラーメン」は、先々代、先代の味を愚直なまでに継承し、お客さんの方も子の代、孫の代と何代にもわたって常連客となっています。
開店前ですが、その味をいただくことができました。

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器からあふれんばかりのなみなみと注がれたスープ。このお店の特徴のひとつです。

 

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▲ラーメン (600円)

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▲無料のトッピングは「もやしのみそ炒め」「生にんにく」「揚げにんにく」「にらの辛味あえ」「紅ショウガ」など

 

ちなみに、今やあちこちで見かける生にんにくをクラッシャーで絞り出すトッピングはこのお店が元祖です!

 

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とんこつラーメンにしてはやや太めに仕上げられた麺、替え玉しても冷めないように配慮された熱々のスープ、表面に薄く膜を作る油、しっかりと味の付いたチャーシューなど、まさに五感で味わう超一流の職人の手によるラーメンです。

お客さんの好みや時代の変化を巧みに取り入れ、こぎれいな内装でおしゃれにいただく最近のラーメン屋さんとは対極にある、昔ながらのラーメンの味。

「ただいま」

思わずそうつぶやいてしまう程、懐かしさがこみあげてくるラーメンです。
このお店の雰囲気もラーメンの味にプラスの影響を与えているのかもしれません。古き良き昭和の時代にタイムスリップしたような、それでいて現代の若者にも十分受け入れられる味。
とんこつのコクとタレの濃さ、そして塩辛さが絶妙なバランスの上に成り立っています。
 

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半分くらいスープを飲んだ後、生にんにくを入れ味を変えてみました。
するといきなりガツンとくるにんにくの風味。やや現代風のテイストに様変わりです。これはこれでありですね。

 

開店と同時になだれ込むお客さん

そんなこんなでもう開店前。

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取材終了時間です。

外にはもう長蛇の列が出来上がっています。

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表にのれんがかけられ、営業開始!

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と同時に続々と並んでいた人がお店の中に吸い込まれていきます。

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あっという間に満席に。それでも入りきらないお客さんが外に行列を作っています。

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既に駐車場も満車。路上で待っている車もいました。

丁寧に、愚直に、そして奇をてらわずスタンダードな作り方で多くの人を引きつける王道のとんこつラーメン。多くのラーメン屋さんが手本としたこのお店のラーメン作りは、今後も変わらずこの福岡の郊外の住宅地で受け継がれていくことでしょう。

地元のラーメン好きの方はもちろん、遠方から出張などで福岡に来た方も、天神からは少し遠いですが一度このお店を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

お店の場所はのどかな早良区の住宅街の中

「ふくちゃんラーメン」の場所ですが、福岡市の中心天神から地下鉄で20分強、最寄り駅は市営地下鉄七隈線賀茂駅です。

人口155万人を超え全国5番目の大都市となった福岡市。しかし、市中心部の天神から地下鉄で20分ちょっとで、

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こんなのどかな光景が広がる都市なのです。うん、空気がおいしい!

 

さらに、この近くには「鳥飼豆腐の水」や「脇山豆腐の水」などの水汲み場もあり、水がおいしい場所としても有名。ラーメンに欠かせない水、その水がおいしいということは、ラーメンもおいしいに決まっている!

 

「ふくちゃんラーメン」には20台が停められる駐車場が併設されているため、車で来店される方がほとんどらしいのですが、出張などで来福したビジネスマンも多く訪れる(理由は後述)とのことなので念のため最寄り駅からの道順をご案内します。

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賀茂駅1番出口から高速高架沿いを次郎丸中学校方面へ。

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次郎丸中学校の校舎が見えたらその角を左へ。

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すぐに道が二手に分かれます。左の細い道をまっすぐ進みましょう。

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細い道を100メートルほど進みます。

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すると「田隈新町」交差点に着きます。その一角に「ふくちゃんラーメン」があります。

 

お店情報

ふくちゃんラーメン

住所:福岡福岡市早良区田隈2-24-2
電話番号:092-863-5355
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜日
ウェブサイト:http://www.fukuchan-ramen.com/

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年8月の情報です。
※金額はすべて税込です。

※表現に一部間違いがありました。大変申し訳ございませんでした。ご指摘いただいた読者の方にお礼申し上げます(2017年11月8日)。

 

書いた人:桂浩一

桂浩一

1968年生まれ。福岡出身。東京で就職するも福岡の味が忘れられず、何のあてもあなく退職してUターン。 現在フリーライターとして活動中。メシと酒とホークスをこよなく愛する自由人。 一応、人事組織コンサルタントみたいなこともやっているが本業は食べ歩きと思っている。

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