新進気鋭の海鮮系居酒屋さん
地元大好きライターの桂です。九州特有の灼けるような夏の日差しも、適度な人の多さでにぎわう繁華街も、そしてもちろん海の幸山の幸に恵まれている環境も、すべてが魅力的。やっぱ福岡に戻ってきてよかったなと実感する日々です。
さて、九州といえば各県に名産品があり、鹿児島の黒豚や宮崎の地鶏などは既に全国区の知名度といっても過言ではないでしょう。
そんな九州食材をふんだんに使用した炉端焼きのお店が今年2月に新規オープンし話題になっていると聞きやってきました。
今回お邪魔するのは福岡市内の飲食店激戦区、
大名にお店を構える「炉端NUMBER SHOT」です。
ちなみに店名となっているNUMBER SHOTとは、こちらの方言で「なんばしよっと? (=何しているの)」から取ったとのことです。お客さんから「この店一体なんばしよっと? 」と言われるような斬新なメニューや丁寧な接客を心がけているとのこと。楽しみですね!
おしゃれでかっこいい空間
店内はキッチンを取り囲むようにカウンターが配置され、奥にテーブル席という少し変わったレイアウトになっています。
全方面から視線を浴びて調理するシェフの方たちはさぞかし緊張感半端ないだろうなと。
壁やテーブル、天井などもおしゃれな仕上がりとなっており、さすが大名の評判店といった感じです。
お店の外観は若干こぢんまりとした印象ですが、中に入ると意外とその広さに驚きます。お店の定員は44名とのこと。テーブル席は10名程度のグループなら問題なく対応できそうです。
コンセプトは「九州のうまいもの発信スペース」
食事をいただく前に、マネージャーの林田さんにいろいろお話をおうかがいしました。
▲マネージャーの林田康一郎さん。九州愛あふれる方です
ーー大名はレベル高いお店が多いので大変じゃないですか?
大変です! (笑)
ちょっと気を抜いたらあっという間に他のお店にお客様が流れてしまうような場所なので、常によりうまいメシ、うまい酒にこだわってお店を運営しています。
ーー具体的なこだわりポイントは?
九州食材にこだわっています。九州はうまいものの宝庫ですから、この恵まれた環境をいかしお客様に新鮮でおいしい料理を提供することを心がけています。また、料理だけではなく、お酒も原則として地元福岡産のものを、食器は佐賀の有田焼で統一しています。
ーー確かに。九州のメシはうまいですもんね
ですね。実はうちの会社には野望があるんです。
スペインにサン・セバスティアンという街があるんですが、そこは美食で知られており、観光客が食事目当てでわざわざ訪れるような街なんですよ。
うちは福岡を日本のサン・セバスティアンにしたいと考えています。それだけうまいものが福岡には集まっていますし、しかも安く食べることができます。
福岡は日本を代表する美食の街だと思っています。
ーー福岡にほれ込んでますね!
実はうちの代表は大阪出身なのですが、福岡に来た時に食べた「ごまサバ」に感動し、福岡に海鮮メインのお店をつくることを決断しています。
今では福岡市内をはじめ県内各地に複数店舗を持っていますが、大名にお店を出すのはここが初めてなんですよ。
その分、九州の食文化を広く紹介するというポリシーを強く打ち出しています。
ーー実際にその狙いは当たっていますか?
そうですね。おかげさまで県内外からの観光客の方が比較的多く来店されています。海外からの観光客の方も多く、特にライブ感あるカウンター席が大人気ですね。
いや~。熱い福岡愛を感じさせるインタビューでした。
俺も「福岡のメシはうまいよ」ってことをあちこちで宣伝していますが、日本のサン・セバスティアンにするという発想はなかったです。
東京から戻ってきてあらためて痛感することですが、高くてうまいメシは東京でも食えます。でも、安くてうまいメシにはなかなか出会えません。その点、福岡のメシは安くてうまいですよ!
カニとかウニとか明太子とかがどさ~~っと!!
では早速その九州産の実力とやらを堪能するとしましょう!
今回、お店のおススメメニューをということで、全部で5品を出していただきました。
①わがままな毛ガニ(1杯 2,990円)
九州近海で捕れたカニを使い、ほぐした身を甲羅にのせ上から唐津産のウニを山ほど乗せたぜいたくな逸品。
これ、ウニだけで2,000円分くらいありそうなボリュームです。
カニは通常専用のフォークを使って身をほぐしながら食べますが、これは既にほぐしてあるので箸でそのままいただけるという利点があります。
とにかくウニ+カニというだけでもぜいたくなのに、あわせて食べるとこんなにもうまいんだと改めて気づかせてくれます。
特にウニの風味がすばらしく、口の中でウニの香りがふわ~~~~~っと広がるんですよ。だからといってカニがおまけ扱いではなく、しっかりと身の締った味はこれまた絶品です。
②濃厚カニ茶わん蒸し(690円)
カニ味噌をぜいたくに使い、甲羅からとっただしを合わせて仕上げたこちらもぜいたくな茶わん蒸しです。
テーブルに運ばれてきたときからただようカニ味噌の香りがたまりません!
口に運んでみると、「いったい何匹のカニの味噌を使ったらこの味が出せるんだろう?」と思わせるくらい濃厚さが際立ちます。
個人的にここは日本酒といきたいところですが、いろいろ自重しなければならないのは悲しいところ……。
③福岡地魚のブイヤベース(1,990円)
地魚の種類は仕入れ状況によって変わるそうですが、今日は今が旬のイサキを使用。
長崎の五島沖で捕れた魚です。切り身を皮ごと焼き上げてブイヤベースに入れ、スープと一緒にいただく形です。このブイヤベースは120時間かけて煮込んだお店自慢の味。
海鮮に自信のあるお店ならではの食欲をそそる香りが特徴的です。
有田焼の器とも見事に調和しており、高級料亭に来たかのような錯覚に陥りますね。
④博多明太玉子豚巻き(790円)
おなじみ博多名物明太子を丸々1本玉子焼きでくるみ、さらに佐賀の名物金星豚のスライスで包み込んだ料理です。
しっかりと火の通ったカリカリの豚肉の内側には、ふわふわの玉子焼き、そしてつぶつぶ感のある明太子と、3つの食感を一度に味わえるとあり多くのお客さんがオーダーされるそうです。
意外な組み合わせですが、食べると意外にマッチしていることを実感できます。
⑤ジャンボしいたけアンチョビ(590円)
大きくて肉厚な大分県九重町のしいたけとアンチョビをソテーした、まさに酒の肴にピッタリの逸品です。このしいたけがどれだけジャンボかというと……
このクレジットカードと比較した画像でわかりますでしょうか。カードの幅よりも大きいしいたけなんて初めて見ました。これはデカい。
お店では特にデカいしいたけを選別して仕入れているそうです。しかし、インパクトありますねえ。
九州を味わい、九州を楽しむ
ご紹介したメニューはすべて九州産食材をメインに使い、九州の食の豊かさを伝える料理です。今回いただいた食事以外にも九州産食材を使ったメニューは多く、特に鮮魚は毎日市場から仕入れてくるため新鮮でおいしいものばかり。
地元の方はもちろん、福岡に出張で来た方や、旅行で来た方などは一度このお店に訪れてみることを強くおススメいたします。このお店でたらふくメシを食い、福岡の、そして九州のメシの実力を知ってほしいなと思います。
もちろん、味覚だけでなく、カウンターの雰囲気や料理の匂いといった、視覚、嗅覚、聴覚などを刺激する楽しいお店です。夕方早くから夜遅くまで営業しているのもメリット。最終の飛行機で帰るという方でもゆっくり楽しめますよ!
激戦区大名のほぼ中心部
お店の場所は福岡市中央区大名。
若者が集まる街でもあり、多くの飲食店が立ち並ぶ激戦区でもあります。
ここ大名は安くてクオリティーの高いお店ばかりが集まる、福岡でも有数のグルメエリア。某全国チェーンの居酒屋さんが「ここだけ世界が違う」といって開店からわずか半年で撤退してしまうというほど、安くておしゃれでうまいお店が密集しています。
「炉端NUMBER SHOT」の場所はこの大名エリアのほぼど真ん中。
天神西通りを西鉄グランドホテル方面からまっすぐ進み、
ラーメン店「一蘭」を右手に見ながら次の角にあるドラッグストアの角を右に曲がります。
そのまま飲食店の立ち並ぶ通りを真っすぐ進み、
250メートルほど歩くと、左手にお店があります。
▲お店の入り口。コンビニエンスストアの手前です
お店情報
炉端NUMBER SHOT
住所:福岡県福岡市中央区大名1-12-36 ニューアイランドマンション1階
電話番号:092-707-3801
営業時間:月曜~木曜・日曜 16:00~24:00、金曜・土曜・休日前 16:00~翌2:00
定休日:不定休