お客さんがお店を心配してしまうような、
ショッキングなネーミングのドンブリを見つけました。
新千歳空港へと向かう道に。
とびきり目立つ看板があります。
その名も「赤字丼」
ちょっとまってくださいよ。
赤字って……。
それ以外の情報、お店の名前すら書かれていないのです。
どんな料理が登場するのか!?
長沼町の「いわき」をご紹介します。
新千歳空港から好アクセス
食の宝庫、北海道で生まれ育ち、
ちょっとこの大地はやりすぎなんじゃないだろうかと気づいた、
メシ通レポーターの裸電球です。
ネーミングが「赤字丼」ですよ!
それ以外の情報なし、お店の名前すら書かれていません。
予想するに、赤字覚悟の料理なのでしょうか。
もうかっているか単刀直入に聞いてきます!
看板にあった唯一の情報、「町立長沼病院前」を頼りにやってきました。
「赤字丼」の文字を発見、ここですね。
今回ご紹介する「いわき」です。
とてもきれいで立派な外観が登場です。
赤字でヒーヒーな感じはしません。
もしかしてだまされた?
店内にお邪魔しました。
1階はテーブル席、2階はとにかく広い小上がり。
さらに会食ができる個室もありました。
謎のメニュー「赤字丼」を注文
厨房に潜入!
どんなメニューなのかドキドキしますね。
お、天ぷらを揚げています!
待って待って。
エビ、大きくないですか!
フライヤー、もう隙間ないじゃないですか。
これが「赤字丼」だ
▲赤字丼 1,350円
なんということでしょう!
ドンブリからはみ出した大きなエビ天。
それも5本も入っています。
しかもお値段、1,350円。
ハハハっ……。
これはお客さんが心配するのもわかります。
まるで「イカダ」じゃないですか。
メタボな世界へ、冒険に出る準備が整いました。
丸太を並べたかのようなエビ天です。
手と比較してみたら、
なんだかピアノの鍵盤のようにも見えてきます。
なんという大きさでしょう!
量が多いだけじゃなくおいしい!
揚げたてで衣はサクサク。
そこに甘辛いタレがジュワっとしみています。
箸で持ち上げてみると……プルプルします。
筋トレのようです。
大人が大きな口で食べても、
しっぽまで3〜4口はありそうです。
スマートフォンも小さく見えますね。
これは本当に赤字かもしれません。
常務の岩城さんにお話をうかがったところ、
「赤字丼」が誕生したのは昭和57年(1982年)頃。
「エビ丼」という名前で販売していましたが、
名前と器が変わっただけで、大きさは今のまま!
お客さんから「これ、赤字じゃないの?」と
言われたことから、「赤字丼」になったそうです。
ズバリ聞いちゃいましょう!
常務の岩城さんです。
名物「赤字丼」は北海道の人のみならず、
新千歳空港からのアクセスの良さもあり、道外の方からも好評とのこと。
ぶっちゃけ、もうかっているんですよね?
その顔、
やめてください!
どっち? え、どっち?
なんとも言えない表情で遠くを見ています。
そして一言、
「原価が本当に高くてねぇ……」
ありがとうございます、もう十分です。
涙して食べます。
ちょっと待って!
ここで意外な事実が。
メニューをみると、なんと「黒字丼」もあるではありませんか。
▲黒字丼 1,458円
赤字だけかと思ったら、
岩城常務!
「黒字丼」なんてメニューもあるじゃないですか。
こちらは北海道らしい!
大量のズワイガニの天ぷらがのっています。
そしてお値段が1,458円。
だめだ!
黒字の気がしない。
これ、観光地で食べたらもっと高いですよ。
1,000円高くても、まったく不思議ではありません。
こちらもサクサクで最高の揚げ加減です。
赤字があるなら、黒字もということで開発されたメニューとのこと。
原価の高いズワイガニをこれでもかと使っていますと、
岩城さんがまた遠い目をしていたので、慌てて話を変えました。
赤と黒があるなら……白もだ!
▲白字丼 1,242円
本当に「いわき」は面白いお店です。
もう、色で攻めていますからね。
白もすごいボリューム、彩りもキレイです。
こちらは豚肉なんですね、それにしても量があります。
大きなお肉が2枚ものっていましたよ。
わさびの風味が効いたマヨネーズが食欲をそそる一品です。
お店は仕出し料理店としても評判のため、
土日は食堂の営業はしていません。
平日も15時までで、夜の営業はしていないので、
狙ってお店に行くしかありません。
このあたりの徹底ぶり。
赤・黒・白と商標登録済み!
さらに……。
使用するご飯は地元長沼のお米。
なんと「赤字米」というから驚きます。
「赤字丼」のタレや赤字漬。
とにかく赤字が続きます。
経営者だったらゾッとする単語の雨あられ。
お客さんに喜んでもらいたい、ただそれだけ!
岩城さんのなんともいえない表情が忘れられませんが、
根本にはおいしいものをリーズナブルに出したいという、
開店当初からのお店の思いが詰まっていました。
ということで。
新千歳空港や札幌市からも近い長沼町で「赤字丼」はいかがですか?
見ただけでギブアップしてしまいそうな、
サービス精神が「やりすぎ」のお料理に出会えますよ!
お店情報
いわき
住所:北海道夕張郡長沼町中央南1丁目6-30
電話番号:0123-88-0122
営業時間:11:00~15:00
定休日:火曜日・土曜日・日曜日
※この記事は2017年7月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。