標高835mの峠道、
気がついたら囲まれていました。
きつね色の丸 を持った集団に。
北海道にはちょっと不思議な峠があります。
その名も中山峠。
ウネウネの険しい峠道で、
札幌~函館を行き交う時はここを通ることになります。
その道中、
これを楽しみにしているという方は多いでしょう。
中山峠の名物「あげいも」
ふっくらと大きく、
旅の疲れを癒す優しい甘み。
「あげいも」を販売する、
「道の駅 望羊中山」をご紹介します!
北海道旅行のマストアイテム
北海道のおいしいものを求めて食べ歩き。
シートベルト締めて、ズボンのベルトは緩めて今日もドライブ。
メシ通レポーターの裸電球です。
今回は札幌から南下。
中山峠ですよ、中山峠!
ここを通って「あげいも」を食べないなんて。
そんなまね、道産子はできないのです。
条件反射的に買ってしまうのです。
ということで。
今回は「道の駅 望羊中山」の「あげいも」に密着です!
道民の思い出が詰まった「あげいも」
▲あげいも 350円
例えば修学旅行。
学生を乗せたバスが中山峠を通ります。
宿に着いたらすぐに夕食だっていうのに、
食べちゃうんですよね〜。
大人になった今見ても「大きい」と感じるので、
小学生の頃の自分には、それはそれは特大に見えたことでしょう。
女子は1人で全部食べられないからとシェアしていたりして、
とにかくカワイイ光景が見られます。
峠のハラペコを支えた歴史
昔は峠に休憩場がなく、昭和43年頃に開拓され、この地域ができたそうです。
峠を越えるというのは本当に大変な行程。
左が山、右が絶壁のような場所を、
対向車とスレスレで交差しながらの運転です。
今のように道路も整備されていなかったでしょうし。
現在の道の駅の場所に来るだけでも、数時間はかかっていたはず。
それはそれは……おなかが空く ではありませんか。
そこで誕生したのが「あげいも」と言われています!
何も食べるものがない峠で、旅人のおなかを満たしていたんですね。
上るだけでも数時間。
さらにここから下るのも数時間。
だから「あげいも」はボリューム満点というわけです。
いや〜、歴史を感じますね。
柔らかい生地。
ふわりと香る甘い香り。
そしてじゃがいものホックリ感。
ああ。
私にもっと「あげいも」の知識をください!
ダメ元で望羊中山の青木支配人にお願いしたところ、
なんと……。
特別に一般の人が入れないエリアを案内していただけました。
うれしすぎます!
それでは。
中山峠、「あげいも」の裏側 に迫っていきましょう。
長年愛される秘訣(ひけつ)とは
ううう。
まさか自分が。
「あげいも」のこっち側に立つ日が来るとは!
わかります?
こっち側ですよ、こっち側。
小学生の頃、鼻水垂らして列にならんでいた自分に教えてあげたい。
君、30年後、向こう側に立つからって。
発売当時、「ホットケーキミックス」をつけて作られた「あげいも」。
じゃがいもを天ぷらにして食べる料理は各地域にありましたが、
甘いスイーツとして販売するという発想は珍しかったに違いありません。
現在の粉は当時と全く同じものではありませんが、
あの頃の味を完全に再現し、さらなるおいしさを追求する形で配合されています。
その分量は、現場で勤務しているスタッフすら誰も知らないほどシークレット!
脂の吸収率、ふわふわ感、カスタードの香り。
シンプルな料理がゆえ、あらゆる部分を計算し、こだわり抜いた配合なのです。
「あげいも」、深いですね〜。
年間40万本以上を売り上げる峠の名物
ここに行かないと買えないもの。
修学旅行の私がそうだったように、すこぶるおいしく感じた人が多いのでしょう。
さらに発売当時は、絶対におなかが空いているという環境がありました。
そんな人たちの思い出も、味覚に反映されているのではと支配人。
なるほど、その通りだと思います。
「あげいも」は北海道民の記憶が詰まったソウルフードなのです。
今では年間40万本以上を売り上げる名物!
確実にそのラインを超えるということで表記していますが、
実際は40万本以上売れているというから驚きです。
知られざるあげいもエリア
支配人のご厚意で、
こっち側の「さらに奥」まで特別に見せていただきました。
じゃがいもの貯蔵庫です。
使用する男爵いもは羊蹄山麓のもの。
肥沃(ひよく)な大地が育てたいもは、ほっこりとした食感と自然な甘さが特徴。
いも自体がおいしいので、格別な味に仕上がるのです。
そして注目すべきは、下ごしらえの「ゆでふかし」という製法。
その名の通り、おいもをゆでながらふかすことで、
味が凝縮され、甘みが引き立つそうです。
地下水を使っていて、これもおいしさの秘訣(ひけつ)。
この地域は北海道でも名水の採水地として有名ですからね。
揚げ方にも秘伝の技が
「あげいも」を1個揚げるのに、
普通にやっていては表面が真っ黒になってしまいます。
ここにも歴史と職人の技が。
どうやって揚げるのかというと。
ヒミツです!
そりゃ、さすがにヒミツです。
でも、ここまで本当にたくさん教えていただきました。
ありがとうございます!
海外の観光客からも好評
中国のケーブルテレビ局に取材されるなど、
海外メディアの注目も集まっています。
今は情報がどんどんシェアされ、拡散していく時代ですからね。
あっという間に「あげいも」は北海道旅行の定番に!
観光バスが止まろうものなら、
「あげいも」を持った人たちであふれかえるのです。
こんなスペースも!
味変アイテムも登場していました。
お好みで自分好みにカスタムできるんです。
マヨネーズとチリガーリックパウダーをかけた、
その名も「ホット・マヨ」です。
「あげいも」の甘さにコクがプラスされ、
なんだかお酒も進みそうな味わい。
「あげいも」の楽しみ方は無限大です。
中山峠で「あげいも」を食べよう
ということで。
北海道民のソウルフード、中山峠の「あげいも」をご紹介しました。
ここに来ないと食べられない味。
これからもたくさんの人たちの思い出の1ページになることでしょう。
ちなみに冬シーズンは夏に比べて、
揚げたてが食べられるんですって。
今がチャンス!
中山峠の道の駅、望羊中山に足をお運びください!
お店情報
道の駅 望羊中山(峠のあげいも)
住所:北海道虻田郡喜茂別町字川上345番地
電話番号:0136-33-2671
営業時間:8:30~17:30
定休日:無休
ウェブサイト:http://ageimo.com/
※この記事は2017年11月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。