【昭和な喫茶店ナポリタン】焼きスパゲティ完全レシピ【超アバウト】

f:id:Meshi2_IB:20160826161459j:plain

「今回はワタクシがつくります!」

「で、何を作るの?」

「オトコのロマン、昭和な焼きスパゲティでございます」

「ほほう」

「それも焼きナポリタン!」

「だっ、ダイジョウブ……?」

「心配ご無用!」

 

アルデンテ禁止令

いままで【料理解析】の連載を妻と共に担当してまいりました吉田でございます。

冒頭の会話にあるように、今回の料理は妻ではなくワタクシが担当致します。

なのでタイトルに【料理解析】はつきません。また「カミサンに頼んで作ってもらって」もいません。

 

バリエーションで途中チョロっと妻に作ってもらったりもします。が、基本はワタクシが作ってまいります。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161517j:plain

さて、最近はパスタと言えばアルデンテと相場が決まっていますが、「アルデンテ好みはイタリア人と日本人ぐらいなモノで、その他の国では信じられないくらいフニャフニャのパスタが主流で、海外旅行でうかつにパスタを注文するとひどい目に遭う」という噂はたまに小耳に挟んだりします。

 

まあ、単なる噂話かと思っていたら、私もとある国でフニャドロのトマトソースパスタを食べさせられた時は失神するかと思いました。皿をフリスビーのように飛ばしてやろうかとも思いましたが、そんなことはしませんでした。

 

それ以来、しばらくはチョットでものびたパスタが嫌いになり「やっぱりパスタはアルデンテじゃないとね」とかなんとか言うようになっちゃったワケです。

 

さて、たまに「ナポリタンの麺はのばせ」という話を聞きます。

 

私も最初はこの話を信じませんでした。麺をのばすなんてそんなおぞましいこと。でも本当なのです、その話。

昭和な喫茶店風にしたけりゃ、

思いっきり麺を〝のばす〟んです。

茹でてからわざと放置するんです。

そして、焼いて炒めちゃうんです。

そうすることで美味しくなるんです。

それから具と味付けはアバウトに。

 

まあ、昔は私もいろいろやってましたよ。

ホールトマトにトマトジュースにオリーブオイルにニンニク等々あれこれと。

でもね、気づいたんですよ。「凝れば凝るほどナポリタンじゃなくなる!」てコトに。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161518j:plainこんな作り方、イタリア人が聞いたら激怒しそうです。実際にナポリタンのことをイタリア人に話すとぶん殴られるとかないとかの噂があったりなかったり。

 

でも平気です、だって日本発祥なんですもの。それはイタリアンパスタとは対極にある別の食べ物、言わばドメスティック・スパゲティなのですもの。

 

茹でてのばして焼け

前置きが長くなりました、ちゃっちゃと作ってまいりましょう。

材料は二人分です。

f:id:Meshi2_IB:20160826161500j:plain

スパゲティの麺、いわゆるパスタ2人分。塩(麺を茹でる用)小さじ2。玉ネギ半個を5ミリ程度にスライス。ピーマン1個を縦に半分に切ってからヘタとタネを取り、5ミリ程度にスライス。赤いウインナー7本入り全部を食べやすい大きさにカット。ケチャップ大さじ45。カレー粉小さじ1/2。塩コショウ適量。バター20g。サラダ油適量。

今回、マッシュルームの水煮は入れませんでしたが、お好みでどーぞ。

 

具材や調味料の分量も今回レシピを紹介するので、ちゃんと計量しましたが、だいたいはアバウトに作ってます。

お好みで冷蔵庫にある具材で良いですが、赤いウインナーだけは必須です。赤いウインナーから良いダシが出るので、ニンニクとかを使わないワケです。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161501j:plain

まず2ℓのお湯を沸かします。そこに塩小さじ2を入れ、麺を入れて茹でていきます。茹で時間は袋に表記された時間、きっちり茹でます。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161502j:plain

ちなみに麺を茹でる時の塩の量ですが、一般に「水の量に対して1%」とよく言われていますが、私は麺の塩味が強いのが苦手なので、上記の分量にして、ケチャップ多めで炒めて、食べる時に粉チーズとタバスコ大量にかけるようにしてます。まあ塩加減は各自のお好みで調節して下さい。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161503j:plain

麺が茹で上がったらザルにあげ、サラダ油を適量まわしかけて絡めておきます。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161504j:plain

そしてこのまま1015分放置します。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161505j:plain

その間に熱したフライパンにサラダ油をひき、具を炒めていきます。

 

塩コショウで味付けし、

f:id:Meshi2_IB:20160826161506j:plain

サッと炒めて小皿にとっておきます。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161507j:plain

フライパンを素早く洗ってから強火にかけ、カンカンに温まったらバターを投入。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161508j:plain

バターが溶けきらないうちに、放置していた麺をバサッと入れ、

このまま強火で1分放置。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161509j:plain

1分経ったら炒めておいた具材を投入し、

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161510j:plain

軽く混ぜてからケチャップとカレー粉も入れます。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161511j:plain

具とケチャップと麺を絡めながら強火で1分炒めて完成です。

ポイントは、麺がコゲても良いので手加減せずに強火で炒めること

むしろおこげが美味しいんです。

 

皿に盛りつけ 

f:id:Meshi2_IB:20160826161512j:plain

粉チーズとタバスコを大量にかけていただきましょう。

麺を焼き付けることでモチモチ、プリプリ、そして場所によってはカリカリのおこげが楽しめるのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20160901082419j:plain

ちなみに盛り付けに使っているようなステンレスの皿があると、なお良いです。

我々は合羽橋で安く購入しましたが、ネット通販でも手頃な値段で簡単に手に入ります。

 

さらに焼きスパバリエーションいろいろ

さて、ナポリタンでなくてもプレーンの焼きスパさえ作れば、いろいろなバリエーションでいわゆる「昭和な大衆の味」を楽しめます。

基本は、カンカンに熱したフライパンにバターをひいて、のばした麺を投入し、片面を焼き付けるように1分焼き、

f:id:Meshi2_IB:20160826161514j:plain

麺をばらすようにもう1分炒めたら出来上がり。 

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161515j:plain

上にハンバーグを乗せて大量のデミグラスソースをかけ、ソーセージをのせると

かなりのご馳走感があります。

 

f:id:Meshi2_IB:20160826161516j:plain

その他にもラタトゥイユなど、汁だくの具に焼きスパは有利です。

焼きつけてあるので汁が麺に浸透せずに、むしろずっとプリプリをいただけるという寸法なのです。

このハンバーグとラタトゥイユは妻に作ってもらいました。

ハンバーグは自作せずともレトルトのを買って来て、デミグラスソースを増量するのでも十分にうまいです。

その他、写真はありませんがミートソースでつくっても当然旨うまいです。

ミートソースの場合、ソースを挽肉から作っても良いですが、レトルトのにデミグラスソースとカレー粉少々を足すだけでもかなり良い感じになります。

ちなみにミートソースの場合、焼きスパゲティーでも良いですがボイルスパゲティーでもうまいです。

ボイルスパの場合は硬めのアルデンテに茹でて(芯がちょっと残ってるくらい)、ザルにとって湯を切り、冷めたらラップに包んで冷蔵庫で一晩寝かせます。

次の日、食べる時に熱湯で湯煎し、バターを絡めてミートソースを上にかけます。

この方法はかなり昔に私がバイトしていたレストランでやっていた作り置きの方法で、モチモチとした懐かしい食感のスパゲティーになります。

 

書いた人:吉田いつし

吉田いつし

東京出身。エディトリアル・デザイナー。書籍の装幀や雑誌のデザインをしながら、散歩のフリーペーパー『路地と道くさ』を発行。東京ストローラブラボ代表。HPでブログ「路地と道くさな日々雑感」を毎日更新中。

作った人:浅見ゆき

浅見ゆき

吉田の妻。吉田が自宅の仕事場で編集者と打ち合わせをしていると、突如居酒屋『路地亭』を強制的に開店し、酒と肴をお見舞いする。料理解析家(だいたいの料理は一度食べれば再現できる!)。

過去記事も読む

トップに戻る