ピザトーストについて僕が語りたい8つのこと

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どんな髭剃りにも哲学がある

 

この言葉、村上春樹の小説(『1973年のピンボール』講談社)で知ったのですが、元はサマセット・モームの小説からの引用のようです。

 

日常的で些細(ささい)なルーティーンでも、長く続ければそれなりの哲学が生まれる。うん、それはたとえピザトーストであっても同じハズ! 

 

みなさんこんにちは、カゲゾウです。いつもの朝ごはん。お米と味噌汁とおかずでは手間がかかりすぎる、かといってトースト1枚だけでは味気ない。そんなとき、ボリューミーでリッチな味わいのピザトーストはとても重宝しますよね。

 

毎度作っているうちに、どうも自分なりの哲学というか、こだわりが生まれてきました。今日はそんな思いの丈を語らせてもらえればと思います。

 

語り:その1「食材は簡単に手に入るものでよい」 

ピザトーストの魅力の1つは“手軽さ”にあると思います。それは調理の手間しかり、食材の入手のしやすさしかり。有機野菜や専門店のパンなど、食材にこだわるのもアリですが、近所のコンビニやスーパーで簡単に手に入るもので作ってこそのピザトーストではないでしょうか。こだわるのは、具の選定や調理であるとカゲゾウは思っています。

 

語り:その2「5枚切りか6枚切りか、それが問題だ」

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何枚切りのパンを使うか。実はこれは今もカゲゾウを悩ませる問題です。しかしピザトーストを構成する最も重要な土台。これを避けて通るわけにはいきません。

 

かつて私は若かった。いや未熟と言い換えたほうがいいでしょう。当時は8枚切り一択でした。というのも、生地が薄く端までクリスピーなあの「ローマ風ピッツァ」を無謀にもピザトーストで再現しようとしていたからです!

 

でもいくらがんばってもトンビが鷹を産むことはありません。軽自動車をいくらチューンナップしたところで、F1マシーンにはならないのです。ローマ風には程遠い、両面焦げたトーストに何かが乗ったものしかできませんでした。

 

そんなあるとき、コンビニで8枚切りが売り切れており、試しに6枚切りでピザトーストを作ってみたところ……、「ん? パンの中がフワフワしてうまいぞ。むしろピザトーストの魅力はこちらにあるのではないか!」。

 

ゴホン、遅きに失しましたが、ピザトーストは決して「ピッツァ」ではなく、もっと大らかな「ピザ」であり、こんがり焼けた上面と、パン本体のフワフワ感のハーモニーこそ重要であることにようやく気がついたのです。

 

では4枚切りがいいのか? 答えはノンです。4枚だとパンが厚すぎて上面は焼けているのに、パンの中心部はまだぬるいという状態に陥り、火の通し方が恐ろしく難しい。そもそもカゲゾウの家は5人家族ですし(←知らんがな!)、4枚切りではケンカになります。

 

では5枚切りは? こちらは捨てがたい。火加減の難しさはありますが、上手に焼けたときのうまさは6枚切りをしのぎます。しかし、です。ウチの場合、まだ小さな子どもがいるので、5枚切りでもちと厚すぎる。とくにまだ保育園通いの一番下のチビを見ていると、あの厚みでもかなり食べづらそう。というわけでカゲゾウとしては6枚切りを採用しています。

 

語り:その3「ソースはケチャップで十分」

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パン厚が決まりました。ではそこに塗るソースは? ケチャップ、カゲゾウはこれで十分だと思っています。もちろん市販のピザソースや、自分で作ったトマトソースを塗ることに異論はありません。よりおいしいものが作れることでしょう。

 

しかし、ピザトーストは食べたいときに、さっと作れなければならない。ケチャップならだいたいの家に常備してありますし、好きな銘柄を選べば十分だと思います。

 

だからといって、ここにこだわりがないというわけではありません。“塗り”には十分注意を払います。何が悲しいって、かぶりついた部分にソースがないあのむなしさです。特に一口目に食らいつくトーストの際までケチャップが塗られてないとしたら!

 

また雑に塗って、濃淡がありすぎる下地もいただけません。味が濃いケチャップが固まりで口に飛び込んできたとしたら……。他の具材の風味を飲み込み、ただのケチャップ味になってしまいます。

 

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なので、ケチャップはできるだけ均一に、厚すぎずかつ薄すぎず、そして端の方まで塗り残しなく広げるべきです。そう、理想は左官屋さんが仕上げた塗り壁のように

 

語り:その4「ピザトーストの究極の食材は!?」

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結論から申しましょう。カゲゾウが考える究極の具材は、とろけるチーズ、タマネギ、ピーマン、ウィンナー、コーン、以上

 

「それじゃまんま喫茶店のピザトーストやんけ! 当たり前すぎておもろないわ」というツッコミが聞こえてきそうですが、ええ、みなさんのおっしゃるとおりだと思います。でもちょっと待ってください。喫茶店のピザトーストこそ理想だと思いませんか? 

 

なぜならそれは長い「時の審判」を受けても、廃れず残ってきたメニューなのです。普遍=王道と言い換えてもいい。

 

もちろん、これ以外の食材を否定するつもりはありません。ピーマンの代わりにブロッコリーもおいしいし、また薄切りにしたマッシュルームをのせてもうまい。

 

個人的には本当はウィンナーよりもサラミの方が好きのなのですが、他のレシピに展開できる汎用性を考えると、ウィンナーに軍配があがります。

 

また具は多ければいいというものでもありません。正直コーンは盛り過ぎかもと悩みました。でもコーンの甘さが加わることで、味に幅と豪華さが生まれます。また粒なので、他の具材と具材の隙間に収まってくれることも魅力。うちではマスト具材です。

 

プチトマトも頭を悩ませました。あのフレッシュな味わいは確かに捨てがたい。でもベースがケチャップであることと、ここまでに結構な具があるので、泣く泣く割愛。

 

できるだけ具の種類をそぎ落とし、かつ常備性のある食材であること。余っても他の料理に回すことができ、出来上がり時の色合いも美しく仕上げられるもの。

 

もろもろの諸条件を鑑み、最小限まで具材を削ぎ落とした結論が、とろけるチーズ、タマネギ、ピーマン、ウィンナー、コーンなのです。

 

語り:その5「具材の下ごしらえにもこだわりはある」

さて食材が決まったところで次は下ごしらえです。

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まずはタマネギ。縦に4等分した後、繊維を断ち切るように薄くスライスします。繊維を断ち切るのは、細胞が壊されて甘くなるような気がするからです。この時できるだけ薄くすることが望ましい。なぜなら他にも食材があるので、ここで油断して厚切りにしていると、最後はトーストが山盛りになってしまいます

 

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ピーマンはワタを取ったら、輪切りにします。細切りにしても味が変わるわけではありませんが、目指すは喫茶店のピザトーストなので、やはり輪っかでないと!

 

でもタマネギとは打って変わって、少し厚めに切ります。これは焼くと水分が飛んで身が痩せてしまうので、存在感を薄めさせないための方策です。

 

ウィンナーも輪切りです。斜めの薄切りの方が見た目はかっこいいのですが、1つあたりの面積を小さくし、どこでかじっても肉っけがあるようにしたいので輪切りを採用しています。

 

とろけるチーズ。これをなくしてはピザとはいえません。ケチャップ同様、メーカーは特にこだわりはありません。問題はスライスタイプかシュレッドタイプか、どちらを採用すべきかということ。

 

カゲゾウはスライスタイプを選びます。シュレッドタイプでもいいのですが、他の具で表面がボコボコしているので、満遍なくトーストに乗せるのが意外と難しい。調理の手間も考え、ここは素直にスライスタイプを選んでいます。

 

ちなみにコーンは缶詰を使用するので下ごしらえは特にしません。

 

語り:その6「具をのせる順番をどうするか?」 

みなさんはこんな経験がないでしょうか? ピザトーストを半ば食べた時、溶けたチーズが残っている具材をすべて巻き込みながら口に入ってきて、後にはソースを塗ったトーストだけが残る……。

 

この悲劇を防ぐために、ケチャップを塗ったらすぐにチーズを乗せ、その上に残りの具材を乗せるという対策をしていたときもありました。しかしこれでは何か物足りない。やはりチーズが具材全体をしっとりとコーティングしているほうが美味しい。

 

とはいえ、逆にウィンナーは程よく焦げ目が付き、にじみ出た肉汁がじゅくじゅく音を立てていてほしい。そんな理由から導き出した答えは、下から順に……、

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パン → ケチャップ → タマネギ → ピーマン → コーン → チーズ → ウィンナー

 

という順番で具材をのせています。具材は適当に乗せるとどうしてもピラミッド状になってしまいます。ケチャップと同じく、どこを食べてもおいしいようにできるだけ厚みが一定になるよう配置しましょう。

 

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またチーズはペロッとまんま1枚をのせるだけでもいいのですが、他の具材を完全に包み込んでしまっては面白くない。時折、焦げている野菜があることで、テイストにランダム性が生まれ、味わいを深めます

 

よって、チーズは1枚を4〜5ピースにちぎり、一部の具材が直火にさらされるように配置しています。

 

語り:その7「焼きは上面メインで」

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さていよいよ焼きです。理想は上面部にはしっかりと火が通り(できればトーストの耳やウィンナーには焦げ目がついていてほしい!)、しかしパンの中身はアツアツのフカフカ状態。これを目指すため、上面メインに火が当たるようにしています。

 

ここからは、みなさんがお持ちの調理器具によって異なります。カゲゾウの家にはトースターがなく、ガスコンロのグリルで調理しています。上面焼き機能があるのでそれで火を通しています。

 

トースターでも上下の焼きが切り替えできるタイプがたくさんでています。もしその機能がない場合は、トースト下面にアルミ箔を当てるなどで調節してください。

 

語り:その8「カットは台形にすべし」

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どうですか? みなさんピザトーストは上手に焼きあがったでしょうか? でもこれで終わりではありません。忘れてならないのはカット。これは台形に切って食卓に出してください。食べやすさ重視はもちろんですが、台形にするのは……、

 

ホテルの朝食に出てくるみたいでプロっぽいから。

 

ええ、見た目、見た目重視です。縦真一文字に切っても味に影響はありませんが、お皿の上だけでも非日常を演出したい。そんな思いからウチではかならず台形カットです。

 

みなさん、ピザトースト談義に最後までお付き合いいただきありがとうございました。これが現時点でカゲゾウが最高と考えるピザトーストです。とはいえ、これが決して完成形というわけではなく、今後も試行錯誤を繰返し更なる高みを目指すつもりです。

 

さて、自分的にはこだわって作っているピザトーストですが、これを食べている家族はぜんぜんピンときていないようで、「今日のピザトーストはどう?」なんて時たま聞くのですが「うん、いつも通り」とこちらが期待するコメントがかえってきたためしがありません。

 

また奥さんがちゃちゃっとテキトーに作ったピザトーストもそれはそれでうまく、自分のピザトーストの方がはるかにうまいのかと聞かれると……、う~ん。

 

でもそれでいいのです!

 

男のコダワリ、男のテツガクというのはそういうもの。決して誰かにほめられたくてやっているわけではありません。手元にある材料で、調理を吟味し、自分にできる最高のパフォーマンスを発揮せんと包丁を振る。これこそが本懐なのです。

 

家族からの賛辞!? ハッ、そんなものトイレに流してしまえ!

誰かからの承認!? フン、そんなものは犬にでも食わせてしまえ!

 

自己満足とわらわれても結構、我がピザトーストの更なる高みを目指して、一人孤高の道を歩くだけなのです。

 

あっ、みなさん、最後に1つだけ……、

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※この記事は2016年12月の情報です。

 

書いた人:飯炊屋カゲゾウ

飯炊屋カゲゾウ

1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。

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