「八寸」をご存じですか──真夏にキーンと冷えたビールにハマるメシ通のおつまみ5選

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もっとビールをおいしく飲みたいアナタへ

ビールが好きで、もし選挙に出馬するなら「ビール党」からと決めている、メシ通ライターの飯炊屋カゲゾウです。

 

以前、日本酒をおいしく飲むためのアテとして八寸(はっすん)をオススメしたことがありました。

 

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八寸とは、会席・懐石料理コースの中頃で出される小料理の盛り合わせのこと。

その名のとおり八寸(約24cm)四方の木盆に、海のごちそうや山の旬の幸を数種類盛ったぜいたくなお皿です。

 

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「おいしいものをちょっとずつ」を楽しめるのが八寸のいいところ。

季節は巡り今は夏。ええ、であれば「ビールをおいしく飲むため」の八寸も当然ご紹介しなければなりますまい! 

 

八寸・夏の陣」と称して、今回も『メシ通』の過去のレシピ記事アーカイブからビールに合うとびっきりの4レシピ(+1)の5皿で構成してみました。

 

一の皿:タコの紅白盛り

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タコは煮ても焼いても揚げてもうまいですが、この時期はやはり刺身でいきたいですよね。

 

【材料】

  • タコ(刺身用):適量
  • 柑橘類(かぼす、すだち、レモンなど):適量
  • 塩:適量

 

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そぎ切りでもいいのですが、オススメしたいのはタコの紅白盛りです。足の中心部(白い部分)と吸盤と皮(赤い部分)分に切り分けると味わいが違ってきます。

 

白い部分は柔らかく甘く、吸盤なんてコリコリとした歯ごたえがたまりません。

可能であれば冷涼感のある氷の器でいただきたいですね。

 

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ただ、八寸でやる場合は氷の器が場所を取りすぎてしまうので、今回はかき氷機を回して器に氷を敷きつめてみました。

味付けは、旬のすだちなどをぎゅっと絞って、パラリと塩を振って食すのはいかがでしょうか?

 

二の皿:ニラトマナムル奴(Yuuさんのレシピ)

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夏は野菜が最高にうまい季節です。

目にも鮮やかな赤(トマト)と緑(ニラ)がたっぷり乗った冷奴なんて、この時期ホントたまらんですよ。

 

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ニラとトマトをざくざく切って、しょうゆ、酢、ごま油、いり白ごま、砂糖、豆板醤、にんにくで味付け。

このあと味をなじませるため10分ほどおきますが、冷蔵庫に入れて奴と共に冷え冷えにしちゃうのがよいと思います。

 

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豆の甘さをシンプルに楽しむ冷奴もこの時期サイコーですけど、ニラトマがのっかっていると見た目も味もゴージャス。

酢の爽やかさが夏にぴったり。かつ豆板醤がピリッと効いていて、食欲をそそりますよ。

 

三の皿:なすの蒲焼き(筋肉料理人さんのレシピ)

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夏野菜といえば、なすもハズせません。

お刺身、冷奴と冷菜が続いたので温菜でビールに合わせましょう。

 

夏はやっぱりうなぎ!」といきたいところですが、年々稚魚の漁獲量は減り、どんどん高値の……いや高根の花になるばかり。

ですがなすの蒲焼きだったら、懐へのダメージも罪悪感もほどんどありません。

 

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なすの皮をピーラーで剥いたら縦に切れ目を入れラップをかけてレンジで6分。

これを開いて油を敷いたフライパンで焼きます。

 

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どうですかこの焼き目、これだけで十分おいしそうですね。

あとは予熱で仕上げに蒲焼きのタレを絡めます。

 

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味も「まんまうなぎやんっ!」……とは、さすがになりませんが(やはり、なすはなすです)、とろっとろのなすと甘じょっぱいタレの相性は抜群。

 

お好みもあるでしょうが、山椒はたっぷりかけるのがオススメです。

なすをおいしくいただくレシピとしてこの夏繰り返し作りたいお皿です。

 

蒲焼きといえば、以前こんな「なんちゃって蒲焼き」もご紹介しています(こちらも懐にとっても優しいです)。

 

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四の皿:コーンのカレーマヨ炒め(エダジュンさんのレシピ)

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黄金色に燦然と輝くとうもろこしとビール。

このカラーリングは食欲をそそりますね。

皮つきを買ってきてみっちり調理してもいいのですが、まあここはお手軽な八寸です。

缶詰でチャチャッとできちゃうエダジュンさんのレシピを参考にしました。

 

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油代わりにマヨネーズを入れてフライパンを温め、そこに水気を切ったコーンを投入。焼き目が付いたら醤油とカレー粉で味付け。以上。

画面から伝わりますでしょうか? 香ばしい醤油の香りですよ。

縁日ライクなこの焼きとうもろこしが夏に合わないわけがありません。

 

さらにカレー粉も入ることでバチコーンとパンチも効いており、お題のとおり破壊力がUPしてます。手軽、簡単、うめぇ、そしていわずもがな、ビールに合う。

 

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撮影用のためどの料理もちょっと多めに作っているのですが、余った分を家族に出してみると、ウチの3人の子供たちにはこの焼きとうもろこしが一番人気でした。

 

そもそも作っているそばから香りに誘われたのか、次女がやって来て、「味見させて」とつまみ食いをし、まあ食べること食べること。

撮影用にまで手を伸ばそうとするので慌てて止めた次第です。

 

五の皿:鶏むね肉の梅しそ焼き(筋肉料理人さんのレシピ)

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夏野菜だらけになってしまいましたがここらで肉っ気もほしいですよね。

今回のメインとして大葉を巻いたこんな焼き鳥をチョイスしました。

 

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2cm角程度の大きさに切った鶏のむね肉を叩いて、梅肉、おろしにんにく、片栗粉、日本酒、しょう油をしっかりもみ込みます。そして大葉の登場。

ここで裏表をちゃんと確認してくださいね。

 

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筋肉料理人さん曰く「大葉の香りは葉の表でなく裏のほうが強いため、裏側に鶏むね肉をのせます。これで大葉の香りがよく鶏むね肉に移ります」ここポイントですよ、みなさん。

 

串に刺したら、フライパンで蓋をしながら両面をそれぞれ、超弱火で5分じっくり焼きます。

 

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片栗粉が混じった調味料とゆっくり火を入れる効果でしょうか、鶏がとてもふっくらと仕上がります。

 

また味付けに梅肉とおろしにんにくを使っているので、梅肉で爽やかなのに、にんにくが効いていてばっちり食欲をそそりますよ。

このレシピの詳しい作り方はリンク先を参考にしてみてくださいね。

 

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ああ、ビールが一瞬で無くなる。すぐにもう一杯持ってきて!

 

ビール党員はグラスにも注ぎ方にも一家言ある

食の巨人、かの北大路魯山人は自らのスタイル・自分の間を乱されたくないので、人にビールを注がせなかったそうです。

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カゲゾウもビール党員としては、ひとかたならぬコダワリはあります、ハイ。

まずグラスはピカッピカの綺麗なものでなければなりません。

その理由は泡立ち具合に直結するからです。

 

詳しいことはビアジャーナリストの山口紗佳さんの記事からどうぞ。

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まあ、山口さんと同じくウチの場合もコップ洗いは食洗機任せなので、特に気をつかっているわけではないのですが。

 

そして注ぎ方ですが、ふつかよいのタカハシさんの記事にある「3度注ぎ」を昔から実践しています。

 

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できるだけ高〜い位置からビールをコップに注ぎ入れ、わざと泡を立てつつグラスを満杯にします。

しばらく待って泡が落ち着いてきたら同じ要領でビールを注ぎ、また泡が落ち着いたら……。

 

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泡がコップのフチよりも盛り上がっているのがわかるでしょうか? 

この方法で注ぐと缶ビールとは思えないシルキーでコシのある泡になります。

 

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目指すビールと泡の比は「7:3」。

泡は蓋の役目があるので炭酸がビールから逃げず、泡も液体もおいしくいただけますよ。

 

八寸はやっぱり楽しい

箱庭的おもしろさというのでしょうか、限られたスペースの中に料理やお皿をどう盛り付けようと考えている最中はとても楽しいです。

それを食卓で待つ人に出して「わあっ!」と驚いてもらえたらなお嬉しい。

 

もし八寸に挑戦したいと思えば、前回も書きましたが品数なんて3〜4品でもいいし、出来合いの惣菜でも構いません。

ただ盛るお皿ひとつでおつまみの雰囲気がガラリと変わりますので、色や形が違う豆皿が何個かあると便利ですよ。

 

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今回も100円ショップが大活躍しています。

大皿の下に敷いたすだれ、タコを盛った脚付きの皿、コーンを入れた唐辛子風の皿、蒲焼きと焼鳥を乗せた長皿などが100円ショップで購入したものです。

 

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あとは大皿に敷いたハランや横に添えたササなどの「あしらい」ものがあると急に八寸「っぽく」なります。たまにスーパーで売ってたりもしますが、もちろんココにお金をかける必要などまったくありません。

 

ハランは庭から切ってきましたし、ササなんて勝手口付近に最近生えてきた雑草ですよ。あ、葉っぱを使うときは水で洗ってキレイにしておくことを忘れないでくださいね。

 

プロの料理人から見ればいろいろ決まりごとやセオリーはあるのでしょうが、コチトラ自宅でのお遊びですからね。気楽にいきましょう。

みなさんも自分なりの八寸でこの夏の食卓を彩ってみてはいかがでしょうか。

 

書いた人:飯炊屋カゲゾウ

飯炊屋カゲゾウ

1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。

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