「すべては○○のため」繁盛店がリニューアルする理由とは?「担担麺の掟を破る者」の流儀

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大阪梅田にほど近い「都島」を歩いていた時のことです。

ふと通りがかったお店に、次から次へと人が並び行列ができているのを発見しました。

 

それがこちら(行列のない時間に撮ってます)。

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へーこんなところにも行列店があったとは。何のお店かなあ、とちらりとのぞいてみたところ、表には看板らしきものが一切出ていません。手がかりは「ミンチが無くなり次第終了」の文言のみ。

 

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で、タイトルにあるように「担担麺」の専門店だったわけですが、その時は「ミンチってことは……キーマカレーのお店……? それとも、ハンバーグがおいしいお店とか……?? けれど、お店のロゴマークには魚のイラストがあるし……うーん、わからん……」など、ひとしきり考えを巡らせたのでした。

 

その名も「担担麺の掟を破る者」

大阪には「人類みな麺類」という有名ラーメン店があります。

 

カツオの風味がガツンと効いたスープと、ほろほろに煮込まれた極厚チャーシューが脳天直撃。まじでうまい最高にうまい……と語彙力低めの感想しか出てこないとにかくおいしいラーメン店で、テレビや雑誌で何度も特集されています。

そんな「人類みな麺類」には系列のラーメン店がほかに5店舗あって、今回ご紹介する「担担麺の掟を破る者」はそのうちのひとつ。ちなみに「人類〜」「担担麺の〜」のほか店舗は

  • くそオヤジ最後のひとふり
  • 世界一暇なラーメン屋
  • TAKAHIRO RAMEN
  • 名もなきラーメン

といずれも特徴的な店名であり、かつグループ運営会社名は

 

UNCHI株式会社

\ウンチカブシキガイシャ/

 

斬新……!

 

なお、社名は「体に入ってから出るまで責任を持ち、安心・安全の食を提供する」に由来します。

いぜんスズキナオさんが取材していました。

www.hotpepper.jp

 

まじで担担麺のルールを無視してる

まずは自慢の担担麺「WABI」をご覧あれ。

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▲WABI 800円

 

たっぷりのミンチと粗切りの玉ねぎに加え、ちんげん菜が丼を軽やかに演出。うーんたまらないビジュアル。

 

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で、スープをすくってびっくりです。透き通ってる。
つまりこれは、担担麺の定番・ゴマペーストが入っていないということ。口にふくむと、ピリッとした辛味の後に魚介ベースのダシの香りがふっと抜けて……って、これ担担麺のスープ!?

 

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麺を持ち上げてさらにびっくり。

こんなところにゴマがいた笑

太く、ツルツルしこしこのゴマ入りちぢれ麺は、担担麺でよく用いられる細めのストレート麺とはまったく違う趣です。

 

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香辛料の効いたミンチもうまい。かみ締めるたびにうま味が増し、歯応えのある麺、さっぱりとしたスープともじつに相性がいいです。

 

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そして、シャッキリちんげん菜と甘みのある玉ねぎがピリ辛担担麺の新鮮なアクセントに。口の中がリフレッシュされ、また麺&ミンチ&スープの幸せなループに浸れます。野菜だからってなめててごめん、控えめにいって最高のバイプレーヤーだわ。

 

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ピリ辛の口をリセットすべく水を飲んだら、水すらおいしくてなんだか笑えてきました。水がおいしいってどういうことだ。

 

「ちなみにですが、水って普通の水道水ですよね……?」

念のため聞いてみたら

「あ、デトックスウォーターです。かなりいい浄水器を使っていて、レモンも入ってるのでおいしいですよ」

 

……抜かりなし!

 

いわゆる「担担麺」とはまったく違う斬新な味わい。体が震えました、感動とおいしさで。

正直なところ、この日別の飲食店の取材を終えた状態でうかがったのでお腹はわりと膨れていて、全部食べられるかしらん……と思ってたんですが、もう、圧倒的ペロリ。おいしすぎて、息つく暇なくすぐになくなったことをご報告しておきます。

 

じつはここ最近リニューアルしたんです

ところで「担担麺の掟を破る者」は、2018年3月半ばまで「担担麺 Japanese Original Tang-Tang」として運営していました。
店舗の内装や外観はそのままながら、店名とともに味もガラリと変化させ、新たな勝負に打って出たのです。

 

以前ももちろん行列ができるお店であったのに、どうしてリスクを負ってまでリニューアルを決行したのか、その疑問をぶつけてみると、

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「すべてはお客様のためですね」と店長代理の石井さん。

 

「オープンから2年が経ちましたので、変化をつけてお客様にもっと食べていただきたかったんです。コンセプトの”温故知新”はリニューアル前から同じなんですが、そこに”わびさび”という要素を加えました」

 

”わびさび”を担うのは、魚ダシ。

以前もカツオダシを前面に押し出し一般的な担担麺とはかなり異なる味わいだったものの、リニューアル後はさらにパンチの効いたダシへと変化させたのだそう。

 

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▲魚の種類など、ダシの詳細は企業秘密

 

「気温や湿度、あと作る人の体調でもダシの味がブレてしまうんですね。そうならないように、毎日2回、必ずテイスティングして味を一定に保っています」

 

この「味をブレさせない」という部分は、UNCHIグループ全体に共通していること。

「人類みな麺類」をはじめどの店舗も繁盛店であるにもかかわらず、あえて2号店を出していない理由はそこにあります。ブレない姿勢が作り出すブレない味。店舗が責任を持ちクオリティーをキープできているからこそ、いつ行っても至高の一杯がいただけるというわけ。

 

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「あと、もっと幅広い年齢の方に食べてもらいたいという考えもありました。それで、大人から子どもさんまでおいしく食べていただけるように、辛味に変化をつけた4つのメニュー展開にしたんです」

 

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「担担麺の掟を破る者」のメニューは、オリジナルの「WABI」、汁なしの「SABI」、激辛の「福島 清」、辛味なしの「ふくしま君」の4種類。

これにさらに「トッピング」や「味変化」などで自分流の担担麺にアレンジできるのが特徴です。

 

「定番の『にんにく(50円)』から、『チーズ(150円)』『イカスミ(150円)』とか、ちょっと変わった味変化メニューも用意しています。意外に感じるかもしれませんけど『チーズ』は濃厚になっておいしいですよ。おすすめです」

 

スープがとてもあっさりしているので、多種多様なトッピングもおいしく調うのでしょう。一般的な担担麺だったらこうはいかないはず。

 

「リニューアル後どういう反応があるのか、最初はものすごく怖かったです。実際、前の方がよかったという意見を耳にもしましたけど……でも、チャレンジしなければ何も変わりませんからね。それに、今もたくさんのお客様に来ていただいているので、大成功だったと思います」

 

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間違いない。

たしかな技術と実直な姿勢、そしてチャレンジ精神を携えて担担麺に向き合い続けているからこそ、今まで食べたこともない一杯が出来上がる。多くの人がわざわざ訪れるのも納得です。

「これが担担麺!?」という驚きと、”わびさび”感じるおいしさを、ぜひ一度ご堪能あれ。

 

お店情報

担担麺の掟を破る者 - The soul of Japan -

住所:大阪大阪市都島区都島本通1-7-21
電話番号:06-7174-5416
営業時間:11:00〜21:30(LO)※ミンチがなくなり次第終了
定休日:火曜日
ウェブサイト:http://www.japanese-original-tang-tang.com/

 

書いた人:木村桂子

ケメコ

福井県出身、大阪府在住。某エンタメ系企業にて雑誌編集に携わり、その後コピーライターを経てフリーランスに。大衆居酒屋から小洒落たカフェまで、うまいと聞けばどこへでも突入。ゆえに体重増量中。

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