おでんの名店「二毛作」に来たら、絶対にトマトを注文して元気になって欲しい

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飲んべえの町にあるおでんの名店

京成立石という町をご存じの方は、おそらく飲んべえなのでしょう。

早いお店は朝9時からオープンするという酒飲みの天国であり、近年、メディアでも多く取り上げられる話題の街なので酒を飲まなくてもご存じの方は多いかもしれません。

 

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▲京成立石には名店が多くありますが、こちらもそのひとつ

 

その立石に「丸忠蒲鉾店」というおでんの有名店があります。そののれん分けというか息子さんがやっているのがこちらの二毛作です。

丸忠蒲鉾店」はもともとおでんのタネを扱うお店でして、隣におでんで飲める居酒屋さんを始めたのが店名の由来です。

 

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▲明るくスタイリッシュな雰囲気で女性客でも入りやすいと評判です

 

現在は移転して以前よりも広くなりました。

看板メニューはもちろんおでんですが、一緒に合わせるお酒にこだわっていることで広く知られるようになりました。お店が推奨するおでんとワインを楽しむスタイルは話題になり、女性客も増えました。

 

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▲日本酒はもちろん、だしの風味がビオワインとよく合うんです

 

おでんがメインだとしたら、脇を飾るアテも充実しています。

酒飲みの心をくすぐるメニューの数々を見れば、店主はかなりの飲み手だということがわかることでしょう。飲み手、いい言葉です。

 

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▲この日のオススメは白子ポン酢(860円)。あとは板わさ(610円)も頼みました

 

これまでなんども書いているので同じ話をするのは恐縮なのですが、私は尿酸値13の痛風キャリアです。

こういうつまみは見るだけで足の小指がうずくのですが、おいしいものはおいしいということで、そっとひと口。

やはりうまい。

白子は見た目を裏切りません。最高だ。来年からホワイトクリスマスは空から白子を降らせましょう。

そしてもうひと口。残りは同行者に食べてもらいました。今日は他の仕事の打ち合わせも兼ねているので3人で訪問しています。 

 

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▲おでん盛り合わせ(1品110円〜)です

 

おでんは盛り合わせでお願いしました。

大根に玉子はもちろんのこと、ちくわぶは外せません。関西の人はちくわぶを食べないと聞いたことがありますが、人生を損しているというより、この後の人生でちくわぶのうまさを知るチャンスがあるなんて、うらやましいとしか言えません。

おでんの主役は練り物ですが、ちくわぶの持つ「ど直球の練り物感」がいとしくてたまらないのです。

 

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▲なんだか不思議な見た目のこちらはなんでしょう

 

これは評判メニューの「生麩のオランダ」です。

生麩を揚げたもので、それがだしをたっぷりと吸っているんです。「生麩」というおいしそうな響きの食べ物を揚げてしまう。罰当たりで最高じゃないですか。モチモチ食感でかむとおつゆがじゅんわり。おいしい!

 

さて次は何を頼みましょう。

 

これが本日の主役「トマトのおでん」です

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▲そう、本日のお目当てのトマト(410円)です

 

トマトのおでんってあまりなじみがないですよね。

実は20年ほど前におでんをトマトに入れることが大流行したことがありました。

家庭でも簡単にできるとあって一世を風靡(ふうび)したのですが、それ以降あまり見かけなくなってしまいました。二毛作では以前からトマトのおでんを提供していて、今でも影の評判メニューなんだとか。 

 

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▲トマトっぽいポーズをとってみました

 

トマトのおでん、これまでほとんど頼んだことがありませんでした。

それはおでんは和食だという先入観があったからでしょう。

「トマト? 欧米か!」

言ってしまえば、伝統ある球団に突如やってきた「助っ人外人選手」的なイメージ、というか偏見を持っていたのかもしれません。

 

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▲トマトはだしの豊かな風味とよく合うんです

 

しかし、個性が強いトマトも、気がつけば日本のおでん軍に入団してはや20年。

トマトってスープにも使われるようにうま味が豊富なんですが、それゆえ自己主張が強く他の選手とぶつかるのかなと思いきや、「だし」という名監督が、おでん軍の選手それぞれが持つ個性をうまくまとめている。

なるほど、このチームは強いです。

 

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▲まじうめえ。もう主軸を任せてもいい

 

トマトのうま味はおでんのだしとも相性抜群。

「トマト×だし」

和洋折衷の組み合わせで、それがうま味の相乗効果を生み出しているんですが、でも最初の口当たりは意外と普通です。「ああ、トマトだな」という感じ。

しかし、何度かそしゃくするとうま味が口いっぱいに広がります。「意外といけるな」「あれ、おいしいな」「いやあ、かなりおいしい」という風にだんだん変化する様を楽しめるんです。

トマトのおでん、ぜひ頼んでください。

 

名物「今ちゃんハイ」ってなんだ

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▲そして、もう一品。トマトを使ったメニューをオーダーします

 

トマトがおでんの大事なメンバーであることはよくわかりました。しかし、このお店にはトマトを使ったメニューがもうひとつあります。

それが「今ちゃんハイ(660円)です。

 

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▲グラスにトマトを入れてつぶします

 

「今ちゃんハイ」は常連の今村さんがいつものように金柑ジントニックを頼んだところ、あいにく金柑が品切れで、仕方なく代わりにトマトを入れたことから偶然生まれたというメニューです。

今では注文上位のドリンクなんですが、実はメニューには載ってないんです。だから、隣で常連さんが飲んでるのを見て、あれなんだろうとヒソヒソ話すお客さんの姿も。

 

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▲トマトをつぶし、ジンとトニックウォーターを入れたら完成です

 

「メニューに載ってないということは、常連さんしか頼めないのかしら」という心配はご無用。載せない理由は「そっちの方が面白いかな」(店主・日高さん)と言い切っちゃうようなお茶目な店主なので、安心して頼んでください。

ちなみに店主は堺雅人さんに似ています。気になった方は最後まで記事を読むと店主の写真が出てきます。

 

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▲中に入ったトマトの皮は立派なつまみになりますよ

 

ジントニックの爽やかな風味と、トマトの酸味がよくあいます。

トマトの青さがトニックウォーターと重なっていい風味を出してるんです。トマトはビタミン、リコピン、カリウムなどを豊富に含んでいますよね。その上、おいしい。

本当に素晴らしい野菜なんです。ということは、もしかするとこのドリンクをずっと飲んでたら、どんどん健康になるんじゃないでしょうか。トマトのおでんにトマトハイ。

これはすごい。

 

とにかく試して欲しい。本当においしいから

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▲飲めば飲むほど健康になる。青汁ハイを飲んで以来の感覚です

 

このままだと、トマトは素晴らしい、という結論で終わりそうなので、最後に話を元に戻しますが、二毛作にきたら、ぜひトマトを使ったメニューを頼んで欲しいと思ったというわけです。

本当においしいから。

私はといえば、この後、ハシゴして飲みすぎ記憶を失いましたが、これからもトマトをたくさん食べて健康に気を使って、今年も素敵な原稿を書けたらと思っている次第であります。本年もよろしくお願いします。

 

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▲個性豊かな二毛作のスッタッフ。みなさん感じが良くて本当に素晴らしいお店です

 

お店情報

おでん 二毛作

住所:東京都葛飾区立石1-14-4
電話番号:03-3696-6788
営業時間:月曜日〜金曜日14:00~23:00、土曜日12:00〜22:00
定休日:日曜日、第3月曜日

www.hotpepper.jp

 

書いた人:キンマサタカ

キンマサタカ

編集者・ライター。パンダ舎という会社で本を作っています。 『週刊実話』で「売れっ子芸人の下積みメシ」という連載もやっています。好きな女性のタイプは人見知り。好きな酒はレモンサワー。パンダとカレーが大好き。近刊『だってぼくには嵐がいるから』(カンゼン)

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