ニッポン全国 美人ママさんハシゴ酒:第9回 下北沢「BATHTUB GIN」美穂(みほ)ママ
今回のお店があるのは下北沢。
ある意味、東京でも独特の飲み屋さんがいっぱいあるところ。
そして、今回、めちゃくちゃ個性的なお店で、これまた個性的なママがいらっしゃいました。
北口と南口では雰囲気が違うけど、今回は北口。
駅前は再開発でずいぶん変わっちゃったね。
でも、こんなよさげな立ち飲み屋さんがあったりします。
「マグロさん、そこじゃないでしょ」と平山カメラマンに注意される僕。
一番街商店街にお店はあるんだけど、住所だけで行くととてもわかりづらいので、この写真と文章を参考にしてね。
この“B”マークの看板が目印。
けっこうわかりづらい場所にある。一番街という商店街の「心」というスープカレーのお店の前にあるビルの3階。
この階段を3階まで上るですよ。3階までのぼるとこんな光のゲイトがあるよ。
ドアがあるんだけど、そこの隣にあるインターフォンのボタンを押すべし。
ちょっと秘密めいていていいでしょ。
ドアが開いた。奥からママらしき人の声がする。
「どぉぞ~」というけど、まだまだ。
さらに「靴を脱いで、スリッパ履いてくださいね」
スリッパを履かなくちゃいけない。
「えっ、ここのスリッパですか?」
「そこに名前の書いてないのがあるでしょ」
「あ、はい、はい」これですね。スリッパに名前を書いた。
スリッパを履いて、店内へ。
おお、ママ登場!
おっ、美人ママ……なんですけど面白い方ですね。
「あのね、ママじゃないのよ」と、
名刺をいただく。
「河原美穂」というお名前、そして肩書がなんと“パートナー”とある。
「ママじゃなくて、パートナーなんですね」
「そう、今夜は私があなたのパートナー……みたいな」
なるほど、じゃ、このコーナーも今回は『美人パートナーさんハシゴ酒』ってことかな。
ところで、お客さんはなんて呼ぶんですか?
「普通に名前で『美穂』って呼ばれてます」
それじゃ、美穂さん、乾杯したいので、お酒をお願いします。僕は、ハイボールにしようかなか。ママ……いや美穂さんは?
「私も同じもので」
よろしくお願いします。
おっ、ウィスキーは「白州」なんです。
キャンドルがいいですね。
「ウチはガス圧の高い、国分のソーダを使っております」と美穂さん。
関西弁に近いけど、関西弁とはまた違うイントネーションが素敵。
「出身が岡山なんですよ」
「グラスはバカラですよ」
バカラか。お高いんでしょ。
「グラスの口あたりで味も変わるので、飲み物に応じて薄張りなど合ったグラスを使うようにしています」
ハイボールを作りながらも面白トークがどんどん飛び出す。
▲ハイボール(1,100円)
「はい、ハイボールどうぞ」
それじゃ、美穂さん、はじめまして。カンパ~イ!
いただきま~す。ごくごく。
ぷはー、うまいねぇ。
お通しとか、あるんですか。
「はい。ありますよ。カワキモノなんですけどね、はい、どうぞ」
▲チャージ(700円)
お通しはいくらなんですか?
「チャージが700円で、それに含まれてますね。それにスリッパ代も込みです」
ああ、スリッパ、お通しでチャージ700円か。それって、けっこう安いんじゃないの。
それにしても、店内、いろいろと凝ってますね。
「我が家にようこそ! っていう自分のお部屋に招く感じをコンセプトにしています。 インテリアのテイストはヨーロッパ調ですが、どことなく昭和感とキャバレー感を意識しています」
「タモリさんが昔やってた番組で『今夜は最高!』っていうのがあったんですけど、そういう世界観のあるお店にしたかったんですよ」
美穂さん、おかわり。レモンサワーをもらおうかな。
▲レモンサワー(700円)
ところで、素敵な店名ですね。「BATHTUB GIN(バスタブ ジン)」。どうしてこの店名を?
「アメリカの禁酒法時代に、バスタブで密造酒をつくってて、それらのお酒の総称をバスタブ ジンって呼んでたみたいなんですよ。お店やるなら、もうこれしか浮かばなかったんですね」
店名もなんか、秘密めいていいですよね。
もう、こちらのお店は長いんですか。
「来月で一周年です」
では、最近なんですね。それまでは?
「約30年間、ホステスやってました。岡山と銀座で」
あっ。年齢がバレちゃいますね。
「あ、ぜんぜん大丈夫ですよ。いま、46歳です」
それにしても、以前は銀座のホステスさんだったんですね。
「11年間やってましたね」
なるほど、下北沢で銀座の雰囲気が楽しめるわけだ。
「そう、さしずめここはリトル銀座かしら(笑)」
するとここで、編集のM氏が
「お店のフェイスブックを拝見させていただいたのですが、美穂さんの服装が、毎日のように違うんですよね。紹介させていただいていいですか」
「あ、いいですよ」
ということで、これまでの美穂さんのいろいろなファッションチェック!
以上、美穂さんの七変化。
毎回、凝った服装にお化粧ですね。
しかもすっごいオシャレさん&お茶目な感じ。
「朝、起きてから2時間ほどかかるのよ、いろんな部分の工事に(笑)」
おっ、ここに置いてあるのはトマトジュースの「クラマト」ですね。
それじゃ、クラマトハイをいただきましょうか。
▲クラマトハイ(900円)
これ、かなりおいしいですね。ブラックペッパーがクラマトの味を引き出してますね。喉越しに奥行きがあるなぁ。
おや、そこに貼ってあるのは、美穂さんの書ですか。“平常心”?
「今年、私、天中殺なんですよ。だから“平常心”で乗り切ろうかと。あとは、カッとなってもその“平常心”って文字を見てね、そうそう、“平常心”って思うようにしてるのよ」
おや、こんなものがありますね。これ、鞭ですか?
「まあ、これで誰かを叩くわけじゃありませんけどね」
「叩くなら、スリッパかしら」
美穂さん、すっかり酔っぱらっちゃいましたよ。あ、お手洗いに行っていいですか?
「はい、そこにありますよ。うちのお手洗いは背面座位でお願いしますね」
えっ、こんな感じですか。
男性も座ってしてね、ということですね。
それにしても、店内にコタツがあるんですね。
「ちょっと自宅に遊びに来ているみたいでしょ? お客さんが来ないときは、こうしてくつろいでいたりするんですよ」
美穂さん、そろそろ、〆の一杯をもらおうかな。何かおすすめはあります?
「大人のミックスジュースとか、どう?」
おもしろいですね。それをぜひ!
▲大人のミックスジュース(1,100円)
これは、おいしそう。いいかんじのビジュアルですね。いっただきまーす!
うっはー、本当にミックスジュースだ。そして、ちゃんとお酒もはいっているね。これは初めての体験。いいぞ、いいぞ。
ついつい、胸元に目がいっちゃいます。
「ははは、見るだけならタダなんで」
ところで、お休みの日とか何しているんですか?
「うーん、何しているんだろ」
趣味とかは?
「うーん。あ、ライブに行くとか」
へえ、どういう方を?
「最近は、井上陽水さんを見に行きましたね。あと、ボブ・ディランさんとか。奥田民生さんも好きですね」
さすがに接客業30年の経験というか、とにかく会話で飽きさせない美穂さん。編集M氏が帰り際に僕の耳元で、「一瞬たりとも嫌な気分にさせない人ですね」と言っていた。
あー、そういう感じ、わかるなぁ。
美穂さん、またきますね。それじゃ、お会計!
美人ママFile #009
下北沢「BUTHTUB GIN」美穂さん
お店のモットーを教えてください。
「最低限のマナーを守ってくだされば……泥酔されてる方はご遠慮いただいてます(笑)」
美穂さんの好きな男性のタイプは?
「いいニオイの男が好きね」
自分の性格をひとことで言うと?
「人から嫌われることを恐れない、ですかね」
いちばんの得意料理はなんですか?
「茶色いもの。煮物だとかカレーライスとか。安定のブラウンです(笑)」
どんな言葉で口説かれたらドキッとしますか?
「言葉はいらないですね。私、自分から行っちゃうタイプですから(笑)」
『メシ通』の読者にひとことお願いします!
「Facebookにお店のページがあるので、まずはイイネをしてね」
お店情報
BATHTUB GIN
住所: 東京都世田谷区北沢3-25-1-301
電話番号:03-6804-9766
営業時間:20:00~
定休日:不定休
※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。
写真:平山訓生