【シリーズ】至高のグルメバーガー10選no.4「No.18 DINING & BAR」@池袋
グルメバーガーの取材を続けていると、「あそこがおいしい」とか「あのバーガーが最高」ってな話が自然と耳に入ってくるようになるのですが、なかでもここは特にグルメバーガーマニアの間でかなり絶賛されているお店。
なんでも、某有名グルメガイド「◯◯◯◯◯に掲載されるって話がある」とか。
本当なんでしょうか? とりあえず、お店に向かってみましょう。
池袋駅東口から、池袋六ツ又交差点方面へ歩いて行きます。サンシャインシティの方へ行ってはダメです。文芸座とかそっちの方です。
やや殺風景な道ですが、ずんずん歩いていくと六ツ又陸橋が見えてきますので、それを越えてさらに歩きましょう。
10分弱歩いたところで、先に橋が見えてきまして、
その手前にほんのりとハンバーガーの置物が見えますね。
ここが、「No.18 DINNING & BAR」。
駅からは遠いけど、見つけづらい場所だけど、昼時には行列ができるお店なのです。
ランチタイムは、火、木、土、日の営業、ディナーは定休日の月曜日以外毎日やっています。
さあ、入ってみましょう。えっと、重厚な木の扉でバーみたいです。店名も「DINNING & BAR」だし、ハンバーガー店だと知らないと、すごく入りづらそうです。
いや、でも勇気を出して入ってみます。
店内は、タイトですっきりとした印象。金属と木の組み合わせがかっこよくて、「男の隠れ家」感がありますよ。
こちらが、オーナー店長の長谷川敬洋さん。
一見怖そう(失礼!)にも見えますが、こちらのお店は「お店の人が親切、接客が良い」という評判なのです。
どっちもよく言われます。ホントは優しいんですよ(笑)。あと、「パンク好きっぽいね」もよく言われるんですが、そんなことないです。ジャンルにこだわらずかっこいいと思えばなんでもいいんですけど、お店でかけているのはHIPHOPが多いです。今かかってるのはドイツのHIPHOPで「Momentan」っていうのです。
長谷川さんは、美大の空間演出デザイン学科卒。学校では店舗設計などを勉強し、その関係でいろいろなお店のオープンに関わることが多く、それが自分のお店を持ちたいと思うきっかけにもなったそうです。
お店の内装も、ほとんど長谷川さんが友達と一緒に手作りで作り上げたとか。
さすが専門家だけあって、良い意味で手作り感のない見事な仕上がりです。
さて、美大を卒業した長谷川さんは美術の道へは進まず、和食店、ビストロで約2年、そして港区の某有名ハンバーガー店で約2年働いた後に独立、2014年に9月1日にこの「No.18 DINNING & BAR」(以下、「No.18」)をオープンさせました。先日、めでたくオープン3年を迎えたところです。
今は、弟さんと2人でお店を切り盛りしています。
ちなみに港区の某有名ハンバーガー店とは、トランプ大統領が来日した時にハンバーガーを出したお店だそうです。
なんでウチに頼んでくれなかったんですかね? でも、自分的にはウチのが日本一うまいと思っていますからね! みんなそれぞれいろいろ好みがあると思うんですけど、ウチは自分が一番おいしいと思うものを提供してるんです。
──そして、某有名グルメガイドに星がつくかも、って話もあるとか?
星、欲しいですね 。 星ください!
──ちなみに店名の「No.18」ってなんなんでしょうか?
誰でも読めるとか、検索しやすいとか、あと日本では「十八番」って一番得意なもののことでしょ? よく「◯◯選手の背番号から?」とか聞かれますが、それはみなさんが勝手に思ってくれれば(笑)。
さて、さっそくご自慢のハンバーガーをいただいてみましょう。
見えないところに異常に手間をかけた、繊細かつ美しいハンバーガー
まずは「アボカドチーズバーガー」から。
こちらがパティ。
このパティには長谷川さんのただならぬこだわりが詰まっているのです。
肉はもちろん牛肉100%。USビーフの肩ロース、チャックアイロールの、チルドの塊を仕入れています。冷凍してないチルドがいいんです。これのしっかりパックされた未開封のものをお店で初めて開けて空気にさらすので、鮮度がいいんです。
──脂の少ない、きれいなパティですね!
塊肉をスジ取りして肉を切り出していくのですが、うちは本当に異常なくらい丁寧にスジ取りをしているんです。他でこんなことしてるお店はないんじゃないかな? その肉をハンドチョップで細かく切って、ほんの少しのミンチでまとめています。
なので、口当たりが圧倒的に別ものなんです。
──脂はかなり少ないですよね?
脂はかなり少ないですね。純粋に赤身のおいしさを追求しています。しっとりしていて、歯応えがあるけど、ほぐれるような柔らかさの、フィレステーキの食感を出すようにしてます。
──パティを焼くのはフライパンで。意外にシンプルですね?
他のお店もいろいろやってるとは思うんですが、炭火焼とか遠赤外線とか。フライパンは細かな温度調整が効くのと、うちのパティには一番合っているのと、なにより慣れもあったのでこの方法を採用しています。
遠赤外線効果や炭火の効果や利点はありますが、うちのパティ(脂の少ない赤身中心のパティ)の火入れには不向きだと考えています。脂の含有率を高めることや、肉の部位の配合を変更することで鉄板や炭に合わせたパティを作るのは可能ですが。
ちなみに、このお店では注文の時に、「ミディアムレア気味に焼いてますが大丈夫ですか?」と焼き方の好みを聞いてくれます。
お店の推奨は、肉のフレッシュさを生かしたミディアムレアですが、しっかり焼いて欲しい方はお願いしてみましょう。
バンズは定番の峰屋(グルメバーガー各店のバンズで有名な新宿区のパン屋さん)です。
峰屋は各店の注文に合わせて特注のバンズを作ってくれるのです。
最初に相談した時に「峰屋さんが考える最高峰を作ってください」って言ったんですよ。他のタイプもいろいろ作ってもらったんですけど、結局、最初に作ってもらったものになりました。王道のバンズですね。
バンズはオーブンで焼きます。
チーズのデフォルトはこのチェダーチーズです。モッツァレラバージョンもできます。
バンズにチーズをのせたら、フタをして溶かして、
ファイヤー!
焦げ目をつけて、
こんがり焼けたチーズのせパティができました。
さて、このお店で有名なのは、美しいアボカドの切り方。
これ、インスタ映え最高なんですよ。
まずは、このように細かく切れ目を入れて、
ツーっとこのように広げます。
焼き上がったパティの下側には自家製のマーマレードマスタードソース。
上側には自家製タルタルソースを塗ります。
合体させて……
トマトとレタスをのせて、できあがり!
▲アボカドチーズバーガー(1,300円)
なんとも美しい。
きれいにきっちり折りたたまれたレタス、シャープにカットされたトマト、美しい曲線を描くアボカド。
どこをとっても繊細で美しい仕上がりです!
お次は、今イチオシの夜限定「自家製ベーコーンチーズバーガー」。
普通のベーコンチーズバーガーもあるのですが、「自家製」の方はすごいベーコンが挟まってくるのです。
おお、この角煮のような固まりは?
これがベーコン……すごい迫力です。
ベーコンは塩漬け、燻製までここでやってます。研究を重ねてハンバーガーに合う柔らかい肉感を出すようにしました。普通のベーコンと違ってすごく柔らかいんですよ。肉だけど、ダブルパティとは違うようにと考えています。
▲自家製ベーコンチーズバーガー(1,600円)
これまた、美しい。
上が自家製ベーコン、下がパティ、同じくらいの厚みです。
これを紙に包みまして、
いただきま〜す。
自家製ベーコンは本当に柔らかくとろけるようだけど、わずかな歯応えを残しています。ミディアムレアのパティはまさに肉。
ステーキみたいだけど、ステーキよりも柔らかいというお得感。
味付けがシンプルなので、肉の味がしっかり味わえます。マーマレードの香りがアクセントに。
厳密な理論に基づいて作られているハンバーガー
ハンバーガーは、バラバラに食べてもおいしいもの同士を重ねることによって、もっとおいしく味わうって料理です。
そして、「No.18」のハンバーガーは、長谷川さんの考える厳密な理論に基づいて作られているのです。
味の感じ方って、ロジックで考えられるんですよ。例えば、舌の使い方。舌はパーツによって味の感じ方が違うんです。どの部分でどういう味を感じるか、塩味の感じ方とか。そういうことを考えながら、まず理論で作ってみて、食べてみて調整しています。
長谷川さんは、今も日々研究を重ね、おいしいハンバーガーを生み出し続けています。
今後の展開にも期待大。
ごちそうさまでした!
お店情報
No.18 DINNING & BAR
住所:東京都豊島区東池袋2-63-15 前田ビル1F
電話番号:03-6914-3718
営業時間:ランチタイム【火曜日、木曜日、土曜日、日曜日のみ営業】11:00~15:00(LO14:30)、ディナータイム18:00~23:00(LO22:30)
定休日:月曜日
Facebook:https://m.facebook.com/no.18diningbar/
※この記事は2017年11月の情報です。
※金額はすべて税込みです。
※2018/1/11追記:一部表記に誤りがありましたので訂正しました。