筋金入りのハンバーガーマニアが追求した「100%理想のハンバーガー」が美しすぎた【至高のグルメバーガー】

f:id:Meshi2_IB:20171219184140j:plain

【シリーズ】至高のグルメバーガー10選 no.5「ICON」@南新宿

飲食店を自分で経営しようとしたら、ただ「おいしいものをお客さんに出したい!」だけじゃ済まないこともありますよね。

自分が最高においしいと思う料理を作ってもお客さんの受けがイマイチだったり、納得できる材料を使っていたら原価が高くなり過ぎてしまったり。それだとお店を維持していくのは大変です。

自分の好きな料理を納得できる形で作っていくために、他のハンバーガーショップとは変わった運営方法で営業しているハンバーガーショップがあります。

f:id:Meshi2_IB:20171219184805j:plain

場所は、代々木駅からも新宿駅からも徒歩圏内、でもすこし分かりづらいところにあります。一番近い駅は小田急線・南新宿駅、公式情報では駅から徒歩22mとのこと。

写真の手前にあるのがこの「ICON(アイコン)」、そして奥に見えるのが南新宿駅です。

なので確かに近いのですが、駅の出口を出たらすぐ右の細い路地を入っていかなくてはなりません。地図アプリを使ってもわかりにくくて、私はぐるっと遠回りしてしまいました。といっても、徒歩3分くらいでしたが。

 

f:id:Meshi2_IB:20171219185459j:plain

近寄ってみると、確かにハンバーガー屋さんです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171219185546j:plain

シンプルだけど一目でハンバーガーだとわかる、かわいいロゴですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222140345j:plain

中に入ってみると、店中を埋め尽くすようなハンバーガーグッズが!

 

f:id:Meshi2_IB:20171222140407j:plain

クッションもハンバーガー型。壁にもぎっしりハンバーガー本やハンバーガーグッズが飾られています。

 

採算にとらわれずに最高のハンバーガーを作りたい

まるでハンバーガーマニアの自宅のような店内……。

f:id:Meshi2_IB:20171222140552j:plain

なぜならば、「ICON」のオーナー店長・片寄雄太さんが筋金入りのハンバーガーマニアだからなのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plain専門学校を卒業してすぐの20代の時に三軒茶屋の「ベーカーバウンス」でハンバーガーを食べて、その時に初めてグルメバーガー的なハンバーガーを食べたんですが、あまりのおいしさに感動して、それからハンバーガーの食べ歩きを始めたんです。ブロガーみたいな感じで全国どこに行ってもそこの名物よりもハンバーガーを見つけて食べてます。

 

実は片寄さんが通っていたのは音楽の専門学校。ベーシストとして音楽活動をしていて、その後デザイナーに転身。自らが代表を務めるデザイン会社は4年前に会社登記しました。

その時に、会社の業種にデザイン等だけではなく、「飲食店」も入れていたのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainデザイン会社をやりながらもハンバーガーショップをやりたいとはずっと思っていたんです。なので、事務所の更新のタイミングもあり、店舗もできるところを視野に探したところこの物件を見つけました。

実は、デザイン業務もここでやっているんです。お客さんがいない時に奥でとか、アイドルタイムにはここの客席でやってます。

 

デザイン業務と兼業で運営しているので、ある程度ハンバーガーショップは好きなようにできるそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainハンバーガーの味には絶対に妥協したくないので、納得できる材料を使っています。原価率はかなり高くなっていますが、自分のやりたいことを、妥協せずに自分のペースでやりたいと思っているんです。

 

ちなみに「ICON」という店名の由来は?

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainハンバーガーって「食」のアイコンとして使われてることが多いと思うんですよ。あと、人が聞いた時にイメージがついていない言葉、食べて初めてお客さんにイメージを付けてもらうという意味でつけました。このロゴは自分でデザインして昔から使ってたものなんです。

 

季節の野菜をその場で調理! 個性的なオリジナルバーガー

さて、「ICON」ではレギュラーメニューの他に期間限定のハンバーガーを常時用意しています。

その季節、その日に出せるハンバーガーは、お店のツイッターとインスタグラムでお知らせされているので、ぜひチェックしてみてください。

f:id:Meshi2_IB:20171222152416j:plain

取材にうかがった時(11月)のイチオシは、秋メニューのかぶバーガー

かぶバーガーって聞いたことあります? 私は初耳でした!

どういう経緯で、かぶバーガーが誕生したのでしょうか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainお店を始めた時に知り合いに紹介してもらった新潟の農家さんにおまかせで野菜を送ってもらっているんです。その季節においしい野菜が詰め合わせで届くのですが、何が入っているのか開けるまでわかりません(笑)。

そこのかぶがものすごくおいしいので、かぶバーガーを作ってみました。かぶの旬が春と秋なのでその季節だけ期間限定でお出ししています。

 

旬のかぶ! 想像しただけでもおいしそうです。

では、かぶバーガー、早速作っていただきましょう!

 

事前の仕込みはなるべく少なくして、注文が入ってから、野菜を切るところから作り始めるそうです。

f:id:Meshi2_IB:20171222153125j:plain

こちらが、新潟の太田農園さんのかぶ。みずみずしいです!

 

f:id:Meshi2_IB:20171222153223j:plain

新潟でもこの地域の畑は土壌が砂地、と変わっているそう。それで、普通よりも野菜の皮が柔らかいのだそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainすごく皮が柔らかくておいしいので、皮ごと使っています。食べてみるとわかるんですが普通のかぶと全然違うんですよ。葉ももちろん使います。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222153738j:plain

バンズは、高田馬場「馬場FLAT」に特注している、国産小麦100%使用のもの。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222154648j:plain

バンズは鉄板で温めます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222154524j:plain

かぶの葉は炒めます。

こんなハンバーガー、初めてですよね!

 

f:id:Meshi2_IB:20171222154729j:plain

かぶはスライスして、オリーブオイルと塩でソテーします。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222163836j:plain

パティは、ブラックアンガス牛100%。部位はチャックアイロールをメインに、少し固めのハンギングテンダーを加え歯応えをプラス。ブロックで仕入れて、ハンドチョップで粗めのひき肉にします。いわゆるつなぎに使う肉もミンチにはせずフードプロセッサーで粗めに仕上げます。

脂はかなり少なめです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222164725j:plain

パティも鉄板で焼いていきます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222164801j:plain

温まったバンズの上には、自家製タルタルソース。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222164831j:plain

その上には、輪切りの赤玉ねぎ。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222164931j:plain

ハンバーガーは湿気で蒸れないように、この網の上にのせます。なんとこれもハンバーガー柄!

ハンバーガーマニアの片寄さんは、良いハンバーガーグッズを見つける度に買い込んでいるのですが、これもその一つです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222165220j:plain

ここにこのようにハンバーガーがのります。

 

そして、この上にのるのは……、

f:id:Meshi2_IB:20171222165638j:plain

こちらの、自家製セミドライトマト。これも珍しいですね。でも水分が出ないし、かさが減って食べやすくなりますね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainトマトの状態がその時によって違うので、乾燥することによってブレをなくすことができます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222170034j:plain

さて、ここにかぶをのせます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222170144j:plain

1枚。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222170212j:plain

2枚。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222170248j:plain

3枚。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222170323j:plain

4枚。

今にも崩れそうなギリギリのバランスでのっています。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222170357j:plain

炒められてかさが減った葉もこんもりと盛られます。

 

さてさて、かぶバーガーの完成形は……? 

f:id:Meshi2_IB:20171222170814j:plain

▲かぶバーガー(1,450円)

 

できました! かぶバーガーです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222171206j:plain

構成は、下から、タルタルソース、赤玉ねぎ、パティ、ドライトマト、かぶ、かぶの葉です。

レタスがなくて、トマトがセミドライでよく見えないので、かなりすっきりしたルックスになっています。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222171458j:plain

ランチタイムは、マッシュポテトとカップサイズのスープがセットになっています。

 

f:id:Meshi2_IB:20171222171608j:plain

牛すじ煮込みスープです。実はこれもぜひ注文したい逸品。単品ではスープ皿サイズで300円でいただけます。

ブロック肉を切り出す時にでる牛すじと、ハンバーガーに使う時にカットした野菜の端っこなどがたっぷり入っていて、じっくり煮込まれた優しい味です。

元の材料が良いので、おいしくないわけがないのです。

 

さて、さっそくいただいてみましょう。

f:id:Meshi2_IB:20171225172942j:plain

しっかり紙に包みます。

すごく食べづらそうに見えたのですが、包んで押しつぶすと意外にも一口でパクリといけるサイズになります。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225173033j:plain

バンズはさっくりとした食感。しっかりとした肉の味に、歯応えをやや残したジューシーなかぶが爽やかさをプラス、かぶの葉のわずかな苦味がちょうど良いアクセントになっています。

セミドライにしたトマトのおかげもあって、見た目よりずっと食べやすいです。かぶの他に水分の多い具材がないので、グシャッとなりません。そして濃縮されたトマトの酸味もさわやかです。

 

さらに爽やかな理由は、このハンバーガーにはソース系の味付けがされていないのです。タルタルソースと塩とコショウ。素材の味が引き立つ組み合わせです。

この味、かなり好きです!

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainベースのハンバーガーはタルタルソースがメインでシンプルなので、いろいろアレンジがしやすいんです。

 

これは、唯一無二の味ですね。

かぶバーガーが食べたくなった方は、ぜひ「ICON」へ。

でも冬はかぶがないので、また再開できるのは春になるそうです(予定)。

今の季節は違う野菜のメニューがあるので、それも楽しみたいもの。12月にはりんご、人参などが登場しています。

 

超貴重なカンボジア産の高級コショウがたっぷり、ペッパーペッパーペッパーバーガー

「ICON」の店内では、なぜかカンボジア産の高級コショウが売られています。

カンボジア製のコショウって聞いたことないですよ。

f:id:Meshi2_IB:20171225173920j:plain

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainカンボジア産のコショウは日本ではほとんど流通していないんですが、「世界一美味しい」、といわれているんです。

近所のカンボジア料理屋さんと仲良くなって、僕がデザインをやっているという話になったら、このコショウのパッケージをデザインしてくれってことになったんです。これが、普通のコショウと全然違うんですよ。香りも味も、辛味とかもものすごく良いんです。それで、このブラックペッパー、レッドペッパー、ホワイトペッパーをお店でも使わせてもらうことになって、さらに、日本ではめったに手に入らないカンボジア産の生コショウも仕入れさせてもらえることになったんです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174349j:plain

これが生コショウ。通常のペッパーペッパーペッパーバーガーはこれをバラしたものを入れるのですが、プラス100円でこの生コショウを一房丸々入れることができるのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174217j:plain

パティの黒いつぶつぶはコショウと思いきや違って、ニゲラ(またはブラックシード)というスパイスなんだそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174230j:plain

こちらがニゲラ。ふんわり花の香りもする独特なエスニックな香りです。インドや中東でよく使われているスパイスでさまざまな効能を持ち、最近はスーパーフードとして話題だそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174311j:plain

パティはチーズをのせて鉄板で焼きます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174413j:plain

バンズにはかぶバーガーとおなじくタルタルソースを塗り、輪切りの赤玉ねぎをのせ、真ん中にカンボジア産生コショウをひと房そのままのせます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174429j:plain

チーズがトロ〜リと溶けたところで、

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174446j:plain

まずは、レッドペッパーをミルでひきながらかけます。

その量が! え〜、そんなにかけてもいいの? ってくらい大量です。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plain僕がコショウ大好きなので、たっぷりかけます(笑)。すごく香りがいいんですよ。このミルも特殊なもので、普通はすりつぶす感じなんですが、これは刃で刻む方式なんです。これでまた香りがしっかり立ちます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174510j:plain

残り半分のスペースに、今度は黒コショウをこれでもかという勢いでかけていきます。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174538j:plain

コショウが大変なことになっております。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174614j:plain

そこに、セミドライトマト、レタスをのせて完成です。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174715j:plain

 ▲ペッパーペッパーペッパーバーガー(1,450円)(生コショウ一房に変更オプション+100円)

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174805j:plain

向かって左がレッドペッパー、右がブラックペッパーにゾーン分けしてあるのがおわかりになりますでしょうか?

 

f:id:Meshi2_IB:20171225174927j:plain

先ほどの生コショウは、こうやって上から見て縦のラインで入っています。レッドペッパーと生コショウ、ブラックペッパーと生コショウのハーモニーを意識して食べ分けてみてください、とのこと。

さて、いただいてみましょう。

ひと口食べると、コショウがただならぬ香気を漂わせてきます。

辛味だけではない、なんともいえないちょっとスッとしたさわやかな香りです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plain生コショウはしっかりかみ締めてみてください。そのままツルッと飲んじゃうと味も香りもしないので。

 

はい、よくかんでみます。モグモグ、なるほど! 口中に広がるさわやかな辛味。

これは貴重です。ペッパーペッパーペッパーバーガーはレギュラーメニューなので、今すぐにでも食べられます。

今回、やたらと「爽やか」という感想が多いのですが、 2つのハンバーガーどちらとも、違う意味ですごく爽やかでした。

 

ハンバーガーメニューは、基本のハンバーガーやマカロニチーズがあふれ出すほど入ったマッカンバーガーなど、爽やかではない(笑)がっつり系も充実しています。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109124820j:plain

ちなみに、ビールもツボを押さえたものを取りそろえていますので、ハンバーガーをつまみに飲み利用もどうぞ。

 

f:id:Meshi2_IB:20180109123549p:plainあと、うち実はコーヒーもすごくおいしいんですよ! 自家焙煎の良いコーヒー豆を仕入れてきてお店でひいてハンドドリップで入れています。豆の銘柄はその日の気分で変えてますので聞いてみてくださいね。

 

f:id:Meshi2_IB:20171225175211j:plain

店主、片寄さんの好きなものがたくさん詰まった「ICON」。とても居心地の良い空間でした。

ごちそうさまでした!

 

お店情報

ICON(アイコン)

住所:東京渋谷区代々木2−30−4 1F
電話番号:03-6385-2587
営業時間:火曜日・水曜日・金曜日11:30~21:30 、木曜日・土曜日・日曜日11:30~15:00
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合はランチのみ営業し、翌日休業)
Twitter:ICON (@ICON_yoyogi) | Twitter
ウェブサイト:http://burger.tokyo/

 

書いた人:工藤真衣子

工藤真衣子

カメラマン。美しい女性が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでテレビドラマのスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ雑誌など、素敵なものを愛を込めて撮るお仕事をしています。趣味は美味しい料理を作って食べること。

過去記事も読む

トップに戻る