名古屋土産界の新ヒロイン! 創業90年の老舗海苔店が本気出して作った「のり子さん」シリーズ

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ひと昔前なら、名古屋のお土産物といえば「ういろう」や日持ちする半生麺を使った「味噌煮込みうどん」くらいのものだった。いずれもズシリと重たいのが特徴で、これは贈る相手に「重たい=高価」と思わせる名古屋人の知恵といわれる(笑)。

しかし、名古屋めしの知名度がアップするとともに「小倉トースト」や「台湾ラーメン」「手羽先」などをアレンジしたお土産が続々と登場している。今回『メシ通』で紹介するのは、その中でもとびきり注目したいニューフェイスである。

 

駅の土産物店では、すでに人気者

先日、遠方に住む友人に贈るお土産物を買うために、名古屋駅新幹線地下街「エスカ」内にあるお土産物店「なごみゃ」へ行ったときのこと。

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店内の棚にズラリと並ぶお土産物のなかに異彩を放つ商品が目に飛び込んできた。

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※商品写真は許可を得て撮影しています。

 

それが「のり子さんシリーズ」なる海苔。

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海苔のパッケージで思い浮かべるのは、筆文字で描かれた老舗の風格が漂う純和風のデザインだが、こちらは女性の顔。それも“萌えキャラ”ではなく、どこか艶めかしいリアルさを感じるイラスト。

この人が……「のり子」さんなのか!?

 

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結構な人気なのか、売れ筋もよさそうだ。

 

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注目したいのは、商品の味や特徴ごとにパッケージに描かれている「のり子さん」のキャラが異なっている点。

な、なんですかこれは。

 

女性向け商品として生まれた「のり子さん」

「のり子さんシリーズ」の製造・販売を手がけているのは、名古屋市中村区名駅5丁目、錦橋近くにある「荒木海苔店」。

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もともと三重桑名市で八百屋さんを営んでいたそうで、東京・大森の海苔も売っていたという。その後、名古屋に移転したそうで、海苔問屋として創業90年を迎える老舗中の老舗だ。

 

店内に入ってみると……

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店頭にも「のり子さんシリーズ」がズラリ!

 

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8代目社長の荒木幸男さんに話を聞いてみた。

 

海苔問屋としての目利きで仕入れる海苔は絶対の自信があるのですが、お客さんには商品を実際手に取っていただかないと伝わりません。これまで海苔の商品は、どちらかというと男性向けのものが多かったんですが、購買層は圧倒的に女性です。そこでパッケージに関しても、女性のお客さんが手にとっていただける商品をめざしました。(荒木社長)

 

なるほど。老舗ならではの確かな目と、女性向けのマーケティングがいきた商品ってことか。

 

 「のり子さん」全種類をコンプリートしてみる

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 「のり子さんシリーズ」は全8種類。それぞれ実食して味の特徴をまとめてみた。

 

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まず、'09年にシリーズ第1号として商品化されたのが「塩味のり子さん 540円」

 

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味付け海苔は甘辛いというイメージがあるが、この「塩味のり子さん」はその名の通り、あっさりとした塩味。有明産の海苔の香りをさらに引き立てるのはごま油だ。

だからといって韓国海苔のような濃厚さはない。ご飯はもちろん、トーストやピザにのせても旨いだろう。

 

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 「塩味のり子さん」と同時発売されたのが「辛口のり子さん 540円」

 

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パッケージに描かれたのり子さんの顔が真っ赤なのは、怒っているからではない。商品名の通り、辛いのだ。

とはいっても、有明産の海苔の味と風味を壊すような強力な辛さではない。ごま油の風味が広がった後に、ラー油の辛味がじんわりとくる感じだ。これはビール片手にそのまま食べるのがオススメ。

 

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 「のり子さん」シリーズのなかでいちばんの人気商品が名古屋嬢 ふりかけのり子さん 540円」

 

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ふりかけに使用するのは通常、焼き海苔を細かく刻んだ刻み海苔、それもオマケ的に少しだけ入っている程度だが、「名古屋嬢 ふりかけのり子さん」は焼き海苔を揉んで細かくしたもみ海苔をふんだんに使っている。

 

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しかも、風味がより引き立つように海苔には味が付いている。あられもたっぷり入っていて、ハンパないゴージャス感。そのためにパッケージののり子さんは巻き髪の名古屋嬢風。

巷のふりかけとはまったく違う。海苔のプロが作ると、ここまで完成度が高くなるのだ。炊きたてのご飯にふりかけるのも良いが、玉子かけご飯にかけるのが最高。

 

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ちなみにこの「名古屋嬢 ふりかけのり子さん」は、全国加工海苔協同組合連合会主催の第20回全国加工海苔品評会で水産庁長官賞を受賞している。海苔業界でも一目置かれた逸品なのだ。

 

ダンサー風からマダム、女将さんまで……

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レゲエダンサー風のり子さんが描かれているのは「のり子ブラック 540円」

 

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荒木社長いわく「『ブラックのり子さん』にしようと思ったのですが、悪役っぽくなってしまいますからね(笑)。そこで戦隊もののキャラクターを意識して『のり子ブラック』にしようと」。

有明産の海苔にGABAのブラックペッパーを配合しているため、ピリッとした刺激がクセになる。これも「辛口のり子さん」と同様に、ビールとよく合う。唐揚げに巻いて食べたり、細かくしてサラダにのせても相当キレのある(味覚の)ダンスを披露してくれるに違いない。

 

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次は、口元にあるホクロが何とも色っぽい人妻風のり子さん名古屋マダムのり子夫人 540円」。大人の魅力がたまらないパッケージである。

 

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「実は普通の味付け海苔を作るのを忘れていまして(笑)。しかし、どうせ作るのなら他にはないものを作ろうと思ったんです」と語る荒木社長。

そこで着目したのは、味のベースとなる昆布ダシ。その割合を多くして、口に入れたときに広がる昆布の甘みを実現させたのだとか。醤油味とのバランスも秀逸で、キング・オブ・味付け海苔と言っても過言ではない。これはやはり、シンプルに炊きたてのご飯のお供にしたい。

 

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「のり子さんシリーズ」のなかで唯一、箱入りの商品がこの「お茶漬けのり子さん 540円」。着物姿ののり子さんは小料理店の女将さんといったところか。

 

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小料理店といえば、刑事もののドラマで主人公が足繁く通う姿をイメージしてしまう。事件も解決し、お酒の〆に「お茶漬け、ワサビ多めで」なんて注文しているという……。

 

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パッケージに「まあ、海苔多すぎ…」とのり子さんが呟いているように、とにかく海苔、海苔、海苔だらけ! 茶碗から溢れるほどのボリュームだ。

 

一般的な海苔茶漬けって、海苔が少ないですよね? そこで驚くほど多く入れてみました。(荒木社長)

 

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小料理店でも、いや、お茶漬け専門店でもこんなにも沢山の海苔は入っていない。これはまさに海苔茶漬けの真骨頂だ。

多めのワサビをのせて食べても、もちろんイケる。

 

「デラックス」の称号はダテじゃない!

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シリーズのなかで一際異彩を放っているのが太めのボトルが特徴の名古屋ママ のり子デラックス 648円」

他の商品と違って、どこかで見たことのあるようなふくよかさで迫力のあるのり子さんが!

 

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肝心の味は、もっともシンプルな焼き海苔。

肩スカシにあったような気分だが、少量の醤油をつけてからご飯にのせて、箸でくるりと巻いて食べてみると……。

 

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なんと。今まで食べていた海苔はいったい何だったのかと思うほど旨い。旨すぎるのである。香りや味、パリッとした食感など、すべてにおいてこれまで食べていた海苔とはひと味もふた味も違うのだ。

さすがはデラックス、恐るべし。パッケージはかなり遊んでいるが、荒木海苔店の本気を見たような気がした。

 

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シリーズ最新作は「ツーンとのり子さん 540円」。ワンちゃんを抱いた白い帽子の女性は名古屋セレブをイメージしたものだろうが、ツーン=名古屋セレブとは。

 

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味はみなさんの想像通り、鼻にツーンとくるワサビ味。しかし、決してジャンキーな味ではなく、ワサビの刺激と海苔の風味が絶妙に交じり合う上品な味わいだ。きっと有明産海苔のポテンシャルが高いのだろう。

これはもうマグロの刺身に巻いて、日本酒とともに堪能したい。そして名古屋セレブがお酌をしてくれたら言うことないぞ(笑)。

 

以上、8種類の「のり子さんシリーズ」を紹介してきた。『メシ通』読者のみなさんは、どののり子さんがお好みだろうか?

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ちなみに、これらは「荒木海苔店」の店頭のほか、公式サイトでも購入できる。

また、前出の名古屋駅新幹線地下街「エスカ」内のお土産物店「なごみゃ」をはじめ、星ヶ丘三越、中部国際空港セントレア、東名阪自動車道大山田PAでも販売中。

名古屋土産のニューヒーロー、いやニューヒロインともいえる「のり子さん」シリーズ、東海地方へお越しの際はぜひ手に取ってみてほしい。

 

お店情報

株式会社荒木海苔店

住所:名古屋市中村区名駅5丁目21-6
電話番号:052-582-0006
営業時間:8:30~17:30
定休日:日曜日・祝日、第2・第4水曜日
ウェブサイト:http://www.arakinoriten.com/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は2016年4月のものです。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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