こんなクリエイティブなたこ焼きってかつてあった?「TAKOYA まんぷく」【愛知県安城市】

f:id:Meshi2_IB:20170804132504j:plain

たこ焼きはリッパな食事だ!

世の中には、食事なのか、それともおやつなのか、よくわからない食べ物がある。

例えば、お好み焼き。専門店で食べるのは食事といえるだろう。関西ではお好み焼きをおかずにごはんを食べる習慣もあるようだし。

一方、同じお好み焼きでもスーパーの軒先で売られているものはどうか。食事としては頼りないのでおやつではないのか。

 

では、たこ焼きは食事だろうか? それともおやつだろうか?

たこ焼きはスーパーのお好み焼きよりも量的に少ないし、たこ焼きでごはんを食べる「たこ焼き定食」なんて聞いたことがない。ゆえに、おやつだろう。いや、おやつに違いない。

 

「ちょっと待ったぁー!」と、たこ焼きおやつ論に異を唱えるのは、愛知県安城市にあるたこ焼き店「TAKOYA まんぷく」の店主、築山恵太さん。

f:id:Meshi2_IB:20170804132528j:plain

「確かに、たこ焼きは気軽に食べられるおやつかもしれません。でも、僕は料理としてのたこ焼きを目指しています。将来、食事をする際の選択肢のひとつにたこ焼きを加えてもらえたらと思っています」(築山さん)

 

f:id:Meshi2_IB:20170804132541j:plain

築山さんのお店「TAKOYA まんぷく」は、2012年に安城警察署の西側に開店。

黒を基調とした、カフェを思わせる外観はたこ焼き店には見えない。

 

絶妙なふわとろ食感

とりあえず、たこ焼きを作ってもらうことに。

f:id:Meshi2_IB:20170804132551j:plain

熱したたこ焼き器に手際よく生地を流し入れ、具材を入れていく。

頃合いを見て、生地をピックでひっくり返す。そのさまは、まるで楽器を演奏しているかのようにリズミカル。

 

f:id:Meshi2_IB:20170804132608j:plain

完成したのがベーシックな「ふわとろたこ焼き」(8個 520円)。

その名の通り、表面はカリッと、中はとろとろ。ハフハフしながらかむと、生地に閉じ込められたタコのうま味がドバーッとあふれ出す。

うん、たこ焼きとしてはかなりレベルが高い。

 

f:id:Meshi2_IB:20170804132619j:plain

「何といっても、出来立てがいちばんおいしいですから、作り置きせず、注文ごとに焼き上げます」(築山さん)

 

焼くのにサラダ油ではなく、ヘルシーなオリーブオイルを使ったり、タコは地元愛知県三河湾産を使用したりと、食材を厳選。

 

f:id:Meshi2_IB:20170804132631j:plain

また、ふわとろ食感を生み出す生地は小麦粉から自家ブレンド。

コクがあり、香り高い「定番のソース」のほか、まろやかな口当たりの「九州醤油」と愛知県産の塩と調合したゴマの香りが味を引き立てる「やみつき塩だれ」の3種類から選べる。

 

中身は豚肉のミルフィーユ!

築山さんのたこ焼きに対するこだわりは理解できる。だからといって、おやつというポジションから脱却できるかどうかは別の話だ。そのあたりを築山さんはどう考えているのだろうか?

f:id:Meshi2_IB:20170804132647j:plain

「とりあえず、これを食べてみてくださいよ」と、築山さん。ネギとマヨネーズ、糸唐辛子をトッピングしたたこ焼きを出してくれた。

 

ん!? 何だコレ! メチャクチャうまい!

 

タコの代わりに豚肉、それもミルフィーユ状に幾重も重なったバラ肉が入っているではないか!

f:id:Meshi2_IB:20170804132701j:plain

かむたびにほとばしるジューシーな脂と濃厚なうま味は、タコの繊細なうま味とはまったく別物。

これを食べたら、フツーのたこ焼きでは物足りなさを感じてしまうほどだ。それは築山さんも理解している。

 

f:id:Meshi2_IB:20170804132712j:plain

「残念ながら、肉には勝てないですよね(笑)。レギュラーメニューにしたら、たこ焼きが売れなくなるかもしれません(汗)。季節ごとに限定メニューを出しているんですが、これは今年秋に出す予定の『安城農林高校産豚バラミルフィーユ焼き』(4個 500円※予定)です。メニュー名にあるように、地元の安城農林高校の学生さんたちが育てた豚肉を使っています」(築山さん)

 

出汁やキムチ鍋ともコラボ

限定メニューを出すようになったのは、オープンして1年が経とうとしていた頃。

西尾市の評判のうどん店の店主とともに開店一周年記念のコラボイベントを開催したときに、うどんの出汁を使って、明石焼き風のたこ焼き「おだし」を出したのがきっかけだった。

f:id:Meshi2_IB:20170804132729j:plain

評判は上々で、冬の定番となった。

 

築山さんはそこにたこ焼きの可能性を見出した。

f:id:Meshi2_IB:20170804132744j:plain

「チーズと自家製燻製ベーコンを入れたイタリアン風の『蛸燻(たこやいぶし)』や豚肉とアスパラ入りの中華風『BAP。』など次々と作りました。いちばん大変だったのが、たこ焼き入りの1人用のキムチ鍋とごはん、チーズをセットにした『キムたこ鍋+チーズリゾット』。オペレーションも完全に無視して、勢いだけで作りました(笑)」(築山さん)

 

実は今年の秋の限定メニューがもう一つあるそうで、築山さんは再びたこ焼き器に生地を流し入れた。

f:id:Meshi2_IB:20170804132755j:plain

生地に火が通ったところで、空いている穴に溶き卵を投入。

その上に焼き上がったたこ焼きをのせた。

ん? オムレツ風たこ焼きか???

 

トリュフの香りが広がって……

たこ焼きが焼き上がったところで、築山さんは冷蔵庫から何かを出した。

f:id:Meshi2_IB:20170804132808j:plain

なんと、それはトリュフ。

夏はトリュフの価格が下がるとはいえ、世界三大珍味の一つであり、高価であることは間違いない。

いったい、これをどうするのか!?

 

f:id:Meshi2_IB:20170804132827j:plain

なんと、スライスしたトリュフをたこ焼きの上にのせているではないかっ!

しかも尋常ではない量。

なんじゃこりゃぁぁぁ!

 

f:id:Meshi2_IB:20170804132845j:plain

「これが『トリュフたこ焼き』(4個 1,000円※予定)です。トリュフとの相性を考えて卵を使いました。ソースもトリュフオイルをくわえて作っています。まだ原価計算をしていないので、1人前でどれくらいトリュフを使えるかわかりませんが、味はほぼこんな感じしょうか。どうぞ熱いうちに食べてください」(築山さん)

 

その言葉、待ってました(笑)! もう、さっきからトリュフの何ともいえない香りが鼻孔をくすぐりまくり(笑)。

テンションも上がりまくりで頬張ると、トリュフの豊かな香りが口の中いっぱいに広がる! これ、本当にたこ焼きなのか? 完全におやつの領域を超えている。

 

「実は僕、昔は保育士として保育園で働いていたんですよ。ある日、おやつにたこ焼きが出たんです。普段は好き嫌いの多い子どもたちでも喜んで食べていたんですよね。たこ焼きは皆が笑顔になる食べ物なんだと思ったのが、たこ焼き店をやるきっかけになったんです。食べたら心もまんぷく、お腹もまんぷくをコンセプトに、小さな幸せを1人でも多くのお客様に届けていきたいです」(築山さん)

 

今回、たこ焼きを食べて、しみじみと実感したのは、たこ焼きは生地に食材のうま味を閉じ込めるということ。さらには生地にも味が染みやすいということ。それゆえに入れる食材やかけるソースで新たな味がアイデア次第でいくらでもできるのだ。

たこ焼きがおやつから料理へとステップアップする日も近いかも?

 

お店情報

TAKOYA まんぷく

住所:愛知県安城市横山町下毛賀知140
電話番号:0566-72-3223
営業時間:11:00~20:00(売り切れ次第終了)
定休日:水曜日

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年7月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

過去記事も読む

トップに戻る