あんかけスパの超有名店「ヨコイ」の夜飲みメニューがいちいち良すぎる【名古屋】

あんかけスパといえば、喫茶店でランチにいただく名古屋めしの代表格。ところが、そのあんかけスパの総本山「スパゲッティ・ハウス ヨコイ」は夜飲みメニューも充実しているという意外な情報を聞きつけ、名古屋在住の永谷正樹氏が栄「スパゲッティハウス ヨコイ 住吉店」で堪能してきた。

エリア栄 (愛知)

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あんかけスパの総本山「ヨコイ」

名古屋めしは、夜にお酒のアテとして楽しむよりもランチでがっつりと食べるイメージの方が強い。

その最たるものがあんかけスパではないだろうか?

スパイシーでとろみにのあるあんかけソースにラードで炒めた極太麺で満たされた胃袋が名古屋経済を支えていると言っても過言ではないのだ。

 

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「たしかに今は昼がメインのように思えますが、あんかけスパが認知されたのは、夜からだったんです」

そう話すのは「スパゲッティ・ハウス ヨコイ」の三代目店主で副社長の横井慎也さん。

 

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あんかけスパは、名古屋国際ホテルで洋食を学んだ横井さんの祖父が考案。昭和36年に友人とともにあんかけスパの専門店「そーれ」の共同経営をはじめた。

その後、独立して昭和38年に「ヨコイ」を開店させ、今に至っている。

 

「酢業当時は、夜遅くまで営業していて、新聞社やテレビ局などで働いている方がよく食べに来られていたそうです。あんかけスパは腹持ちがよいので、時間が不規則な仕事をされている方に重宝されたんでしょうね」(横井さん)

 

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「ピカタ」や「バイキング」、「サンジェルマン」など文字だけではよく分からないメニュー名も創業当時のまま。

中でも「ヨコイ」を代表するのが、この「ミラカン」(950円、写真上)だ。ウインナーとハム、ベーコン入りの「ミラネーズ」と、玉ねぎとピーマン、トマト、マッシュルームがトッピングされた「カントリー」を合体させたメニューだ。ちなみにこの「ミラカン」は、お客さんの要望によって生まれたとか。

このビジュアルといい、ボリュームといい、やはりランチのイメージが拭えない。が、「ヨコイ」住吉本店には、夜だけの限定メニューがあるのだ。

 

気が利いてる、激安ツマミ

ヨコイの気になる「夜メニュー」を紹介してみよう。

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まずは、ちょい飲みにぴったりの小皿に盛ったおつまみの数々。これはあんかけスパのトッピングの定番「赤ウインナー」

懐かしい味わいにお酒がすすむこと間違いなしだ。

 

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たこのうま味を凝縮させた「たこから」もオススメ。

あんかけスパと同様に、揚げ物はラードを使用しているので、鼻から抜ける香ばしさがハンパない。

 

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こちらは名古屋人が好きな「エビフリッター」

絶妙な火加減でエビの甘みとプリプリの食感が引き出されている。ラードで揚げた衣の香ばしさとケチャップの酸味がベストマッチ。

 

以上、おつまみはすべてひと皿300円~と激安。

ほかにも「鶏の唐揚げ」や「チキンフリッター」、「かきフライ(冬季限定)」も用意している。

 

チョイ飲み仕様のセットメニュー

これらのリーズナブルなツマミをアテにちょい飲みした後は、あんかけスパで締めたいところだが、夜限定のセットメニューがあるのだ。

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それがこの「ジェントルマン」なるセット。

950円までのお好きなあんかけスパをメインに、日替わりのおつまみ1品とサラダも付く。

 

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ここまではありがちだが、なんと、さらにビールかグラスワインも付くのだ。

しかも、値段は1,550円とかなりお得。

 

「出張で名古屋へ来られた方がよく注文されますね。逆に地元の方は、ウチへ行くと決めた時点で注文されるメニューは決まっていますから(笑)、ほとんど出ないですね。このセットの存在自体を知らない方もいらっしゃると思います」(横井さん)

 

それ、何となくわかる(笑)。

しかも、「ミラカン」がお気に入りの人は、他のメニューに浮気することはない。何を隠そう、私もその一人である。もう、ミラネーズ一筋30年(笑)。それだけズブズブにハマるのがあんかけスパの魅力でもあるのだ。

 

少量×多種類派にはガールズスパ

そんな名古屋人な筆者も、食べたことのないメニューにまったく興味がないのかといえば、そうでもない(笑)。

「いろんなあんかけスパを少しずつ食べたい」という女子っぽい要望をかなえてくれる夜メニューが存在する。 

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それがこの「ガールズスパ」

  • 「ミラカン」
  • 「ミラネーズ」
  • 「カントリー」
  • 「ピカタ」(豚肉黄金焼き)
  • 「ハッシュパ」(ハッシュドビーフのソース)
  • 「スペシャル」(赤ウインナーとゆで玉子)
  • 「チキンフリッター」
  • 「エビフライ」
  • 「かきフライ」(冬季限定)

以上の全9種類から、好きな4種類を選択できるのだ。

 

ちなみに私が選んだのは、いちばん手前から時計回りで「ミラカン」、「エビフライ」、「スペシャル」、「ピカタ」。

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さらに、サラダと手作りのオニオンスープも付く。

これで値段は1,200円。スパイシーなあんかけスパもビールとの相性は抜群なので、このセットでも十分に飲める。メニュー名こそ、「ガールズ」だが、男性でも注文できるのでご安心を。

 

「実は、夜のメニューにもっと力を入れていこうと思っているんですよ。私はお店を継ぐ前に東京で働いていたことがあって、当時、洋食店でとんかつやハンバーグを上司や同僚とシェアしながらウイスキーを飲んだことがありました。さすが東京はオシャレだなぁと感動したことを覚えています。逆に何かいいアイデアはないですか?」(横井さん)

 

枝豆や串かつ、冷や奴では居酒屋さんになってしまい、わざわざ「ヨコイ」へ来るまでもない。そもそも「ヨコイ」のあんかけスパのおいしさは、スパイシーなあんかけソースとラードで炒めた極太麺である。

が、さらにクオリティーを高めているのは、麺の上にのるさまざまなトッピングだろう。創業者である横井さんのお祖父様はホテルの洋食部門出身である。ゆえにトッピングは洋食の技術がベースになってるのだ。

 

そこで思いついたのは……

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「ミラカン」の……

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上!

そう、「ミラカン」の上っ張り部分!

つまり、あんかけスパの上にのるトッピングをお酒のアテにしてはいかがだろう?

 

「実は、『ミラカン』や『ピカタ』、『ミラネーズ』などのトッピングはすでにあるんですよ。でも、ほとんど注文するお客さんはいらっしゃらないんですよね。『ミラカンの上』とか『ミラネーズの上』という名称にすれば三点…!ちょっと真剣に検討してみますね! ありがとうございました!」(横井さん)

 

近々、「の上」シリーズが夜のメニューにラインナップされるかも!?

 

55周年でゴーゴーカレーとコラボ

ところで、今年「ヨコイ」は創業55周年を迎える。

55周年、五十五、ゴーゴーってことで、金沢のご当地グルメ「ゴーゴーカレー」とのコラボ商品が愛知県内のスーパーなどで今春発売される。

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レトルトタイプのソースで、「スパゲッティハウス・ヨコイのソース ゴーゴーカレー風味」(写真左/250円)と、「ゴーゴーカレー ヨコイのソース風味」(写真右/350円)の2種類。

 

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はい、こちらが「ミラカンの上」をのせた(笑)、「ゴーゴーカレー ヨコイのソース風味」の調理例。

「ヨコイ」も「ゴーゴーカレー」もスパイシーなイメージだが、掛け合わせるとマイルドで食べやすくなるから不思議。お店のレギュラーメニューになってもおかしくはないほど完成度が高い。

 

あんかけスパの元祖「ヨコイ」、今後も要注目だ!

名古屋を訪れた際はぜひ夜メニューの数々を体験してみてほしい。

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お店情報

スパゲッティ・ハウス ヨコイ 住吉本店

住所:愛知名古屋市中区栄3-10-11 サントウビル2F
電話番号:052-241-5571
営業時間:11:00~15:00(LO 14:45)、17:00~21:00(LO 20:35)※日曜日・祝日は昼のみ営業
定休日:日曜日・祝日の夜、年末年始
ウェブサイト:http://yokoi-anspa.jp/

www.hotpepper.jp

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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