どこをとっても昭和な「岐阜レトロミュージアム」は、オッサンを少年に変えるタイムマシンだった

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今、まさに夏休み真っただ中。皆さんはもう予定が決まっているだろうか?

今回は、アラフィフの筆者があえて家族や子どもとではなく、自分一人、または同世代の友達と一緒に行ってほしいオススメのスポットを紹介しよう。

その理由は、おいおい説明するとして、まずは場所から。そこは、岐阜岐阜市の中心部から車で国道256号線を北上して30分ほど走らせた山県市(やまがたし)にある。公共交通機関を利用する場合、岐阜駅からバスが出ている。「椎倉」停留所から徒歩2分。のどかな田園風景の中に佇んでいるのが、ここ。

岐阜レトロミュージアム」である。

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▲開店の花輪やトタンを張り巡らせた建物は、まさに昭和!

 

冒頭で自分一人か同世代の友達と行くのをすすめたのは、その時代の思い出にどっぷりと浸ってほしいからである。

 

ペナント、駄菓子、レトロゲーム機……

さっそく入り口にある券売機で入場券(1時間 500円、3時間 1,300円、1日 2,500円)を購入して、館内へ入ると……

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そこはもう昭和。

昔、駄菓子屋の前とかに置いてあった懐かしいゲーム機がズラリ。うわぁ、真ん中のルーレットゲームは小学生のときによく遊んでいたなぁ。めちゃくちゃ懐かしい。

 

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ふと、天井を見上げると、昭和のお土産の定番、ペナントが!

しかも円形に貼られている。私も修学旅行でせっせと買い集めて円形のコンプリートをめざしたことがあった。が、途中で集めることの意味を見出せず(笑)、やめてしまったっけ。

 

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ゲーム機が並ぶ通路を通り抜けると、そこは駄菓子屋さんエリア。

遠足に持っていくおやつを買うとき、ボリュームのあるお菓子をいかに多く買うかを考えながら選んでいたなぁ。コンビニのように商品は整然と陳列されていなくて、箱のまま並べられてるんだけど、子どもにとっては宝の山。この猥雑(わいざつ)な雰囲気が逆に心が落ち着くから不思議。

 

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さらに奥へ進むと、80年代~90年代くらいのゲーム機が。このテーブル型のゲーム機はよく喫茶店に置いてあったけど、最近は見かけないな。そりゃスマホゲームが全盛だからムリはないかも。ゲーム機の中には、その昔、私が夢中になったものがある。

ちなみに館内のゲーム機はすべて無料なので、心ゆくまで堪能できる。

 

自販機バーガー&チェリオの昭和なごちそう

ゲームコーナーで見つけたのは、昔、オートレストランに置いてあったハンバーガーの自販機。紙の箱に入って出てくるアレだ。

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もう、懐かしさのあまり、考えるよりも先にお金を投入していた(笑)。ちなみに値段は300円。

 

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商品のボタンを押すと、加熱がはじまる。

自販機には「60秒で焼けます」とあるが、自販機内に電子レンジ的な機能が入っているのだろう。昔は何とも思わなかったが、60秒は意外に長く感じた。

 

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待っている間、ハンバーガーに何か飲み物を合わせたくなった。そういえば、入り口の近くで売っていたことを思い出したので思わず購入。それがこれ、瓶に入った「チェリオ」! グレープとオレンジ、コーラの3種類で、どれも150円。

 

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見よ! 自販機バーガーとチェリオグレープの、この完璧すぎる組み合わせを。まずはチェリオグレープをひと口。無駄に甘い……けどうまい。

そういやチェリオ、中学生の頃に友達とのたまり場になっていたたこ焼き屋さんに置いてあったなぁ。当時はたしか70円とか80円くらいだったと思う。コーラやファンタよりも量が多くて飲み応えがあったことを覚えている。

 

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さぁ、いよいよハンバーガーだ。

箱を開封して、包装紙を破るとハンバーガーが登場。加熱する際に発生した水分でバンズがシワシワになっているのもご愛敬(あいきょう)だ。

 

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それにしても、このフニャっとしたビジュアル、たまらん!

思わず、無我夢中でかぶりついた。そりゃ、グルメバーガーどころかファストフードのハンバーガーと比べりゃ味は劣る。が、味だけではない魅力がギッシリと詰まっているのだ。

自販機バーガーを頬張りつつ、チェリオグレープを飲んでいると、あまりの懐かしさに泣きそうになってしまった。

 

館長はヴィンテージパチンコ台のコレクター

お腹が膨れたところで、さらに奥へとすすむ。

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おおっ、こちらはパチンコホールか。しかも、1980年代半ばから90年代半ば頃の台がズラリ。好きな人にはたまらないだろう。

実は、ココが「岐阜レトロミュージアム」のメインなのである。

 

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「私自身、古いパチンコ台が好きで、全国各地の古いパチンコホールを訪ねていたのですが、法規制もあって、古い台はどんどん廃棄されていくんですね。それが忍びないと思って、古い台をネットオークションで購入したり、知り合いから譲ってもらったりして集めていました。10年ほど前から、日本人にとって身近な大衆娯楽であるパチンコのミュージアムの構想を抱いていました」

そう話すのは、館長の杉本勇治さん。

 

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ゲームコーナー同様、パチンコも無料。

景品の交換はできないものの、ここを訪れる人たちはそれを望んでいない。若かりし頃、夢中になった台で再び遊ぶことが目的なのだ。台は常時38種類あり、月1回のペースで4~5種類を入れ替える。新台入替ならぬ、旧台入替である(笑)。

 

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ただ単に古い台を並べているだけではなく、貸玉の機械や店内のPOPなどパチンコホールをそのまま再現しているのがここのスゴイところだ。

「昔はどの街にも小さなパチンコホールがありましたよね? その周りには駄菓子屋さんやゲームセンター、オートレストランなどもありました。古き良き時代の街そのものも再現してみたかったんです」(杉本さん)

 

うどんの自販機もまだまだ現役

館内にはまだまだ昭和なスペースがある。たとえば、この一角。

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こちらは、ミュージアムの正面に向かって右側にあるオートレストラン。入り口の周りには、デパートの屋上などにあった子ども向けの遊具やホーロー看板が。

正面の「うどん」「カレー」の看板は、どこかのオートレストランにあったものだろうか。このデザインや色使いは見覚えがある。

 

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内部に入ってみると、こんな感じ。

ポップコーンやかき氷、コーヒーなど年代物の自販機が全12台。そのうち、カップヌードルと天ぷらうどん、カレーライスの自販機が稼働している。

さっきハンバーガーを食べただけなので、天ぷらうどんを食べてみることに。

 

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これが天ぷらうどん(500円)の自販機。

「コインを入れて……27秒」ってのがイイ。お金を入れて商品が出てくるまで30秒では長く感じてしまうだろうから、自販機の開発担当は30秒を切るのに血のにじむような努力をしたのだろう。

 

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先人の努力に敬意を払いつつ、500円玉を投入。

そして、27秒間待つと、自販機下部にある取り出し口から天ぷらうどんがニュッと出てくる。この瞬間がたまらないんだよなぁ!

 

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あれ? 天ぷらうどんなのに、天ぷらがのっていない!? と、思いきや、箸で麺をかき分けると……。

あった! つゆが染みた野菜のかきあげ、おいしいんだよなぁ。

 

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では、いただきま~す!

麺は、スーパーで売られているようなゆで麺。おそらく、つゆは業務用。

杉本さんによると「天ぷらは近所の仕出し屋さんで作ってもらっています」とのこと。そのせいか、天ぷらのうまさが際立っている(笑)。そもそも麺やつゆが業務用だろうが、まったく問題ではないのだ。この自販機が稼働していて、こうして食べられるということに意味があるのだ。

 

即席&熱々なカレーライス

そろそろ腹もふくれてきたが、ここまで来たからにはもう少し懐かしさを味わいたい。

ということで、カレーライス(500円)の自販機へ。

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▲使われているイメージ写真に時代を感じる

 

何でも、この自販機は日本で2台しか稼働していないそうで、自販機グルメの中でも超レア。もう、奇跡としか言いようがない。

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お金を投入してボタンをON! 出てきたのがコレ。

ん? 写真と違う(笑)。皿ではなく、弁当っぽい!?

包装紙をはがすと……

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レトルトのカレーと弁当の容器に入ったご飯、スプーンがセットになっていたのだ。

そういう仕掛けか!(笑)

自販機内で保温されていたのか、カレーとご飯は熱々。家でレトルトカレーを作ろうと思ったら、お湯を沸かすのも時間がかかるし、レトルトを温めるのも5分はかかる。あらためて、これはスゴイ技術だと思った。

 

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レトルトカレーをご飯にかけていただきま~す!

うん、味は普通(笑)。

何度も言うが、自販機のカレーライスが食べられるという事実がすばらしいのだ。

ちなみに、これらの自販機を始め、館内にあるパチンコ台やゲーム機のメンテナンスは、すべて杉本さんが行っているというから、本当に頭が下がる。

 

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「ウチは電話も引いていませんし、ホームページもありません。そもそも昭和の時代にネットなんてものはなかったわけで(笑)、来てみないとわからないワクワク感も楽しんでもらえたら」と、杉本さん。

まさに、ハイテク施設にはないワクワク感。ここはオッサンをガキンチョに変えるタイムマシンといっても過言じゃない。

元・少年少女たちよ、この夏休み、昭和の懐かしい思い出にどっぷりと浸ってみてはいかがだろう?

 

施設情報

岐阜レトロミュージアム

住所:岐阜県山県市椎倉323
電話番号:なし
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日、水曜日、木曜日(いずれも祝祭日の場合は営業)
入場料:1時間 500円、3時間 1,300円、1日 2,500円

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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