「オフィスに鮮魚を届けてくれる」謎のWebサービス、その狙いとは?

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個人の荷物をオフィスで受け取る時代

仕事が忙しくて自宅で宅配物を受け取れない。

そこで荷物の受け取り場所に会社を指定する人や、福利厚生の一環として“個人荷物用の宅配ボックス”を導入する企業が増えています。

国交省もオフィスでの受け取りを推進しており、個人の荷物をオフィスに届ける動きは、今後ますます当たり前になりそう。

 

そんななか、驚きの商品をオフィスに届ける新サービスが2018年11月にリリースしました。

その商品とは、なんと「鮮魚」!

 

本や洋服、飲み物やお菓子ならわかるけれど「鮮魚」って……。

どのように届くのか? 需要はあるのか? そもそもどうして鮮魚をオフィスに届けようと思ったのか?

謎があり過ぎるので、さっそく取材に行ってきました。

 

オフィスに鮮魚を届ける「sakana bacca Catch!」

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▲アクトインディのオフィス入り口

 

お邪魔したのは五反田のベンチャー企業「アクトインディ」。

家族でお出かけする場所が見つかる情報サイト「いこーよ」などを運営されています。

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▲鮮魚が届きそうな雰囲気はない

 

中に入るとTHEオフィス。みなさん真剣にお仕事をされています。

こんなところに鮮魚なんて本当に届くの? と思っていたら……。

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:こんにちはー! 鮮魚のお届けです。

 

発泡スチロールの箱を抱えた男性が登場。

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▲周りの社員さんも一切動じない

 

慣れた様子でオフィス内へ進み、ひとりの女性にその箱を渡しました。

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:ありがとうございます! 待ってました。

 

そう言って笑顔で箱を開けるのは、会社がこの“鮮魚お届けサービス”を導入して1カ月強で、早くも4回目の利用だという田邉(たなべ)さん。

今回は初挑戦の商品があるというので、見せてもらいました。

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▲手のひら半分くらいの立派な赤貝

 

赤貝。

オフィスに貝。生の殻付き貝。こんなシュールな状況は初めてです。

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:前回もシュールだったんですよ。真鯛(マダイ)とホウボウを丸魚で注文したので(笑)。

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▲筆者が釣船で出合ったホウボウ。これがオフィスに届くってすごい

 

丸魚に貝に、さまざまな鮮魚がオフィスに届くというのは本当のようです。

 

ここで、そもそも鮮魚を届けるwebサービス「sakana bacca Catch!(サカナバッカキャッチ)」について、サービス責任者の渡邊(わたなべ)さんに教えていただきました。

 

水産商品がオフィスに届く

──sakana bacca Catch! はどんなサービスなんですか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:水産商品をオフィスで受け取れることに特化したECサイトです。

 

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▲PC版。スマホ版もある

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:有名飲食店が利用する高品質な商品を、市場直送でオフィスまでお届けします。

 

──有名飲食店が利用する商品を購入できるんですか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:弊社はもともと飲食店向けに「魚ポチ(ウオポチ)」というECサイトを2014年から運営しています。

 

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▲飲食店が利用する鮮魚ECサイト「魚ポチ」

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:そこで取り扱う商品の一部をご家庭向けに開放しているんです。

 

商品だけでなく、インフラも転用することでオペレーションなども効率化でき、価格を押さえることができています。送料も無料です。

 

──それはすごい! 元のインフラが整っているのは強いですね。

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:魚ポチ以外にも、都内4カ所でリアルな鮮魚セレクトショップ「sakana bacca(サカナバッカ)」を運営しています。

 

sakanabacca.jp

 

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▲魚屋さんに見えないオシャレな店舗

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:ここでの小売りノウハウをサービスにいかせるのも強みです。

 

──なぜ鮮魚をオフィスに届けようと思ったんですか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:元々は弊社内の福利厚生でした。魚ポチで取り扱う商品を購入したいという社員が多くて。各自の家に届けるのはお金もかかるのでオフィスにまとめて届けていたら「会社帰りにスーパーに寄るより楽!」と高評価だったんです。

 

──たしかに会社帰り疲れているときに、混雑したスーパーで商品を選ぶのって面倒なときありますよね。時間によっては買いたいものが売り切れだったり、スーパー自体が閉まっていたり。

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185011j:plain渡邊さん:社員たちのリアルな声を聞くうちに「これ、他社でも需要あるんじゃない?」という話になって、2018年の11月からサービスとしてスタートしました。

アクトインディさんには初期からご利用いただいています。

 

宅配鮮魚で家族のコミュニケーションが増えた

sakana bacca Catch! の概要がわかったので、次はユーザーである田邉さんにお話をうかがいました。

 

──実際にsakana bacca Catch! をご利用されて、どうですか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:すごく満足度が高いです。まず品質が本当に良くて、近所のスーパーでは買えないレベル。あとは仕事帰りにスーパーへ寄らなくて良いのがとにかく楽です。

 

──田邉さんはお子さんがいらっしゃるとか。

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:はい、小学2年生と2歳の男の子がいます。毎日16:30に会社を出て子どもを保育園迎えに行くんですが、子どもの荷物を持って、子どもの相手をしながらスーパーに行くのって本当に大変なんです。
野菜は週末に買い込めるけれど、魚は新鮮な状態で食べたいから本当は当日に買いたい。でもそれは大変……というのが悩みでした。

 

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▲商品は小分けになっていて、保冷バッグなどに移し替えて持ち帰れる

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:今はオフィスで魚を受け取って、保育園に寄ったらそのまま自宅に帰れるのですごく助かっています。

 

──買い物が楽……という以外に良い点はありましたか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:家族間でのコミュニケーションが増えました! 今まではひとりでスーパーに行って買うものを考えていましたが、今は家族と相談しながら決めています。週に2回、sakana bacca Catch! からLINEで商品ラインアップが届くんです。そうしたら、すぐにキャプチャーを撮って主人に送信。
それで、一緒にメニューを考えるようになりました。ちなみに今日購入した赤貝は、主人の晩酌用に注文したものです。

 

──それ、良いですね! 少なくとも週2回、旦那さまと楽しいやり取りをするキッカケができる。

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:はい。「子どもたちに丸魚を見せてあげたい」「変わった魚を教えてあげよう」なんて食育観点のやり取りも増えました

 

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▲実際に料理された写真。ご主人がさばいてくれたそう

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222185540j:plain田邉さん:前回頼んだホウボウは脇に羽みたいなものがあるんですが、子どもたちが興味々で。さばき方の動画を見ながら、主人ががんばってさばいてくれました。

 

社内SNSに「お魚わけわけ」というコミュニティができた

ただ便利なだけでなく、家族間のコミュニケーションの活性化にも一役買ってくれることがわかったsakana bacca Catch! 。

しかし、企業として導入する際に迷いはなかったのか。導入を決めた張本人だという社長の下元さんにもお話をうかがいました。

 

──オフィスに鮮魚を届けてもらうって前例がないと思いますが、なぜ導入されたんですか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:このサービスを聞いたときに直感で「面白い!」と思い、何のためらいもなく導入を決めました。弊社は子育て層が多くて、約半数が朝・夕にお子さんの送り迎えをしています。
以前から「お迎えの後の買い物が大変だ」という話は聞いていたので、安くて新鮮な魚がオフィスに届くなら、社員たちが喜んでくれるだろうと思いました。

 

──実際に導入されて、社員さんたちの反応はいかがですか?

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:めちゃくちゃ面白がっています。利用者も多いし、リピートも多い。「買い物が楽になった」という声をよく聞くので、導入してよかったと思います。
私も何度か利用しましたが、いいですよ。楽だし、リュックに鮮魚を突っ込んで帰って、子どもの前で取り出すとウケます(笑)。
あと意外な副産物もあって。社内コミュニケーションの活性化につながっています。

 

──どういうことですか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:まず社内SNSに「お魚わけわけ」というコミュニティーができました。

 

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▲サカナバッカ用の部屋。写真は田邊さんが購入したホウボウと鯛

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:ここで「何を買ったよ」「こんな料理にしたよ」なんてやり取りが頻繁にされています。珍しい魚にチャレンジする社員がいたり、「1kgのホタテを買うからシェアしませんか?」なんて投稿もあって、盛り上がっていますね。

 

──それは楽しそうです!

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:SNS上だけでなく、リアルなコミュニケーションも増えています。sakana bacca Catch! をつかって、どれだけ面白いことができるか……みたいなチャレンジャーもいて。

 

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▲届いてすぐ昼食のおかずになった〆サバ

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:先日ある女性社員が昼食に、デスクで〆サバ半身丸ごとと白飯をひろげていたんですよ。オフィスに〆サバってあり得ないでしょう。もう注目の的で。
でも彼女は気にせず「おいしいおいしい!」って、本当においしそうに食べるんです。その様子についつい〆サバをポチッとする社員が大勢現れて。社内で一大〆サバブームを起こしました。あとは社内で手巻き寿司パーティーなんかも開催されています。

 

──導入にあたって大変なことはないですか?

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:全然ないです。商品を置いておけるスペースさえ作ればOK。

 

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▲金庫や商品を置くスペースがあれば簡単に導入できる

 

f:id:tsuri_ambassador:20181222190524j:plain下元さん:支払いはsakana bacca Catch! が金庫を用意してくれるのと、paypayも使えて、社員⇔sakana bacca Catch! で直接やり取りしてくれます。

 

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▲サカナバッカオリジナルの手提げ&保冷バッグ

 

持ち帰るための保冷バッグ・手提げもsakana bacca Catch! がタダで用意してくれました。

必要だったのは初回の社内告知くらいかな。

※現在は保冷バッグ代や導入費用など無料。今後、導入費用が発生する可能性あり。

 

鮮魚こそ、オフィスで受け取ってみては?

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▲丸魚以外に加工商品も。上が一大ブームの〆サバ

 

「オフィスに鮮魚を届けるサービス」なんて、最初は謎しかありませんでしたが、実際に届く様子を見て体験談を聞くと、とても可能性のある素晴らしいサービスであることがわかりました。

 

ただの便利ツールではなく、家庭内・企業内のコミュニケーションまで活性化させてくれるsakana bacca Catch! 。

あなたのオフィスでもぜひ導入してみてはいかがでしょう?

 

foodison.jp

 

書いた人:中川めぐみ

中川めぐみ

釣りアンバサダー 兼 ツッテ編集長。1982年富山県生まれ。グリー・電通で新規事業の立ち上げ、ビズリーチで広報などに関わる。その間に趣味ではじめた釣りの魅力に取り付かれ「釣り × 地域活性」事業で独立。 釣りを通して日本全国の食、景観、人、文化など地域の魅力を発見・発信することを目指す。現在は1年間で「ビギナーにオススメの釣りプラン100」を実施中。9月からは熱海で「ツッテ熱海」(観光客が釣った魚を地域クーポンで買取る取り組み)を開始。

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