羽根つき餃子は“塗りダレ”が大正解! 蒲田の餃子御三家「歓迎(ホアンヨン)」で検証してきた!

羽根つき餃子って、餃子本体にたどり着く前の、パリッと食感がクセになるんですよね。ただ、羽根つき餃子にタレをつけて食べるのは難しいと思いませんか? つけダレより塗りダレが良いと考えた我々は、東京・蒲田の名店「歓迎 あやめ橋店」店長協力のもと、羽根つき餃子に最適な塗りダレを模索することにしました。

エリア蒲田(東京)

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みなさん、餃子好きですね。最近では専門店でメインを張ったり、変わり種など多くの新種が登場しています。

英語ではdumplingと表記され、もはやその大流行はワールドワイド。
そんな餃子ブームのなかでも古株、羽根つき餃子をご存知でしょうか?

上にある写真、これが羽根つき餃子です。羽根が付くことによりパリッとジュワっとジューシーに進化しました。
一つの餃子の完成形ではあるのでしょう。ただ、ここが餃子の行きつく果てではないはずです。

 

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この羽根、醤油につけるときに折れちゃって「オーマイガー」という気持ちになりませんか。
そんな時には付けダレより、羽根の表面積をいかし、かつパリパリのままで食べられる「塗りダレ」のほうがいいと思うんです。

今回、羽根つき餃子だからこそ相性の良い「塗りダレ」を探りたいと思います。

 

蒲田餃子御三家「歓迎(ホアンヨン)」が協力してくれる!

大田区蒲田は餃子激戦区、多くの中華料理店が軒を連ねる地域です。
そんな蒲田には「餃子御三家」なるお店が存在します。

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その御三家の一つ、「歓迎 あやめ橋店」が一緒に新たな羽根つき餃子の姿を模索してくれる……! 餃子製作素人の私にとってこれ以上ないパートナーなのです。

 

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まずは「歓迎」の羽根つき餃子を紹介しましょう。付けダレ不要の味付き餃子が流通している昨今、生姜のきいたさっぱりとした味わいです。
言うまでもなくパリパリ。そしてなんと言っても肉汁の澄んだうまさが素晴らしい!

 

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その肉汁のすさまじさを物語る、こんな張り紙が貼ってあります。
「ギョーザの肉汁に気をつけて下さい!(どこに飛ぶか分かりません 笑)」
いやまさか、肉汁が滴ることはあっても飛び出すわけないじゃないですか。

 

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かぶりついてみると、ほんとに飛び出しました。
本検証中何度もこの光景を目撃したので、ほんとに飛び出すのです。肉汁が。

 

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それでは、店長さん(写真右)を交え、メニューを見ながら羽根つき餃子の新たな姿を模索していくことにしましょう。

 

1.大根おろし

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さらっとした付けダレでは羽根に十分に付着してくれません。
大根おろしのような半固形のものが真価を発揮するはず。
コレだけでは味がないので、ベタですが醤油で味付け。

 

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無駄なくトッピングできました。色味がないのが少し残念ですね。
最初に大根の苦み、その後肉汁のうま味。この振り幅がうまい!
さっぱりしているので、ハシゴ酒の〆にぴったり!

 

2.お客さんからたくさんのリクエストがあったタレ

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「歓迎 あやめ橋店」のお客さんからリクエストが多かった塗りダレがこちら。
葉っぱが浮いていますね。

 

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「歓迎」で提供しているにんにくダレにパクチーを混ぜ込んであります。
にんにくのパンチとパクチーの香りがお互いに生き、サッパリといただけました。パンチがあるのにあっさりとした味わい、一皿では物足りないうまさ!


3.北京ダックのタレ

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中華料理というと、どこか庶民的な印象です。そのなかでも高級で知られる「北京ダック」。とはいえ……ぶっちゃけタレの味じゃないですか? 餃子でその高級感を味わおうじゃありませんか。

 

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食べてみたところ、甘味噌っぽい味付けのタレに餃子が負けている……。いかに肉汁が繊細なバランスで成り立っているか、身をもって知りました。
羽根を切り取って、酒のつまみにするのがよさそうです。いや、普通に北京ダックと合わせるのがよさそうです。

 

餃子が中華を発ったぞ!

ここからは少し別ベクトルの付けダレを紹介します。

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冒頭で少し登場したこちらのかた、餃子食べる要員ではありません。男性向けマニアック家庭料理の研究家、近藤潤さんです。

取材時、ご自身で餃子のイベントを企画していた関係で、3食餃子で6日間生活していたのだそう。そんなタイミングで羽根つき餃子の付けダレについて相談したところ、2種類のソースを作ってきてくれました。

 

4.イカスミペーストのトマトソース

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餃子にイカスミ……。まったくの想定外の塗りダレが登場! 店内の誰もが唾を飲みました。
いままでの検証ではおいしいかそうでないかで判断してきました。ところがこれは全く別ベクトルのうまさ。トマトの洋風な味は、「歓迎」のあっさりした餃子と相性が良く、肉汁と混ざって口の中で味が変わっていきます。

レシピ:市販のトマトソース50gとイカスミペースト3gを混ぜフライパンで火にかける。混ざって沸騰したら完成!

 

5.グリーンカレーペースト

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名前の通り、ペースト状のグリーンカレー。わさびを乗せるようにちょこんとトッピングされた様子、斬新です。

かじってみると肉汁のうま味はそのままに、ピリッとした辛味、鼻に抜ける東南アジアの香り……「アジア風柚子胡椒」が近いでしょうか。アジアの風を身にまとい一段上の餃子に仕上がっています。

レシピ:青唐辛子5本、玉ねぎ1/8、にんにく2かけ、生姜1かけ、レモングラス1本、パクチー1把、塩辛大匙1、みかんの皮一つまみ、バイマックルー1枚、バジル5枚、黒胡椒少々、クミンパウダー小さじ1/4、ナンプラー大匙2、砂糖小匙1。以上をミキサーにかけ、サラダ油を引いて弱火で4~5分炒める

 

きちんと紹介できるレベルに仕上がらなかった例

上記の5種類はお店に出されてもまったく問題ない仕上がりでした。
ここからはちょっとダメだったものを紹介します。

6.紹興酒

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紹興酒というとクセのある酒、というイメージでしょうか。餃子と一緒に食べると肉汁の甘みとふわっと紹興酒の味が感じられ、うまい! ただ、これは「塗りダレ」ではない……企画趣旨とずれるためボツ。焼き餃子でぜひ試してほしい一品です。

 

7.バニラアイス

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羽根つき餃子、ガレットっぽくないですか? バニラアイスをのせてみました。
肉汁の味が消え、もちもちしたバニラアイスを食べているような感覚……。別々に食べるべきです。

 

検証の結果、あのソースが「『メシ通』見た」で食べられます!

羽根つき餃子の次の姿を追い求めた結果、あの塗りダレが裏メニューとして、お店で提供されることになりました!

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「ニンニクパクチーダレ」です!
元々お客さんからリクエストがあったとはいえ、メニューに盛り込む予定がなかったこのタレ、うまいぞ! ということが立証され、『メシ通』読者のため裏メニューとして提供されることになりました。

食べられるお店は【歓迎 あやめ橋店】です。他の系列店では食べられません。
「『メシ通』見ました。パクチーソース下さい」と注文してください。

 

店長さんからお知らせ

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「塗りダレは最初に一気に塗るのではなく、一つ一つ塗ってアツアツのうちに食べてください! 焼き立てが一番おいしいですから!」

食べる分一つずつに塗って熱いうちにいただくのが正解です。

 

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それを伝えるべく、店内には「餃子アツアツ」を喚起するポスターがそこかしこに貼られています。ポスター右下にいるキャラクターはギョーザくん。それ以上の情報を聞くのはやめておきました。

 

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「あと、『歓迎』の餃子を楽しめるのは写真の5店舗。その他は姉妹店で、直営店とは異なる餃子を提供しているので気をつけて下さい!」

「歓迎」はいまや蒲田を飛び出し、銀座、田町へと出店、大躍進を遂げています。

あやめ橋店で食べるパクチーソースはもちろんオススメ。自宅でイカスミソースといった創作をするのもまた一興。

是非自分だけの食べ方を探してみてください。餃子の良さは味だけではなく、自分で味を探す楽しさも好評の理由だと感じることができるはずです。

 

お店情報

歓迎(ホアンヨン) あやめ橋店

住所:東京都大田区蒲田5-7-3 エンゼルハイム2階
電話番号:03-3737-2180
営業時間:11:30~14:00(土曜日・日曜日・祝日は15:00まで)、17:00~24:00(LO 23:30)
定休日:無休
Facebook:https://www.facebook.com/KangeiKamata/

記事に登場した男性向けマニアック家庭料理研究家、近藤さんのサイトはこちら

www.hotpepper.jp

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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