四万温泉だけで飲める幻の酒「四万の一雫」。解禁日の祭りが超盛大と聞き行ってみた

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群馬県北西部にある名湯、四万温泉。毎年大寒の日に開催される「湯立祭(ゆだてさい)」という祭りで、一般には流通しない超激レアの日本酒「四万の一雫」が解禁され、無料で振る舞われるのだそう。その祭りが酒以外にもいろいろと採算度外視でスゴイと聞きつけ、行って確かめてきました!

 

解禁日の祭りは四万温泉最大級のイベントだった!

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四万温泉の最寄り駅はJR吾妻線、中之条駅。そこから40分、バスに揺られて到着です。
本日の最高気温は2度。家にある防寒装備を全力で着込んでやってきました。
うかがった2017年は例年と比べて積雪が多く、つい先日まで毎日40cm積もるほどの雪が降っていたのだそう。

 

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「四万の病が治る」という由来がある四万温泉は、四万川沿いに旅館が並ぶ静かな温泉地です。「つえを持って湯治に来たおじいさんが、帰るときにつえを忘れて帰っていった」そんな話も残っているほど、昔から愛され、効能高い温泉が湧いています。
写真手前にある施設は無料の共同浴場「河原の湯」。このような無料の共同浴場は四万温泉内に3カ所現存しています。

 

雪とたき火にあたりながら飲む日本酒のうまさよ

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温泉街中央部から移動し、やってきたのは四万温泉最深部にある共同浴場、「御夢想の湯」。人だかりができていますね。みんな日本酒を求めて並んでいるのでしょうか。
かき分けて進んでみると……

 

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神主さんがなにやら祈りを捧げています。これは「湯立神事の儀」。写真左手の大釜で温泉を炊き、祝詩を奏上します。炊いている温泉は「御夢想の湯」に湧く温泉。四万温泉発祥のきっかけとなった、由緒正しい湯です。

 

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続いて巫女さんが大釜で炊いた温泉に笹をつけ、振りまき始めました。まとう湯気が神々しい……! これは「温湯(おんとう)の儀」。湯笹についた湯立の湯を振りかけて、無病息災を祈る儀式です。

 

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厳かな感じでスタートしたこのイベントこそが「湯立祭」。共同浴場、「御夢想の湯」をここに移築したことを記念して、平成18年から開催されています。歴史の浅い祭りではありますが、1712年に描かれた絵馬の様子をがルーツなのだそう。300年もの昔に、実際に行われていた儀式なのです。

 

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そんなありがたい神事の合間を縫って会場を見て回ると、テントの一角にありました、牧野酒造、純米生酒「四万の一雫」。この日本酒はここで振る舞われているもの以外は、四万温泉の宿泊施設、飲食店でしか提供されません。それはすなわち、四万温泉以外でお目にかかることはないということです。

 

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四万川の水で育った「玉苗」という酒米を使い、火入れをしないことで風味を残した限定1500本生産のこの日本酒。飲んでみると甘いにおいが鼻に抜け、口の中に日本酒の風味が広がり、喉を通り過ぎるとピリッとした口触りが残る……刻一刻と味が変わっていくぞ! これが生酒……なんて繊細なんだ!
それをたき火にあたりながら飲む。すすのにおいも「四万の一雫」の味わいを引き立てているようです。

 

お金払いますから! といいたくなる大盤振る舞い

ここでしか飲めない日本酒が飲めた……それだけでも満足なのですが、湯立祭ではお金を払いたくなるくらいいろんなものが振る舞われています。

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祭りが始まってから降り始めた雪が、体温を少しずつ奪っていきます。そんな体には最高にうれしい甘酒。無料です。お米由来の甘み、日本酒の風味が体に染み渡る……5杯飲みました。

 

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そしてこちらも体が温まる「牛汁」。大根、ごぼう、人参と、うま味がよく出たあっさりスープは全く飽きがきません。一杯に一つは入っている大きな里芋、柔らかくてうまい! 3杯食べました。

 

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食べていると温泉協会青年部のみなさんが餅つきを始めました。その横で応援しているのは群馬県のゆるキャラ「ぐんまちゃん」。その隣には四万温泉を擁する中之条町のゆるキャラ「なかのん」です。おでこの雪の結晶が光るのですが、雪で濡れても大丈夫なのか心配でした。

 

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つきあがったこの餅、四万温泉の湯を使って餅米を炊き上げています。餅の外側はしっとり柔らかく、中心部には食べ応えのある餅の食感が残っており、艶やかな口触りが印象的。餅をつき終わった瞬間に行列ができる好評ぶりで、もらって食べて並びなおし、3つ食べることができました。

 

祭りで最大の白熱! 景品付き温泉まんじゅう大盤振る舞い!

湯立神事が始まってから約1時間30分、「四万の一雫」目当てだと思っていたみなさんの、真の目的を見ることになりました。

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一心不乱に空に手を伸ばす参加者のみなさん。そこに向かって舞台から何か投げています。これは「福まんじゅう投げ」。投げるまんじゅうの数はなんと500個! 祭りで一番白熱するため、事前に整理券を配り前半後半に分けておこないます。

 

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私もまんじゅうを2つゲットしました! 投げているかたに目で訴えかけると効果的です。勝ち取った2つの袋を開封してみると、こしあんと粒あん、種類の違うまんじゅうが入っていました。取れなかった人も最後に残念賞としてまんじゅうをもらえます。

 

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まんじゅうをゲットした人にはさらなるチャンスが。
500個のまんじゅうのうち180個にあたりが付いており、書かれた景品と引き換えることができるのです。その景品がすさまじく、四万温泉の無料宿泊券や、四万温泉内で使える1万円分の金券など、祭りで振る舞われる食べ物以上に大盤振る舞い!

 

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ちなみに私は四万温泉のキャラクター「摩耶姫(まやひめ)」のサイダーが当たりました。正直ハズレ感がありますが、無料でたっぷり飲み食いしてまんじゅうもらって、サイダーまでもらえたら十分でしょ!

 

素朴な食、静かな温泉こそ四万温泉の醍醐味(だいごみ)

大盤振る舞いの「湯立祭」、満喫させていただきました。ただしこの祭りは年に一回大寒の日のイベントで、普段の四万温泉は都会の喧騒(けんそう)から距離を置かせてくれる、静かな温泉地です。

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秋には山が紅葉に染まり、山の幸が大変おいしくなります。

 

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冬は今日のように、山々と温泉街が雪で白く染まります。雪景色を眺めながら露天風呂に浸かるのもよし、群馬県伝統食の鍋料理「おっきりこみ」で温まるのもよしです。

 

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温泉にのんびり浸かって、部屋で同行者と語り合いながら群馬県の地のものをいただく。
四万温泉はそういう、本質的な温泉旅行を楽しめる温泉地です。ぜひ季節ごとの味わいを、そして大寒の日(2018年は1月20日 土曜日)に「四万の一雫」を飲みに来てください!

 

温泉地情報

一般社団法人 四万温泉協会

住所:群馬県吾妻郡中之条町大字四万4379
電話番号:0279-64-2321
ウェブサイト:http://shimaonsen.com/

※この記事は2018年1月の情報です。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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