囲炉裏で炙る魚、熱かんがうますぎてもん絶モノ「囲炉裏と釜飯 しずる」【大阪】

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こんにちは、冬は熱かん派のメシ通レポーター、西尾明彦です。今回は、寒い冬、囲炉裏の炭火の遠赤外線効果とうまいお酒で体が温まる、「囲炉裏と釜飯 しずる」をご紹介します。

 

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関西最大の歓楽街、北新地から四ツ橋筋を渡った、堂島エリア。基本的にオフィス街なので、飲食店密度はそんなに高くはありませんが、近年、個性豊かな飲食店が増えている注目のエリアです。

 

「堂島1」の交差点から西へ進んだ、一つ目の角すぐにあります。

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店頭のちょうちんと、積まれたこも樽が目印です。

 

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店内に入ると、すぐカウンター席があります。奥のテーブル席と合わせて18席。

 

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ホテルや料亭で修業を積んだ、和食一筋20年近い店主の金原隆さん。

 

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まずは炭を用意してもらいます。

 

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焼きあがるまで20分ほどかかるので、先にイワナを注文しておきます。

 

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※写真の価格は税抜

日本酒は常時約20種類がそろいます。それが1合1,058円、半合540円、ショット378円の分かりやすい均一価格です。お酒メニューを物色していると……

 

「今日は酒蔵の方が来られているので、ご紹介したいんですよ。『金陵』さんです」

 

「金陵」は香川県で最大のシェアを誇る実力蔵ですが、関西では意外と見かけることが少ないんですよね。

 

「うちの蔵は、地元で7割が飲まれています。オオセト、さぬきよい米を中心に、95%地元産米を使ったお酒を造っています」

 

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写真をお願いすると、カバンからさっと法被をはおってこの笑顔。「金陵」(西野金陵株式会社)の高橋暁さん。さすが一流営業マンです。

 

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おすすめの「金陵 濃醇純米」をかん酒でいただきます。こちらのかん酒のつけ方は、焼酎の前割に使う黒じょかで、炭火の直火でセルフかんです。

 

焼きあがりました!

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新潟県南魚沼市より直送の「イワナ丸ごと一本焼き」(734円)です。

 

ちょっと熱めの上かんと合わせて楽しんでみることにします。

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炭火の遠火でじんわりと焼き上げたイワナは、身がフワッと柔らかく、野趣ある苦みは、熱かんと実に良く合います。

 

「金陵 濃醇純米」は、地元香川県産オオセト70%精米で、米のうま味、雑味やゴク味も混然一体となったような、複雑なうま味。これは確かに食事と合わせてうまい、飲み飽きない食中酒です。

 

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こちらの名物のひとつ、原木椎茸です。

 

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こちらも1本単位で注文できます。傘の部分に、肉汁があふれ出てきたら食べ頃です。

 

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奈良県吉野の契約農家から直接仕入れる「原木椎茸」(1本 302円)

 

菌床の椎茸にありがちな独特の臭みや雑味がないので、うま味の塊のようなジューシーさ。軸の部分には歯応えあり、かみ締めるほどにうま味が広がります。これもお酒が進みます。

 

「良い食材を、シンプルに調理したのが一番おいしいんですよ。今日は特に大ぶりの牡蠣も入っていますよ」

 

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ということで、「牡蠣ガンガン焼き」(3個 999円)。広島県倉橋市の牡蠣小町というブランド牡蠣です。

 

ガンガン焼きというと、一般的にはバケツですが、こちらではやかん焼き。調理時にあふれ出た牡蠣のエキスをあますことなく味わえます。

 

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牡蠣は大きいだけでなく、ぷりっぷりで、良質な海のエキスのクリーミーなうま味がたっぷり!

 

「今は『金陵』の限定酒もありますよ」

 

せっかく蔵元の方が来られているので、今回は「金陵」尽くしといきましょう。

 

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「金陵 イニシャルA 純米吟醸生詰原酒 黒」と、火入れ、加水した「金陵 イニシャルA 純米吟醸 特別限定品 白」

 

こちらは地元産のあきげしきというあまり聞きなれないお米を使った限定酒です。同じ蔵元のお酒を飲み比べるのは楽しいですね。

 

数日でなくなるでしょうが、「金陵」の限定酒は、年間10種類以上仕入れているそうなので、掲載される頃には、また新しい限定酒が入っているかもしれません。

 

そして、シメに絶対食べたいのが、名物釜飯です。

 

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一膳ずつ炊き上げるので、早めのタイミングで注文しておいた「鮭とイクラのどっさり釡めし」(1,480円)

 

このきれいなビジュアルを混ぜるのは惜しいですが……

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脂の乗った鮭のうま味と、イクラの濃厚なうま味。

 

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炊き込む前に、鮭だけ別に炙るひと手間をかけているからこその、柔らかい食感です。

 

釜飯はそのまま食べてもおいしいのですが、途中でお出汁をかけて、出汁茶漬けにして、味変もできるんです。

 

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熱々のお出汁をかけると……

 

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お出汁のうま味も相まって、更に重層的になっうま味は、たとえおなかいっぱいでも、最後の一粒まで食べきりたいこと間違いなし。

 

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釜飯はランチでも提供していて、多い日には50食近く出るメニューですが、出汁茶漬けで食べられるのは夜だけです。

 

シメの釜飯を食べるために、今回は泣く泣く諦めましたが、黒毛和牛ハラミの溶岩焼きや、淡路島岩屋から直送される、鮮魚のお造りもぜひ食べていただきたい逸品です。

 

五感で楽しめる、囲炉裏での炭火焼き。寒い日に恋しくなる人が多いので、冬場は特に予約必須です。オフィス街の大半がお休みの土曜日が狙い目だそうですよ。

 

お店情報

囲炉裏と釜飯 しずる

住所:大阪大阪市北区堂島2丁目3-36 神産堂島ビル1F
電話番号:.06-7713-1632
営業時間 11:30~13:30(LO) 17:30~24:00(LO.23:30)
定休日:日曜日・祝日
Facebook:囲炉裏と釜飯 しずる

※この記事は2017年11月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:西尾明彦

西尾明彦

外食ライター&コピーライター。食と酒を中心に、堅めのビジネス系など執筆中。趣味は酒蔵巡り。北は北海道から南は四国まで50蔵以上を訪問。大阪在住のきき酒師。

HP:大阪のコピーライター西尾事務所

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