2月といえば、恋の一大イベント・バレンタイン。
個人的な話なのですが、先日夫に「今年のバレンタインは手作りチョコあげるね♥」と言ったところ、「別に作らなくていいから、明治の板チョコにしてくれ」というショッキングな返答をされたのです。
私の手作りはマズいということ?
いや、そんなわけない。
これはきっと、明治のチョコレートがおいしすぎることが原因なのだ! もう、明治の工場に見学に行って、おいしいチョコの極意を学ぶしかない!
というわけで、来ちゃいましたよ。「明治なるほどファクトリー坂戸」!
ここは、チョコレートとカールが作られる様子を見学できる施設です。完全予約制ですが、なんと無料! 今回は施設アテンダーの三浦宏美さんにご案内していただきました。
ーーこんにちは! 今回はよろしくお願いいたします。
施設アテンダー 三浦宏美さん(以下、三浦):ようこそいらっしゃいました! 今回はチョコレートの製造過程が見たいとのことですが……。
ーーでも、ぶっちゃけカールも見たいです! 今回の企画とは関係ないですが!
三浦:わかりました(笑)。では、ひととおり案内させていただきますね。
ハッ! エントランスですでに、ほのかなチョコレートの香りが……。
香りの元をたどってみると、豊潤にあふれ出るチョコレートファウンテンが展示されていました。
三浦:これはうちの工場の手作りチョコレートファウンテンなんですよ。もちろんチョコはうちの工場で作られた明治のチョコレートです。
製造工場ならではのぜいたくなチョコレートファウンテン。濃厚なチョコの香りにクラクラしてきました……。このままでは欲望を抑えきれなくなるので(手持ちのクッキーとか付けて食べちゃいそう)、さっそく工場見学に移動します。
まず、案内していただいたのは、カカオと健康コーナー。チョコレートの原料であるカカオのことや、カカオの栄養素、健康効果などを楽しく学ぶ通路です。
三浦:明治のチョコレート原産地である、ガーナのカカオ畑をイメージした作りになっています。
天井はカカオの葉の木漏れ日を表現しているのだとか。ステキです。
これが、あのおいしい明治チョコレートの素。
カカオの実です。カカオの香りを直に嗅げるという、とっても貴重な体験をさせてもらいました。
三浦:この実を割ると、カカオの種が入っています。チョコレートの原料となるカカオ豆というのは、この種のことを言うんですよ。カカオ豆をすりつぶすと、こうなります。
ーーおおー! トロットロの液状になっていますね!!
三浦:あくまでもすり潰しただけなので、まったく甘くありません。でも香りはもうチョコレートでしょ? 見学に来た子どもたちがなめたがることがありますが、絶対やめさせます。
実は子どもじゃない私でもなめたかったのですが、大人なので口には出しませんでした。
そしてついに工場見学へ……。
ミルクチョコレートのゲートを通って、チョコレートの製造工程見学のスタートになります。今回、工程を見せていただくのは明治チョコレートの王道「ミルクチョコレート」。 そう、件の夫からリクエストされた板チョコとは、まさにコレのこと。いわば私にとって憎きライバルなわけです!
三浦:な、なるほど……。バレンタインの参考になるかはわかりませんが、どのように作られているのか、ぜひご覧になってください。
おおー、スゴイ! 先ほど見た液状のチョコレートが型へと流れ込んでいきます。
三浦:先ほどのチョコレートはカカオそのままでしたが、ここではすでに砂糖が追加されて甘くておいしいチョコレートになっています。
三浦:ちなみに、これが工場で使用されているミルクチョコレートの型です。1回の流し込みで16枚作れます。
おお……! 板チョコの長方形が理路整然と並んで美しさすら感じます。む、無理だ……私の不格好な手作りではこの完璧な造形にかなうわけがない……!
早くも敗北の色が濃厚に。
型から外されたチョコレートが流れていきます。
ここで16枚分の板チョコが2つに割れて、8枚分に。
8枚分だったチョコレートが、1枚1枚に分かれ、個包装されていきます。
そして、おなじみのパッケージに身を包んで、出荷されていくのです。
正直言うと、チョコレートの製造って流して固めて包装するっていう実に単純明快な工程なんですけど、改めて商品化されていく様子には感動しますね。私の手作りチョコより、明治の板チョコがいいと言われるのは至極当たり前のことだと納得できちゃうわけです。
三浦:ちなみに、ここで製造工程を披露しているチョコレートはもう一つあるんです。ご覧になりますか?
せっかくなので、そちらも拝見することにしました。何だろう? 明治のチョコといえばアポロとか? メルティキッスとか……?
その答えはだいぶ予想外の商品でした。丸っこく個包装された、大量のチョコレート。これCMとかで見るようなチョコじゃない……。
あっ! でもあの包装紙、見覚えありますよ。
子どもの頃、私これすっごい好きだった記憶が! そう、たしか……。
三浦:ご存じでしたか? あれは「ツィンクル」というチョコレートです。
そうそう、「ツィンクル」!
キラキラの包装紙をむくと、ウズラの卵みたいなチョコ。中は空洞でいろんなお菓子が入ってるの! これは明治のチョコレートだったんですね、知らなかった……。
三浦:「ツィンクル」には、卵の形のチョコのなかにラムネやこんぺいとう、いちごチョコなんかが入っています。包装紙の色によって中身が変わるんですよ。
こちらは製造工程というよりは、パッケージングされていく様子を見学する形でしたが、運ばれていくとんでもない量の「ツィンクル」に興奮が抑えられませんでした。
その後は、チョコレートとは全く関係がないのですが、カールの製造工程も見学させてもらいました。
三浦:見学施設は2階がチョコレート、1階がカールになっています。この通路は、カールおじさんの住む「おらが村」の小道をイメージして作られました。
ちなみにこの時、2階から階段で移動したのですが、踊り場でハッキリとチョコの匂いとカールの匂いの境目が感じられて面白かったです。
テレビでもよく見る、カールを作る機械。
出来上がったカール。
流れていくカール。
袋に詰められ、運ばれていくカール。
見学ルートの途中にあった青いボタンを押すと……。
なんと、出来立て&詰めたてのカールがひとつ、コンベアから落ちてくるというステキなシステムが!!!
まだ、ほのかに温かいカールを三浦さんと一緒にその場で食べました。
とってもおいしい!
冷めたカールもおいしいけれど、このヌクい感じもいい! 好き!
三浦:改めて食べるとおいしいでしょう? いやぁ、カールっていいなぁ。
三浦さん、久しぶりにカールを食べたらしく、ほとんど一袋完食されてました。
そして最後に、カールの見学ラインの奥にあるウカール神社にお願いごとをして、工場見学終了です。本来は受験生の願いをかなえる神社だそうですが、もちろん私は「バレンタイン必勝」祈願です。何をもって必勝なのかはわかりませんが……。
さらに株式会社明治の本社にも突撃取材
三浦さんにお礼とお別れを告げ、私はもうひとつの目的地へと向かいました。それは……株式会社明治の本社!
何しろ工場見学で得た結論は、「私の手作りが、明治のチョコにかなうわけがない」だったので、2017年のバレンタイン、明治のトレンドにのっとったチョコレート選びをさせていただこうじゃないかと広報担当の粉川さんにお話をうかがってきたのです!
ーーまずは今年のバレンタインのトレンドについてトコトン聞かせてもらいたいのです! つきましては、明治から見た2017年のバレンタインの傾向についてなど……。
コミュニケーション本部広報部・広報グループ 粉川さん(以下、粉川):興味深い傾向として、バレンタイン市場において、シニアが占める層の多さが顕著になってきましたね。明治が独自に行ったバレンタインに関する意識・実態の調査では、65歳以上の女性たちの4割がチョコレートをあげると回答していました。また、70代男性についても4割以上の方が、女性に逆チョコを贈っていると……。
ーーそれは、意外なデータですね! でも、確かにバレンタインってシニア層の方が意識してるのかもしれませんね。ちょうどその年代の方々がバリバリ働いていた頃にバレンタインって浸透したんですもんね。
粉川:ですね。バレンタインが一般的になったのは、約33年前なのでそれはあると思います。なので、今年は特に、健康志向のチョコレートが喜ばれるのではないかと考えております。当社の商品で言うと、カカオ分の高い「チョコレート効果」あたりでしょうか。
ーーそれ知ってます! 72%とか、86%とかのビターなやつですよね! すっごい濃いカカオ味の……。
粉川:カカオポリフェノールによる健康効果、カカオプロテインの腸内環境の改善などが注目されているので、カカオ成分の多いものが好まれるようになりましたね。2年前と比べると、格段に健康志向のチョコレートの需要が増えているんですよ。
ーーシニア層って本当に「健康」って言葉に弱いですよね……。かくいう私も、中年に差し掛かってからは、そういうの気になって仕方がないんですけど……。では逆に、若い人たちのトレンドについては?
粉川:若い世代に「チョコパ」にブームの兆しがありますね。チョコレートをみんなで一緒に作るチョコレートパーティーなど、準備段階を楽しむことで、バレンタインをさらに盛り上げる流れですね。また、個別包装のチョコレートをシェアして楽しむという、友チョコに最適な「シェアチョコ」なんかも人気が高まっているようです。いわば「体験型バレンタイン」に移行してる形です。
ーーそれ、参加することに意義があるってやつですよね! あぁ……小学生の頃、好きな人もいないのにチョコ買っちゃったりしてたもんなぁ。あの感覚ですよね……わかります。
粉川:本命の人にあげるチョコレートの予算が確実に高くなっているのも今年の傾向として挙げられますね。なんと、恋人への本命チョコの平均予算は2,501円なんです。つまり、今年のトレンドは、ずばり「高価格」。同時に、カカオ豆の買い付けから、焙煎や製法にこだわって作られた「BEAN TO BAR」のチョコがブームになっています。
ーー高品質な素材と製法がポイントになっているのですね! その辺りは、もしかして明治の得意分野ではないですか?
粉川:はい! そうなんです。なので、今年は2016年に発売を開始した「BEAN TO BAR」チョコレートである「明治 ザ・チョコレート」にスポットを当てて展開することになりました。
ーー「明治 ザ・チョコレート」! 知ってます。パッケージもオシャレですごくおいしいと評判ですよね。インスタグラムで見た気がする!
粉川:ありがたいことに、たくさんSNSで話題にしてただいててますね。「明治 ザ・チョコレート」は今、全6種類なのですが、バレンタイン期間限定で新たに2品発売することにしました。2月2日より開催されるサロン・デュ・ショコラで限定販売となる「明治 ザ・チョコレート メキシコホワイトカカオ」、そして百貨店でも販売される「明治 ザ・チョコレート ドミニカダークミルク」です。
ーー何これ、ケース超かわいい! うわぁ、これは本命チョコとして絶対アリですね! ちなみに、明治は手作りチョコについてはどう考えられてるんですか? 私が夫に言われたように「手作りなんかしないで明治のおいしいチョコ買えや」が本音ですかね……。
粉川:そんなことはないです(笑)。当社は昔から、板チョコを使った手作りチョコを提案してまして。近年では、クックパッドと毎年コラボレーションして、新しいレシピを公開しています。
ーーよ、良かった……。明治の板チョコといえば、やっぱり「ミルクチョコレート」ですよね? 手作り用に使っちゃってもOKなんですか?
粉川:はい。当社としては「明治ミルクチョコレート」は90年の歴史を誇る代表的商品です。料理やお菓子作りに使うチョコレートは、この板チョコが原点と考えています。
ーーまとめると、明治の2017年バレンタインのトレンドは、本命チョコを買う派の人には「BEAN TO BAR」のスペシャリティチョコである「明治 ザ・チョコレート」。手作り派には、「明治ミルクチョコレート」などの板チョコを推奨……と。しかし、改めて聞いてみると、今まで自分の知識にあったバレンタインとは、まったく違った行事になりつつあるような気がしますね。私の感覚は20年前の学生時代くらいからストップしてたんで……。
粉川:確かにそうですね。チョコパが良い例ですが近年のバレンタインは、「体験型」というのが、ひとつの大きなポイントになっています。百貨店でもカカオ豆をすりつぶして実演できるブースを設けているみたいで、当社もサロン・デュ・ショコラでは実際にチョコレート作りを実演させてもらってます。要は、チョコレートを「見ること」、「自分で買うこと・作ること」、そしてそれを「食べること」。
ーーそしてそれをSNS拡散することまでがセットとして、今のバレンタインなわけですね。ありがとうございます。おかげさまで、私のバレンタインの草案が固まりました。
粉川:お役に立てて良かったです。もし、よろしければこちらをお持ちください!
おみやげに明治のチョコレートをいっぱいいただきました。
もちろん、こちらは有効に活用させていただきたいと思います!
さて、今回の取材を経て、私なりに導き出した2017年のバレンタイン総括。
「おいしい明治のチョコレートを使って、手作りチョコを作る」。
明治で教えていただいたレシピを参考に、「チョコレートサラミ」を作ってみることにしました。ちなみに、あえて「明治ミルクチョコレート」ではなく「明治チョコレート効果 カカオ86%」を使ったレシピをチョイスしたのは、加齢による健康不安が理由です。
明治のチョコを使ってオリジナルチョコをつくってみた
材料
- 明治チョコレート効果 カカオ86%:12枚
- 生クリーム:大さじ1
- アーモンドナッツ:10g
- クルミ:10g
- ビスケット:20g
- フリーズドライイチゴ:20g
- いちごマシュマロ:10g
- 粉砂糖:適量
作り方
ボウルにチョコレート効果を入れ、60℃の湯せんで溶かす。溶けたら生クリームを加えてゴムベラで混ぜ、それ以外の材料を混ぜ合わせる。
ラップの上で直径3.5cmの円柱状に整えて、冷蔵庫で冷やす。
粉砂糖をかけて出来上がり。
あっけなく、本命の手作りチョコレートが完成しました!
これ、なかなかいいですね。ちゃんとラッピングしたらかわいく見えそうだし。
なにより簡単です。それに、ベースが何しろ明治のチョコレートですからね。
間違って塩でも入れない限り、おいしくないわけがない!
文句なぞ出るわけがないのですよ!
食べてみたところ、これが超おいしい。
チョコのビターさは、ゴロゴロ入れまくったビスケットやマシュマロがカバーしてくれます。ナッツの食感やイチゴの甘酸っぱさもいいですね。オススメです。
というわけで結論ですが、「明治のチョコレートって偉大だなぁ……」のひと言に尽きます!
来年のバレンタインも明治から傾向とトレンドを学んで、相手に喜ばれるチョコレートをプレゼントしたいと思います。ハッピーバレンタイン!!
施設情報
明治なるほどファクトリー坂戸
住所:埼玉県坂戸市千代田5-3-1
電話:049-283-1398
営業時間:月曜日~金曜日 9:30~ / 11:30~ / 14:00~ ※1日3回実施 (2以上の団体を入れる場合があります。あらかじめご了承ください)(お一人でも見学できる日程もあります。HPまたはお電話でお問合わせください)
定休日:土曜日、日曜日及び工場の休日および毎月第一営業日と最終営業日(詳しくは工場までお問い合わせください)