漬けおき調理は平等だ。
どんな安い食材も、たとえ料理ヘタクソマンでも、なんかそれなりに食べられるものになってくれる。
あと、手間がかからんのもありがたい。
朝に漬けておけば夜には食べごろ、あとは焼くだけ。ポジティブに考えれば8時間ほど時短できている。すごい。すごすぎる。
漬けおきのパワーを充分味わうために、今回は「豚の生姜焼き」でチャレンジしましょう。生姜焼きを好きな人に悪い人はいないもの。
調味料は重量比で計りたい
生姜焼き用として売られてる豚肉150~200gを一人前と考えましょう。大ざっぱにいきましょう。
材料(一人前あたり)
- 生姜焼き用豚肉:150~200g
- 漬けだれ:醤油(大さじ1)、みりん(大さじ1)、生姜(大さじ1・チューブ入りでよい)、水(大さじ1)
- キャベツ:欲しいだけ千切りにする
つっても、肉を漬けだれに漬けとくだけなので鬼ちょろいです。
調味料は、一人前のオカズにちょうどいい塩味が大さじ1の醤油という単位で考えます。
肉180g:醤油大さじ1=ちょうどいい
醤油、みりん、生姜、水すべてが大さじ1ずつという混合比は、我ながらかなりスマートだと思います。
水を入れるのはカサを増やして漬けだれが肉全体に回るようにです。
あ、あと、生姜焼きの最小単位ということでここまで絞った材料でやっております。ニンニクとかタマネギとか料理酒もお好みでどうぞ。
生姜は自分ですりおろしましょうみたいなレシピもありますし、普通に考えてそのほうがおいしいのでしょうが(あっ)、手軽に作って満足するのが目的なので今回はチューブからにゅーっと出します。
醤油とみりんと水を足して混ぜます。
ファスナー付き保存袋に肉と漬けだれを入れてもみまくり、冷蔵庫に入れて朝の仕込みは終了。
仕事に行ってきます。
ただいまー。腹減ったー。メシだー。
自炊でこのリズムができるのは爽快です。漬けおきならそれが可能なのです。
フライパンに油を入れて中火、あたたまったら。
漬けておいた肉をどばーん。
肉全部をフライパンにまんべんなく広げます。
広げているうちにどんどん焼けてきますな。
何分間焼きます、みたいなことを書けばレシピっぽいですが、生姜焼き用の薄切り豚肉は見た目で火の通りがわかるのでフィーリングでオッケーっす。
焼きすぎるとおいしくなくなるのでそれだけは注意。
豚の生焼けは命取りなのでそれも注意。
できあがった「豚の生姜焼き」をキャベツの千切りの上にどっさり乗せて、フライパンに残った汁もかけちゃいましょう。
玄関開けて数分の出来事です。
こりゃもう魔法だ、忍術だ。しかも味がしっかり染みており、満足感がすごい。
今回は二人前こさえてひとりで食べました。分量が多いほうが作りやすいし、二人前なんかぺろりです。
帰宅してすぐ、焼いただけで完成です。
やっべー、体感的には焼くことしかしてねえー。朝の俺、GJ!
平日仕事帰りにチョッ速で完成する満足オカズ
豚肉に8時間以上漬けだれを吸わせているので下ごしらえも充分。漬けおき調理の驚くべき時短効果です。そもそも単純でおいしいのが生姜焼き。手間はかけてませんが、味付けの時間だけはたっぷり使っているので、しこたまおいしいです。
いい肉を買って、筋切りなどの下ごしらえを丁寧にやって、生姜をおろしたり漬けだれをきっちり計量したりすれば、もちろんすごくおいしい上等なオカズができます。
でも、そういうのは休日にやればいいんです。
平日、仕事帰りにチョッ速でできる、即満足な晩メシのオカズが欲しいのです。
生姜焼きレシピには、焼いたあとでタレをかける方法もあります。タレがスベるので味が絡みやすいように肉に小麦粉をまぶすやつです。「手軽でおいしい」とされてるメソッドですね。これもうまい。
うまいのはわかっちゃいるけど、めんどくさい。
実は手軽じゃないのでは?
そうそう、こうやってタマネギと一緒に焼いて。
タレをかけてジャーっと合わせて。
白ご飯が消えてなくなるタイプのやつね。これ、肉そのものが高級でおいしい場合はいいんですけど、味の染みが心もち浅いんです。あと粉まぶすのがめんどくさい。
または、トンカツ用ロース肉に隠し包丁を入れて、朝出かける前に漬けだれに漬けるとかですよね。
それで帰宅後にジャーっと焼いて。
両面を焼いた後で漬けだれを足して。
ジャジャーと煮切り。
いい感じに仕上げる。
これもおいしい。しかし厚みがあるので焼き上げるのにちょっと時間がかかります。火を強くすると黒魔法により肉が固くなるので、中火以下でじっくり勝負の案件です。
そんなわけで、もし僕が平日夜のオカズに「豚の生姜焼き」を自炊するならば、
生姜焼き用の薄切り豚肉を、朝漬けて夜焼くやつを選びます。
正直、この中でいちばんうまいです。
※この記事は2016年12月の情報です。