東京工業大学・大岡山キャンパスでミス東工大とパワー丼を

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【学食巡礼】ミス東工大2015に案内されてランチ取材

学食巡礼、ついにミス・キャンパスとの出会いを果たしました。

ミス東工大2015グランプリの西田莉那さんです。

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現在21歳で工学部機械宇宙学科の3年生。4年生からは宇宙と機械で研究室が分かれることになるけれど、いまのところは機械の方に進みたい気分とのこと。

 

なぜかというと、研究対象は局地作業用ロボットや人工筋肉など、宇宙での作業も考えられるメカになりそうなので、宇宙と機械は学科としてそこまで無関係なものでもないみたいだからとのこと。

 

ガチガチの理系で、しかもメカニカル側の人だ。なぜだろう。親近感ハンパねえ。

 

岡山キャンパス第一食堂

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東工大の大岡山キャンパスには学食が二つあります。第一食堂と第二食堂。第一食堂の方が早く閉まるんです。なんと14時閉店。ランチの混雑時に最適化された学食の編成は「さすが東工大」と思わざるを得ません。

 

まずは第一食堂から攻めましょう。

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ミス東工大の西田さんのオススメは東工大パワー丼453円)。にんにくが好きということで、ご自分でもけっこう食べてるメニューです。

 

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「あ、これもおいしいんです」とすすめてくれたのが東工大ユーリンチー356円)。

メニューには枕詞のように「東工大」とついてきます。オリジナルメニューが豊富な学食ですね。

 

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そして見つけてしまったメガトリオカレー648円)。ボリューム感もすごいけど、ウワモノの圧力に驚きです。そしてリーズナブルな国立大プライス。これだ、これが学食だ。

もちろんこれも食べてみましょう。

 

ランチ混雑に対応した動線デザイン

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床に貼られた順路テープには「人の流れをスムーズにするために社会工学科が動線をデザインをした」という噂があるんです。なんすか、そのいかにも東工大っぽい伝説は。

 

店長さんにお話を聞いたところ、いろんな研究室や企業から動線の提案は実際に多くあるんだそうです。たくさんの人が短時間に集まる場所の動線管理をトライアルするには絶好の場所なんですね。

 

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それに実際、新入生が多い時期や夏休み明けなどに合わせて半年に一度くらいの割合で動線デザインを変更してもいるんです。

 

「いろんな提案があるけど、すべては受け切れないです」とは店長さんの言でした。

 

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取材したのは空いてる時期だったのですが、普段は大変混むそうです。1年生などはお金もないので学校の外に食べに行くことも難しく、圧倒的に安い学食には小一時間の昼休み中、一気に学生がやってきます。

 

学食の外にまで行列ができることもあるそうで、第一食堂と第二食堂の両方で800人くらいのランチ腹を満たすとのこと。驚くべき処理能力ですが、これは東工大の学生の合理性もあってのこと。空いている場所を上手に使って食べていくそうです。

 

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複数あるレジも大量の学生にもれなくランチタイムを提供するための設備なんですね。

 

「最近、若干女子力が出てきました」

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調味料置き場でドレッシングをかけてと。

 

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西田さんはダンスサークル「H2O」に所属。普段は真面目にダンスしております。

京都府出身で、大阪にある仏教系の高校に通っておりました。

ミス東工大になって変わったことは「若干、女子力が出た」とおっしゃる。

 

「持ってるスカートが増えたんですよ。2枚から5枚になりました。なんと2.5倍!」

  

いやいや。なんとって。ていうか2枚て。

男兄弟に挟まれているからか、性格が「次男っぽい」のかもしれません。

 

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東工大パワー丼453円)。西田さんのお気に入りです。

にんにく風味の効いた豚肉の味噌炒め、水菜と温泉卵がトッピングされています。

メシがどんどん進む系の味付け、ワシワシかっこめるタイプの丼です。

 

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ミス東工大グランプリを機に若干の女子力アップを自覚した西田さん。お母さんは現役でモデルをされているそうです。なるほど、美人母娘かー。

 

「メイク関係では、新たに『練りチーク』というものを知りました。それに、アイシャドーはグラデーションを入れるっていうノウハウを手に入れました。」

  

また、「久しぶりに美容院で髪を切った」とのこと。「普段はセルフカットで済ませてるんで」ですって。

 

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これも西田さんおすすめの東工大ユーリンチー356円)。

カリカリの衣にしみる濃い目の味付けのユーリンチーソース。ネギの風味が合うったらないです。鶏肉もデカめなのがうれしい食べごたえ。

 

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西田さんがミスコンに出場したきっかけを聞きました。

 

「出場者が足りないのでミスコン準備会に頼まれたんです。学祭ではダンスサークルの活動もあるので出場を迷ったんですけど。」

 

ついにはミスコン準備会サイドがサークルに頼みこむというところまで事態は進んだといいます。

まあ、ミスコン準備会の気持ちはよくわかります。

 

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▲メガトリオカレー(648円)

 

ハンバーグ、とんかつ、コロッケの三種のトッピングがメガ部分です。オーセンティックな学食カレーと間違いなくフィットするウワモノ。タンパク質の揚げ物は人類最大の好物です。

 

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おいしそうに食べるなあ。

 

ミスコンに出場してみた結果、協賛企業の獲得や工大祭(東工大の学祭)の知名度アップなど、実はいろいろ大変なことがあるんだとわかった西田さん。

 

「せっかくグランプリに選んでもらったので、いまは学校や学祭のためになるのであればと、できる範囲で活動しようと思っています。」

  

人を成長させるのは使命感や周囲からの期待だと言いますが、期待に押されてミスコンに出場し、グランプリになったことで使命感を持って役割を果たしている西田さんはなんかかっこいいです。

 

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きれいに食べた食器を。

 

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しっかり返却口に返す姿も堂々としたものです。

いや。いやいやいや。ミス東工大の役割とはこういうことではないです。

西田さんは「目立つことはあまり好きではない」というのですが、ミス東工大として工大祭(東工大の学祭)のことをもっと知ってもらうために就職雑誌の表紙になったり、ミス・オブ・ミス・キャンパスに出場したりしているのです。

 

もっとチャラチャラしていてもいいはずなんですけど、期待された役割を果たそうとするし、やるからには一生懸命です。自分にできることを知るたびに、その使命を責任を持って果たそうとします。

 

西田さんはそういう人なんですよ。

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たまたま居合わせた山本さん。西田さんの友人で、今回のメイクも担当。いろいろと撮影に協力してくれました。

 

より理系っぽさが見えるのが第二食堂

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さてこちらは第二食堂。20時まで営業します。こちらには個人客優先のテーブルもあって、利用者の回転を上げるアイデアがたくさん採用されています。

 

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たとえば「お食事優先タイム」。大学の学食といえば、そこでレポートを書いてみたり、友人たちとダベったりするものです。「この時間帯は食事する人を優先しましょう」という呼びかけです。

 

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筆者が「さすが東工大だ」と膝を打ったのはこちら。ホールの座席数199席に対する時間別の利用数データです。

 

なんかこう口やかましいマナー標語をどんどん発するよりも、静かにデータを明示することで利用者同士の自発的なゆずり合いや時間ずらしを促す施策です。国内屈指の理系大学らしい合理的なアイデア。

 

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石造りの建物にアーチ型の大きな窓。歴史のある国立大学の風情です。データで示す利用時間のすすめ方もそうですが、第二食堂には現代の理系大学ならではの特徴が多いです。

 

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それがこのハラルフードです。文系大学以上に、理系大学には海外からの学生が多く在籍しています。学会発表で来ることもあるでしょう。

 

あらゆる学生が食べられるハラルフードメニューは、いまの大学には必須となっているようです。

 

ミス東工大と行く大岡山キャンパスガイド

さて、ミス東工大が案内する大岡山キャンパス。こちらは東工大の本館。講義などはここで行われます。

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ガッチリした構造の、歴史を感じる構えです。ソリッドだなあ。文系大学にはスクラッチレンガの建物が多い印象がありますが、ここは大きな石材ブロックをきっちり組んできますね。

 

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もちろん文化財登録。文化財の中で東工大の学生は講義を受けているのです。

 

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そして西田さんがずっと気になっている場所がここ。本館講義棟の地下にある「浮いた柱」。なぜ下部が浮いているのか謎で、気になって仕方ないんだそうです。

 

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つづいてこちらは桜並木の横、記念講堂の裏にある「坂」です。雪が降ったときにTwitter上などで必ず話題になる「大岡山ゲレンデ」はここですよ。東京で雪が積もるとここでスキーやスノボをする学生が多発するのです。このバンカラな空気は、さすが古い大学らしくて非常に好ましいです。

 

ちなみにこの隣の桜並木ですが、桜の季節には近隣の人たちもやってくる花見の名所となるそうです

 

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東工大付属図書館、学生からの通称は「チーズケーキ」。蔵書は地下で、いま見えている切り立った三角形は読書スペースです。かなり大きな建物が意外なほど小さい脚で持ち上がっている構造なので、近くで見るとなんかやたらかっこいいです。

 

東京工業大学、すなわち東工大に関するおもしろ伝説がたくさんネット上にあふれています。行く前はそんな伝説による先入観でいっぱいだったので、正直なことを申しますと「ミス東工大」が存在することさえ知りませんでした。

 

どこの大学の学食でも、ランチ時に集中する利用者の空腹をいかに手際よく満たすのかに苦心しているのですが、季節で変動する動線デザインや自発性を促すデータ明示などの合理的で理系発想の工夫は目覚ましいものがありました。

 

ミス東工大グランプリの西田莉那さんの人柄も尊敬すべきものがあり、鼻の下をのばして行った自分が恥ずかしくなりました。

 

次に行く学食はあなたの母校かもしれませんよ。

 

お店情報

www.titech.ac.jp

 

書いた人:鷲谷憲樹

鷲谷憲樹

フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。

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