すごくデカいハム。通称「顔ハム」
日進ハムさんというハムやソーセージの老舗の会社がありまして。
『メシ通』でも記事になってましたね。
日進ハムのキラーコンテンツが「国産豚ボンレスハム(ホワイトハム)」(1パック162g/1,080円)。
このスライスハムが、とにかくデカいんです。
顔ぐらいの大きさ。ゆえに通称「顔ハム」。
デカいだけでなく、ちゃんとおいしい。ていうか、すげーうめー。
肉の味がしっかりしてハム離れしてるんだけど、まず脂がうまいんですよ。
脂はお肉の味を左右する要素。いい脂の肉はうまい。身も蓋もない事実です。
正直、これまで食べたスライスハムでいちばんおいしい。
このサイズ感のハムを前にすると、いろいろ試してみたくなるわけで。
人類の夢「顔ハムエッグ」
あまりの体格差でハムエッグの主従が逆転しちゃう。
焼きハムのたまご添え、といった体裁。味ですか? うめえんですよ。
通常のハムと違って、ハムステーキというかポークソテーみたいな存在感なんすよ。
サラダボウルにする
デカさを有効利用するためにどうするか。
食材を「器」にする。
そんな誰でも考えそうなアイデアでとりあえずやってみたのが顔ハムサラダボウル。
ボウルの底に顔ハムを敷いて、そこいらの草(スーパーで買ったサラダミックス)をバッと入れる。味付けはハムの味でオッケー。
特に意味はないが「ハムサラダくん」と呼びたい。大器晩成的な意味で。
▲横から見るとこう。ハムが器になっております
大ぶりなフォークを2本使ってハムをむしりながらサラダを取り分けて食べると、ワイルドかつ健康的なおいしさを楽しめるという趣向であります。
サンドウィッチにしたくなる
顔ハムは大きいだけじゃなく、厚みもある。ゆえに、食べ甲斐がある。
デカい、厚いで、いわゆるスライスハムのイメージとはちょっと違うんすよね。
だもんで、扱いに戸惑うこともありましたね。
ちぎっても、噛んでも、薄ーいハムとはぜんぜん違う食体験なんですよ。
こりゃサンドウィッチにしたら、いいに決まってますわね。日進ハムのホームページでも柔らかい白パンでのサンドウィッチはおすすめされています。
想像してごらん。
この顔ハムを折りたたんで厚みをもたせた、みっちりした歯ごたえとうま味を。想像しましたか。あまりにも簡単に想像できるので、やりません。
そこでクロックムッシュ。フランスの焼いたサンドウィッチです。
パンにハムとエメンタールチーズを挟んで、フライパンでバタービタビタにして何度もひっくり返しながら焼いて、仕上げにベシャメルソースをかける。最後にパセリを揉みながらふりかけると香りがよろしいです。
たしかに、ちょい高なエメンタールで素材をがんばったところはあるし、シンプルなハムサンドでも十分おいしいと思うんですけど、このクロックムッシュは「最高の朝メシ」みたいな貫禄がありましたな。味ですか? 大満足ですよ。
大きいなら巻け
それでまあね、人間には、眼の前にハムとパンがあったらとりあえず挟もうとする習性があるじゃないですか。でも、それって文化的な刷り込みじゃないのかな、と。挟む以外の方法もあるんじゃないかな、と。
ところで筆者、「カステラの端っこの切り落とし」が好物でしてね。
カステラを乗せてハムでラップする。
ジャストサイズですわ。
甘いのとしょっぱいのを合わせるテク。
これを気持ち悪がる人はイタリア人やアメリカ人に謝ってほしいね。生ハムメロンを食べながら謝ってほしい。
おいしさの厚みが増す組み合わせによる逆サンドウィッチ作戦です。
パン系の食材をハム包みにするとですね、しょっぱいハムが舌に先に当たるので味ファーストなんすよ。通常のサンドウィッチは無味のパンが外側になっており、それを「おいしい」と感じるにはそれなりの量の調味料が必要になってきますよね。
我々はサンドウィッチのおいしさと引き換えに結構な量の塩分を摂ってしまってるわけですよ。
塩分を摂りすぎると病気になります。血圧とか腎臓とかがヤバいらしいです。そこで、健康にいいかもしれない「外ハム」メソッドに可能性を感じて欲しいのです。まずはカステラの切り落としを買ってきて試して欲しいのです。ワッフルでもいいよ。
インスタントラーメンの蓋に
デカいから容器として使おうという垂直な発想がサラダボウルでしたね。
デカいなら蓋にもなるはずという水平な発想でやってみたんです。これ、小さいハムだとできないことなんで。
さすがに保温力はそこまででもなく、しかしハムの存在感とうまみはしっかりとあり、チャーシュー追加的なゴージャス感を味わうことができました。
まんぷくになります。
昆布で締めて海苔巻きにする
いままでやったことなかったのでハムを昆布締めにしてみました。昆布締めのやり方は各自でググってね。
豚肉のイノシン酸と昆布のグルタミン酸でうま味がブーストされてるので、この状態を素でペロッと食べてもめちゃおいしい。びっくりしたわ。もうここでトライアルは終わってもいいくらい昆布締めハムおいしい。
おや、海苔の上に置いてますね。大きさもちょうどいい。小さいハムを並べるのとは意味が違うんです。
ほうほう、その上に酢飯を平たく伸して。
巻き簾をギュッとするだけで、顔ハム海苔巻きの完成です。
いろいろやったけど、これがいちばんおいしかったっす。
正確に言うと、うまさがこっちの先入観を越えてきたんですな。
海苔のうま味成分はグアニル酸。
豚のイノシン酸・昆布のグルタミン酸・海苔のグアニル酸。うま味成分で役満です。
うま味アミノ酸は掛け合わせると効果が増すことは知られていますが、奇しくも三大うま味成分を一気食いできるパッケージになるんですな。
このうまさはそういうことなのだろうか、なんだろう、すごくおいしい。
スライスハムがデカいことで生まれるアイデア
ハム自体がうまいことはもちろん、スライスハムが大きいというだけでこれだけ遊べる(いや遊べるじゃダメか)、これだけ楽しめました。
通販でも買えるので、もし機会があれば好きなアレンジを楽しんでほしいし、なんならぜひハムの昆布締めだけでもやってみてほしいです。マジで。信じて。
そしてうまくいったものだけを教えてほしいと願うものであります。