「さつまいも」で甘じょっぱい味付けの料理をいろいろ作ってみる【大学いも、牛肉炒め、おこわ、豚肉炒め……】

いよいよ食欲の秋。この季節に出回る旬の食材に、「さつまいも」があります。さつまいものレシピというと焼きいもかスイーツと、どうもワンパターンになりがち。そこで、さつまいもをおいしく食べるためのちょっと変わったレシピをご紹介。

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さつまいもを「甘じょっぱいオカズ」として再確認してみる

さつまいもを料理するネット記事っていうと「焼きいもを限界まで甘くする方法」みたいなスイーツ方面に偏りがちな気がしますね。

せっかくの甘いいも。

これを甘じょっぱいオカズにすると、もっとカジュアルにオカズとして食べられるんじゃないでしょうか。

なんでも、さつまいもは火を通すと甘さが増すということなので、熱が入りやすいカタチで調理するのがミソです。

 

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さつまいも(薄切り)と豚肉を炒める

材料(2人分)

  • さつまいも 150g(スライサーで薄切りにして塩水にさらす)
  • 豚バラ肉 150g
  • サラダ油 小さじ1
  • ネギ塩ダレ 大さじ2(市販のものでOK)
  • いりごま 適量

 

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さつまいも150gをスライサーでペシペシと薄切りして塩水(分量外)にさらしておきます。

塩水にさらす理由は、断面が酸化して色が悪くなるのを止めるのと、下味をしみ込ませるためです。

 

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さつまいもの水分をしっかりきってから、サラダ油小さじ1を入れたフライパンを中火で熱して、さつまいもを炒めます。

油がしみて火が通って、さつまいもの色がちょっと濃くなるまでが目安です。

 

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さつまいもの色が変わり始めたら、ひと口大に切った豚バラ肉150gも炒め始めます。

 

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こんな感じでパリッと焦げ目がついたらOKです。

 

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お皿に盛り付けて、ネギ塩ダレをのせ、いりごまを散らすと完成です。

さつまいものおいしさって、実はあの香りがかなり重要なんです。

薄いけど独特な、さつまいもの香りってあるじゃないですか。

あのホラ、ちょっと煙い感じの。あの香りがあると、さつまいも食ってるなーという気分が上がり、甘みとしょっぱさの同時テイストでモクモクと食べられちゃいます。

ネギ、ショウガなどの香りの強い野菜とのコンビネーションはちょっと不利なので、ネギ塩ダレはかけすぎないことをおすすめします。

 

さつまいもをもっと味わうために「塊感」を追求する

さつまいもは塊感を持たせると、食べごたえも増し、いもの味も感じやすくなります。ただ、デカいと火が通りにくい。

そこで、あらかじめ電子レンジで加熱しておけばオカズ作りに使いやすくなります。これ、焼きいもをそのまま使うんでもOKです。

 

電子レンジで「ふかしいも」を作っておく

材料(さつまいも1本分)

  • さつまいも 300g(600wで2分→200wで15〜20分)

 

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さつまいも300gを濡らしたキッチンペーパーで包んで、蒸気が抜けないようにしっかりラップして電子レンジで加熱します。

 

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キッチンペーパーは十分に濡らします。蒸すための蒸気を作る水分(分量外)です。

あと、水分が無いとキッチンペーパーが燃えちゃう。

 

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まず600wで2分。そのまま200wで15分から20分。最初に高出力で細胞を壊し、次に低温でゆっくり火を入れるという狙いです。

 

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触れるくらいに粗熱を取ってからスパッとしてみました。レンジでふかしただけですが、ちゃんと焼きいもみたいになってますね。安心しました。

で、「さつまいも 300g」って、わかんないすよね。

買ってきたさつまいもが大きかったら切るにしても、ちょうど300gに切るのは至難の技。レシピ記事ってこういうところが不親切なんですよね。ちょうど300gじゃないとダメな気がしちゃうんすよね。わかります。

でもですね、実はスーパーで売られている「規格品」がおおよそ300g前後のサイズになってます。なので厳密に選んで買う必要はないはずです。

 

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これくらいのが、1本あたり300g前後のさつまいもです。

あと、ちょっとした誤差は気にしないでいいです。プラスマイナス20gくらいなんか、どうでもいいので安心してチンしてください。

さあ、電子レンジで「ふかしいも」をこさえましたら、さつまいもをゴロゴロに切って使うオカズにチャレンジしましょう。

 

さつまいも(ゴロゴロ)を牛肉と炒める

材料(2人分)

  • 牛肉 150g
  • さつまいも 150g(電子レンジで加熱したものを粗めの拍子木切り)
  • サラダ油 大さじ1
  • 焼肉のタレ 大さじ3
  • かいわれ大根 15g

 

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電子レンジでふかしたさつまいも150gをザクザクと切ります。サイズ感はドミノの牌くらいですかね。もちろん焼きいもでも代用可能です。

 

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同じサイズに切った牛肉150gをサラダ油大さじ1で炒めます。火加減は中火くらい。

 

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いい感じで焼けてきました。

 

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ジュージューとしてきたら、先ほどのさつまいもをドンと入れましょう。

 

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さつまいもにはすでに火が通っていますので、焼き目がつくくらいでOKなんですよ。

 

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おいしそうな焼き目がついてきたら、焼肉のタレを大さじ3流し入れます。

 

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焼肉のタレを加熱しすぎると風味が飛んでしまいますので、サッと温める程度でOK。

 

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色味でかいわれ大根を15gほど添えて完成です。

焼肉のタレが甘じょっぱいわけですが、さつまいもの甘みとの相乗効果でたいへん満足感のある仕上がりになっています。

オカズ性能も高いし、さつまいもの大きさが風味も感じられるサイズなので、ちょっとおもしろいんですよ。あれです、焼肉の野菜盛りの中にあるかぼちゃみたいな役割。

 

さつまいもをご飯と混ぜるだけの「おこわモドキ」

材料(2人分)

  • ご飯 1合
  • さつまいも 150g(電子レンジで加熱したものをさいの目切り)
  • ごま塩 好きなだけ

 

さて、これは白飯に直接さつまいもを入れちゃおうという話。

「さつまいものおこわ」ってありますね。あれはもち米とさつまいもを一緒にセイロで蒸すんですけど、まあ、めんどくさいじゃないですか。

炊き込みにするにしても分量を量ったりなんだりで、めんどくさい。

 

「今日のところは炊きあがった白米にふかしいもを混ぜるだけでおこわの雰囲気を味わえるなら、まあそれでいいか」という気分を満たすことができるおこわモドキをこさえましょう。

 

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電子レンジでふかしたさつまいも150gをさいの目切りにします。

もちろん焼きいもでも代用可能です。

 

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ご飯が1合炊きあがりましたら。

 

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さつまいもを炊飯器の中にドン入れ。

 

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さつまいもがくずれないように優しく混ぜたら、15分くらい保温モードにしてなじませます。

 

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ごま塩を好きなだけふりかけて召し上がるとよろしい。

さつまいものおこわというより、いもでカサ増しした銀シャリって見た目になっちゃいましたが、ごま塩効果でさつまいもの甘みを強く感じることができ、風味も豊かでマジ満足です。

 

二度揚げしない大学いも

材料(1人分)

  • さつまいも 150g(電子レンジで加熱したものを乱切り)
  • 揚げ油 さつまいもが半分浸るくらい
  • 砂糖 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • 醤油 小さじ1
  • 黒ごま 小さじ1

 

電子レンジでふかしたさつまいもはすでに火が通っているので、ちょっとめんどうそうな料理も気軽にいけるのでは。

そう考えたので、大学いもも作ってみました。

 

大学いもって、買ってくるものってイメージが強かったので、好きだけど縁遠いオヤツだったんですが、この方法だと思ったよりも気楽に作れます。

 

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ふかしたさつまいも150g。焼きいもでも代用可能です。

みたらしあんは、砂糖大さじ2、みりん大さじ1、醤油小さじ1があればOK。黒ごま小さじ1を加えると楽しいです。

 

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さつまいもをバツバツと乱切りにします。食べたいサイズで切りましょう。

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大学いものいもって二度揚げしないと中まで火が通らないんですけど、このやり方だと表面がカリッと揚がればいいだけなので、気楽です。

揚げ油の量もいもが半分浸かれば大丈夫。いもをくるくる回しながらまんべんなく揚げていきましょう。油の温度は180℃くらい。

 

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表面がカリッとしたら、油を切っておきます。ふかしいもは実が糖化してるので、焦げ始めるとすぐに黒くなります。タイミング命です。

 

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はい、みたらしあん。フライパンに砂糖大さじ2とみりん大さじ1を入れたら弱火で熱します。砂糖を溶かすように混ぜながらです。

 

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こんなふうにシュワーと泡立ってきたら醤油小さじ1を入れます。

 

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醤油を混ぜながら粘り気が出るまで加熱して、粘り気を感じたらすぐに火を止めます。ここからすぐに焦げちゃうんで、タイミング命です。

 

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クッキングシートに揚げたいもを配置して。

 

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みたらしあんを絡めます。

 

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黒ごまもザラーっと入れます。このとき、クッキングシートをひん曲げて谷底で絡める作業をするとはかどりがいいです。

 

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なんと、お店で買ってきたみたいな大学いもの完成です。

いもの表面がカリッとして、中はホクホク。ちょいしょっぺーみたらしあんのべったりした甘さとさつまいもの甘み、テンションが違うふたつの甘さがいいテンポになります。できたてで熱いので、それもうまいっす。

ていうかまあ、揚げ油を用意したなら二度揚げしたって手間は変わらんどころか、二度揚げのほうがラクなんですが、ふかしいもがあることで気楽にスタートを切ることができたと考えると、成果は上々でしょう。

みなさんは生のいもから二度揚げしたほうがいいと思います。そのほうがおいしいし、楽しいはず。

 

さつまいもを甘くするには

さつまいもが加熱で甘くなるのは、熱で糊化したデンプンが酵素の働きで糖に変わるからなんですね。その酵素が働く温度が約70℃~80℃と言われています。

この温度で長時間キープすると酵素パワーが行き渡り、より多くの糖が作られて、さつまいもが甘くなるというカラクリなわけです。

 

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この断面に白くぷっくり浮いてるのがデンプン。

理科の実験のときに、ヨウ素液で紫色になったのがこいつです。

 

さつまいもを甘くする原理はいろんなサイトに書かれているので、スイーツ方面のものを作る場合はそちらを参考にしていただいて。今回はさつまいもの甘さを利用して「甘じょっぱく食べる」方向でやってみました。

さつまいもは時期によっては1本100円を切るほどリーズナブルな野菜です。

好きな方法でぜひ楽しんでください。

書いた人:鷲谷憲樹

鷲谷憲樹

フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。

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