【乳酸発酵自作レシピ】ヨーグルト→サワークリーム→発酵バターの作りかた【三段活用】

自家製ヨーグルトが、自家製サワークリームの材料となり、自家製サワークリームが自家製発酵バターの材料となる。この連鎖する発酵乳製品づくりのテクニックについて教えてもらうことにした。 題して、「発酵乳の三段活用」だ。

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▲『発酵はおいしい!』(パイ インターナショナル)より抜粋

INDEX

 

発酵食品の世界は、奥深い

メシ通ライター(よ)こと、ferment booksのワダヨシです。

このたび、ferment booksと、麹&発酵料理研究家のおのみささんとの共著で、イラストで読む世界の発酵食品図鑑『発酵はおいしい!』(パイ インターナショナル・刊)を出版しました。

 

発酵はおいしい!-イラストで読む世界の発酵食品-

発酵はおいしい!-イラストで読む世界の発酵食品-

  • 作者:ferment books,おのみさ
  • 出版社/メーカー: パイインターナショナル
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

発酵食品の基本中の基本から、醤油、味噌、酒など日本の発酵食品づくりの要となる「」の知識や活用法……。

 

さらに、日本と世界のさまざまな発酵食品の解説や、味噌・ビール・ワイン・ナンプラーの醸造所見学記、発酵世界史、発酵ブックガイド、そして、もちろん発酵食品や発酵料理のレシピなど、発酵に関するすべてをわかりやすく網羅しました。

 

そして、この本の発酵レシピのページを担当してくれたのは、共著者の「おのみさ」さん。

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koujieeen.exblog.jp

 

おのさんは、かつての「塩麹ブーム」の立役者ともいえる麹研究家/イラストレーター。麹関係の著書をこれまで5冊も出しており、日本における発酵学の大家・小泉武夫さんとコラボした本まであるのだ。

以前、『メシ通』では「ザワークラウトの作りかた」を披露していただいたこともある。

 

www.hotpepper.jp

 

そんなおのさんに、『発酵はおいしい!』の発売を記念して、同書に掲載の「ヨーグルトの知識」、そして「サワークリーム&発酵バターのつくり方」の拡大版レクチャーを、メシ通読者向けにお願いした。

 

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自家製ヨーグルトが、自家製サワークリームの材料となり、自家製サワークリームが自家製発酵バターの材料となる。この連鎖する発酵乳製品づくりのテクニックについて教えてもらおう。

 

題して、「発酵乳の三段活用」だ。

 

【発酵乳の三段活用】

  1. 牛乳+種菌用ヨーグルト→「自家製ヨーグルト」をつくる
  2. 自家製ヨーグルト+生クリーム→「自家製サワークリーム」をつくる
  3. 自家製サワークリームを攪拌(かくはん)→「自家製発酵バター」をつくる

 

まずは三段活用の第一段。自宅で「ヨーグルト」をつくってみるところから始めよう。

 

「ヨーグルトメーカー」を入手してみよう

では、ヨーグルトやサワークリームを発酵させるために、あると非常に便利な調理道具があると解説してくれた。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおのみささん(以下、敬称略):まずは調理器具から。いろいろなメーカーからさまざまなタイプのものが市販されている「ヨーグルトメーカー」が便利です。

 

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おのさんが見せてくれたふたつの調理器具は、どちらも食品の温度を一定に保ちながら好きな時間保温できるヨーグルトメーカー。

もちろん、発酵乳だけでなく、甘酒や納豆などの自作にも使える便利なキッチン家電だ。

さまざまなメーカーから発売されており、安いもので2,000円台くらいから買えるので、発酵ファンは必携の調理ギアなのである。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:今回は、右のヨーグルトメーカーを使ってみますね。1リットルの牛乳パックをそのまま保温できるデザインになっているんですよ。

 

牛乳パックや縦長の容器をそのまま保温できるタイプは各社が発売しており、ヨーグルトをつくるのに大変便利。

左のタイプは専用の容器に材料を入れて保温するデザインで、こちらはより汎用性がある。

どちらのタイプを入手するかは各自のニーズ次第。

そして、ヨーグルトメーカーを持っていない人も、安心してほしい。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:ひととおりヨーグルトの仕込みを紹介したあとで、「アナログ保温」についても解説しますね。この方法を知っておけば、ヨーグルトメーカーがなくても、ヨーグルトやサワークリームがつくれます。

 

電気を使うキッチン家電で保温するのが「デジタル保温」ならば、電気を使わず工夫して保温するのが「アナログ保温」なんだそうだ。

発酵テクニックに関する、おのさん独自の用語である。

 

では、ヨーグルトの仕込みにうつろう。

 

発酵乳の三段活用・第一段「自家製ヨーグルト」の作り方

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材料は市販の牛乳と、発酵の種菌となる市販のヨーグルト。

 

【材料:自家製ヨーグルト】

  • 牛乳 成分無調整のもの 1リットル
  • プレーンヨーグルト 100ミリリットル

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:牛乳は「成分無調整」で、種類別表示が「牛乳」の商品を用意してください。ヨーグルトは、甘味やフレーバーの添加されていないプレーンヨーグルトであれば、なんでもOKですよ。

 

牛乳とヨーグルトは、早めに冷蔵庫から出して室温に戻しておくとよい。

種菌となるヨーグルトの分量は、1リットルの牛乳パックにたいして、100ミリリットル

 

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牛乳パックの口を全部ひらいて、100ミリリットルのヨーグルトを投入。

 

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ヨーグルトを入れたら、よく混ぜる。

 

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牛乳とヨーグルトが混ざったら、牛乳パックのふたを閉める。

 

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写真のようなクリップがあれば、パックのふたを閉じておくのに、とても便利。

 

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ヨーグルトメーカーの温度を「40℃」に設定する。

 

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保温時間は、とりあえず7時間に設定してみよう。

 

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牛乳パックをヨーグルトメーカーにセットして、保温開始!

これで7時間、じっと待つ。

 

電気を使わない「アナログ保温」でも自作してみよう

つぎに、ヨーグルトメーカーを使用しないでつくる「アナログ保温」についても、おのさんが説明してくれた。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:用意するのは、先ほどと同じ分量で牛乳と種菌用ヨーグルトを混ぜた材料に、クーラーボックスとホット飲料用のペットボトルです。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:このホット飲料用ペットボトルに、適温のお湯を入れておきます。

 

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以上が用意できたら、クーラーボックスに、紙パック入りの材料と、お湯を入れたペットボトルを入れる。

 

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これで、ふたを閉じて保温開始!

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保温中は、ペットボトルのお湯が冷めてくるので、見計らって熱いものに交換すること。

ヨーグルトメーカーのようには温度が正確に保てないので、倍くらいの時間、10時間から10数時間くらいを目安にするといい。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:保温するための熱源は、サイズさえ合えば湯たんぽなどでもOK。使い捨てカイロなども使えますよ。

 

さらに、土鍋を使った「アナログ保温」もあるという。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:清潔な土鍋に先ほどと同じ分量の牛乳を入れ、あらかじめ40℃に温めておきます。そこに、室温に戻した種菌用のヨーグルトを混ぜてフタをし、毛布やバスタオルなどで土鍋ごとくるんでしまいます。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:これで半日くらい保温します。

 

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ヨーグルトメーカーを使わない「アナログ保温」については、それぞれの状況で温度などが異なってくるため、一概に「このやり方がベスト」と言えないところもある。

なので、みなさん試行錯誤して、いちばんうまくいくやり方、やりやすい方法を探ってほしい。

けっこうアバウトでも、まずまずうまくいくはずだ。

 

※保温の技術については『発酵はおいしい!』のp125~(米麹づくりでの保温について)、p158(サワークリームづくりの保温について)、p169(甘酒づくりの保温について)も、ぜひ参考にしてほしい。

 

そうこうしているうちに、ヨーグルトメーカーで仕込んだ材料が7時間経過したようだ。

ちょっと中をのぞいてみよう。

 

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完璧。固まっている。

ヨーグルトができたようだ。

 

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味見して、ヨーグルトの完成を確認したら、パックの口を再び閉じて、冷蔵庫で冷やす。

冷たくなったら、再び味見してみよう。

 

どうだろうか。

市販品と遜色ないおいしさのはずだ。

ヨーグルトは自作するにかぎる!

 

そう実感することうけあいだ。

 

……と、喜んでいたら、おのさんからアドバイスが。ヨーグルトを繰り返しつくる場合の注意点がひとつあるそうだ。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:自作したヨーグルトを種菌にして、またヨーグルトをつくり、そのヨーグルトをまた種菌に……と繰り返せば、永遠に市販品を買わずにヨーグルトを自作し続けられると思いがちですが、何度か自作を繰り返しているうちに菌の力が弱くなるのか、発酵しづらくなります。それには注意してくださいね。

 

作ったヨーグルトをライタ風のサラダにしてカレーに添えてみる

さて、できたヨーグルトをどう味わうか?

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:もちろん、そのまま食べたり、ハチミツやジャムなどで甘く味付けをしてデザートとして食べるのもいいけれど、おすすめしたいのはインド料理店でカレーやビリヤニに添えられているライタ風のヨーグルトサラダです。

 

本格インドカレーが流行している昨今、ライタの知名度もかなり上がってきた。

スパイシーなカレーにぴったりな、爽やかな酸味のライタ。これ、インドレストランやカレー店だけでなく、自宅でも味わってみたいハマる組み合わせなのだ。

 

このライタをサラダ風にアレンジしたレシピを紹介しよう。

材料は、いたってシンプル。

 

【材料:ライタ風ヨーグルトサラダ】

  • 自作ヨーグルト 200グラム
  • きゅうり 一本
  • すりおろしニンニク(チューブ入りでもOK) お好みで適量
  • 塩 お好みで適量
  • 黒コショウ お好みで適量
  • クミンシード(もしあれば適量。なくてもOK)

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:ヨーグルトと、さいの目に切ったきゅうり、好みの量のすりおろしニンニクをボウルで混ぜ合わせます。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:好みの分量の塩で味を決めたら器に盛ります。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:これも好みなんですが、黒コショウや、クミンシードなどのスパイスをふって、完成です!

 

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ライタ風ヨーグルトサラダは、ぜひカレーと一緒に!

 

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上の写真のあいがけカレーライス、実はレトルト使用(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:いやいや、むしろレトルトカレーを食べるときにこそ、ライタ風ヨーグルトサラダを合わせてみてほしいです。わずか5分のひと手間で、満足度倍増ですよ! 「レトルトなんて……」とあなどれない、かなりステキな一食になるはず。

 

発酵乳の三段活用・第二段 ヨーグルトから「自家製サワークリーム」をつくる

お次は発酵乳の三段活用、第二段目。

自作したヨーグルトを材料に、サワークリームをつくってみよう。

 

材料は下記のとおり。

 

【材料:サワークリーム】

  • 自作したヨーグルト 80グラム
  • 生クリーム 600ミリリットル(生クリーム200ミリリットル入りパック×3個)

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:生クリームは植物性脂肪をふくまない、種類別「クリーム」で、乳脂肪分40%以上の商品を使用してください。

 

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ヨーグルトメーカーに入るちょうどいい容器に生クリームをあけ、自作したヨーグルトを加えて、よく混ぜ合わせる。

 

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ヨーグルトメーカーの温度を、ヨーグルトづくりのときと同じく40℃にセット。

 

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保温時間も、同じく7時間に。

 

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容器にフタやラップをして閉じ、保温開始!

「アナログ保温」の場合は、前述で解説したのと同じ方法で実践してみよう。

 

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7時間後。発酵完了だ!

 

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容器を出してスプーンですくってみると、お~、こんな感じに固まっている。

これをさらに冷蔵庫において一晩待つと……。

 

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こんな感じで冷やし固められて、しっかりしたテクスチャーに。

自作サワークリームの完成だ!

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:できたものの半分はサワークリームとしていただき、半分は発酵バターの材料としてとっておきます。

 

たらこやいくらなど魚卵とサワークリームは相性抜群

さて、サワークリームのおいしい食べ方は?

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:サワークリームはケーキやスコーンなどに添えたり、お菓子の材料にもしますね。あと、ロシア名物でビーツの赤みが鮮やかなシチュー、ボルシチに添えてもおいしいです。ビーフストロガノフもサワークリームが決め手ですね。

 

どちらかというと日本の食卓ではそんなに馴染みがないサワークリームだが、いろんな使い道があるもんだ。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:そんななかで、一番つくるのが簡単、かつ、おいしいと思うのは、たらこ&サワークリームのディップです!

 

お~! それ、お酒のつまみにもすごく良さそう。

さっそく材料を紹介。

 

【材料:たらこ&サワークリームのディップ】

  • 自作したサワークリーム 適量
  • たらこ 適量
  • ディップをのせるクラッカーやパンなど お好みで数枚
  • 黒コショウ お好みで

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:つくり方はとても簡単です。ほぐしたたらことサワークリームをお好みで適量、ボウルに入れて……

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:混ぜ合わせて……

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:クラッカーなどにのせて、黒コショウをふったら完成!

 

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たらことサワークリームさえあれば、3分でできるカンタンおつまみ。

う~ん、これはなかなか良い。

間違いなく白ワインに合いそうな味。

 

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ちなみにロシアでは「スメタナ」が国民的発酵食品。

スメタナと言っても作曲家のことではなく、サワークリームに近い発酵乳製品だ。

前述のボルシチや、ペリメニ(ロシア式餃子)、ブリヌイ(ロシア式クレープ)に添えたり、日本の感覚で言えば醤油みたいに、あらゆる料理に使う。

とくにロシア風の黒パンにサワークリームを塗って、いくらをのせたら、もう最高!

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:サワークリームと魚卵は相性抜群ですよね。黒パンといくらが手に入ったら、ぜひやってみてください。

 

発酵乳の三段活用・最終段 フランス産品質の「自家製発酵バター」をつくる

いよいよ最終段である。

自作したサワークリームを材料に、超美味なる発酵バターをつくってみよう!

フランス産の発酵バターは輸入食材スーパーなどで結構な高値で売られているが、それに迫る品質のバターが自宅でつくれたら最高じゃないか。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:バターの自作に、あるとすごく便利なのが、これです。

 

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電動のハンドミキサーである。

発酵バターは、サワークリームを攪拌して乳脂肪分と水分に分離させてつくる。

電動ハンドミキサーさえあれば、攪拌開始⇒分離まで約10分ほど。

ふつうの泡だて器でやってみると、だいたい30~40分くらいかかる。できないことはないが、けっこう面倒くさい。腕も疲れる。

この電動ハンドミキサーも、いろいろな種類の製品が売られおり、ネット通販などで2,000円台くらいから買えるのでオススメだ。

 

それでは、発酵バターづくりにトライしてみよう。

 

【材料:発酵バター】

  • サワークリーム 300ミリリットル分
  • 塩 お好みで適量

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:生クリーム600ミリリットルからつくったサワークリームの半量をボウルにとります。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:これをハンドミキサーで攪拌します。クリームが飛び散らないように注意してください。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:数分ほど攪拌し続けていると、かたまりと水分が分離してきます。このかたまりが乳脂肪分が凝縮したもので、つまりバターなんですよ。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:水分が分離してくると、回転しているハンドミキサーからの飛び散り方が激しくなるので、まわりのものを汚さないように注意してくださいね。

 

十分に分離したら、バター部分を取り出し、水分を切る。

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:ざるにキッチンペーパーや清潔なふきんをしいて水分を切ってもいいし、こんな風にコーヒーフィルターも活用できます。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:分離した水分は、バターミルクと呼ばれるものです。

 

バターミルクはパンやケーキなど製菓の材料に使えるほか、そのまま飲んでもおいしいので、瓶詰めなどにして冷蔵保存しておこう。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:おおよそバターとバターミルクが分離できたら、バターをボウルにとって好みで塩を加えます。

 

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塩は加えても、加えなくてもOK。

塩を混ぜなければ無塩バター、混ぜれば有塩バターになる。

有塩バターのほうが、比較的保存がきく。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:せっかくなので、むかしフランス土産にもらった、でも、もったいないから使わないままになっていた(笑)、ゲランドの塩を混ぜてみます。

 

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ゲランドの塩といったらフランス・ブルターニュ地方の塩田からとれる伝統塩。

これは本格的!

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:塩の分量は、味を見ながら各自適宜で。塩辛くしすぎないよう注意してください。塩を混ぜていると、さらにバターミルクが分離してきます。

 

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塩が混ざって、水分が出切ったら、密閉できる器などに移す。

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:冷蔵庫で一晩冷やし固めたら、発酵バターの完成です!

 

ひとくち味見。

発酵で生まれた酸味と乳脂肪のうま味が超リッチ! ゲランドの塩を使ったのも大正解だったかもしれない。塩味が加わることで濃厚さがひときわ増している。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:もちろん、パンに塗ったり、お料理や、お菓子づくりに使ったりしても最高なんですが、発酵バターのおいしさが一番ダイレクトに味わえるメニューってこれだと思うんですよ。

 

ちなみに自作した発酵乳のおおよその消費期限は、冷蔵庫で保管した場合でヨーグルトとサワークリームが2〜3日、バターだと2〜3週間というところ。

だが、発酵乳の状態を見てみてもし痛んでいそうなら、食べずに廃棄した方がベターだ。

 

発酵バターを熱々のごはんにのせて

【材料:発酵バター醤油ごはん】

  • 発酵バター お好みで適量
  • ごはん 一膳分
  • 醤油 お好みで適量

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発酵バター醤油ごはん!!

このシンプルかつ、そこはかとない男子的やんちゃさをただよわせた禁断の一品。

ここまでの手間と時間をかけてつくった発酵バターを、醤油バターごはんで消費してしまう酔狂さも、なんか楽しい気がする。

 

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さっそく食べてみよう。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:熱々のごはんに好きなだけ発酵バターを盛って……

 

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f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:チラっとお醤油をまわしかけます。

 

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うおー、ほかほかごはんにバターが溶けていく様子が食欲をそそる!

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:よく混ぜて食べてください。

 

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文句なしに、うまいです。

バターの乳脂肪分のうま味、醤油の塩味とうま味。それらが渾然一体となったおいしさのかたまりを、米の炭水化物が支えて口の中で爆発させている……。

これは、かなり予想外。

発酵バター、ものすごく良い仕事をしている。

一瞬でぺろっとお茶碗一杯食べきってしまった。

おかわり下さい!

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:おかわりは、発酵乳製品三段活用の全部盛りをどうぞ!!

 

禁断の全部盛り

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あいがけカレーにライタ風ヨーグルトサラダ、たらこ&サワークリームディップのせクラッカー、そしてごはんには発酵バターのせ!

醤油バターごはん、ならぬ、カレー&発酵バターライスもガッツリ&ワンパクなおいしさだなあ~。

これ、ダイエット中の人は、絶対に食べないでください。

 

f:id:Meshi2_IB:20200226174717p:plainおの:バターミルクはドリンクにしてみました。

 

バターミルクに塩味をきかせたインド風のドリンクも、なかなかイイ。

とってもカレーに合う。

インドでは、バターミルクに塩やクミンシード、ハーブ類などをきかせた「チャース」という飲みものがあって、これはそれっぽい感じだ。

酸味のある発酵乳飲料に塩味がきいていると、初めは「うおっ」っと思うが、一度飲み慣れるとクセになることうけあい。

トルコにも塩味の飲むヨーグルト「アイラン」があり、地元の人たちに愛飲されている。

 

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いやー、世界の発酵乳文化は多様で深い!

 

書籍『発酵はおいしい!』では、「世界の発酵乳の基礎知識」「ヨーグルト」「チーズ」の知識も解説してあるのでさらに詳しく知りたい人はこちらももぜひ読んでみてほしい。

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▲『発酵はおいしい!』(パイ インターナショナル)より抜粋

 

ヨーグルトをはじめとする発酵乳製品には、乳酸菌が生きている。

さまざまな発酵食品は免疫力をアップさせるとも言われている。

もろもろ不安も多いご時世だが、まずは健康第一。

手づくり発酵食品で免疫力をアップして、人生と食生活を元気に楽しんでいこう。

 

発酵バンザイ!!

 

【注意】

  • 温度や条件次第で発酵が早く進んだり、逆に進まずに腐敗したりする場合があります。調理する場合は十分に注意して行ってください。
  • 容器や調理器具を煮沸消毒しておくなど、清潔な環境で行いましょう。
  • 新鮮な牛乳、ヨーグルト、生クリームを使いましょう。
  • 完成した発酵食品は、冷蔵庫で保存しましょう。

 

書いた人:(よ)

(よ)

「ferment books」の編集者、ライター。「ワダヨシ」名義でも活動中。『発酵はおいしい!』(パイ インターナショナル)、『サンダー・キャッツの発酵教室』『味の形 迫川尚子インタビュー』(ferment books)、『台湾レトロ氷菓店』(グラフィック社)など、食に関する本を中心に手がける。

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