おいしい卵はこうやって作られる。大阪は寺西養鶏場のブランド「さしみ卵」の食べ方をどーんと紹介

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まいど憶良(おくら)です。

 

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大阪は富田林にやって来ました。

 

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寺西養鶏場。小さな養鶏場ですが、ここに「さしみ卵」というブランドの卵があります。簡単に言うと、生みたての卵を最高の状態で楽しむための卵なんです。

 

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関西では何度もテレビで取り上げられていますが、全国的にはまだまだ知られていないブランドのようです。

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今回は、①生みたての卵とは、②おいしい卵はどのように作られるのか、③これだけこだわって卵を作った人に聞いた卵の食べ方、の3つをご紹介したいと思います。

 

生みたての卵とは

一般にはあまり聞きなれない言葉かもしれないのですが、卵白はざっくりと水様卵白と濃厚卵白に分かれます。

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生みたての卵を割ってみますと、この時点でもちょっとわかりますが、横から見るともっと分かりやすいと思います。

 

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外の水様卵白と、内側の濃厚卵白。新鮮な卵は、この濃厚卵白がしっかりと盛り上がっています。日がたつと、この2つの卵白の境がぼけてしまいます。また、水様卵白も張りがなくなり、お皿のふちまでだらっと広がるようになります。

 

ちなみに超生みたての卵は……

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結構乱暴にしてもつまめます。

 

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ちなみにこれがスーパーなどで売っている、新鮮なブランド卵。濃厚卵白と水様卵白の境界線はぼやけていて、水様卵白は皿のふちまで広がっています。さしみ卵もその日に売れきれなかった分は業者に引き取ってもらうので、それから大きさなど選別され、パック詰めされ、流通に乗せられてスーパーなどに並べられます。ですので売れ残った卵については最終的にこの卵と同じように家庭に届きます。 

 

おいしい卵はどのように作られるのか

ポイント1:水は基本

鶏も人も、生物にとって大切なのは水。でも、多くの養鶏場では水をあげるとき、容器や樋(とい)に水をためてあげています。古くなった水が体に良くないのはわかっていても、コストを考えると常に新しい水道水を流し続けるのは難しいところ。

ここでは金剛山の湧水をくみ上げて鶏の飲み水に使っています。ミネラルが豊富な天然水を飲み放題だなんて、ちょっとうらやましいかも。

 

ポイント2:卵を大きくする餌を使わない

卵のS・M・Lサイズって、大体鶏の年齢に比例するんですって。卵を産み始めた時はSサイズ、徐々に大きな卵を産むようになって、最後はLLサイズの卵が産めるようになるんです。

ところがこれには裏技があって、餌に魚粉を多く与えると、大きなサイズの卵を若いうちから産めるんだとか。でも、そうすると生まれた卵は、臭いの気になる物になるそうです。

さしみ卵は、新鮮な状態で食べてもらうことを主眼として作った卵なので、この臭いを感じさせない餌を与えています。そのため、夏場など餌の食いが悪い時期はどうしても大きいサイズの卵が収穫できない事もあるそうです。

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ポイント3:一年に鶏全てに2度注射をし計8種類のワクチンを投与する

普通の養鶏場では、大きく育った鶏を仕入れて卵を生ませるのに対して、寺西養鶏場では鶏をヒヨコから育てています。その理由をききますと、自信をもって卵を売るには、それを生む鶏に自信がないといけないからとの答えでした。

どんな環境でどんな餌や水で育てられたかわからない鶏が生んだ卵を、自信をもって売ることは出来ないから。予防接種の漏れがあっては大変なので、ヒヨコから育て、一年に5200羽の鶏全てに2度注射をし、計8種類のワクチンを投与するんだそうです。 気が遠くなるような作業です。

 

ポイント4:クチクラ層を洗い流さない

卵は生まれた時には粘液に包まれています。これがクチクラ層と言って、卵を雑菌などから守っています。

生まれてすぐのクチクラ層は粘液ですから、ベルトコンベア等で卵を回収するとコンベアについたほこりや汚れがどうしてもついてしまいます。汚れているとクレーム対象にもなるので卵はほとんどが洗浄されるのですが、この時にクチクラ層は洗い流され、結果鮮度を失いやすくもなるようです。そのため、卵の回収は全部手作業なんですって。

 

こだわって生産された卵をどうやって食べたらおいしいか

さて、このままずーっとさしみ卵の話をしてもいいんですが、そうすると学習記事みたいになっちゃいますので、ここらで卵のおいしい食べ方をご紹介しましょう。

 

冷凍卵からのアレンジ

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憶良:手間をかけずに、誰でも簡単にできて、珍しくて、しかもおいしい食べ方を教えてください。(うーむ、我ながらなんて無茶な要求なんだ)

 

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奥様:(少しひきつった笑顔で)わ、わかりました。簡単でアレンジが効くのは冷凍卵ですね。一晩冷凍庫で凍らせた卵の殻をむいて、

 

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しばらく放置すると白身と黄身を分けられますので、

 

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黄身だけを漬け込んだら出来上がり。今回は市販のキムチの素に漬けて冷蔵庫に放っておきました。黄身が解凍されればOK、キムチ味卵の出来上がりです。味の濃さはお好みで、漬ける時間で調整してください。その時の気分で出汁醤油など、いろんなものに漬け込んでも楽しめると思います。

憶良:味の染み込んだ黄身を熱々のご飯にのせて! いいですね。

 

半熟スコッチエッグ

奥様:さらに冷凍卵の応用わざです。半熟スコッチエッグを作るのって難しいと思うんですが、冷凍卵を使うと簡単にできます。と、いう事でレシピを教えていただきました。写真は、家に帰った後レシピをもとに作ったものです。

 

材料(4人分)

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  • 冷凍卵        4個
  • ひき肉(合いびき)   400g
  • 玉ねぎ        1/2個
  • ★パン粉       大さじ3
  • ★牛乳        大さじ1
  • ★カレー粉(あれば) 大さじ1/2
  • ★ナツメグ(あれば) 少々
  • ★塩コショウ     少々
  • 小麦粉        適量
  • パン粉        適量
  • サラダ油       適量

 

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1.卵は殻のままジッパー付き保存袋に入れて12時間くらい凍らせ、冷凍卵を作る。

 

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2.流水にさらしながら殻をむき、しばらく放置して(レンジ解凍も可)白身と黄身に分ける。

 

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3.パン粉を牛乳につけておく。玉ねぎをみじん切りしてレンジ(500W)で2分加熱。玉ねぎが冷めたらひき肉と★の材料を混ぜ合わせる。

 

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4.3で出来た種を4等分してラップの上に薄くのばす。チーズと冷凍卵の黄身をのせて、丸く生成。

 

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5.白身を軽く混ぜ、4を小麦粉→白身→パン粉の順にまぶす。

 

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6.油で9~11分揚げる。

 

冷凍卵で作るタルタルソース

材料(6人分)

  • 冷凍卵     2個
  • 玉ねぎ     1/2個
  • ★塩コショウ  少々
  • ★マヨネーズ  大さじ3
  • ★乾燥パセリ  少々

 

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1.冷凍卵と水にさらした玉ねぎをみじん切りにする。

 

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2.耐熱皿に冷凍卵と玉ねぎを広げて並べ、レンジ(500W)で5分加熱する。

 

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3.2と★の材料を混ぜ合わせ、盛り付ける。

 

なるほど、冷凍卵という技を使うと、半熟卵も簡単に作れますね。卵をみじん切りに出来るのも面白い。

 

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出来上がりです。さて、タルタルをたっぷりと付けて食べてみました。

 

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タルタルソースがいい味出してます。写真撮影などで手間取ったため、黄身に火が入りすぎたようですが、出来てすぐ食べると、もっととろーりとした卵が楽しめたと思います。

 

でも、半熟卵入りの料理は、冷凍卵さえ覚えておけばお手の物ですね。

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最後にとんかつソースをちょっとかけてみました。これもおいしいです。

 

もちろん卵かけご飯もうまい

さて、さしみ卵を持ち帰り、いろいろとおいしい食べ方を考えてみました。何と言っても新鮮卵の食べ方の代表といえば卵かけご飯でしょう。

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まずはシンプルに、

 

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普通にかき混ぜて、醤油のみかけて食べます。普通の卵より、なんというか甘みを感じます。さすがは生まれたて! これだけでもおいしいっ! ノーマルにして王道のTKG(卵かけご飯)です。

 

卵白メレンゲTKG

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これもポピュラーだけど、ちょっと手間をかけたバージョン。

 

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一度卵白だけをご飯に混ぜ、メレンゲを作るイメージで泡立てます。そこに醤油をひとたらし。

 

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最後に卵黄をのせて、

 

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がさっとだけかき混ぜます。食べる場所によって黄身の濃淡が出るのでより黄身の味を感じながら食べられます。

 

温め卵TKG

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ちょっと火を入れる事で黄身の持つ甘みを引き出すTKG。お湯を沸かして、沸騰したら火を止めます。

 

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静かに卵を沈めます。

 

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新鮮生みたての卵は「ピチピチピチっ! じゅわ~っ」という音を立てて、殻から細かい泡が立ちます。そのまま2分ほど放置。

ちなみに温泉卵を作るならこのまま5~6分放置で出来ます。

 

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卵白に温泉卵風にゆるく火が通り、

 

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卵黄にはほんのり火が通り、甘みが増します。他にも、こうすればおいしいという、テクニックがあると思いますのでいろいろと楽しんでみるのもいいかと思います。

食べるラー油をかける、刻んだ塩こぶ+ごま油をひとたらし、塩で食べる、キューリのキューちゃんのつけ汁をかける、味付けのりで巻いて食べるなどなど、周りの人に聞いてみると、意外なこだわりが聞けて盛り上がるかも知れません。

 

ふわふわオムレツ

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今回はプレーンオムレツですが、ここからいろいろアレンジが出来ると思います。

 

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味付けにはマヨネーズと白だしを使いました。

 

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普通に混ぜます。まずは卵白で角が立つくらいしっかりとメレンゲを作ってから、なんて面倒なのは今回は無しです。

 

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油はほんの少し。マヨネーズが入っているので、あまりくっつきません。

 

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フライパンを熱々状態にして、強火のまま卵を入れて、

 

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箸でガサツにかき混ぜる事10秒。まだ卵は液状ですが、火を止めます。

 

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そのまま箸でまとめた様子。もちろんヘラで集めるとよりきれいになります。

 

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美しくないですが、強引にまとめて皿の上に。

 

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箸で割ってみると、

 

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これだけガサツに作ったにも関わらず、このとろとろさ。余熱だけでいい感じに火が通ってくれるので楽ちんです。

 

新鮮卵ならではの目玉焼き

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油は少なめ。油引きで引くことなく、フライパンを傾けて適当に油を広げると、フライパンに、適当にパラパラと塩を散らして、その真ん中あたりを目指して卵を投入。

 

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ふたもせず、弱火にします。白身のうち、水様卵白だけに火が通ったなと思ったら、

 

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濃厚卵白がに火が入らない状態で火を止めて完成。調味料はフライパンに直置きした塩のみ。濃厚卵白と卵黄は生の状態ではなく、柔らかく火が入っていて、なんとも言えないうまさ。今回いろいろ試したさしみ卵の食べ方で、一番、一般の卵と差が出たおいしい食べ方だと思いました。

 

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ちなみに市販の卵を使ったおいしい目玉焼きの作り方としては、ザルの上で優しく卵を割ると水様卵白だけがザルを通って捨てられるので、残った濃厚卵白と黄身を使って焼くという方法もあります。一度試してみてはどうでしょう。普通の目玉焼きよりも締まった味が楽しめます。

ちなみにさしみ卵では水様卵白さえもしっかりしてますので、水様卵白は一滴もザルを通りませんでした。水様卵白だけ火を通した目玉焼きをご飯にのせ、醤油をかけてTKGのようにかき混ぜてもおいしかったですよ。

 

最後に寺西養鶏場さんにインタビューしました。

 

憶良:ご主人自身は、どんな卵料理が好きですか。

ご主人:いやぁ、私は料理は全くしないので。普通の卵かけご飯が一番好きです。

憶良:結局はそこに行きつくのかもしれないですね。遠くから買いに来られる人も多いようですが。

ご主人:そうですね、関西圏の方は、テレビの影響もあって遠くからも買いに来られます。姫路市から、高速道路を使って卵をワンパック買うためだけに来た、という方もおられました。またすぐに、おいしかったのでと、今度は大量に買って帰られたのですが、大量に買っても食べきるまで時間がたつのはおすすめできません。

憶良:と、いうと?

ご主人:例えば買ってから3週間後に食べたら、もうさしみ卵とは言えないんだと思うんです。さしみ卵はやはり新鮮なうちに食べてこそだと思いますので。

憶良:そうですね。せっかくの新鮮卵ですものね。今日はありがとうございました。最後に何かメッセージをいただけますでしょうか。

ご主人:愛情をたっぷりと注いで育てた鶏が産んだ卵を、ぜひ一度ご賞味ください。

 

遠方の方は公式ウェブサイトから郵送での購入もできるようですのでチェックを。

 

※ 衛生管理には十分ご注意ください。新鮮なたまごを使い、冷凍卵解凍後はなるべく早く消費しましょう。

 

お店情報

寺西養鶏場

住所:大阪府富田林市別井1-5-6
電話番号:0721-23-6272
営業時間:10:00~16:00
定休日:無休

 

書いた人:憶良(おくら)

憶良(おくら)

ゲームプランナー、プロデューサー、CMディレクター、ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。日本で一番古いハンドルネーム、OKURAです。休日はよく温泉に行き、その道中では積極的に食べ歩いたり、行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込んで料理したりと、食に対してはかなり貪欲。「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に、悪いことを考える人はいない」という持論を持つ。

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