全員が幸せになるお店を作りたい。百食限定のステーキ丼専門店、佰食屋

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まいど憶良(おくら)です。

 

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※写真の価格は税抜です。

京都市は右京区にやって来ました。百食限定、昼のみ営業というスタイルのステーキ丼がおいしいお店です。

 

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※写真の価格は税抜です。

 

行列を消すチケット

この日は14時半にすべてのメニューが完売していました。と、言って常に行列が出来ているお店でもありません。

 

なぜ行列が出来ないのか、

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その秘密はこの整理券。

朝9時半から配り始める整理券には、戻り時間が書かれています。空いている中で、希望の時間を選んで戻ってくるというシステム。これによって、何時間も並び続けなくてもいいんです。

 

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9時半にすべての整理券がなくなるわけではなく、11時くらいまでに整理券を取りに来る方もいるようです。

 

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ただ、確実に食べたいと思うと早い時間に行くに越したことはないですね。

 

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もちろん訪問時に席が空いて入れば即入店可、という可能性もあります。

 

原価率48%!

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使われているのは高級黒毛和牛を父に持つ、国産牛のモモ肉。

 

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この塊肉から筋、脂、血管などをスタッフの手で切り分け、

 

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ステーキ肉の形にしていきます。

 

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実に丁寧なお肉の掃除(不要部分を取り除く工程)ですが、

 

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これを怠ると、おいしいステーキにはならないんです。

 

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お肉の端っこの方はステーキとして使えないという事で、そういうお肉は店内で

 

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ミンチにされて、

 

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ハンバーグの種になるんですが、それは後程。

 

ステーキ肉は常温に

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さてステーキの方ですが、常温に戻したお肉に塩と、

 

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胡椒を満遍なく振りかけて、

 

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丁寧に焼いていきます。

 

お肉は常温に戻してから焼かないと、おいしく焼けません。冷たい状態からだと、身が委縮した状態から焼かれるので焼き上がりも硬くなるというのがその理由です。

 

整理券によってお客さんの来る時間がわかっているので、適切なタイミングでお肉を無理なく常温に戻すことが出来るんです。

なるほど、行列の解消以外にこういうメリットもあるんですね。

 

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表、裏を焼いていきます。

 

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もう一つ大切なことは、お肉を休ませること。

 

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佰食屋では、お肉専用ベッドが用意されています。

焼いた時間と同じだけ休ませることで、ゆっくり、ゆっくりと火が通り、しっとりしたお肉に仕上がります。

 

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さて、お肉がお休みの間にどんぶりの準備が進んでいきます。

 

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ガスでふっくらと炊かれたご飯は山状に整えられます。

 

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これがご飯とお肉を相性ばっちりにしてくれる魔法の液体。

玉ねぎとニンニクの香りを移したオイルです。

 

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次にご飯の山に降り注ぐのは、こだわり醤油とこだわりワインを使った、他所では味わえないステーキ丼のたれ。これがうまいんです。

 

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さらにその山肌を覆う勢いで、オニオンフライが。

 

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最後にパラパラと三つ葉がまかれて、あとはお肉を待ちます。

 

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十分休んだお肉は、

 

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薄切りに。

 

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切っている途中で、お肉チラ見せ。

 

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3枚くらいずつ

 

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山肌にのせていきます。

 

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見てください、このしっとり感。

 

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さぁ、最後の1枚までのせると、

 

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先ほどと同じステーキ丼のタレの、ちょっと粘度の高いバージョンを回しかけて、

 

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「国産牛ステーキ丼」(1,080円)堂々の完成です。

 

そのお肉はしっとり柔らかく、

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どうしても最初はお肉だけ食べてみたい。

うーん、おいしい、柔らかい! そしてこのタレが抜群にうまい!

甘いタレではないんです。醤油のコクを感じるタレです。

 

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お次はご飯をお肉で巻いて。

 

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さらにスプーンにのっけて。

 

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テーブルに配置されていたフライドガーリックチップをパラパラと。

 

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このガーリックチップがまたおいしい。パクパクと、あっという間に完食です。

 

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こちらは「国産牛おろしポン酢ステーキ定食」(1,188円)。

 

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うっ、美しいっ。

 

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やっぱり最初の一枚はそのままたべます。

うーん、ぜいたくな感じ。

 

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次は、大根おろしに

 

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自家製のポン酢をかけた

 

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おろしポン酢をのせまして、

 

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これをお肉でくるんと巻きます。

うまい、これもうまい。

ご飯とお肉の一体感があるステーキ丼と、おろしポン酢で食べるお肉とご飯をセパレートで食べられる定食、どちらも試す価値ありだと思います。

 

限定20食の国産牛100%ハンバーグ定食

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このお肉で作ったハンバーグはおいしいだろうなぁ、というお客さんの声で生まれた「ハンバーグ定食」(1,080円)は限定20食。

 

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このオリジナルソースも、もちろん他所では味わえない特別な味。

 

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さて、その中身は……。

 

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お箸で割っても、

 

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即座に肉汁はあふれ出しません。

 

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口の中2~3回かむと、肉汁より肉の味そのものを感じる仕上がり。

 

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パン粉の代わりにお麩(ふ)を使うなど、これもこだわりの詰まった一品。このハンバーグのファンが多いというのも分かるように思います。

 

メニューも少なく、百食限定

なんとお店の全メニューを制覇という偉業を達成! と言いたいところですが、元々メニューは3種類のみ。

実はその3種類も、最初から想定していたものではなかったのだと言います。

 

憶良:すべておいしかったです。3つのメニューのうち、一番自信があるのは……

オーナーさん:ステーキ丼です。

憶良:おおっ、答えがはやい。

オーナーさん:それほど、ぶっちぎりでステーキ丼です。だって、看板を見てもらうとわかっていただけると思うのですが、元々ステーキ丼専門でやるつもりでしたから。最初はメニューも1種類のみだったんですが、プレオープン時に「ご飯とお肉を分けて食べたい」「このお肉で作ったハンバーグを食べたい」というお言葉を頂戴しまして、メニューを3種類にしました。

 

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憶良:でも、メニュー数が少ないと不安ではないですか。

オーナーさん:いえいえ、逆です。自信のある物しか作れないですから。自信のないメニューを増やした方が、逆に不安になると思います。

 

百食限定というスタイル

憶良:百食売り切り終了というスタイルも珍しいですよね。

オーナーさん:これはお店のコンセプトにも通じるところなんですが、飲食店って労働時間が長くなりがちなんですよ。ともすればブラック企業になりやすい業界だと思うんですが、私が作りたいお店は、きっちりと無理なく残業なしに帰ることが出来る飲食店なんです。百食と数が決まっていて、お客様の来る時間も整理券で決まっていて、段取りもそれによって決まるので、その分余裕をもって働くことができます。無理なく働くことによって笑顔も出ますし、気配りも出来るようなる、そうするとお客様にも喜んでいただけるなど、いい事ばかりになります。百食限定なので仕入れたお肉を明日に持ち越す事もないですし、毎日冷蔵庫は空になるので、毎日隅々まで掃除も出来るんですよ。

 

元々散歩をしながら、将来こんなことをしたいね、と夫婦で話をしていた中で生まれた佰食屋。自信のある物だけを作って、それを食べに全国から毎日100人の人が集まる、お客さんも、スタッフも、みんなが幸せになれるお店。

このステーキ丼も、元々は料理好きの旦那さんが、オーナーである奥さんのために作ったスペシャルメニューだったそうです。

 

高級外車を買って事故ったと思って

憶良:でも実際お金をかけてお店を構えると、限定100食とか、メニューが少ないのって、やっぱり不安にならないですか。

オーナーさん:そうですが、それを心配しても仕方ないですし、売り上げが心配で暗くなるよりは、最初に準備したお金がなくなったらきっぱりと1年くらいで見切りをつけて、お店をたたもうと決めてスタートしたんです。1年たってだめなら、具体的にこうやって稼いで食べていく、という事まで決めて。お店を作るためのお金も、高級外車を買ってすぐに廃車にしちゃった、と思えば諦めもつくかなって。

憶良:気持ちがいいほどの思い切りの良さですね。なかなかそんな割り切りはできそうにないです。

オーナーさん:死ぬ前に同じくらいの貯金を残して、あぁ、あの時やっときゃよかった、なんて思うのは嫌ですから。

憶良:それにしても、1,000円ちょっとでこの味って、すごいですよね。

オーナーさん:うちは宣伝費にかけるお金も食材に突っ込んでますから。ですから、おいしいと思っていただけるお客様が少ないと成り立たないんです。リピートしていただいたり、お友達を連れてきていただいたり、SNSで評価をいただいたりがあってこそ成り立つやり方だと思います。

 

憶良:確かにお肉もいいものを使って、また丁寧な下処理も感動モノですね。

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オーナーさん:一流ホテルが使うような、精肉店より鮮度がいいお肉と、こだわり過ぎるくらいの材料を使って調理して、それを低価格で出すというのがお店としてのこだわりです。ですので、あまりもうかりません。会社がつぶれなければ良し、くらいに考えています。

憶良:細かいところまで、例えばお味噌汁なんかも、こだわってますよね。

オーナーさん:そうなんです。しっかりと出汁をとって、京都の名工にも選ばれた片山商店のお味噌を使ってます。どのお味噌を使うか、利き味噌みたいに試した結果、「これはおいしい」と思ったのは大吟醸というお味噌。せっかくなんでこれを使おうと決めました。でも、高いんです。いや、もう、焦るほどというか、メッチャ高い。

憶良:それが50円だと、

オーナーさん:はい、採算は合いません。でも、おいしいものを提供したいのでいいかと。そのために、お客さんにも協力していただいていますので。

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憶良:整理券のことですね。

オーナーさん:後、食事時間も、30分程度でお願いしています。これに関しては日本のお客様だけでなく、外国のお客様にも協力していただいてますが、大きな混乱もなく大体予定時間に食べていただけていますし、そのおかげでこのお店のシステムが成り立っていますので、本当にお客様に感謝です。

 

一代限りのお店です

憶良:こだわりの塊のようなお店ですが、その中でも、一番のこだわりは何でしょう。

オーナーさん:あえて言うならステーキ丼のタレでしょうか。使われているのは、超大手の醤油メーカーの本社に直接「こういう醤油が欲しいんです」とお願いして、作ってもらったお醤油と、産地など細かい指定をして買うワイン。この2つをメインとして、秘密のレシピで作っています。これはもう、どんな取材でも明かしていない絶対の秘密です。

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憶良:では、もしお子さんがお店を継ぎたいから教えてと言うと?

オーナーさん:いや、やっぱり秘密です。

憶良:ええっ! じゃあ、この一代限りでお店は……。

オーナーさん:はい、なくなります。

憶良:なんとっ! では、お店がなくなる前に食べないと、ですね。最後に、この記事を読んでいただいている方へのメッセージをお願いします。

オーナーさん:「ホテルの一流シェフや、三ツ星料理人が作る料理を1,000円で食べられるお店」を目指して頑張っています。お客様には食を通して幸せを感じていただきたいですし、私たちスタッフも、お客様の笑顔やお言葉で幸せになります。ですので、このお店で幸せのおすそ分けのし合いをしましょう。

 

終始笑顔と笑い声が絶えない店内で、元気いっぱいのオーナーさんに元気のおすそ分けをいただいて帰途につきました。

 

お店情報

佰食屋

住所:京都京都市右京区西院矢掛町21 シュール西院 1F
電話番号:075-322-8500
営業時間:11:00~14:30
※テイクアウトのみ、夕方17時~17時30分の間もお渡し可
★テイクアウトは電話にてご予約可★
定休日:水曜日

www.hotpepper.jp

 

書いた人:憶良(おくら)

憶良(おくら)

ゲームプランナー、プロデューサー、CMディレクター、ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。日本で一番古いハンドルネーム、OKURAです。休日はよく温泉に行き、その道中では積極的に食べ歩いたり、行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込んで料理したりと、食に対してはかなり貪欲。「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に、悪いことを考える人はいない」という持論を持つ。

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